全国一宮 第16回「摂津国一宮 住吉大社」(2014年12月)

2016年8月29日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 摂津一宮「住吉大社」は、大阪難波から南海電車に乗って10分「住吉大社」駅を降りるとすぐです。
 全国2千社を超える”住吉神社”の総本社であり、また、摂津、長門、筑前の”住吉大社”は「三大住吉」と称されます。  
 これに壱岐の住吉神社を加えた4社は、史実ではありませんが、神宮皇后の新羅遠征に由来し、この4社を結ぶルートは畿内から瀬戸内海を抜け玄界灘を経て朝鮮半島に至る遠征ルートです。
 
 祭神は、海の神「住吉大神」(筒男三神・・底筒男命、中筒男命、表筒男命)と神宮皇后です。新羅遠征に大きく貢献した「住吉三神」に感謝し神宮皇后が祀りました。
 筒男三神はイザナギノミコトが禊をした水から誕生した子供達です。”筒”は”津”、即ち”港”です、江戸時代まで住吉大社の眼前は大阪湾の海岸線でした。古代、ヤマト遠征軍の出立の地であったのでしょう。
  
 古代から皇室の篤い信仰を得た大社には、大陸に渡る遣唐使は“航海の安全祈願”に訪れました。元寇の際には朝廷は敵の撃退をこの地で祈願しました。 平安時代以降からは「和歌の神」としても有名です。

 

 境内には、摂社・末社も多く、民間信仰も盛んで、大阪らしい賑やかな古社「住吉さん」です。

鳥居

反橋(たいこはし)

住吉鳥居

鳥居の柱が四角柱と独特です


第一本宮 – 底筒男命(そこつつのおのみこと)

第二本宮 – 中筒男命(なかつつのおのみこと)

住吉大社ホームページより

前は第二本宮、後ろに第一本宮を臨む

第三本宮-表筒男命(うわつつのおのみこと)

第四本宮 – 神宮皇后(じんぐうこうごう)

 

 

 国宝の4本宮は、筒男三神が縦に並び先頭の第三本宮の横に神宮皇后の第四本宮が並ぶ、まさに海を進む船団のような独特の配置をしています。
 また、宮の外の境があいまいで出入りが簡単で、周囲を戸板のような盾状の木で囲われています。
 これも船を連想させます。

 

 

 

 

 

左は第三本宮、右に第四本宮を臨む


独特の冠を被った巫女さん

楠珺社(なんくんしゃ)

摂社・末社

 

 広大な境内には、数十を超える摂社・末社が祀られています。住吉大社の古く長い歴史を感じさせます。

 

 

初辰まいり

 

 

お稲荷さんです。
 人々は、樹齢千年を超える楠の神秘的な霊力に祈りを捧げてきました。その後、根元に設けられていた社にお稲荷さんを祭るようになりました。
 現在では、大阪商人を始めとして、日本中から多くの人々の信仰を集めています。

 商売繁盛のため日本中から多くの参拝客が来られます。
種貸社、楠珺社、浅沢社、大歳社の4社にお参りするのが慣わしです。

種貸社

 神から授かった「お種銭」を資本に加えて商売すれば増殖繁栄すると、大阪商人に親しまれています。