韓国の航空貨物市場の現状(後編)

2020、10.2.

韓国の航空貨物市場の現状(後編)

大韓/アシアナ航空が貨物で黒字化(Q2

 

今回は韓国の国際航空貨物市場の2020.18月の状況を説明し、そのあと、大韓航空とアシアナ航空の貨物収入(上期)、そして収支(Q2に黒字化)について説明します。

(注1) データは韓国政府や空港当局、各社のIR情報等、画像はグーグル等ネットによる。

(注2)       金額は円貨で表示している(KRW=0.089円で換算)。

 

Ⅱ.韓国の国際航空貨物市場の動向

2020.18月)

 

1.   1~8月の貨物需要月別推移; 旅客便減を貨物増便でカバー
下図は仁川空港の18各月の発着貨物量について、2019年と対比させたものである。

 青色系は貨物便の貨物量/赤色系は旅客便の貨物量を、また2つ並んだ棒グラフのうち

左側の淡色は2019/右側の濃色は2020年を示す。

  ・ 2019年は旅客便貨物量がほぼ4割で推移しているが、2020年は大幅減便に伴って減少、代わって貨物便がカバーして、全体としてほぼ2019年並みレベルで推移している。

貨物便の活躍がよく伺える。

 

 

       【仁川空港における国際貨物量の月別推移】(単位;千㌧)

 

2.         18月貨物の会社別動向; 韓国2社のシェアが7割を超す

下表は202018月の貨物量を2019年同期と比較したものである。

 

    概要; 2020.18月の貨物量はほぼ前年並みの1780千㌧。

・ 旅客便貨物は半減以下(▲373千㌧)、これを貨物便が埋めている(+361千㌧増)。

・ 貨物便数は2335千便と1.5倍に増えている。

増えた+1.2千便の中には、旅客機による貨物便運用(Belly搭載)も多く含まれている模様。

23/2500便がそれと推定され、この中にはJAL20便)も含まれている。

 

    会社別にみると; 韓国系のシェアが7割超に増大。

      韓国の2社(大韓/アシアナ)が実績を伸ばしシェアを71%とした。

      特に大韓航空の伸びが大きく(+12%)、シェアも66%を占める。

      ANAAir Japanが運航)の貨物は▲35%減。

      JALは旅客不定期便と貨物専用便(旅客機Belly)で430㌧を運んでいる。

 

 

【仁川空港における18月の貨物量】

 

 

 

Ⅲ.大韓航空とアシアナ航空の収支状況

2020Q1Q2実績)

 

1.大韓航空とアシアナ航空の上期貨物収入; Q2(4-6)に倍増

下表は、大韓とアシアナのQ1(1-3)Q2(4-6)の貨物実績を示している(前年対比)。

 

    Q1(1-3)実績; 両社小幅な増収
・ 貨物スペース(AFTK); 大幅な旅客便減を貨物増便で補ったが、若干の減。
・ 貨物輸送量(RFTK); 大韓は+3%増、アシアナは微減。

・ その結果利用率は上昇した;大韓7076%、アシアナ7881%。

・ 収入単価(㌧㌔当り); 大韓は小幅低下して30.7円に、アシアナは上昇して
    29.2円に。

・ その結果貨物収入は、大韓は微増の576億円、アシアナは+15%の295億円だった。

 

    Q2(4-6)実績; 収入単価急騰で収入は倍増
・ 貨物スペース(AFTK); 大韓は貨物増便が大きく+2%増、アシアナは▲10%減少。

 ・ 貨物輸送量(RFTK); 大韓は+17%増、アシアナはほぼ前年なみ。

・ その結果利用率は大幅に上昇した;大韓7081%、アシアナ7886%。

・ 収入単価(㌧㌔当り); 大韓は1.6倍に、アシアナは2倍に急騰。

・ 貨物収入は両社ほぼ倍増となり、大韓は1091億円に、アシアナは566億円となった。

 

 

     【大韓とアシアナのQ1Q2の貨物実績】

 

2.大韓航空とアシアナ航空の上期決算; Q2(4-6)に貨物が貢献して黒字に!

下表は、大韓とアシアナのQ1(1-3)Q2(4-6)の決算状況である(単体決算)。

 

    Q1(1-3)実績; 両社旅客減収で赤字に

    ・ 旅客収入; 両社23月のコロナ影響で▲33~▲34%の減収。

・ 貨物小幅増収; 大韓は+3億円、アシアナは38億円。

・ 営業費用と営業利益; 営業費用は大韓▲14%、アシアナ▲8%と減少したものの、

収入減(▲2割超)が余りに大きく、両社ともに営業損失を計上した。

(大韓▲50億円、アシアナ▲185億円)

 ・ 税前利益; 両社ともに、支払利息、為替差損のほか、減損等の一時的費用も
    あり、
税前利益は大幅な赤字となった。(大韓▲831億円、アシアナ▲490億円)

 

    Q2(4-6)実績; 貨物収入倍増と営業費用減で黒字に
 ・ 旅客収入; コロナ影響で壊滅的減収に。

・ 貨物収入倍増; 大韓は+530億円、アシアナは+284億円。

・ 営業費用; 旅客便の減便で営業費用は減収規模を上回る減少幅となった。

  (大韓;減収▲1184/費用減▲1376億円、アシアナ;減収▲590/費用減▲788億円)

・ 営業利益; 以上の結果、大韓は132億円、アシアナは102億円の利益を計上。

 ・ 税前利益; Q1にはマイナスに働いた為替差額がプラスとなる等、営業外要素の後押しもあって、税前利益も黒字となった。

 

 

   【大韓航空とアシアナ航空の上期収支実績】

 

 国際線はコロナの影響で、旅客の低迷から、貨物便の好調がまだまだ続きそうであり、

   旅客機を貨物用に改修する動きも活発になっている。

   貨物は輸送単価の動きが激しく、貨物便のコストは燃油単価にも大きく左右される。

今後とも動向を注視していきたい。

 

 

以上

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