韓国の国際旅客市場の構造と現状(1)

2020.10.7.

韓国の国際旅客市場の構造と現状(1

韓国を訪れる外国人は?(日本と比べながら)

 

韓国の国際旅客市場の構造と現状について3回にわけて説明します。

コロナの影響で市場は壊滅的打撃を受けて、現在その構造は崩れていますが、韓国の基本的な地理的/国際/経済等の環境は大きくは変わらないでしょうから、「コロナ後」の市場構造も原状に近いものになると考えます。

ここでは2019年データをもとに韓国の国際旅客市場の構造を説明し、最後に、コロナの影響を受けている現状を述べます。随所に日本との比較をおりこみます。

比較レポートの構成は以下のとおりです。

1)韓国の国際旅客市場の全貌と、訪韓外国人の国籍(地域)内訳

2)国際旅客の発着国内訳と、出国韓国人の行先国内訳(推定)

3-1) 国際旅客の航空会社別内訳

3-2) コロナの影響の現状;18月の推移と8月時点の状況

(注) データは韓国政府・空港当局、日本政府の出入国管理統計(一部JNTO統計)等による。

  

 

.韓国の国際旅客市場
訪韓外国人の状況

 

1.         国際旅客市場概観; 

下表は、韓国の国際線の旅客規模を、日本のそれと比較しながら示している。

各数値の出典が一致していないため厳密な比較ではないものの、大まかな傾向としては間違っていないと考えます。

 

      訪韓外国人(入国)と出国韓国人;出国韓国人が入国外国人を大幅に上回る

外需にあたる訪韓外国人1750万人(2019年の入国人数)で、その9割が空路による旅客であった。

また海外にでかけた韓国人(出国カウント)は2871万人だった(98%が空路による)。

両方を単純合計すると4621万人であるが、発着(出入国)換算すると9000万人強に
           なる。

《日本との比較》

外国からの訪問客(外需)は、日本(3119万人)に比べると少なく、日本の56%で
           あった。

その差は、主に人口・経済活動・観光資源等の規模によるものと思われる。 

一方韓国外への出国韓国人は、海外渡航の日本人(2008万人)の1.43倍と多い。

国民1人当たりにすると、韓国は0.55回であり、日本の0.16回と比べると3.4倍で
            ある。

    出国の大半は観光目的であることから、国外旅行への意欲の差とも思われる。

 

      国際線旅客数;

航空機で韓国に到着及び出発した国際線旅客数は9090万人であった。

大半(78%)が仁川空港発着旅客で、あとは金浦と金海(プサン)などである。

 

《日本との比較》

日本の国際線発着旅客数1.0億人に比べると88%の規模である。

但し仁川空港の国際線旅客数の規模は、成田空港の約2倍である。 

 

1.         訪韓外国人の内訳; 

 

      訪韓外国人の国籍内訳; 中国人(断凸)→日本人→東南アジアの順

下表は訪韓外国人の国(地域)別内訳を示したものである。

同時に日本の市場(訪日外国人)と対比している。

また下右は、国(地域)毎に、訪韓/訪日の規模を比較(率で表示)したグラフである。

 

1)訪韓外国人の国籍(地域)別割合; 
2019
年に韓国を訪問した外国人1731万人(※1)を国籍別にみると、中国人が602万人で突出して多く、日本人(327万人)、東南アジア(256万人)と続いている。

なお訪韓日本人は、訪日韓国人(588万人)の56%であった。

2019年は、日韓関係冷却のため、訪日する韓国人は急減した。

      ・訪韓日本人 (2017) 231万人 (2018) 295万人  (2019327万人

       (参考) ・訪日韓国人 (2017) 741万人 (2018) 782万人 2019588万人

 

2)日本市場との比較; 
韓国市場(訪韓旅客)は日本市場(訪日旅客)に比べると、ひとまわり小規模(日本の56%)であるが、国籍の構成割合は似通っている。⇒後掲の円グラフ参照。

国(地域)別に規模差をみると;

・ 台湾、香港(含マカオ)、オセアニア地域からの旅客は韓国側は少ない。

・ 米州、欧州からの旅客は平均的な規模差(56%)レベルにある。

・ 中国、東南アジアは平均より高め、そして「その他」については日本の1.28倍となっている。(詳細後述)

 

また各国(地域)ごとに訪問客に占める観光客割合を示したが、概して訪韓外国人よりも訪日外国人の方が高めとなっている(観光目的客は訪日の方が多い)。 

 

  【訪韓外国人の規模(訪日外国人との比較)】   【訪韓外人÷訪日外人⇒率(%


 (※1)海外在住韓国人の一時帰国(19)を除いたため

        合計は1731万人となっている。

 

 (※2) 日本の観光比率はJNTO統計から算出。

 

3)韓国と日本の国籍(地域)別割合; 
下図は訪韓外国人と訪日外国人について、夫々国籍(地域)別割合を示しているが、双方の構成は似通っている(全体の約8割を東&東南アジアが占める形はほぼ同じ)。

韓国側(左図)は中国人(35%)、東南アジア(15%)、その他(中央アジア等)の割合が高く、台湾・香港の割合が相対的に低い。

 

        【訪韓外国人の国・地域別割合】                 【訪日外国人の国・地域別割合】


 

4)東南アジア、欧州、その他地域の明細; 
下の3つの表は、前述の中から「東南アジア」、「欧州」、「その他」地域について、より詳しく見たものである。

 

(東南アジア)

      ベトナムからは、日本によりも韓国に多くの人が渡航している。

また、日本へは観光目的で来航するベトナム人が少ないことも特徴的である。

韓越の強い結びつきが伺える。

      逆にタイは日本への渡航客が格段に多く、日泰の強い結びつきが伺える。

      シンガポールはタイの形に近く、他の3国も日本への渡航者が多い。

 

 

            【訪韓東南アジア人の国別内訳(訪日との比較)】

(欧州)

      英仏独をはじめ、西欧・北欧からは、訪日需要が多く、訪韓需要の3倍近い。

      他方東欧は訪韓需要が比較的に多く、特にロシアの訪韓需要は訪日需要の

2.7倍である。

 

 

            【訪韓欧州人の国別内訳(訪日との比較)】

 

(その他地域)

      モンゴル、カンボジア、ミャンマーのアジア3国、及び中央アジアのウズベキスタン、カザフスタンは韓国との繋がりが極めて強いことがわかる。

 

 

 

             【その他アジアの国別内訳(訪日との比較)】

次回は国際線旅客の「発着国別内訳」および「出国韓国人」の「渡航先国内訳(推定)」
   を
レポートします。

 

 

以上

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