第21回:  国際旅客概観(7)~JAL/ANAの路線便数構造~

 

                                                                                                              2019年5月20日

(マラソン講座)データから読み解いた航空事業 

(第21回;2019年5月20日)

 

国際旅客概観(7)~JAL/ANAの路線便数構造~   

羽田とLCCで圧倒のANA、次はハワイへ 

 

 

2018年度冬ダイヤ(2019.年1月)をもとに、JAL/ANA国際定期旅客便の週間便数
「路線 x 発着空港」で眺めたものです。

 

① 総便数; ANAは傘下のLCC便でJALを圧倒
JAL
529便/週、ANA571便/週だが、ANAには傘下のLCCPeach/Vanilla)が210便ある。
JAL提携のLCCJetstar-J63便)    
 

  ほかに両社ともに1000便を超える外国社とのコードシェア便がある。 

 

 (JAL/ANAの便数内訳)

 

    空港別にみた便数; ANAは羽田でJALを圧倒、両社CS便を幅広く活用
JAL
ANAともに羽田/成田を中心に便を張っている。
両社ともに関西/中部は少なく、それ以外の空港発着便はない。
 

特にANAは羽田/成田への集中傾向が強い(自社便の91%)。 

 

両社の便の差は主に羽田発着で発生(ANA238便、JAL154便)。 

羽田増枠でANAに傾斜配分されたことによる。

 

ANA傘下のPeachは、深夜早朝枠でソウル/台北/上海便を運航。
またPeachVanillaは那覇、福岡、札幌の地方空港をカバーしている。

 

また両社ともにCS便を活用し、自社便数を遥かに上回っている。

    羽田便数のJAL/ANA比較; 長距離便でANAが圧倒

  便数でANAが圧倒し、その差は特に枠の価値が大きい(便収入の大きい)長距離の米州/欧州、
アジア線で大きい。

 

    (羽田発着便の路線別内訳)

 

   両社の便数を路線別に比べると;  JALが上回るのはハワイ線のみ 

      米州/欧州線; 両社ともに自社便+それとほぼ同数規模のC/S便から成る。 

自社便はANAの方が多い(主に羽田)。

 

      アジア線; ANAは自社便で多いことに加え、C/S便が圧倒的に多い。 

       (シンガポール航空、タイ航空、ベトナム航空、ガルーダ航空、フィリピン航空等)

 

      中国/香港線; ANAは自社便が圧倒的に多く、これに傘下LCC便が加わる。 

JALはその差をC/S便(中国東方、中国南方航空)でカバーしている。

 

      韓国/台湾線; ANAは自社便が少なく、LCC便への置き換えが進んでいる。 

JALはその差をC/S便(大韓航空、中華航空)の多さでカバーしている。

 

      リゾート/オセアニア線; JALはハワイ線で圧倒している。 

2019年のANA超大型A380の就航でこの勢力図がどう変化するかが注目される。 

 

      (JAL/ANAの路線x便数構成)

 

 

《参考》 JAL/ANAの週間便数; 2019年1月ダイヤより 

 

      (発着空港別にみたJALの週間便数)

 

       (発着空港別にみたANAの週間便数)

 

 以上

■4月5日 NEW!

 

日本や世界の航空事業について諸々のデータから読み解く「マラソン講座」

の掲載を開始致します。

どうぞご期待ください。 

 

TD(旅行流通)勉強会

旅行流通に関する世界のニュース

 

■4月16日  NEW! 

 

「オフラインの世界に戻る Part 4(最終回)ハイテック対ハイタッチ ホテル」が、H.I.S.の「変なホテル」とForbes 5つ「Boston Harbor Hotel」の極端な2つのケースを比較していて面白い。宿泊業界は、ハイテックで割安なホテルと、高価であるがそれに見合う人的サービスを提供するホテルの2つのセグメントに別れるのだろう。航空業界におけるLCCFSAの違いと似通った話なのかもしれない。それにしても、Boston Harborの徹底したCRMは物凄い。

 

しかし宿泊施設では、これにホームシェアー(private lodgingとかalternative lodging facilityとも呼ばれている)の新経済が加わる。 

 

Google 民泊拡大」は、GoogleHotel Searchにバケーションレンタル施設を加えたと報じている。

 

Expedia Groupなどの提携サイトの掲載施設をリストすると言う。これはバケーションレンタルのメタサーチ?Googleの旅行市場への参入はとどまるところを知らない。そのGoogleが、先々週、欧州委員会から独禁違反で14.9億ユーロの制裁金支払いを命じられた。これでGoogleの独禁違反は3回目となる。中核事業(特に個人情報集約)の先行きを案じて旅行業を含む事業の多角化を目指していると勘ぐる。 

 

「エアビー5億人利用」によれば、民泊本家のAirbnbが累計で5億人の利用者獲得を達成し、600万軒の代替宿泊施設をリストしている。Booking.com570万軒を上回ったと言っているが、即予約(インスタント・ブッキング)できる施設数ではBooking.comが追い抜いていると理解している。Airbnbは、OTAHotelTonightを買収したと思ったら、今度はインドのOYO$150M~$200Mを投資したらしい。年内上場を睨んで、Airbnbの事業拡大戦略が継続している。

            (編集人)