CAPA分析:NEW HEADLINES  9月-2022年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。 

 

**************************

 

CAPA(Centre for Aviation)の発表する”CAPA Analysis” 原文はこちらからご覧になれます。

 

2022年9月25日掲載

アイスランドエアとエアグリーンランド、路線網協力を強化:更なる努力が必要か?

23-Sep-2022

 

大西洋の西ノルディック地区(グリーンランド、アイスランドそしてファロー諸島)では、アイスランドが、過去10年間、多くの人々にとって、行ってみたい目的地になって居る。あとの2か国は、観光客を誘致する方法において、敷かれたレールを追いかけて居るが、依然としてまだ追いつかない。

 

アイスランドエアとエアグリーンランドは、新たな政権の下、両国にとって、事実上の国際線玄関口となる、ケフラヴィック空港経由の彼らのスケジュールを、これまで以上に調整し合って居る。都心にあるレイキャビク空港への直航便が無いことはマイナス面であるが、これでアイスランドとグリーンランドそしてそれ以遠との間の、全ての形態の旅行が、より容易になる筈である。

 

然し、此処でのもっと大きな問題は、これが、単発的な決定なのか、それとも、訪問客にとって、世界中の別の何処でも得られない体験を提供すると言えるこの地区の中で、更に広範なエアラインと観光の協力へと繋がって行くのかと言うものである。

 

Icelandair and Air Greenland to increase network cooperation; more work needed? 

Premium Analysis

南アフリカ、*ACSA株取得への提案を断る:第2部~大統領は官民連携の「価値」を評価する

22-Sep-2022

 

南アフリカの国営空港運営企業であるACSAは、投資家たちから出資の申し出を受けて居る。関係する投資家によれば、その株式は、僅か6つの域内空港に於けるものである。

 

南アフリカの航空業界はこれまでずっと、今より良い時代を過ごして来た。

 

ACSAと南アフリカ航空(SAA) は、共に、パンデミックによる深刻な打撃を被り、最近、一部民営化されたSAAは、損失を出し始めてから既に長い。

 

それでも、他社が対抗する提案を出す可能性はある。

 

今回は、2部構成のレポートの第2回である。

 

*ACSA:Airports Company South Africa 南アフリカ共和国ヨハネスブルグの空港管理・運営会社、投資会社

 

South Africa rejects offer for ACSA stake: part two – president ‘values’ public-private partnerships

Premium Analysis

エアライン間の関係:エミレーツとユナイテッドが古い仇敵から親友へと進化

21-Sep-2022

 

ユナイテッド航空とエミレーツ航空の間の新しい協定を取り囲むファンファーレは理解できる物だ。

 

7年前、ユナイテッドは、アメリカン航空、デルタ航空と共に、米国政府に対し、エミレーツが、エティハド航空とカタール航空とともに違法な補助金として420億米ドルを受領したと訴えるキャンペーンを始めた。

 

最終的には、政府と関係したエアラインの双方が、全ての当事者をなだめる合意に達した。

 

然し、米国の3大グローバルエアラインと大手の湾岸エアラインは、COVID-19パンデミックが、彼ら運航会社が、その遺恨を棚上げせざるを得なくなるまで、ずっと冷たい関係のままであった。

 

Airline relationships: Emirates and United evolve from old foes to fast friends

南アフリカ、*ACSA株取得への提案を断る:第1部~少なくとも今は「戦略的資産」

20-Sep-2022

 

南アフリカの国営空港運営企業であるACSAは、投資家たちから出資の申し出を受けて居る。関係する投資家によれば、その株式は、僅か6つの域内空港に於けるものである。

 

南アフリカの航空業界は、これまでずっと、今より良い時代を過ごして来た。

 

ACSAと南アフリカ航空(SAA) は、共に、パンデミックによる深刻な打撃を被り、最近、一部民営化されたSAAは、損失を出し始めてから既に長い。

 

それでも、他社が対抗する提案を出す可能性はある。

 

今回は、2部構成のレポートの第1回である。 

*ACSA:Airports Company South Africa 南アフリカ共和国ヨハネスブルグの空港管理・運営会社、投資会社

 

South Africa rejects offer for ACSA stake: part one – a ‘strategic asset’, at least for now 

