【旅の準備】超初心者向け海外旅行ガイド

 

8 海外旅行に出かけるプロセス 6 LCCに乗ろう(後編)

 

正しさとは何か?後味の良いことだ。悪とは何か?後味の悪いことだ

(米 作家 ヘミングウェイ)

 

 

LCCの手荷物預けは有料

 

手荷物は預け荷物がない状態が標準の運賃で、大きさ制限、重量制限のある機内持ち込み手荷物以外は別料金となります。

 

預け荷物の料金も申し込みが予約段階で申し込むのと空港のチェックインカウンターで申し込むのとでは値段が異なり、空港での申し込みは料金を高く設定しています。

 

そうなると、乗客はできれば機内持ちこみの手荷物だけにしたいと思うようになります。LCCでは小ぶりのスーツケース状のかばんを持つ旅客が結構います。そこは航空会社が一枚上手。チェックイン時に基準を超えていそうな手荷物を嗅ぎ分けるやいなや、サイズや重量を測り、超えていると無残にも預け荷物にさせられます。

 

やったことはありませんが、ウェブチェックインだと、少しはお目こぼしもあるんですかね。ちなみに多くの会社では7kgが持ち込み手荷物の重量上限です。

 

 

LCCの機内食は事前予約がお得

 

LCCにとっては機内食の提供も付加的な有料サービスの一つです。LCCでは運賃とは別に機内食の料金を徴収されます。

 

機内で飲食をしたい場合には、予め機内食や飲み物を予約、購入しておくか、少し高くなりますが、搭乗後に機内でオーダーします。基本的に自分で持ち込んだ物は機内での飲食はできないケースが多いです。

 

そこまで厳格にするの?という質問に対して、航空会社は食中毒の責任が負えないとか、一部の人が出すゴミの後始末や清掃でコスト負担の不公平が発生するとかいった答えが返ってくるそうです。

 

とは言っても、"基本的に"の言葉のとおり、一部のLCCでは持ち込みに目を瞑るところもあるようです。LCCの機内食は運賃同様に値段も安く、これまでのようにフルコースで提供されるわけではなく、肩の凝らない、いわゆるB級、C級グルメの単品提供です。コーヒーは粉を溶いたインスタントですし、食べ物ではカップヌードルにお湯を注いで提供するというメニューもあるようです。

 

LCCの機内は窮屈

 

まず、一般的な評判として、LCCは座席スペースが狭く、従来からある(レガシーと呼ばれている)航空会社ほど快適でないということがあります。

 

最近ではレガシーの航空会社で座席ピッチを縮めるところもあります。6~7時間以上のフライトをする、中長距離LCCと呼ばれている少数のLCCを除いて、LCCはエアバスA320やボーイング737といった小型の旅客機を使用しています。

 

このサイズの機体の場合、エコノミー席の機内レイアウトは真ん中に1本の通路があって、左右に3列ずつのエコノミーシートが並びます。これはレガシーの航空会社の機体も同じで、横6列の座席配置です。両者の違うところは前後の座席の間隔です。シートが床にとりついているレール上で計測した座席の前後間隔が、従来型航空会社では約79センチ、LCCでは74センチという代表例の数字があります。両者には5センチほどの違いがあり、LCCはかなり狭く感じます。

 

奥の席に座ってトイレに行こうとすると隣の人に声をかけて、脚をひねって前の席との間隔を開けてもらう必要がありますし、写真のようにノートパソコンを開いても良い角度では見れません。

 

レガシーの航空会社でも同じですが、乗客が予約する席の優先順位は、人それぞれの好みではあるんですが、一般論として、①通路側の席、②離発着時に外を眺めたい人は窓側、③カップルで乗る人、その他の席がすべて埋まっているときには真ん中の席、ということになります。前後については、急ぐ人は前、のんびりでもいい人は後ろになります。

 

前後は別として、横列では通路側の席の人気が高いようです。

 

機内エンターテインメントはない(暇つぶしは自分で工夫)

 

レガシーの便に乗ると、座席ごとにディスプレーがついていて、数十本の映画などのプログラムを楽しむことができますし、新幹線と同じようにスマホの充電用のUSBポートもついていたりします。LCCではこういった装備はほとんど皆無です。

 

LCCの場合、フライトは国際線でも4時間前後です。離陸後、機内食を食べると残りは3時間弱になりますので、窮屈な席でも適当に時間を過ごしているうちに、着陸します。

 

スマホにダウンロードしてある動画を見るとか、読書で暇つぶしをすることであっという間に到着します。これまで見てきた限りでは、周りの人は寝ている人がほとんどです。ネットで買うことができますが、多くの旅行客が風船式のピロー(枕)を携行しています。

 

機内での電子機器の使用に関しては離着陸は電源を切るようにアナウンスされますが、巡航中の使用は可能です。ただし、基本、wifi電波は届きませんので通信を必要とするアプリは使用できません。

 

自分の端末にダウンロードしてある動画を見ることは可能です。レガシーの航空会社で機内WIFIが使えるものがありますが、その場合もまだ有償が主流です。時間1000円程度と高価ですから、レガシーでもWIFIを自由に使えるようになるまでにはもう少しかかりそうです。