海外事情・旅行流通

 

フォーカスライトJapanでは、PhocusWire Daily (phocuswire.com) の毎日のニュース

意訳して、毎週 月曜日更新の「海外事情」に掲載しています。

「海外事情」は、この他に TD 勉強会( www.e-tdb.com )と、その一部を 

トラベルジャーナル(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD / 海外事情」にも

掲載しています。 

 

2020年以前の「海外事情」は、TD 勉強会 www.e-tdb.com のアーカイブにて 

ご覧になれます。TD = Travel Distributionの略です。)

 

 

TD海外事情 19日号

 

2023年を占う記事が多かった。旅行会社の幹部たちは以下のようなコメントをしている

(「7. 2023年の業界トップの予想」)。

曰く; デジタル決済が主流、旅行者のウエルビーイングと持続可能性が旅行のトレンド、人手不足にロボットが対応、エアーより鉄道、NFTを絡めたクリエイティブなロイヤルティプログラム、国内旅行が増加、スローノマドの長期滞在と環境配慮・・・など。

 

「8注目すべき2023年のテックトレンド」は、エンベデッドファイナンス(組込型金融)、通貨のボラティリティ管理、バイオメトリックス認証、CDBC(中央銀行デジタル通貨)とステーブルコインをあげる。

旅行業でも、フィンテックが花盛りだ。note.comは、「エンベデッドファイナンスの進化によって、いわゆる「金融業界」という概念が存在しなくなる可能性が高い」と言っている。IoTの世界は、何もが繋がるので、業祭の垣根をトコトン低くしてしまうようだ。旅行業だって、その例外ではないだろう。

 

「4.(TJ) 米国アプリ、BKMG, EXPE, Vrbo伸長」の2022年の米国トップ10アプリでは、Booking.com1,710万ダウンロード)が第5位で、Expediaの第7位より上位にランキングされているが、これには注意が必要である。

Expediaの姉妹ブランドのVrboを含めると、Expedia Groupは合計3,340万ダウンロードとなり、Booking.com2倍近くも上回る。Expediaの米国シェアは、Booking.comを圧倒的に上回る。

ところが、世界のトップ10アプリでは、Booking.com8,000万)が第3位にランキングされている。Expedia2,700万)は番外となって、Bookingのダウンロードの半分以下となる、Booking.comの世界シェアは、Expediaを圧倒的に上回る。(ここではVrboなどの姉妹サイトの数を含めていないが、Booking.comの世界シェアの圧倒的強さは変わらないと思われる。)

(編集人)

 

 

目次

1. (TJ) RateGainAdara買収                                           閲覧第5位

2 (TJ) 新興企業の舞台:サステナ旅行のBookSmart24

3. (TJ) 法人旅行鉄道利用、サステナと事業継続に不可欠

4. (TJ) 米国アプリ、BKMG, EXPE, Vrbo伸長                   閲覧第5位

    (TJ) = トラベルジャーナル 130日号をご覧ください。

 

5. 連載小説「XYZ・コム」Hの悩み(第26話)

6. TMCの自動化と人的支援ブレンド方法

7. 2023年の業界トップの予想                                          閲覧第1

8. 注目すべき2023年のテックトレンド                           閲覧第2

9. 近代的ホテルテックと収益戦略の主要要素

10. IN THE BIG CHAIRSam Jain, Fareportal               閲覧第3位

11. 旅行会社の将来の激変への最善の備え                      閲覧第4位

 

 

5. 連載小説「XYZ・コム」Hの悩み(第26話)

Hは、成田空港から予約していたUberハイヤーを利用した。トヨタのアルファードの快適な広い座席に深々と座り、日経新聞電子版に登録してある「MYニュース」を開いた。「MYニュース」とは、自分が登録したキーワードに関連するすべての記事を、リストしてくれる日経のサービスだ。

 

そこには、ITテック企業の人員削減に関する記事が多く掲載されていた。

アマゾンは当初発表数値をほぼ倍増させた18,000人を、メタは全体の13%に当たる1.1万人をレイオフすると言う。

日経以外のメディアを検索すると、ツイッターでは既に社員の半数に相当する約3,700人がレイオフされ、グーグルでは近いうちに1万人規模のレイオフの可能性があるという。GAFAをはじめとするグローバルIT巨人たちは、想定を上回るペースでリストラに着手しているようだ。

 

MYニュースの中のOpinion「進撃止まるITの巨人」題する記事にも、GAFAの成長が止まり出したと書いてある。その原因は、① 市場の飽和と、② 個人情報規制、それに③世界経済の低迷だそうだ。

アマゾンネット通販は開始から27年過ぎ、グーグルは創業24年間ネット広告に依存し、アップルのiPhoneですら15年が経つので、市場が飽和状態となり出したと言っている。プロダクトライフサイク(PLC)の3番目の成熟期に入りつつあると言うことなのだろう。

個人情報規制を強化している米国やEUでは、サードパーティー クッキーの利用が禁止されつつある。そうなれば追跡型広告のリターゲッティングもできなくなり、ネット広告の減収インパクトがさらに大きくなると言われている。グーグルクロームは、2024年にサードパーティクッキー支援を終了する予定だ。