Premium Analysis

イスラエルの航空業界:トルコとの協定を歓迎。LCCの占有率上昇続く

19-Sep-2022

 

今月はじめ、イスラエル政府内閣はトルコとの二国間航空協定を批准した。この2カ国が2022年7月に署名を交わした、この取決めはイスラエルを本拠地とするエアラインが、運航する便を復活させることに繋がるものだ。

 

イスラエルのエアラインが民間機としてトルコに最後に飛んだのは、2007年である。然し、トルコから継続して飛ぶエアラインの便で見ると、トルコは既にイスラエルの最大の目的地国になって居る。

 

イスラエルは西欧のハブ空港へ、そして最近、接続可能性を高めて居るUAEのハブへの長距離乗継便と路線を、比較的少ししか持って居ない。トルコの会社に加え、イスラエルの運航会社にとってイスタンブールを目的地として加えることは、乗継可能性を高め、そして競争を激化させる事になる。

 

一方で、LCCの供給占有率が拡大し続け、COVID-19危機以来、追い風を受けて居るにも拘らず、イスラエルのナショナルキャリアであるエルアルの供給占有率は長期に亘る減少傾向にある。

 

これは、イスラエル発着の近・中距離市場が支配的である事を反映して居る。

 

Israel aviation: Turkey deal welcome. LCC share continues to grow 

2022年9月19日掲載

Premium Analysis

北米の航空業界:エアカナダとユナイテッドは国境越えの野心の達成に近づきつつあるか?

16-Sep-2022

 

COVID-19パンデミックの間、エアライン各社は、生き残りを図るか、或はひとたび世界的に健康に対する危機が、より管理可能な状況になった時には、ある水準の競争力を確保出来る様にするため、世界の航空分野に多くの新たな提携関係が出現した。

 

然し、エアカナダとユナイテッドの例では、両社は、2011年に彼らが確立しようと試みて居た、米国国境越えの関係をより深い形で復活させる事を決意して居る。

 

現在、新たな通常と言う状態が、業界に戻りつつある中で、エアカナダとユナイテッドは、彼らの国境超え路線での存在感を拡大し、究極的には収入拡大へと導く、スケジュール設定の効率性の新たな水準を形作るために、努力して居る。

 

Aviation in North America: are Air Canada and United poised to reach their transborder ambitions?

Premium Analysis

フィリピン~*アボイティス、マクタン-セブ空港運用企業の株式取得;2024年には管理下に置く

15-Sep-2022

 

フィリピンに新たな大統領、有名な元大統領の息子、が就任し、マニラ周辺で、進行中の幾つかのプロジェクトとして、空港など複数の分野に於ける民営化が再び俎上にあがって居る。

 

フィリピン第2の繁忙空港は、然し、そこにある訳ではない;実は、マクタンと言う観光の島にある。そこは、ほぼ10年前に民営化され、25年間のコンセッションで、現在は、当初のコンセッショネアである、メガワイドとGMR空港が2段階に分けて、彼らの持分を売却しようとして居る。

 

買手の持株会社である*アボイティスは、新大統領の顧問が率いて居ると言う事実が、この国の将来の空港民営化に関し、政府が採りそうな方針について多くを物語って居る。

 

各空港は、フィリピンを本拠とするコングロマリットにとって、概して魅力的であり、将来このインフラに惹きつける事に何ら障害は無いはずである。

 

*アボイティス:Aboitiz Equity Ventures、セブ市に拠点を置くフィリピンの持株会社で、消費財、ユーティリティ、金融、および産業の4つのセクターで事業を展開

 

Philippines – Aboitiz acquires shares in Mactan-Cebu airport operator; to take control in 2024

欧州のエアライン各社、第4四半期の供給を増強、然し供給/需要バランスがぐらつく

14-Sep-2022

 

2022年9月12日の週、欧州の総供給席数は86.2%と、2019年の同週から13.8%少ない状態である。

 

欧州は地区間の供給席数ランキングで、2019年対比26.7%減のアジア太平洋より上だが、供給が13.6%減だった中東より僅かに下の、5位に滑り落ちた。アフリカの供給は、10.7%減、北米は7.7%ダウン、そしてラテンアメリカは3.7%ダウンだった。

 

今週、2022年第4四半期に予測される供給は、過去2週間で88%から85%に削られた後、88%まで戻って居る。もし、これが実現すれば、2021年第1四半期の27%以来、各四半期連続して改善が続く事になる。

