京都ミステリ-スポット 第24回 「神社の壁をトントン叩いてお詣りする、”ゑべっさん”」  (2017年 12月)

 2018年2月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 「京都ゑびす神社は、西宮神社(兵庫)・今宮戎神社(大阪)と並んで、「日本三大ゑびす」と称され、「えべっさん」の名で親しまれています。 

 その起源は、禅の祖・栄西禅師が宋からの帰国の折り、船が遭難しかかった時、海上に“蛭子(えびす)神”が現れ、その加護により難を免れたことから、栄西禅師は、1202年、“建仁寺建立”にあたり、その鎮守とし、「ゑびす神社」を建立しました、故に、建仁寺の西側に隣接しています。 

 “えびす様“と言うと、“商売繁盛の笹”をイメージしますが、この笹は”京都えびす神社の御札”から広まったもので、”笹”は、縁起物の松竹梅の竹の葉であり、「節目正しく真直に伸び」「弾力があり折れない」「葉が落ちず青々と繁る」といった特徴から、商売繁盛の象徴となりました。

 ご祭神の「えびす様」は、大国主大神(おおくにぬし)の長男「事代主大神(ことしろぬし)」で、七福神唯一の日本の神様です。

(鳥居の中央に“えびすさんの顔”の下に“賽銭受けの熊手”があります)

京都ゑびす神社の一の鳥居

京都ゑびす神社の二の鳥居


 この神社では、本殿正面でお参りした後、

 本殿左側に廻り、再度、お参りします。

 “えびす様”の誕生日の1月10日を前後して「10日えびすの大祭」が催され、大変賑わいます。

 

 東映太秦映画村から女優さんが、松竹梅と紅白に飾ったかごに乗り込み“えびす囃子”の「商売繁盛でささもってこい」のかけ声と共に参拝し、その後、都心のデパート・銀行・商店に“吉兆笹”を配り、京の新春を祝います。

ゑびす神社・本殿


 

「“ゑびす様”のお肩をたたくお詣りです」

「優しくトントンと叩いてください」

 

“叩いてお知らせし、お参りする”・・・大変、変わったお参り方法の神社です。

 

実は、ここの神社の“えびす様”は大変高齢でお耳が遠いため、「もしもし、お参りに来ましたよ!」と肩を叩いてお知らせしてからお参りをするのだそうです。

 

ご本殿の横側に、そのお参り場所があります、訪れた日も、写真のように、「トントンと叩き、お参りする家族がありました」



 “二の鳥居”の中央に“えびす様”のお顔があり、

その下に“賽銭受けの熊手”があります、商売繁盛を願い、下から賽銭を投げ込みます。


境内に、いらっしゃる「えびす様」の石像です。

どちらも微笑ましい“えびす顔”で、心が和みます。

 

 

 

 

 

 

「えびす神社」の裏門を出ると、もうそこは

「祇園・宮川町」・・・花街です。