 

もう一つの記事「Amazonも『S字カーブ』か 指数関数で育つ企業作れ」も、GAFAは、どんな市場にも成長の限界はあることを示す法則の一つ「S字カーブ」曲線の局面に来たのかもしれないと言っている。

また「アップル時価総額2兆ドル割れ」は、過去1年で時価総額が約1兆ドル消失したと伝える。

 

株価は過去1年間で、アルファベット(グーグル親会社)▲35.7%、アップル▲24.7%、フェイウスブック(現メタ)▲60.3%、アマゾン▲48.0%、アイクロソフト▲28.4%と、S&P 500銘柄の▲16.7%を下回り軒並み値を大きく下げる。ツイッターは、イーロン・マスクの買収完了を受けて、昨年113日付きで上場を廃止した。

日経は、市場支配力と富が巨大IT企業に集中する世界の産業秩序が転換期に入った可能性があり、潮目が変わろうとしていると書く。

 

Hは、GAFAの成長鈍化をさらに推し進める要素には、Web3も入ってくるのではだろうかと考えた。そうではなくて、むしろIT巨人たちがWeb3をも取り込んで、再び指数関数的成長軌道に復帰するV字カーブとなるのだろうか?

米旅行業界誌PhocuswireWeb3の記事を思い出したHは、それらの記事を読んでWeb3を以下のように理解している。

 

Web3とは、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術を使った次世代のインターネットである。ここでは中央集権的な情報管理から離れて、個人が自分の個人情報を、自分自身で安全に保護し、しかも主体的に管理することができる世界がやってくると言われている。つまり、この技術を使えば、中央集権的に情報を半ば独占してきたIT巨人たちから、情報の管理権を奪還することができることになるというのだ。分散型台帳技術は、「データの改竄リスクが低い」「取引の透明性が高い」「情報流出のリスクが低い」などのメリットを持つと言われている。

 

1990年代のインターネット黎明期は、インターネットに公開された情報を一方的に受け取るだけの「読み取り専用」Web、すなわちWeb1の時代であった。ユーザーは情報を読むことができたが、それ以上のことはできなかった。取り扱うコンテンツはテキストと画像が中心だった。

 

2000年代初頭、「参加型のWeb」のWeb2になった。FacebookInstagramTwitterなどのソーシャル ネットワーク(SNS)が登場し、ユーザーはパーソナライズされたコンテンツに慣れ、インターネットを積極的に利用して独自のコンテンツを作成できるようになった。ここでのコンテンツはテキストから、画像や映像が中心となった。

情報のやり取りが飛躍的に容易簡便になった結果、その量が幾何学級数的に増加した。そしてインターネットを通じて集めた大量の情報、すなわちビッグデータをいち早く分析して活用する一握りのIT巨人を誕生させた。

この頃、旅行業界ではPriceline, Orbitz, TravelocityなどのOTATripadvisorなどのレビューサイトが誕生した。Web2に対応したTravel 2の登場だ。

 

Web2によって、誰でも使えるようになった情報の民主化は、人々に大きなメリットをもたらした。しかしその反面、主にインターネットの匿名性が、SNSによる世論の煽動、個人の誹謗中傷、フェイクニュースの拡散、炎上嫌がらせなどのさまざまな社会問題を引き起こしている。検索エンジンには引っかからないダークWebやディープWebで、犯罪目的または違法コンテンツのWebサイトが暗躍する負の世界も作り出している。

Web2に変わってやって来るWeb3は、今までのインターネットの世界からはガラッと変わって、Web2が引き起こしている諸問題を解決すると期待されている。

 

Hは、Web3について頭では何とか理解しているのだが・・・、今一つピンと来ていない。確かなユースケースがまだ見当たらないからだ。大手ビットコインのFTXの破綻も、HにとってはWeb3の将来の懸念材料となっている。

Web3を理解するには、現在我々が知っているインターネットのイメージから自分自身を切り離す必要がある(Phocuswire)そうだが・・・、Hは、なかなかそう出来ない。

 

事実上社会のインフラとなっているIT巨人のビジネスが、Web3では消滅するなんてことが本当に起こるのだろうか?

同じくWeb2によって登場したOTAは、Web3では一体どうなってしまうのだろうか?

 

Web3では、P2Pの分散型ネットワークとなって、中央集権型の企業を排除できると言われている。SNSなどの中央集権的な組織を使わずとも、複数の個人と個人(ピアツーピア)のネットワークが相互に直接繋がって、情報をやり取りする時代になるそうだ。情報の匿名性が引き起こす問題も、情報源の特定と追跡が可能となる結果、ある程度は緩和されるだろう。

 

また、仲介業のような流通業者ミドルマンは不要になるとも言われている。これは、Web2によって登場したOTAが、伝統的旅行会社(TTA)を駆逐するという話とまるでそっくりだ。TTAの「中抜き」予想は見事に外れたが、今度のWeb3P2Pによる中抜きの予想は当たるのだろうか?

