2022.2.2.

JALの第3四半期決算を読み解く(ANAと対比)

 ~ 両社の業績格差が拡大? ~

 

この度公表のデータからJAL2021年度第3四半期決算を、ANAと対比させながら読み解きました。

両社の会計基準が異なるため、比較は厳密ではありませんが、傾向はわかります。

収支は主にコロナ前2019と比較、財務状況も2019年度末からの推移をみました。

(注)端数処理の関係で末尾数値が他表と一致しないことがあります。

        データ加工は筆者独自の手法で行っております。

 

1.収支状況; 収益性はJALの方が低く、特にQ3に差が拡大

 

  当期の売上収益は4985億円、財務・法人所得税前損益は▲1833億円、最終損益は▲1283億円であった。

ANA対比)ANAより売上規模が小さいが、赤字幅はANAより数百億円規模で大きい。 

         (コロナ前はほぼ同等であった。)

         差の要因としては「貨物収入の規模」と「費用の減少度」が考えられる。

 

貨物収入; ANAは貨物専用機効果もあり、貨物収入は前年より1600億円増、
JAL
1000億円の増。

費用減; ANAは座席供給の絞り込みが大きく、運航費用の削減度が大きい。

 

また人件費など固定費の削減も大きい(雇用調整助成金の活用等)。

 

 

②  1012月(Q3)の収益性で大きな差が出ている。

即ちANAは僅かながら営業黒字化し、税前損益も▲33億円であるが、

   JALは▲300億円規模の赤字となっている。

 

 

③   通年の損益見通し; JALは税前で▲2000億円規模の赤字、ANAは経常で▲1400億円の赤字で約600億円の差がある。 最終損益でも500億円の差がある。

 

 

2.主な収入指標; 供給の絞り込みはANAが大、貨物収入に大きな差

 

JAL国際線; コロナ前の4割の供給で、1割の旅客を獲得

JAL国内線; 同 65%の供給で、40%の旅客を獲得

ANAは供給をJALより約10%深堀り縮小していて、旅客の回復もJALより少ないが、代わりに
LCC
を強化している。

 

(国際貨物)JALがコロナ前比+900億円増、ANA+1600億円増。

         ANAは収入単価の高騰度が大きいことも効いている。

 

         旅客便に比べて貨物専用便の方が高単価貨物を得られるためと考えられる。

 

 

3.財務指標; 財務状況の悪化幅はJALが大きい

 

(資金状況)JALは借入金増3600億円で、手元資金増は1100億円

         → ▲2500億円悪化した勘定となる。

         ANAは借入金増1150億円で、手元資金増は50億円

         → ▲1100億円悪化したことになる。

   財務体質はJALの方がよいといえるが、その差は接近しつつあるようだ。

 

   (注)JAL2020年度に1800億円規模の増資を、ANA3000億円規模の増資を

        している。

  

 

 

                                   以上(赤井)