ANA/JAL 2019年度の決算について

2020年5月1日

 

ANA/JAL 2019年度の決算について

(コロナの影響と今後の資金の展望は?)

  

この度発表されたANAJALの連結決算で、両社の業績を比較しました。

 

はじめに年間決算を簡単に比較。

 

そしてコロナの影響を被った第4四半期(13月)の業績を中心に比較し、今後の資金状況
を展望(試算)しました。

 

コロナの影響が甚大で、それがいつまで続くかについて、現状では見通せないため、両社ともに次期予想を示せず、期末配当は無配としている。 

 

 

1.         年度業績の比較 

   ANAは減収幅より減益幅が大、JALも大幅減益ながら営業利益1000億円が残る。

 

年明けのコロナの影響で両社ともに減収減益となったが、

 

      ANAは減収▲841億円に対し、営業利益はその規模を上回る▲1042億円の悪化、結果的に608億円の営業利益が残った。

 

      JALは減収▲761億円がそのまま営業利益減▲756億円に繋がり、
大幅減益ながら、1000億円規模の営業利益が残った。
 

  

2         4四半期(13月)業績の比較

 

コロナの影響を被った13月業績の比較である。

 

業績悪化幅は両社ほぼ同じ、元々の収益性の差で赤字規模はANAが大。

 

営業収益は両社2割減 →減収額の約7割が営業利益の減少をもたらした。

 

営業利益を比較すると;

 

      収益性の低いANA84→▲589億円(利益率▲15%)となった。

 

      それより高いJAL307→▲195億円(利益率▲7%)となった。

 

もともとの両社の収益性の差が、ほぼ下にスライドした形となっている。 

  

3         4四半期(13月)の旅客指標の比較

 

旅客減(国内▲2割、国際▲3割)がそのまま収入減となった。

 

この時点では減便規模はまだ大規模でなかったため、搭乗率は著しく低下した。

 

国内、国際ともに搭乗率はJAL34ポイント高く、

 

→ これが両社の収益性の差の一つの要素となっている。

 

   なお国際線の平均旅客距離が大きく伸びているのは、近距離便が大きく影響を受けたため。

  

4         財務状況の比較(12月末→3月末の変化)

 

ANACashの減少が激しく(▲1500億円)、期末残は約2400億円

 

JALは借入増(+356億円)が効いて、期末残は12月並みの約3300億円

 

   キャンセルの払い戻しや、4月以降の予約が少ないことで前受運賃は大幅減少

 

   (参考) 純資産の規模はJALがやや多いが、4/30時点の株価時価総額は
ANA
を大きく下回っている。

  

5         2020年度の資金繰り展望(試算)

 

2020年度の資金状況について、あくまでも試算で考え方の一つを例示したものです。

 

「一つの試算」の結果は下表のとおりですが、ANAの方が状況は厳しそうです。

 

      期首の現預金はANA2400億円、JAL3300億円

 

      業務を円滑に回す上での運転資金を、Cash流出費用の1.5か月分と仮置いた。

 

それを上回る分が「資金余裕」と考えることができる。

 

      Cashの基本稼得力は税前利益と減価償却費(お金は出ない)である。

 

      資金の使途として、2020年度の借入金等の返済額はほぼ決まっている。

 

      新たな設備投資への支払いは長期借入金(有利子負債)によることが多い。

 

      資金(運転資金)の不足分は、何らかの手当てが必要となる。 

 

以上(Y.A

 

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