TTAに限っていえば、サプライヤーが旅行需要の閑散期の在庫の捌け口として利用する限り、旅行者が複数のサプライヤーの価格比較を希望する限り、このミドルマンのビジネスモデルはシッカリ生き残っているのが現実だ。そうであれば、Web3となってもOTAのビジネスモデルは継続できると考えて良いのだろうか?

そもそもWeb1Web2Web3のタイムラインは、Travel 1Travel 2Travel 3に同期するのだろうか。

 

PhocuswireWeb3の記事では、旅行業界の数々の利用メリットを並べる。

コストを削減し、競争上の優位性を高めることができる、

パーソナライズされたロイヤルティ プログラムが作れる、

支払いおよび決済ソリューションによるコストを削減できる、

情報の提供と交換が簡素化される、

CO2排出削減取引の監視と報告に役立つ・・・と。

 

Hの頭は、すっかり堂々巡りしてしまって、ちっともまとまらない。

そういえば、Y部長が言っていたっけ。「とにかくコンテンツが重要だ」って。「何が起ころうとも、誰にも負けないコンテンツさえあれば生き残れる」って。

「だから、サプライヤーと旅行者をマッチングさせるプラットフォームのビジネスモデルを、自らが旅行商品を造成するクリエータにしなければならない」って。

それは、先の三金会で決定したコンテンツの強化策により、XYZ・コムでもパッケージ(PKG)ツアーの造成に乗り出すことを決定したことと符合する。旅行者自らがツアー組み立てるダイナミックPKGの「XYZダイナミック」と、出発日と旅程が決められた従来型PKGの「XYZプレミアム」を販売することになっている。

 

トヨタのアルファードは、東京駅にまもなく到着する。そこから横須賀線に乗り換える。

Hは、七里ヶ浜の自宅に着くのは午後3時ごろとなるとLINEで妻に連絡した。

(続く)

 

6. TMCの自動化と人的支援ブレンド方法

旅行管理会社(TMC)にとって、熟練した旅行カウンセラーの必要性はかつてないほど高まっている。なぜなら、彼らはパンデミック中に退職した熟練労働者の喪失に対処していると同時に、サポートとサービスの必要性が高まっているからだ。

CWTのエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高成長責任者であるBelinda Hindmarshと、Flight Centre Groupの最高経験責任者であるJohn Morhousは、The Phocuswright Conferenceで開催された「エグゼクティブ パネル: (Un)usual Business」で、ビジネス旅行セクターが直面しているこれらの課題やその他の課題について話し合った。「旅行はますます複雑になっている。安全とセキュリティに対するニーズはますます高まっている」とHindmarsは言う。

Morhousは、「出張旅行はより複雑になってきている。安全・安心へのニーズが高まっているのだ」と言う。彼は「飛行機がキャンセルされ、自分の街に戻る最後の便で、3日間出張していたときのこと」を考えているという。「チャットボットとは話したくない。あなたは実際にあなたのために何かをしてくれる人と話したいのだ」とMorhousは言う。彼は、旅行コンサルタントのルネッサンス“とも言われ、顧客が期待するレベルの共感や専門知識を提供できる人材への高い需要を目の当たりにしている。同時に、Morhousによると、Flight Center Travel Groupは、主に自動化のイノベーションのおかげで、パンデミック前のスタッフの60  70%2019年のレベルを超えて取引を行っているという。

「私たちがプロジェクトに着手し、新製品を市場に投入し、拡張機能を構築するとき、私たちが取り組んでいることの多くは、人間的要素とロボット的要素のバランスをとるために、その統合が最もうまく機能する場所を非常に具体的に見つけようとしている」と彼は付け加える。

持続可能性(sustainability)も重要な問題である。Hindmarshによると、大企業は目標を設定している。CWTは、高度な分析を使用し、“情報に基づいた意思決定をPOSで行う” 機能を組み込むことで大企業を支援する。3月、CWTは炭素排出データをプラットフォームに統合した。「私たちの考え方は、彼らが教育の部分だけでなく、目標を測定し、目標に到達することの両方を支援することである」と彼女は言う。意志はそこにある、とHindmarshは付け加える。CWTの顧客を対象とした最近の調査では、3分の2が、パンデミック前よりも今の方が、持続可能性が重要であると述べている。Phocuswrightのリサーチおよび製品戦略担当シニア バイス プレジデントでモデレーターのCharuta Fadnisとのディスカッションの全文を以下でご覧ください。

(1/03 https://www.phocuswire.com/business-travel-sector-blends-automation-with-human?utm_source=eNL&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=7798E1381467C7B )

 

7. 2023年の業界トップの予想

経済的な逆風が続く中、旅行会社はテクノロジーの活用を強化し、顧客体験を向上させることに注力するだろう。また、旅行者は、コスト削減と環境に優しいという理由から、可能な限り鉄道を利用して移動することが多くなるだろう。

これらは、旅行業界のリーダーたちがPhocusWireと共有した多くの予測のうちの2つである。今後12ヶ月の間に起こるだろう新たな展開については、以下ご覧ください。

