航空業界、1930年代に逆戻り

当分析はCAPAが2020年9月20日に発表した 

 

Aviation returns to the 1930s

 

をJAMRが一部翻訳したものです。

2020年9月29日

航空業界、1930年代に逆戻り

20-Sep-2020

COVID後の業界が、交通量水準が落ち込み、より頻繁な政府の介入、小さくなった路線網、運賃の上昇で、1970年代のプロフィールに逆戻りすると言う話がよくされて来て居る。

然し、2つの極めて重要な見方から、本当に比肩すべき時代と言ったら、1930年代である。90年前の業界と政府の振る舞いから学ぶべき重要な教訓が幾つもある。

何よりもまず、第一次世界大戦は、新しい航空機が容易に境界を超えてしまう事への対応として、全ての国はその領土の上の空域に絶対的な主権を有すると言う考えを確立した、複数国間の1919年パリ会議を産み出した。これは、基本的に、全ての国境は外国の「航空機に対して閉ざされて居り、上空通過でさえ許可を必要とする事になった。

第2に、より早い時期に、航空業界のどさ回りの時代に、商業飛行旅行拡大の最大の阻害要因は安全性だった。エアラインには、旅客になりたい人々にとって望ましくない側面である、居心地の悪い墜落と言う性癖があった。

概容:膨大なスケールの障害 Summary: Disruption on a massive scale

      航空業界は向こう数ヶ月が展開するに従い、かつて想像したこともない水準の障害に向かって居る

      全体として、或は部分的にせよ国境が閉ざされて居る限り、国際線の回復はあり得ない

      旅客に飛行機に戻ってくるよう勧め、国境管理を緩和する事は回復への鍵だろう、然し今や不可避となった大規模な景気後退で遅れる事になる

      ビジネス旅行、業務渡航は、弱まる経済状況、雇用者の責任への懸念、そして短期的にはオンライン会議の普及などの組み合わせで、抑制される

      業界のプロフィールは、イールドの高いビジネス旅行の減少に影響され、エアラインが姿を消し、或は自ら変身し、この機を捉えた新規参入者が現われ、抜本的に変わる

      空港は、高い費用をかけ、革新的に適応する必要がある:その準備は出来て居ないかも知れない

      環境保護問題は、依然として取り組む必要があり、再成長に影響する可能性がある

      業界は、常顧客プログラム、ITソリューションズ、そしてEコマースに、より大きく依存する事になるだろう

この記事は、エアライン・リーダー#53号の「航空業界、1930年代に逆戻り」より抜粋したものである2020年は1930年代の平行移動

飛ぶ事のコストと居心地の良さの欠如とは別に(我々の現状に再び現れた2つの特徴)、1930年代の人々は、その様な危険な使命のために飛行機に乗る事には気が進まなかった。

これら一つ一つの懸念が克服されるには何年も掛った。実際に、新たな基準について政府間の合意が形成されるには、殆どが安全規則の標準化に関してだったが、第2次世界大戦の後まで掛った。

今日、国境は閉ざされて居るが、旅客の信頼が回復を産み出すだろう

今日、殆どの国境は航空便の運航に対して、実質的に閉鎖されて居る。そしてやはり、疾病への惧れ、多分死の恐怖が、航空旅行への主要な阻害要因だと明らかに示されて居る。航空旅行は、他の交通手段と同様に、それ自体が総じて疾病の拡散者である;それは、政府が広範に国境越え運航をほぼ不可能とし、国際旅行を規制する主たる動機である。

然し、最終的には旅行者が飛行機に乗る気があるか、或は無いかが、如何に、そしていつ航空旅行が回復するかを決めるだろう。そして彼らは、安全についての個人的な信頼感を基に判断するだろう。

明らかな証拠は、今や近距離国内線の旅行者でさえ、COVID-19感染者数が増えて居る所に飛ぶのは積極的に避けて居る;最近の米国、そして他所でも、の経験が示して居る。単純に供給を増やし、そして超低運賃をしても、衛生、保健条件が危なっかしければ、旅行者に空に戻るよう説得する事はできないだろう。基本的な障害は、心を掴みとる事である。

安全は、マーケティング上の武器となるべきではない。

幾つかのエアラインは、ソーシャルディスタンスを設ける証として中間席をブロックし、それを旅行への誘いとして商品化して居る。これは結局、エアラインに営業的な見返りを与えてはくれないが、将来的な常顧客への道を築くことになるかも知れない。