 

然し、2022年第2四半期が84%に達し、2022年第3四半期が87%、第4四半期は現時点で88%と予測されて居り、改善の速度は鈍化して居る。更には、搭乗率のデータは、需要に供給を合わせる事が、欧州のエアライン各社にとって、より難しいものになりつつある事を示して居る。この事は、2022年第4四半期の供給見通しを、更に危ういものにする可能性がある。

 

Europe's airlines raise 4Q capacity, but supply/demand balance wobbles 

Premium Analysis

シカゴ・オヘア空港が示す、10億ドルのT5投資;新たな「世界的ターミナル」の登場

13-Sep-2022

 

数年前になされた、アメリカの「第3世界の空港」についての批判のため、かなりの額の資金、数10億ドル、が、(トム・ウルフの言い方なら)「政府としては充分な仕事」である構造物だったものを、完全に改修するために、大規模空港の殆どに投じられて、暫く経って居る。

 

その中の一つが、かつては米国の最繁忙空港だった、シカゴのオヘア空港である。

 

ターミナル5を最後に締めくくられる工事は、8本の滑走路システムと、国内〜国際間の乗り継ぎを簡素化する事が期待される国際線ターミナルが、やがて、もう一度、その称号を取り戻すと言う、心躍る見通しを持って居る。

 

不思議な事に、ニューヨークの各空港、そしてロサンゼルス国際の幾つかの大プロジェクトとは違って、空港の復活が民間の資金でなされて居る例はとても少数である。

 

然し、やはり「大都市シカゴ」は2008年と2013年に2度、もう一つの空港ミッドウエイを賃貸する方針を変更して居り、民営化に否定的な精神構造がそれ以来ずっと付き纏って居る様だ。

 

Chicago O’Hare Airport showcases its USD1 billion T5 investment; new 'Global Terminal' to come

2022年9月11日掲載

Premium Analysis

ITA航空の売却:セルタレス/エアフランス-KLM/デルタが独占交渉中

09-Sep-2022

 

イタリア政府は、イタリア・トラスポルト・アエレオ(ITA航空)の株式を買収する交渉の次の段階で、ニューヨークの投資企業セルタレスの率いるコンソーシアムに資金調達の提携社として、またエアフランス-KLMとデルタ航空を営業と運営の提携社として、独占権を与えて居る。

 

これは、以前多くの場面で先頭走者と見られて来た、スイス-イタリアの船会社MSCとルフトハンザが構成するコンソーシアムより良しとしたものである。

 

ITA航空は、長年に亘って赤字を垂れ流して来たアリタリアの後を継いで、イタリアのフラッグキャリアとして2021年10月に事業を開始した。現在は、所有者はイタリア政府で、2022年2月以来、資金と営業の提携社を探して居る。

 

2022年9月5日の週、イタリアの総供給席数は、LCC各社に牽引されて2019年同週の94%に達して居る。然し、ITAはアリタリアの2019年水準の僅か59%にしかなって居ない。回復期のこの段階で、パンデミック前の供給に比べ、その様な低い比率である事が、同社の路線網に与えたダメージの大きさを強調して居る。 

 

ITA Airways sale: Certares/Air France-KLM/Delta in exclusive talks

インドネシアの北バリ空港:第2部~最適なビジネスモデルと路線網戦略を見出すために

09-Sep-2022

  

おそらく「COVID-19後の世界」に、やっとの事でなろうとする世界で、然しその中では長続きする力を誰も持てないだろうし、そこの住民たちの僅かな貴重な可処分収入で、政府も民間部門の空港運用企業も等しく、3年近くの間、脇に置かれて居た空港のインフラについて、難しい決断をしなければならない。

 

そんな場所の一つが、パンデミック以前に、既存の空港が混雑で、限界に来て居た、東南アジアで最も人気のあるスポットの一つ、インドネシアの島、バリである。

 

計画を進める事への賛否の両論が互いに相手を否定し合い、この最新の亀裂が、詳細な場所を選択する好機としてだけでなく、単に既存空港の「混雑救済」以上に、その存在意義を決定づけるために使えるかも知れない。

 

