【旅の準備】超初心者向け海外旅行ガイド

 

8 海外旅行に出かけるプロセス 9 海外空港で乗り継ぎ(前編)

 

恋ってのは、それはもう、ため息と涙でできたものですよ

(英 劇作家 シェイクスピア)台詞

 

 

前回の海外空港への到着の応用編です。海外空港での国際線乗り継ぎです。

 

以前、乗り継ぎ便の利用は少し旅慣れてからの方がいいとお勧めしました。とはいえ、旅の回数を重ねてくると、乗り継ぎ便は航空運賃が安く、とりわけ遠距離路線でフルサービスの在来型(レガシー)の航空会社の運賃で安いものが見つかりますので、触手が動きます。

 

また、日本からの直行便がない旅行先も多いですから、時間の制約に縛られない旅行の計画では、乗り継ぎ便を利用することも増えてきます。そこで、国際線の乗り継ぎについて、もう一度解説することにしました。

 

目的地までの乗り継ぎ型航空券を使う場合

 

最初にご説明するのが、航空券を目的地までの通しで買ったケースです。

 

これが最も一般的なケースです。乗り継ぎとは目的地に向かうのに途中の第3の空港で別の便に乗り換えることをいいます。

 

発券した航空会社は乗り継ぎ時間が保証された乗り継ぎ便を設定しています。最初の空港でチェックインする際に、2便目の搭乗券(ボーディングパス)も発券するケースと1便目の搭乗券のみ発券するケースがあります。

 

最初の空港でのチェックインの際に預け荷物にとりつけられた荷札には最終(2便目の)目的地の空港コードが書いてあります。荷物は目的地まで経由空港で航空会社にお任せの状態で運ばれます。

  

乗り継ぎ空港では入国管理を通過しない (CIQエリアから外には出ない)

 

乗り継ぎ時にCIQエリア内に留まります。乗り継ぐ国には入国しないで、次の便に搭乗します。

 

到着客が出入国管理ゲートに移動するフロアと出発客が出入国管理を通ってゲートに向かうフロアは別の階にあるのが一般的です。

 

2便目の搭乗券をもっていればそのまま2便目の搭乗ゲートまで行き搭乗できますが、その場合も搭乗便の航空会社のトランジット(トランスファー:Transfer)カウンターが開いていれば立ち寄ることをお勧めします。搭乗便のゲートへ行く方法などの情報を得たほうがスムーズに乗り換えができます。

 

1便目が到着遅れで2便目への乗り継ぎ時間に余裕がない場合、降機時に航空会社のスタッフのケアがない場合にはトランジットカンターに立ち寄ったほうがよいでしょう。航空会社スタッフはあなたを探しているはずです。

 

大空港での乗り継ぎは到着と出発のターミナルやサテライトが別の場所であることも多く、移動のために構内の電車に乗ったり、ランプ内バスを使う必要があったりします。

 

また、最初の空港でのチェックインで2便目の搭乗券が発券されなかった場合には、2便目の搭乗券を発券してもらうのはトランジットカウンターということになります。そこで航空券を見せて搭乗券を発券してもらいます。

 

 

乗り継ぎ空港で必要な乗り継ぎ時間

 

乗り継ぎで最も注目するのは所要時間です。

 

各空港は航空会社や乗客向けのサービスとして最短乗り継ぎ時間(MCT: Minimum Connecting Time)という基準を作成して提供しています。

 

ダイヤ上の到着時刻と出発時刻の間に設ける最短所要時間です。航空会社ではなく、空港が決めています。最短で45分以上の乗り換え時間が設けられていますが、その時間(45分)では乗り継ぎ客にはさほどの時間的余裕はありません。

 

航空券を発券する際に、航空会社はこの数字を根拠に乗り継ぎの航空券を設定します。したがって、計画到着時刻+MCTよりも前に目的地に向かう便があっても、発券する航空会社はその便を使った航空券を発券しません。この時刻以降の最初の便に乗り継ぎ便がアサインされます。

 

乗り継ぎ時間の過ごし方は基本、航空会社はケアしない

 

乗り継ぎにおいて長時間の乗り継ぎ時間となることもありますが、これは航空券の購入・便予約時に購入者が同意の上、設定されているわけですから、乗り継ぎ時間内の処し方は乗客の問題となります。

 

ところが1便目の到着遅れによる乗り継ぎの失敗や2便目の大幅な出発遅れが生じた場合には、程度により、例えば出発便がキャンセルになって1日遅れなどが生じた場合などには、航空会社にクレームできる可能性が生じます。ホテルなどの休息施設や食事の提供が行われる可能性があります。国際線のスケジュール遅延は結構な頻度で起こります。

 

乗り継ぎをすると預け荷物の紛失リスクが高くなる

 

経験に基づくアドバイスとして、乗り継ぎ便の場合の預け手荷物ですが、それなりの頻度で他空港への誤輸送や紛失が起こります。

 

万が一なくなった場合に備えて、貴重なもの、訪問国で手に入らないものは機内持ち込みとして、預け荷物にしないほうが安心です。

 

旅先で購入できる着替えや下着、ホテルで代用品を借りることのできるドライヤーなどは預け荷物としても問題ないでしょうが、貴重な情報が入ったPCなどは移動中は途中使わないにせよ預けないほうが紛失時のリスクは小さくなります。

 

乗り継ぎ便での預け荷物のトラブルは、大空港での預け荷物の取り扱い物量の大きさや処理時間の余裕のなさ、仕分けなどの機械処理と人手による仕分けの混在に伴う、イレギュラーがその原因です。それは老舗の大手航空会社でも頻繁ではないにせよ起こっていることです。荷物の紛失が起こった場合も事務的な処理により、補償も行われますので、いろいろクレームがあってもそこまでです。