Visaマーチャントセールス&アクワイアリング部門グローバルヘッド、Jeni Mundy

国境を越えた旅行が増え続ける中、両替や現金を引き出すために最寄りのATMを探し回ることを避けたい旅行者にとっては、デジタル決済が主流になるだろう。Visaが米国の成人を対象に行った調査によると、2022年のホリデーシーズンに海外旅行をする際、成人の33%が旅行中に主にデジタル決済を利用する予定であり、42%が現地通貨とデジタル決済を組み合わせて利用するつもりであることが分かった。今後、多通貨ウォレットや為替レートのリアルタイム通知など、デジタルファーストの決済ソリューションを手にして到着した旅行者は、すぐに行動を開始できるようになるだろう。

CWTのチーフ・グロース・オフィサー、Belinda Hindmarsh

今年も信じられないほど不安定な1年であったが、世界は10億人以上の人口を抱える中国の国境開放を心待ちにしている。検疫規制の緩和と潜在的な旅行需要により、来年はこの国からの旅行が急増することが予想される。パンデミック時に多くの熟練したホスピタリティ従業員が業界を去ったため、人材を引き付け、維持し、旅行とホスピタリティが長期的なキャリアを期待できる分野であることを示すために、やるべきことがある。役割を果たすだけでは十分ではない。従業員の訓練とスキルアップを確実に行い、失われた豊富な知識を再構築するためには、時間と投資が必要なのだ。旅行者のウェルビーイング、持続可能性、旅行のトレンドは、大規模な旅行プログラムの最前線に政策を強制している。出張の量と支出を予測し、組織の出張の二酸化炭素排出量を理解し、出張者の透明性、柔軟性、コンテンツの選択肢を確保することができるため、出張管理者の役割はこれまで以上に困難なものとなっている。

Verizonホスピタリティ&リテールマーケティング戦略リードDavid Naumann

ルームサービスやデリバリーの形で、ロボットの利用が増えることを期待する。ホスピタリティ業界は労働力不足に直面しており、ロボットのようなテクノロジーは、顧客とのギャップをシームレスに埋めるのに役立つ。また今年は、新しいデバイスやソフトウェアによる帯域需要(bandwidth demand)の増加により、ホテルのネットワークにますます負担がかかるだろう。多くのホテルでは、こうした需要に対応するため、ネットワークのアップグレードが必要になっている。5Gにアップグレードすることで、ユーザーはより高速で、より広い帯域幅、低遅延、より優れたリアルタイム接続を得ることができる。

TripActionsヨーロッパ担当ジェネラルマネージャーMichael Riegel 

マクロ経済的な圧力により、鉄道システムが提供するアクセスの良さと手頃な価格により、欧州大陸では短距離の航空機による旅行から継続的に移行することが予想される。EU全域で鉄道サービスが向上していることに加え、短距離フライトの廃止を求める声が高まっていることもあり、観光客や居住者がビジネスや個人旅行で、より持続可能な旅行方法である鉄道を選ぶようになることが予想される。このような需要に対応し、旅行者により効率的な体験を提供するため、EUの鉄道システムは、より先進的な技術ソリューションを統合することになる。EUの組織は、2023年に持続可能な航空燃料(SAF)を卸売りで購入できるようになることを利用し、業界の排出量目標を達成することになる。過去20年間に電気自動車が急速に普及したように、SAFは排出量を相殺する効果的な代替手段として、企業の旅行業界で急速に普及すると思われる。

Dtravelのデマンドグロース部門責任者、Cynthia Huang

不動産オーナーは売却を遅らせ、オンライン旅行代理店に物件を掲載して収益を得ようとするため、短期レンタルの供給が増加する。同時に、旅行者はインフレやレイオフにより2023年の旅行計画を縮小または完全に排除し、需要を減少させる可能性がある。ホストはこのギャップを埋めるために、地域のOTAや長期レンタルプラットフォームへの掲載、直接予約の増加、新しい需要チャネルの開拓などが必要になる。旅行のコモディティ化が進む中、バケーションや短期賃貸の業界では、不動産オーナーやマネージャーが複数のプラットフォームにクロスリスティングしており、事業者はユニークで報酬の高いロイヤルティプログラムで差別化を図りたいと考えている。スターバックス、レディット、ナイキなどの大手ブランドがNFTをビジネスに取り入れていることから、消費者は自分が関わるブランドに対して、NFTを絡めたクリエイティブなロイヤリティプログラムを期待するようになるだろう。これを実行する旅行会社は、より多くのミレニアル世代やZ世代の旅行者を惹きつけることだろう。

ジェットブルー・ベンチャーズ社長、Amy Burr

ベンチャーキャピタル業界を見ると、2021年や2022年初頭に見られた高値から、評価額の正常化が進むと思う。ここ数年の市場変動の影響でバリュエーションが過大に膨らんでいたため、この正常化は業界にとってプラスに働くだろう。多くの企業は、キャッシュポジションを補強するために、可能な限り資金調達を継続すると思われる。しかし、資金調達が不可能な場合、企業はボラティリティに対抗するための十分な資金を確保するための措置を取り続けると思われる。ベンチャー・キャピタル(VC)とコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)については、投資家の資金と関心は十分あるようで、この強い関心は来年も続くと思われる。また、2022年にはいくつかの新しいCVCが誕生しており、これは2023年もコーポレートベンチャーキャピタルが人気を維持することを意味していると思う。

