【旅の準備】超初心者向け海外旅行ガイド
【旅の準備】超初心者向け海外旅行ガイド 6航空券を手に入れる 5 航空券(前編)
真の旅人には決まった計画はなく、どこかに辿り着こうという執着もない
(中 哲学者 老子)
エコノミークラスの「チケット種」
エコノミークラスの航空券には複数の種類があります。
飛行機に搭乗中は、エコノミークラスでは同じタイプの座席に座り、機内食が出る航空会社なら同じメニューですし、キャビンアテンダントのサービスは皆同じで違いはありません。これはエコノミークラスという一つのものに見えますが、実は様々な契約内容の航空券に分類されています。
基準となる航空券は、航空会社が直接販売し、発行日から1年の有効期限内に、搭乗予約をいつでも自由に設定・変更できる航空券です。
出発空港と到着空港、給油が必要であれば経由地は決められていて、有効期間中であれば搭乗する日は自由に決められます。日々2便以上の便が飛ぶ路線ならば、その複数便の中から搭乗便を自由に選択することもできます。
一旦搭乗予約をしても、変更は自由ですし、複数ポーションで構成される乗り継ぎ航空券であれば、あらかじめ決まった乗り継ぎ地点で入国し、空港から出てその国に滞在することも可能です。
そういった航空券はいわゆる普通運賃航空券と呼ばれる、エコノミークラスの中でも、最も値段の高い自由度の高い航空券です。また、搭乗予定の便に遅れが生じた場合などに、発券した航空会社の裏書さえあれば、協定に加わる他の航空会社の運航便に乗ることも可能(*1)です。
*1 エンドース:上述のとおり、予約便の遅延などの理由で、購入した航空券で同一路線を運航する他の航空会社便に搭乗を振り替えること。発券した航空会社から航空券に裏書を書いてもらい、エンドース制度に加わっている航空会社のカウンターに行き、席の空いている便に搭乗する。2つの航空会社はこの航空券で清算をします。
APEX運賃
旅行のブログなどを見ると、航空券に関してAPEX運賃や回遊運賃、OPENやFIXなどの単語が出てきます。ここでご説明するのは、そういった単語はもはや死語に近いということです。
もともと航空会社は個人に対しては正規運賃の航空券だけを販売し、旅行会社に比較的安い団体運賃のチケットを卸していました。
団体旅行も当初は添乗員が先頭で旗を持って引率する旅でしたが、添乗員のつかない旅行も販売されるようになり、その行きつく先となった最終形態は団体用として卸された航空券のバラ売りです。これが「格安航空券」と呼ばれる航空券のはしりだと言われています。
こういった経緯を経て、航空会社は自分で正規運賃よりも安い運賃の航空券を販売するようになります。これをAPEX運賃といいます。
同じ区間を、同じサービスを受けて旅行するのになぜ運賃が異なるのかという疑問が生じます。上の説明と重複しますが、航空券の有効期間の長さや、日にち指定や便指定の自由度、予約変更の可否、途中降機の自由、他社便でも乗れるエンドース、キャンセルの可否など、機内で同じサービスを受ける航空券でも、異なる条件を持つ航空券種が複数存在しているわけです。
条件にこだわらなければ一番安い運賃がいいですし、これらの条件の中に利用したいものがあれば、その条件に見合う航空券を探すということになります。安いチケットはどうすれば見つかるか?LCCの運賃が下限だと考えて、比較サイトなどで探すのが良いと思います。