【旅の準備】超初心者向け海外旅行ガイド

 

6 航空券を手に入れる 7 乗り継ぎ便を利用する

 

おまえは、他人の中の自分と同じ欠点をむち打とうとするのか

(英 劇作家 シェイクスピア)

 

 

乗り継ぎ便

 

ネットの航空券購入ページを見に行くと必ず出てくる「乗り継ぎ便」。その利用は不慣れな旅行者には注意が必要だと前に触れましたが、ここではそれをもう少し詳しく説明します。

 

まず、「乗り継ぎとは目的地に向かう途中の第3の空港で別の便に乗り換える」ことをいいます。

 

航空券は区間ごとにも買えますが、通常、目的地まで通しで買います。 経由空港では、一般的には、経由地の空港の入国審査を通らずに次の国際線出発便に乗り換えます。 

 

その場合、最初の空港で搭乗する際に、預け荷物に取り付けられる荷札には経由地ではなく、最終目的地の空港コードが書いてあります。 預け荷物は経由空港で航空会社の手で最終目的地に向かう飛行機に積み替えられ、到着時に預け荷物の引き取り場所(ベルトが回っているエリア)に出てきます。

 

 

乗り継ぎ客は1番目の搭乗便が乗り継ぎ空港に到着した際に、身の回りの手荷物を全部持って、他の乗客と一緒に飛行機を降ります。ほとんどの乗客はそのまま入国管理(イミグレーション)ゲートに向かいますが、乗り継ぎ客は、その群れから離れて、次の便を運航する「航空会社の」トランジットカウンターを探す必要があります。上の写真の「Transfer services]がそれに該当します。トランジットカウンターとは次の便に搭乗するための乗り継ぎ客用のチェックインカウンターのことを言います。

 

そこは日本語の使えない海外の空港です。ターミナル内の案内表示を冷静に見れば、さほど難しくなくトランジットカウンターを見つけ出すことができますが、旅慣れない人にとってはおそらく探し出すのが大変だと思います。

 

大手の運航の場合、航空会社のスタッフが飛行機を降りたところの搭乗口に控えていて、乗り換え客の名前入りのボードを掲げて待っていてくれることもありますが、そうしたサービスを100%あてにしてはいけません。そこは日本ではなく、海外なのです。

乗り換え空港は大空港となることが多いですから、違うターミナルへの移動が必要となるケースも多くあります。最初の出発空港でチェックインする際にインフォメーションはあると思います。

 

 

乗り継ぎ航空券を売った航空会社は乗客を確実に目的空港まで運ぶ責任があります。したがって、乗り継ぎ便の設定が適切である必要があります。

 

航空会社や販売代理店である旅行会社は、空港毎に、ターミナル間移動なども考慮して空港が設定している「ミニマム・コネクティング・タイム」というデータを基に乗り継ぎ航空券を作成しています。最短で45分以上の乗り換え時間が設けられていますが、その時間では乗り継ぎ客にはさほどの時間的余裕はありません。

 

また、空港の裏方は預け荷物を最初の便から降ろしたあと、乗り継ぎ便の搭載荷物として集荷し、次の便に搭載する必要があります。この過程で預け荷物の紛失が起こるケースもそれなりの頻度で起こります。

 

したがって、乗り継ぎ便の利用には注意深くなる必要があります。同じ航空会社の乗り継ぎ便であれば、多少は信頼できるでしょうが、異なる航空会社、とりわけアライアンスの異なる航空会社間での乗り継ぎには警戒をします。

 

乗り継ぎ便を利用する場合には、仕事でも、休暇でも、往きは預け荷物を作らず、機内持ち込みだけで済ませるくらいがいいと思います。それくらい、荷物の紛失はありうることです。

 

一般的な話として、チェックインカウンターで預け荷物を預けるときに、荷物に荷札を取り付けてくれますが、荷札の半券を航空券か搭乗券(ボーディングパス)に貼付してくれます。普段この半券を使うことはまずありませんが、到着空港のバゲージピックアップ場で預け荷物を回収する際の自分の荷物の照合用の証明書ですので失くさないよう注意してください。

 

手荷物の紛失の際に、この半券がマスト必要となります。また預け荷物の内容について必要があればメモをしておきます。貴重品は預け荷物に入れないよう注意が必要です。到着空港の到着フロアにある航空会社の「Baggage Claim」の窓口はこの処理のためにあります。

 

欧州内での乗り継ぎ

 

EU内での乗り継ぎについては変則的ですので説明を加えます。

 

変則とは、一般的に目的空港に着いた際にCIQエリア内から検疫、入国審査、税関の一連のゲートを通過して到着フロアに出るのですが、EU内で乗り継ぐ場合には入国審査と税関が分離しており、乗り継ぎ空港で入国審査のゲートを通過して乗り継ぐことになります。検疫はおそらく最終空港ですが、COVIDの影響でまとまった最終情報がないため個別のニュースに基づく推測です。

 

 

例えば、羽田からドイツのフランクフルト空港で乗り継いでローマに行く場合に、羽田で預け荷物に付いたタグの行き先は「ローマ」です。フランクフルトで「フランクフルト発ローマ行きの便」に乗り継ぎますが、搭乗前にEUへの入国管理を済ませてから乗継便に搭乗します。一方、預け荷物はローマまで預けっぱなしですから、ローマ空港のベルトに荷物が出てきて、受け取った後に通関をすることになります。