Hostfullyの共同創業者兼CEOMargot Schmorak

2023年に成長を目指すバケーションレンタル企業は、競争が激化する中で成長を維持するために、複数の戦術を駆使する必要がある。ポートフォリオを拡大するために、新しい不動産オーナーを惹きつけるための巧みなマーケティングが行われるようになると予想される。旅行者側の成長は、価格下落の圧力があるため、さらに困難となるだろう。オペレーターは、アメニティや立地、ホスピタリティの質といった差別化要素に傾注し、新たなゲストを惹きつける必要があるだろう。

Omio社コーポレート・コミュニケーション・シニア・マネージャー Emily McDonnel

コスト上昇に伴い、国内旅行の頻度が増えることは、旅行者の行動において永続的な変化となると予測している。これに関連して、旅行者が短時間で旅行をするようになり、鉄道のチケット代が2019年から上昇していないため、2023年には鉄道旅行がブームになると考えている。さらに、旅行の選択肢を提供するデジタル製品の増加は、鉄道の時刻表、チケットの種類、乗り継ぎに関するわかりやすい情報を旅行者に提供することで、このシフトを後押しすることになるだろう。

FetcherrCEORoy Cohen

“エアコマース(air commerce)” が業界を席巻し始めるだろう。商品SKUsと同じ技術を使い、航空会社は路線、曜日、時間帯でフライトの価格を決めるのではなく、ユニバーサルSKUsで旅行商品(座席、付帯商品、その他の外部商品)の価格を決めるようになる。これにより、消費者はより簡単に、完全な旅行価格を価値に基づいて直接比較することができるようになる。

[ SKUはストックキーピングユニット(Stock keeping Unit)の略。在庫管理上の最小の品目数を数える単位を表している。]

HostawayCEOMarcus Räder

VacasaSonderIPOが期待はずれだったことから、2023年に不動産管理会社(property management)が上場するのはリスクが高いと自信を持って言える。その代わり、B2Bトラベルへの投資の流れが続くだろう。今年、テクノロジー分野で多くの買収が発表されたが、規模の経済が働くため、これは2023年も引き続き魅力的となるだろう。ここ数年、Z世代向けのHopperや高級志向の旅行者向けのMarriottなどのように、特定のニッチをターゲットにしたOTAの立ち上げが成功しているが、OTAの立ち上げに必要な多額の資本と高いマーケティングコストは、2023年に新たに登場するブランドの足かせになると思われる。その代わり、予約と在庫の市場シェアをめぐる既存のOTA間の競争は著しく激化するだろう。不動産管理業者との直接予約は、今後も市場シェアを伸ばしていくだろう。

Boostly創業者Mark Simpson

2023年は "スロマド(slomad "の年になる。スロマドは、デジタルノマドと同じような働き方だが、より長くその場所に滞在する。また、環境への意識も高く、飛行機ではなくバスで移動するなど、二酸化炭素排出量や化石資源の痕跡を減らすためにゆっくりとした移動をする。不動産管理会社やホストファミリーは、このトレンドが本格化するにつれ、長期予約がさらに増加する可能性がある。

Virdee社共同設立者、 Nadav Cornberg

ホスピタリティ業界は、デジタルエクスペリエンスの進歩という点で、長年航空会社に遅れをとってきたが、ホテルではスタッフの雇用と維持が急務となっており、2023年には大きなキャッチアップが行われるだろう。チェックインからサービス購入、ロイヤルティプログラムに至るまで、これまでホテルでは見られなかったデジタルID認証の利用が増え、モバイルテクノロジーが例外ではなく標準になることを期待する。

ホスピタリティコンサルタント・戦略家 、Max Starkov

2023年には、旅行する人の数は減るだろう。旅行する人はより少なくなり、低カテゴリーのホテル、短い旅行、自宅から近い目的地を選ぶようになる。ホスピタリティ業界では、オートメーションがビジネスの主流になるだろう。私は、ホスピタリティ業界が非接触・無人・DIYサービスの採用を加速し、自動化への技術投資を増加させなければならない2つのマクロ社会経済要因があると考えている。ホスピタリティ業界の人手不足(2022年第4四半期の旅行、ホスピタリティ、レジャー分野の空求人150万件)とテクノロジーに精通した新しい旅行消費者の台頭だ。4つ星や5つ星のホテルは、「人間がゲストに接するファサード」を保ちつつ、バックエンド業務をすべて自動化し、スマートなゲストコミュニケーションを可能にし、顧客とのあらゆるタッチポイントを自動化しパーソナライズすることができる。