過去3年間に、多くの事が変化して居り、そして、航空交通産業が一体何処に向かって居るのかを、可能な限り理解する事は、如何なるグリーンフィールド・インフラについてもそろばん勘定をする上で、極めて重要である。

 

今回は2部構成のレポートの第2部である。

 

North Bali airport: part two – finding the right business model and route network strategy 

Premium Analysis

アルゼンチンのエアライン各社、需要が依然堅固で強気

08-Sep-2022

 

アルゼンチンの運航各社は、世界中の多くのエアラインと同様、パンデミック回復から拡大の好機を掴む事に焦点を移して居る。

 

アエロリネアス・アルヘンチーナとフライボンディの両社とも、アルゼンチンの需要は供給を超える可能性があると考えて居る。

 

低コストエアライン各社が台頭し、市場に確固たる足場を築く中で、国の中での力関係は、COVID-19危機の前にも既に、変わろうとして居た。ラテンアメリカでの多くの例と同様に、アルゼンチンの旅客需要を刺激し、バス旅客を航空旅行に切り替える好機がある。 

 

現在、国内線需要が危機前の水準にますます近づく中で、アルゼンチンのエアライン各社は、更に多くの旅客の地上交通機関からの切り替えを推し進めようとして居る。

 

Argentina’s airlines are bullish as demand remains robust

Premium Analysis

インドネシアの北バリ空港:第1部~戦略的プロジェクト・リストから削除されるも「依然、国家的な要請」

08-Sep-2022

 

おそらく「COVID-19後の世界」に、やっとの事でなろうとする世界で、然しその中では長続きする力を誰も持てないだろうし、そこの住民たちの僅かな貴重な可処分収入で、政府も民間部門の空港運用企業も等しく、3年近くの間、脇に置かれて居た空港のインフラについて、難しい決断をしなければならない。

 

そんな場所の一つが、パンデミック以前に、既存の空港が混雑で、限界に来て居た、東南アジアの最も人気のあるスポットの一つ、インドネシアの島、バリである。

 

新たな空港を作る決断は(場所は詳細には決まって居ないが)、7年前に為されて居たが、遂に国家戦略インフラプロジェクトのリストに載った。

 

然し現在、それは差し戻され、その決定には幾つもの理由がある様だ。

 

今回は2部構成のレポートの第1部である。

  

North Bali airport: part one – removed from strategic projects list but 'still a national need'

欧州の航空業供給回復、2022年第4四半期に逆戻りへ

07-Sep-2022

 

2022年9月5日の週に欧州の供給席数総計は、2019年の同週に比べて13.2%足りない、86.8%の状況にある。

 

欧州は、地区間ランキングで、2019年対比で27.3%減のアジア太平洋と供給が13.3%減の中東の上の第4位に留まって居る。

 

欧州に於ける供給回復は、2019年水準に対し、2021年第1四半期の27%から現在予測される2022年第3四半期の87%まで、各四半期に継続する進歩を見せて来た。然し、間も無く終わる、今の四半期のこの数字は、2022年第2四半期に達成された84%から僅かしか改善して居ない。

 

更には、2022年第4四半期の欧州の供給予測は、過去2週間のうちに88%から85%へと削られて居る。これは、現在の四半期から今年最後の四半期へと、僅かながら、供給回復トレンドの逆転を示すものだ。 

 

Europe's aviation capacity recovery to go into reverse in 4Q2022

 

Premium Analysis

黒字に回帰:2022年上半期、70%の調査対象空港運用会社、財務実績の改善を報告

06-Sep-2022

 

過去数週間、世界中のほぼ30の空港運営企業から危機的な財務報告が発表されて居る。単一の空港企業から利害関係者が複数の国に亘るものなど様々だが、主には2022年上半期の会計期間についてである。

 

これらの財務報告は、極めて重要である。何故なら、投資家やその他の利害関係者が、世界的にこの業界はCOVID-19パンデミックから回復し始めたのかを見る必要があり、そして一つの空港(空港グループでは更にそうだ)は常に個々のエアラインに比べ、より良い道しるべであり、これがなければ、最も必要な時に外界への投資は無くなるだろう(漸く現在は幾つかM&A活動が見られる)。

 

良いニュースとしては、財務データを公表した大半の空港;CAPAが取り上げた所は、大きく改善した状況を報告して居り、幾つかは全指標に亘り黒字を計上して居る。

 

