ユナイテド航空とアメリカン航空のQ2実績とコロナ禍対応

2020.7.25.

 

ユナイテド航空とアメリカン航空のQ2実績とコロナ禍対応

 

 先にデルタ航空(DL)のQ2実績と財務内容を解析しましたが、このレポートはその続編としてユナイテド航空(UA)とアメリカン航空(AA)についてレポートするものです。

 内容の構成等については先のDL航空のレポートをご参照下さい。

 

 なお次回には、2回のレポートを踏まえて、3社の「収益力・財務力の比較・評価」

 を行います。

 

1.         旅客実績

Q1Q2の供給量(座席マイル)と需要(旅客マイル)について、前年と比較した。

傾向は同じであるが、Q2実績に若干の差がある (左図;UA、右図;AA)。

Q1はコロナの影響がほぼ3月だけだったのに対し、Q2はフルに影響がでて、大きく落ち込

んだ。 UAの旅客量は▲95%、AAは▲88%であった。 その差は路線構成からきていると

思われる。 国際線に比べて国内線の落ち込みが少なくが、AAは国内線割合が高い。

 

 

UAの実績】(単位;10億マイル)        【AAの実績】(単位;億マイル)


 

2.UAの収支状況と財務状況

      収支状況

Q1は、旅客収入▲1662億円減で税前損失▲2283億円(但し減損処理1099を含むため、実質▲1200億円といえよう。

Q2は、旅客収入は前年比▲94%減のわずか681億円。

税前損失▲2163億円であるが、政府からの給与補助金による費用軽減があるため、

 

それが無ければ赤字は▲3000億円規模となったであろう。

 

② 財務状況

手元資金は、期首5340億円から約2700億円増えて期末8060億円となった。

借入金の増+4800億円(+2.212.69兆円)に加えて増資による1226億円もあったが、赤字によってその半分が流出した勘定である。

 

なお「他の資産」の減少は、減損処理があったため。

 

3.AAの収支状況と財務状況

 

① 収支状況

Q1は、旅客収入▲2137億円減で税前損失は▲3121億円だった。

Q2は、旅客収入▲1.07兆円減で、税前損失は▲2872億円だった。

 

(政府からの給与補助金の効果がなければ▲3600億円程度の赤字だった。)

 

② 財務状況

手元資金は期首から約6400億円増えて、期末は1.06兆円になった。

その間借入金が約7100億円増えたほか、増資(1649億円)や、機材のセール&リースバックによる資金収入もあったが、赤字による流出等のために、手元資金の積み上げに回ったのは上述のとおりである。

 

純資産は、増資によるテコ入れはあったものの、依然債務超過の状態である。

 

4.政府支援とリストラ策等

(実施済みのもの、信憑性未確認のものも含む)

 

① UAのケース

    政府からの給与補助金50億ドル受領。

    ゴールドマン・サックスや英バークレイズなどと50億ドルの融資枠設定。

    増資を実施。

    政府融資も含め、9月末までに手元資金170億ドルの手元資金確保を目指す。

    3.6万人解雇(約4割)の可能性を従業員に通知。

 

      AAのケース

    政府からの給与補助金58億ドル受領。

    政府に追加融資47.5億ドルを申し込み。

    総額25億ドルの社債を発行。

    増資と転換社債で20億ドルを調達。

    25千人削減を社内に通知。

 

以上   

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