もう一世紀近く、エアラインは旅客の安全を商品化する事は慎んで来た。中間席を空席に保つか、他の分離方法を使うか、いずれにしろ「より安全な」機内の設定を売り込む事は、エアラインが必要とする事では無い。公的な観点から、標準を、業界中で合意し、或は設定する事が、明らかに極めて望ましい。安全の基準で差別化を図ろうとする事は、すぐに業界全体に対する消費者の信頼を危うくしかねない。

言い換えれば、航空の回復は、目に見えて、現実的に安全な旅行の環境を提供する、集合として、個々にではなく、エアラインと空港の手に委ねられて居る。

それは容易な事ではない。多くの旅行者が必要とする水準の、居心地の良さと安全を提供するには、可なり大きな運用面の変更が求められるだろう。

同様の理由から、各国政府も、住民が危険に晒されそうな、国境を無条件に開放する事に消極的であることを示して来た。これらの方針はまた、人々の感じ方を反映して居り、同時に国家の健康衛生に関する責任と見做されると理解されねばならない。

従って当面、我々は、固く、1930年代に留まったままなのだ。

我々は如何に忘れっぽいか;準備することを

短期間だが猖獗を極めた2003/2004年のSARS勃発の数年後に、WHOが次に類似の出来事は「起こるのかどうか、ではなくいつ起こるのかの問題だ。」と警告したにも関わらず、世界の殆どの人々からは概ね忘れられて居た。H1N1とMERSウイルスでさえ、より差し迫った経済、政治の問題にとらわれた、国家の監督官庁を啓蒙する事は出来なかった。

例外は、韓国や台湾の様な、COVID-19の最悪の事態を避けられた、2~3の先見の明のある国の政府だった。それぞれ、SARSで急激に痛めつけられて居た。

フラッグキャリアーのキャセイ太平洋が、全保有機群の地上待機を余儀なくされるまでに数日間しかなかった香港でさえ、備える事が出来なかった。

他の地区からもありありと見えるように、中国本土への地理的な近さにも拘らず、台湾は、2,400万の人口を持つが、2020年8月中旬現在、コロナウイルス感染者数が、わずかに486人、死者数は7人である。

多分将来は、他の地区は同様に準備できるだろうが、多分違う、特に経済と感染回避の間の相克が政治的な問題になるような所では。二つの問題が、結局は一緒になるのだから、これは、ますます理論的な誤りに見えて来る。

「前代未聞」と言う言葉が最も頻繁に使われる。これは、この不確実な状態は前例の無い事を意味する

多くの観察者は、ウイルス性のSARSや2008年からの世界金融危機(Global Financial Crisis:GFC)の様な、何か以前に発生した事象から推論しようとして居る。

現在起こって居る事象に前例は無い。

我々の、新たな出発点からの予測が不可能だと思わせるため、このことを認識するのが大切である。幾つかの事柄は、もはや同じではなくなるだろう(多くの事柄が、現在は不可能に見えたとしても、一年後には違って見えるかも知れない)。

その違いの規模を強調する様に、旅客数で2009年にGFC後に起こった、今世紀最も激しい世界の対前年落ち込みは、▲0.4%*の下落だった。(*ICAOの2015年年次報告、付録1)

2020年通年の見通しは、旅客輸送量はほぼ60%下落すると言うものだ。

 

GFC(世界金融危機)の後2019年、年間旅客数は僅か▲0.4%の下落だった

Source: CAPA - Centre for Aviation, ICAO

 

2020年の旅客数は、60%下落するだろう(年間の供給席数は40%の減少)

Source: CAPA – Centre for Aviation, OAG 

このレポート「航空業界、1930年代に逆戻り」全文を読むには、エアラインリーダー#53号、全57ページの記事をダウンロードされたい(無料)。内容は以下の通り

エアラインリーダー#53号:目次

 

以上

注目した記事10.14

【独自】ピーチ 中部発着国内線 12月下旬…新千歳・仙台便 有力(読売10.14)

 

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20201014-OYT1T50129/

注目した記事10.5

エアアジアが12月に日本撤退 国内航空、コロナ禍で初(日経10.5)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64621680V01C20A0TJ1000/

エアアジア、日本撤退に透けるしたたかな戦略(日経ビジネス10.1) 

(全文を読むためには会員登録が必要です。)

エアアジアについての当研究所の分析も併せてお読みください。 

マラソン講座