特に、航空旅行に厳格な規則が適用されて居た中国やニュージーランドなどの国々では、未だ、行く手には幾らか道のりがある。これらの国々は、この先一年かそこらの間、停滞が続く可能性がある。

 

Back to black: 70% of surveyed airport operators reporting improved financial results in 1H2022

Premium Analysis

オーストララシアのエアライン、広胴機の復帰で障害に直面:第2部〜エアNZとバージン・オーストラリア

06-Sep-2022

 

オーストララシアの広胴機保有機群は、COVID-19パンデミックにより、大きな打撃を受け、国際線需要が加速する中で、再構築は遅々として居る。

 

エアニュージーランドとカンタスは、共により多くの広胴機を就役に戻そうと計画して居る。然し、この手順は数か月に亘るものだろうし、また、新しい機材納入が遅れて居る。

 

一方で、バージンオーストラリアは、自社の長距離保有機群を再構築することを考えて居る。これは、長期に亘るプロジェクトになりそうで、短期的な不足の緩和には役立たないだろう。

 

この分析第1部では、オーストララシア地区の全体的な広胴機のトレンドを検証し、2通路保有機群を強化しようとするカンタスの努力も詳細に見た。第2部は、機材納入遅れに対処するために、待機中の航空機のより多くを再稼働させる、エアニュージーランドの広胴機計画を、そして、2020年に全ての広胴機を切り捨て、今またその様な保有機群の再構築がどうしたら可能かを検討して居る、長距離路線競争の中でのバージンオーストラリアの意図に焦点を当てる。

 

Australasian airlines face widebody recovery challenges: part two – Air NZ and Virgin Australia

Premium Analysis

ダブリン空港「北」滑走路供用開始:第2部〜daaの財務状況改善、然し、より多くの投資が必要

05-Sep-2022

 

アイルランドに、到着し出発する玄関口であり、大西洋横断旅行のハブであるダブリン空港で第2滑走路が承認されたのは15年前の事になる;然しそれが供用を開始したのは、ほんの2022年8月の事だ。この滑走路は、旅を容易にし地元の経済を助けるが、その主たる任務は、主に大西洋横断路線以外の、旅客、貨物双方の長距離エアラインを誘致する事である。

 

このコストを支えるためには、エアラインに科す料金が上がる事を意味するが、それは2026年からだ。それまでは、料金には上限が設けられ、より新しいインフラを提供する事で、運営会社*daaに対する分担金だけが値上げされる。

 

選挙と、次いでCOVID-19パンデミックのため遅れたが、第3ターミナルの発表が、予想より早急に必要になるかも知れない。一方で、ダブリンの南北を走る軽量鉄道計画が、空港駅を含め、承認されて居る。

 

総合すると、これらの計画はダブリンが、小国の代表として、遥かに重量級を相手に健闘する、主要な西欧の玄関口としての地位を保つための助けになるだろう。

 

今回は2部構成の第2部である。

 

*daa:旧ダブリン空港公社、ダブリン空港とコーク空港を所有し、運営するアイルランドの半国営の民間空港会社 

 

Dublin Airport North Runway opens: part two – daa finances improving, but more investment necessary

Premium Analysis

オーストララシアのエアライン、広胴機の復帰で障害に直面:第1部〜カンタス

05-Sep-2022

 

オーストララシアの広胴機保有機群はCOVID-19パンデミックからの回復がゆっくりとして居り、航空機の機数は、少なくとも単期的には減少傾向に止まる模様である。然し、エアラインはその最も大きな航空機を待機状態から引き出そうとする一方で、各社はまた、彼らの2本通路の保有機群の長期に亘る将来像をどうするか検討して居る。

 

エアラインの保有機計画は、パンデミックで、広胴機の方が狭胴機よりずっと大きく打撃を受け、ひっくり返されて居る。多くの地上待機の航空機はオーストララシアのエアラインでは、最早飛ぶことは無く、幾つかの古いモデルの引退が加速されて居る。保有機群の更新計画はまた、メーカーの納品遅れのために複雑化して居る。

 

然し、エアライン各社が、この地区の将来の国際線保有機群を支える、より多くの広胴機を発注し、或は計画して居ることから、将来像は必ずしも全て暗澹として居る訳では無い。

 

