2022.1.30.

アラスカ航空の2021年決算(速報)

  支援金効果で黒字計上

  利益率の高さはサウスウエストと並ぶ

 

米国で主要3社に続く規模のフルサービス航空(FSA)で、収益性の高さについてはサウスウエスト航空と並び定評のあるアラスカ航空(AS)の2021年決算(速報)を概観した。

 比較は主にコロナ前の2019年比で行っている。

USD=110円で換算した円貨で表示)

 

(ポイント)

 事業の大半が国内線であり、旅客需要はコロナ前の約7割レベルに回復。

 業績も改善して実質▲300億円の赤字ながら、政府の支援金効果で700億円の黒字を計上。

 資金状況も改善。

 

1.収支状況

    損益; 税前で実質▲300億円の赤字、政府支援金(1000億円)により、約700億円の黒字を計上、最終利益は500億円。

借入金増による利息の負担増は約70億円。

 

    旅客収入; 供給(ASM座席マイル)はコロナ前の79%に回復、需要(RPM旅客マイル)は69%まで回復。 搭乗率は最悪だった昨年より改善し74%となった。

   平均旅客単価もコロナ前からは小幅の低下に留まった。

 

     ・  貨物収入、その他収入(主にマイレ‐ジプラン゙)はほぼコロナ前と同規模であった。

 

 

2.米国主要5社の利益率比較

米国主要5社の税前利益率について、コロナ前の2019年、2021年の政府支援前、支援後の

レベルを比較した。

 

    コロナ前の利益率は、SWDL13%、これにASが続き10%超。 
             UA
9%、AAは最も低く5

 

   2021年支援前は全社赤字ながら、ASが最も小さく、SWもそれに続く。
             UA
AAが▲20%超の赤字率。

 

   支援後は、AS10%、SW8%の利益率、DLは僅かな利益。
             UA
AAは依然▲10%程度の赤字率である。

 

 

2.財務状況

 

   コロナ前に比べ、借入金(含リース負債)が約1000億円増加で、残高は4500億円となった。 

  手元資金は1800億円増加して3400億円となった。
その結果、借入金/手元資金の差は▲1850億円↘▲1070億円と縮まった。

 

 

   純資産は、前年度の赤字の影響で▲580億円減少して4180億円となった。

 

 

現時点ではわからないことも多いが、詳細レポートが公表された段階で、改めて眺めてみたい。

 

                                                    以上(赤井)