ホテルベッド

ホテルはリアルタイムのデータにアクセスすることで、スタッフの増員やスリム化を行う必要がある。リアルタイムの客室稼働率データは、清掃スタッフの生産性を向上させ、どの部屋からサービスを開始すべきかの優先順位を決めるのに役立つ。QRコードやデジタルメニューは、料理などの注文をシームレスにするだけでなく、紙を減らすことで環境にも良い影響を与える。フィンテック製品の認知度や採用率が高まるにつれ、旅行者は価格を固定し、安心感を得るためのオプションをますます期待するようになる。それを提供する旅行会社は、今後、より繁栄する可能性が高い。

Traveltech for Scotlandのディレクター、Joshua Ryan-Saha

気候危機の影響が見え始め、感じられるようになると、低炭素の代替交通手段に対する顧客の要求が高まり、旅行会社やホスピタリティ企業がグリーン認証について透明性を確保するようになるだろう。トラベルテックの起業家たちは、気候変動に配慮した旅行体験を簡単に選択できる旅行サービスを提供することの価値を認識するようになるだろう。電気自動車に適した風光明媚な旅行ルートの作成であれ、飛行機を使わない旅程の開発であれ、気候変動に敏感な顧客は、お金を稼ぐことができ、炭素を節約することができる。2023年は旅行メタバースの年ではないが、旅行におけるブロックチェーン・アプリケーションの成熟度が高まる可能性がある。FTXの終焉をめぐる騒動が続いているが、ブロックチェーンベースのトランザクションによって実現される機能のいくつかは、より具体的に有用であると感じられる。イベントチケットの再販売でホストが来場者を把握しつつ、追加販売分の分け前を得ることや、世界最高級スコッチの真贋判定、ディスカバリートレイルで特定の場所にいることを確認できるツアー運営など、ブロックチェーンアプリケーションを実際の旅行環境に導入する時代が到来している。

PACE Dimensionsのマネージングディレクター兼創業者、Tim Davis

不確実な時代であっても、需要のパターンがどのように変化しているかを理解し、可能性のある計画を立て、さまざまな需要シナリオが展開されたときに機敏に適応するために、よく考えられた「商業プレイブック」を開発する企業は、一般市場のトレンドを凌駕することができる。すべての旅行先とオペレーターにとって、体験と持続可能性に焦点を当てることは、魅力を高めるための鍵となる。より倫理的なブランドを利用しようとする消費者心理の変化は、関連性を保ち、将来を見据える必要性を理解している企業にとって、真の推進力となるだろう。

(1/03 https://www.phocuswire.com/top-travel-industry-predictions-2023?utm_source=eNL&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=7798E1381467C7B )

 

8. 注目すべき2023年のテックトレンド

旅行は今年も回復を続けており、IATAのデータによると、航空業界の収益は2021年より43%増加すると予想されている。弊社独自の分析でも、消費者はホームセンターやファッションなど、他の裁量分野よりも旅行への支出を守る用意があると結論付けており、需要の回復を示唆している。2023年の幕開けにあたり、旅行業界はフィンテックの進歩からどのような恩恵を受けるだろうか。また逆に、フィンテック・セクターは、旅行業界のどこに新たな成長機会を見出すことができるのだろうか。

エンベデッドファイナンス

銀行口座を開くには、ハイストリートの支店に出向く必要があった時代、あるいは金融サービスを提供する銀行がごく少数だった時代を覚えているか?デジタルファーストのチャレンジャー銀行が成熟し、フィンテックサービスが広く利用できるようになり世界は進歩した。

エンベデッドファイナンスは、このトレンドの自然な流れで、決済、融資、当座預金などの金融サービスが日常のデジタル体験に組み込まれるようになった。ベインによると、米国ではすでに全金融サービス取引の5%以上が「エンベデッドファイナンス」に分類され、これらの取引は2026年までに7兆ドルを超える規模になるとされている。

 

エンベデッド・ファイナンスとは、組み込みソフトウェアのように、金融サービスが別のサービスに「組み込まれて」機能を発揮するというイメージだ。日本語でもエンベデッド・ファイナンスは、「組込型金融」や「埋込型金融」などと訳されている。(itmedia.co.jp)

 

高い信頼性と既存のロイヤリティ・スキームを持つ旅行業界は、エンベデッド(組み込み)型金融を採用する当然の候補と言えるだろう。航空会社は銀行になるのか?それは、あなたが銀行をどのように定義するかによる。旅行会社が融資サービスの提供を開始するために規制当局の認可を求めることはないと思うが、そのような商品を提供するホールセール・プロバイダーと提携することは予想される。また、旅行者が旅行会社のアプリやウェブサイトから離れることなく、当座預金、決済サービス、ローンを購入・利用できるようになる可能性が高まっていると考えている。旅行会社がフィンテックサービスを再販し、旅行者をサービスプロバイダーに渡すのではなく、業界はこれらのサービスをネイティブに組み込むことになると思われる。組み込み型金融ビジネスモデルの素晴らしい例はすでにある。例えば、Shopifyは、企業がオンラインショップを素早く立ち上げることができるよう、Software-as-a-Serviceの完全なスイートを提供している企業だ。Shopifyの収益の半分以上は、同社製品に組み込まれたeコマース販売者向けの決済およびローン商品からもたらされている。
通貨のボラティリティ 
2022年はマクロ経済調整の年であった。通貨は世界中で変動しており、来年も通貨変動が続くと思われる十分な理由がある。このボラティリティを管理する、あるいは少なくとも旅行会社とその顧客を確実に保護するための斬新な方法を見つけることが、2023年の重要な焦点になると考えている。B2Bの面では、旅行会社が複数の異なる通貨を保有し、外国為替(FX)の損失を発生させずにパートナーとの決済ができるようにすることで、テクノロジーが役割を果たすことができる。同様に、旅行者が自国通貨でサービスを提供することへの需要が高まることが予想されるため、旅行関連企業にとっては、顧客体験を向上させ、FXスプレッドから利益を得る機会がもたらされることになる。
バイオメトリクス認証