カンタスは、その長距離路線供給を再構築しようとする中で、これら全ての動きから影響を受けて居る。

 

Australasian airlines face widebody recovery challenges: part one – Qantas

2022年9月4日掲載

ダブリン空港「北」滑走路供用開始:第1部〜着陸料の論争の中、路線図は「西」に偏る

02-Sep-2022

 

アイルランドに、到着し出発する玄関口であり、大西洋横断旅行のハブであるダブリン空港で第2滑走路が承認されたのは15年前の事になる;然しそれが供用開始したのは、ほんの2022年8月の事だ。この滑走路は、旅を容易にし地元の経済を助けるが、その主たる任務は、主に大西洋横断路線以外の旅客、貨物双方の長距離エアラインを誘致する事である。

 

このコストを支えるためには、エアラインの料金が上がる事を意味するが、それは2026年からだ。それまでは、料金には上限が設けられ、より新しいインフラを提供する事で、運用会社*daaに対する分担金だけが値上げされる。

 

選挙と、次いでCOVID-19パンデミックのため遅れたが、第3ターミナルの発表が、予想より早急に必要になるかも知れない。一方で、ダブリンの南北を走るライトレール(軽量軌道交通)計画が、空港駅を含め、承認されて居る。

 

総じて、これらの計画はダブリンが、小国の代表として、遥かに重量級を相手に健闘する、主要な西欧の玄関口としての威信を保つための助けになるだろう。

 

今回は2部構成の第1部である。

 

*daa:旧ダブリン空港公社(Dublin Airport Authority)の事で、ダブリン空港とコーク空港を所有し、運営するアイルランドの半国営の民間空港会社

  

Dublin Airport North Runway opens: part one – route map skewed towards west amid row over charges

Premium Analysis

アズールとGOL、ブラジル北部からフロリダ南部へ競争を強める

01-Sep-2022

 

ブラジルのエアライン各社は、今やCOVID-19パンデミックに由来する障害が概ね消えて行ったため、将来に関して、かつて無いほど強気である。需要の勢いに合わせ、この国最大手のエアライン各社は、市場本来の商機をものにするための戦略を展開しようとして居る。

 

アズールとGOLの両社はブラジルの北部からフロリダ南部への注力を更に強めようとして居り、これがこれらの市場での競争の力関係を変化させる結果になって居る。

 

個々のケースでは、アズールとGOLは国際線便を、歴史的に、より大きなブラジルの市場で増強する中で、提携が重要な役割を演じて居る。そしてこれらの関係がこの国の民間航空業界の進化のために鍵となるだろう。 

 

Azul and GOL up the competitive stakes from Northern Brazil to South Florida

欧州の航空業界:経済に更なる暗雲がかかる中で、スケジュールが間引かれる

31-Aug-2022

 

2022年8月22日の週の短い突発現象の後で、2019年水準に対する比率で見た欧州の供給回復は、それ以前の13週間ずっと占めて居た86%〜87%の範囲に戻って居る。

 

更には、その週には2022年の残りの期間、稀に見る供給席数の増加がスケジュールされて居るのが見られたにも拘らず、今週(2022年8月29日の週)はこの見通しに2ポイント以上の削減がなされて居る。

 

今週、欧州の合計供給席数は87.1%、即ち2019年の週に12.9%及ばない所に居る。欧州は引き続き、供給が2019年対比で23.9%低いアジア太平洋、そして14.8%低い中東の上の4位に留まって居る。

 

2022年第4四半期の欧州の供給見通しは、88%から86%へと削られ、2022年第3四半期の87%より低くなって居る。これは、航空旅行の需要を取り囲む大きな懸念として、COVID-19が、そして運航上の問題さえもが、経済に道を譲る可能性がある事から来て居る。 

 

Europe aviation: schedules trimmed as darker economic clouds gather

Premium Analysis

カタール投資庁、パキスタンの空港への投資を検討

31-Aug-2022

 

カタールは、カタール航空の旅客と貨物活動及びドーハ・ハマード空港の大陸間ハブにより、世界の航空輸送業界で影響力のある役者としての存在を確立して居る。

 

然し、エミレーツのより知られて居ない活動に、外国空港への投資と開発がある。カタール投資庁(QIA) は、ロンドン・ヒースローとサンクトペテルスブルク・プルコボ両空港の長きにわたる株主である。