決済をスムーズかつ安全に行うための認証は重要な課題であり、SCAStrong Customer Authentication)要件により、本人確認のための「第二要素」としての生体認証の役割が進んでいる。Apple PayGoogle Payなどのサービスで、生体認証オプションを使用して商品やサービスのオンライン決済を行うことはすでに可能であるが、旅行業界はさらに一歩踏み込むことができると考えている。バイオメトリクスは旅行のユースケースで急速に普及している。例えばAmadeusは、現在 British Airwaysと協力し、ヒースロー空港ターミナル5の一部のフライトで生体認証のトライアルを行っている。登録することを選択した乗客は、チェックイン、バッグドロップ、航空機への搭乗時に、搭乗券やパスポートを提示する必要がなくなる。その代わり、各サービスポイントに近づくと、顔認証で本人確認が行われる。同様に、ホテルチェーンでは、セルフチェックインに生体認証を導入する実験が行われている。このような旅行者IDチェックは、例えば食事の事前予約や座席のアップグレードなど、旅行中に旅行者が行う可能性のある支払いの認証に再利用できると想像するのは大きな飛躍ではないだろう。バイオメトリクスを選択した旅行者にとっては、対面での支払いはすぐにバックグラウンドで目に見えない形で行われるようになるかもしれない。  
CBDC
とステーブルコイン

CBDC(中央銀行デジタル通貨)は、その国の不換紙幣(fiat)に固定され、中央銀行が発行するネイティブなデジタル通貨で、従来の銀行やカードネットワークレールを使用して運用されない。その代わり、ブロックチェーン技術を利用して、ウェブ上で迅速かつ安全な価値交換を可能にする。欧州中央銀行やイングランド銀行など、世界中の複数の当局がCBDCの可能性を探っている。国際決済銀行の調査では、世界の人口の20%をカバーする中央銀行が、今後3年以内にCBDCを立ち上げる可能性が高いと予測している。不換紙幣担保のステーブルコインは、不換紙幣(通常は米ドルやユーロなどの政府発行通貨)に対して11で裏付けされた民間発行のデジタル通貨で、原通貨と安定した価格を維持する。また、ブロックチェーン技術も利用されている。
中央銀行が発行するCBDCやステーブルコインが世界の決済をどのように改善するかはまだ分からないが、その進化に注目する価値はあるだろう。基本的なレベルでは、デザイン上、ネイティブにデジタル化された通貨は、より速く、より安価な決済サービスの機会を提供すると予想される。特に、国境を越えた決済や旅行業界における決済スキームには、大きな効果が期待できる。これらの通貨が広く普及すれば、旅行者はすぐにでもこれらの代替デジタル通貨で旅行代金を支払い、費用対効果の高いグローバルな決済の機会を得ることができると考えられる。2022年は、決済とフィンテックの革新が旅行業界全体で重要な役割を担っていることを示している。当社独自の調査によると、この分野への投資は大多数の旅行会社にとって優先度が高く、OTA、航空会社、企業旅行でフィンテックが採用されている。スムーズでつながりのある決済が旅行ブランドにとって重要な差別化要因になるという認識が継続し、旅行とフィンテックのパートナーシップの増加によって、2023年に採用がさらに加速すると予測している。
著者:David DoctorAmadeusの決済担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであり、同社の新しい決済ビジネスである Outpayce CEO

(1/04 https://www.phocuswire.com/travel-fintech-trends-to-watch-in-2023?utm_source=eNL&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=7798E1381467C7B )

 

9. 近代的ホテルテックと収益戦略の主要要素

ホテルの流通と収益管理について語るとき、多くのチェーンホテルや独立系ホテルが今日直面している障害(レガシー技術、複雑な統合、非効率的な、あるいは存在しない、データ共有など)を必然的に参照することになる。しかし、もしプロパティがゼロからスタートするとしたら、販売と収益管理はどのように処理されるのだろうか?IDeaSのチーフエバンジェリストであるKlaus KohlmayrHudson CrossingのパートナーであるGeorge Roukasが、The Phocuswright ConferencePhocusWireスタジオで行った対談では、このような質問を投げかけた。KohlmayrRoukasは、新しい「Klaus and George Hotel」のオープンを前提に、近代的で効果的なホテルの流通と収益管理システムおよび戦略の主要な構成要素について概説している。2人は、宿泊前、宿泊中、宿泊後に顧客を認識し、パーソナライズされたインタラクションで対応する、クラウドネイティブでマイクロサービスベースのシステムの必要性について議論している。そして、イノベーションが加速し、広範な変化がすぐそこまで来ていることに楽観的な見方を示している。

「この5年間で、ホテルの流通モデルには、それ以前の25年間よりも多くの変化があったと思う」と、Roukasは言う。そして、Kohlmayrは、「1つのホテル会社がそれを変えるとすぐに、他のみんなもそうするだろう」と言う。この対談の全文は以下からご覧いただけます。

(1/05 https://www.phocuswire.com/key-components-modern-hotel-technology-revenue-strategies?utm_source=eNL&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=9229H9640090J9N )

 

10. IN THE BIG CHAIRSam Jain, Fareportal

Sam Jainは、90 年代初頭に旅行業界でのキャリアをスタートさせた。彼は、航空券の卸売りビジネスで働いていた友人に加わり、しばらくして自分のB2Bフライト会社を立ち上げた。2000年代初頭、オンライン旅行市場の可能性に注目し、Fareportal を立ち上げてB2C旅行の世界に足を踏み入れた。

ニューヨークを拠点とする Fareportalは、そのポートフォリオに 7 つの旅行会社を持ち、英国、メキシコ、カナダ、インドを含む多くの場所で 2,000 人以上を雇用している。

Sam Jainが旅行に出会ったのは、1990年代初頭、航空券の卸売りビジネスで友人と働いていたときであった。Fareportalの創設者兼会長は、その後まもなく自分の旅行会社を立ち上げた。Jainは、過去30年間のオンライン旅行業界の成長を観察する立場にあった。The Phocuswright ConferencePhocusWire Studioでのインタビューで、Jainは旅行を始めた経緯と理由について語っている。

彼はまた、業界のデジタル進化と、フィンテックや人工知能などの分野でのチャンスについても語っている。Jainによると、メタバースやNFTなどの新興技術は、旅行のユースケースに関してはまだ証明されていない。彼はまた、パンデミック後の消費者のニーズ、マーケティング支出の変化、業界の最大の課題にも触れている。

In The Big Chair LIVE: Fareportal  Sam Jain (PhocusWire Studio @ The Phocuswright Conference 2022)をご覧ください。

(1/05 https://www.phocuswire.com/sam-jain-fareportal-big-chair-live?utm_source=eNL&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=9229H9640090J9N )

 

11. 旅行会社の将来の激変への最善の備え

世界的な未来学者であるRohit Talwarは、旅行業界を脅かしているリスクについて率直に語っている。たとえば、世界的な経済の不安定性、エネルギー コストの上昇、気候変動、自動化が仕事に与える影響などである。しかし、彼は明らかに楽観的な見方もしている。「未来はまだ決まっていない」と彼は言う。

Talwar は、ロンドンを拠点とする調査およびコンサルティング企業であるFast Futureの創設者兼 CEO として、企業のリーダーが企業の将来を構想し、形成するのを支援している。彼の戦略は、先見性を開発することによって企業が将来を保証するのを支援することに基づいている。このプロセスは、時間をかけて強化する必要がある筋肉を構築することと彼は同一視している。The Phocuswright Conferenceの基調講演で11 月、Talwar は業界のリーダーたちに、過去の見方や仮定を「忘れて」、前途に待ち受けている可能性のあるさまざまな機会やショックに備えることができるようにするよう指示している。

彼は幹部に対し、「急進的なシナリオ」を検討し、喜んで実験して「混乱する」ことを奨励している。彼の発言に続いて、Talwar  PhocusWire スタジオに立ち寄り、旅行のリーダーが将来に向けて最適な企業文化を作成する方法のより具体的な例を提供した。Talwar は、リーダーが新しいアイデアを歓迎する環境を作ることが重要であると述べている。「私たちは皆、私たちは革新的でオープンだと言うが、誰かが新しいアイデアを持ち込んだらどうなるでしょうか?・・・私たちはそれを完全に却下するか?」彼は言う。「私たちはリーダーとして、私たちがここにたどり着いた道とほとんど同じように見える未来への道があることを伝えるのではなく、開かれた適切な質問をし、探求するよう人々を励ますことによって素晴らしいボディーランゲージを示しているのか。それは、私たちがどのように行動するか、どのように考えるか、どのように考え方をオープンにするか、そして常に先を見据え、ショック、変化、存続に関わるリスクがあるという事実を喜んで受け入れる文化をどのように作り出すかについてである 」と言う。
Talwar 
の基調講演と彼のスタジオ インタビューを以下でご覧ください。

Keynote: Fast Future – New Customers, New Opportunities - The Phocuswright Conference

(1/06 https://www.phocuswire.com/how-travel-companies-prepare-future-shocks?utm_source=eNL&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=9229H9640090J9N )

 

 

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