 

一方、過去数年間と言うもの、カタール航空は。モスクワ・ブヌコボ空港との投資交渉を終結させようとして居り、またルワンダのキガリに建設中の新空港に投資して居る。

 

QIAはパキスタンの最大級の二つの空港に関心を向けて居る:カラチとイスラマバードである。これらの空港は、目標達成できないものの様に見えるかも知れないが、グワダールに開発中の新空港は、港湾施設、そしてリゾートエリアを伴い、世界の投資コミュニティからパキスタンに、より多くの関心を集めるのは確実だろう。

 

多分、これらの状況下では先駆者になることが良い事だろう。 

 

Qatar Investment Authority considers investments in Pakistani airports

エアジンバブエ、ハラレに南部アフリカのハブを提案:第1部~何年も続く戦い

29-Aug-2022

 

嘗て「アフリカのパン籠」と称された、国有航空会社で、この国のナショナルキャリアーは、過去数十年の間、手も足ももがれた状態になった。然し、多くの負債を吐き出し、そして新たな経営陣の舵取りにより、エアジンバブエが遂に、後ろを振り返るのではなく、将来を見つめようとして居る。

 

新たな会長は野心的な、そう、少なくとも標準的に言って野心的な計画を持って居る。その一つは、ハラレ空港との関連で、南部アフリカのために、地域のハブとスポークの運用を構築する事である。

 

この計画は、この地域の主導的なエアラインで、これもまた最近は深刻な状況にある南アフリカ航空を助ける。また、旅行者たちは、浜辺よりもずっと自然(それならふんだんにある)に惹かれる様になって居る。

 

然し、その会長が呼ぶところの「マンモスの様な使命」を乗り越えるためには、段階的な、近代的な考え方;確実な、新しい保有機群(必ずしも大規模なものでなく);注意深く選ばれた路線;よく考慮された価格設定戦略そして幾らかのキャッシュの更なる投入が必要である。

 

これは2部構成のレポートの第1部である。 

 

Air Zimbabwe proposes regional Southern Africa hub for Harare: part one – years of struggles

カンタス、オークランド=ニューヨーク線でエアNZに追従する~然し、両社に充分な参入余地がある筈だ

30-Aug-2022

 

カンタスは、2023年に同社の有名なニューヨークへの1地点経由便を、その経由地点をロサンゼルスからニュージーランドのオークランドに変更すると言う大きな転換をして、復活させる計画を明かした。

 

これは、オークランドとニューヨーク・ジョンFケネディ国際空港(JFK)間の便を正に開設しようとして居るエアニュージーランドにとっては、間違いなく、歓迎されないニュースである。

 

これをカンタスがエアニュージーランドに警告を与えて居るのだと見たくなる一方で、なぜオークランド経由に変更することがカンタスのニューヨーク便にとってより合理的かと言う、ずっとより納得の行く理由がある。

 

Qantas follows Air NZ with Auckland-New York route – but there should be room for both 

Premium Analysis

フランス、欧州のエアライン回復に貢献~トランサヴィアと敵対LCC各社に導かれ

29-Aug-2022

 

2022年、フランスは、COVID-19からの供給回復の軌跡の中で全体として欧州の最先端を走って来た。2022年8月22日の週に、この欧州で6番目の航空市場は、その2019年の供給席数に比べ、全欧州の水準が89%だったのに対し92%となって居る。その他の西欧の大市場に比べ、フランスは、英国(85%)より前を行って居るが、スペインとイタリア(共に94%)の僅かに後に居る。

 

エアフランスーKLM は、供給を欧州の他の2つの伝統的エアライングループの2019年水準に対し、より高い比率に推進して来た。

 

これは、同社の低コストブランドであり、今や、エアフランスのパイロット達から課せられた拡大の制限と言う以前の束縛から自由になった、トランサヴィア・フランスに大きく依存して居る。トランサヴィア・フランスは、既に、2019年の同時点より多くの供給を楽々と運航して居る。従って、LCC各社、ライアンエア、ヴォロテア、そしてウイズエアの競争相手である。

 

フランスは主にLCC各社に牽引されて、欧州の全供給回復のペースより依然として先を行って居る。 

 

France betters Europe's airline recovery, led by Transavia and rival LCCs