CAPA分析:NEW HEADLINES  10月-2017年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。 

 

 英文本文の翻訳を航空、旅行業界の豊富な経験と知識で承ります。 

  

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10月29日掲載

カタルーニャ危機=スペインの航空旅行産業と空港に影響

26-Oct-2017

 

スペイン政府は、本日カタルーニャの事態に直接の監督権を摂ることとした。

スペイン東北部で、750万人の人口を擁するカタルーニャの政治的自治権は、自治権法が、この地域の国籍も確認した1978年以来(2006年に更新)は、他のスペインの地域と同様に行使されて来た。

 

この地方への旅行需要には即座に影響が出て居り、地元経済には大変高く付くものである。この問題が長引く事は、状況を激しく悪化させる。

 

これは「ブルー・スワン・デイリー」にて既報の記事の改訂版である。

 

 

The Catalonian crisis: impact on Spain's air transport, tourism and airports

Premium Analysis

 

欧州2017/2018年エアライン供給展望:過去10年間で最大の伸び=経営破綻が続くにも関わらず

26-Oct-2017

 

欧州発のエアライン供給席数の伸びは、CAPAのOAGデータ分析によれば、昨年冬季の5.7%に対し、2017/2018年冬季には7.2%に加速する模様である。これは、モナークの崩壊とライアンエアの供給伸び低減を勘定に入れる前より概ね1パーセントポイント低くなって居るが、それでも、最近のエアラインの破綻にも拘らず、過去10年間の冬季スケジュールで最高の伸びとなる。2017年10月28日からのエアベルリンの運航停止は部分的に、伸びを減ずる事になるかも知れないが、その供給の殆どは再配分される可能性が高く、アリタリアはこの冬、運航を継続する予定だ。

 

ウイズエアとTAPポルトガルは欧州のグループの中で最速の伸びを見せ、トルコ航空、ペガサスとフィンエアもやはり2桁の率で伸びて居る。

 

欧州からアフリカへは最も速いスピードで伸びる模様だが、平均値に近い欧州=中東は別として、欧州からの他の全ての地域で(欧州域内も含め)平均を超える伸びがあり得る。ラテンアメリカ行きだけは、昨年に比べ、かなり伸びが緩慢である。欧州域内では、LCCの供給席数の伸びが、非LCCのほぼ3倍となる模様である。北大西洋では、平均を上回る伸びは、主に、LCCとその他の共同事業でないエアラインに牽引されて居る。欧州=アジア太平洋では、加速する伸びは、主としてアジアのエアラインの拡大の結果である。

 

このCAPAレポートは、欧州からの主要目的地への供給席数の伸びと各エアライングループの占有率を報告する。

 

 

Europe 2017/2018 airline capacity outlook: highest winter seat growth in 10 yrs despite bankruptcies

 

タイガーエア台湾、黒字化=保有機群拡大の前に安定化を図る

26-Oct-2017

 

タイガーエア台湾は、中華航空の100%子会社になり、自らをタイガーエアグループそして経営支援からも切り離して以来、利益の出る世界に踏み込んだ。Vエアの運航中止以来、タイガーエア台湾は、台湾で唯一の地元LCCとなったが、累積赤字が13億台湾ドル(4,310万米ドル)あった。

 

同社はこれを4年以内に逆転させる事を目指し、2016年上期の4億2,000万台湾ドル(1,390万米ドル)の赤字に対し、2017年上期は1億7,400万台湾ドル(570万米ドル)の黒字として、既にその途上にある。

 

タイガーエア台湾は団体旅行や、チャーターを取り込むなど、より柔軟な姿勢をとろうとして居る。特に日本へのチャータープログラムは同社の定期便化に結び付く可能性がある。東南アジアはタイガーエア台湾の興味を持つ所だが、過当競争となって居り、発着枠の配分で保護主義政策に直面して居る。韓国はかなり供給が手薄であるが二国間協定の制限がある。

 

タイガーエア台湾は、3年間で12機という初期計画より僅かに遅れるが、2017年の末までに11機目のA320を受領する予定である。同社は機材の追加の前に、表舞台に躍り出るチャンスを伺って居る事も理に適っている。

 

 

Tigerair Taiwan enters profitability and plans to settle in before growing fleet

Premium Analysis

 

カンタス、787初号機を受領しオプションの行使を計画=より多くの787を低コストのジェットスターに回す

25-Oct-2017

 

カンタスは、2005年に最初の発注をして以来13年振りに、787の初号機を受領する事で脚光を浴びて居る。787は注目のパースからロンドンへの直航便の開設や、競争が激化する北米市場など、その他の戦略的な重要な要請のあるところに使われる予定である。

 

グループのCEOアランジョイスは、カンタスは787保有機群を8機以上に増やす計画であると語って居る。然し、注目はやがて、グループ内で最初に787を使ったジェットスターに戻って行く筈である。

 

ジェットスターは、現在11機の787-8を使って居るが、競合他社、特にスクートとエアアジアXが広胴機の保有機を増やして居る間、ずっと待ち続けねばならなかった商機をつかみ取る事を可能にする、-9を含めて、787保有機群が大きくなる事には大きなメリットがある。ジェットスターが最後の787を受領したのは2015年で、カンタスグループとしては、投資家たちに(一部は未だに懐疑的である)、賢い資本の配分と債務の減額を行うと言うメッセージを伝えようと努めて居る。

 

 

Qantas receives first 787 and plans to exercise options: more 787s should go to low cost Jetstar

Premium Analysis

 

 エアベルリン、臨終の床で、ニキ、LGW、その他の機材をルフトハンザ/ユーロウイングズに売却=イージージェットとの交渉は続く

24-Oct-2017

 

2017年10月12日、ルフトハンザ・グループは、エアベルリンの子会社であるルフトフェアケールスゲゼルシャフト・ワルター(LGW)とオーストリアのレジャー航空ニキを2億1千万ユーロで買収する事に合意した。この2つのエアラインが運航して居た50機の航空機と、エアベルリン・グループから更に20機のA320族の機材が、ルフトハンザの低コスト地点間ブランドであるユーロウイングの下で運航される予定だ。

 

この買収については、債権者委員会、エアベルリンの倒産処理手続き管理者、そしてEU委員会の競争局の承認が条件である。

 

ルフトハンザは、今年末までに移行手続きが終了する事を期待して居る。

 

もし仮に、競争についての懸念から、規制強化と言う結論に至った場合、ユーロウイングズは、ドイツでの地位を強め、欧州第3の低コスト/地点間輸送エアライン(その有効座席キロ当たりコストは、全く低コストでは無いが)の地位を固めるだろう。

 

2017年10月12日が、エアベルリンの資産に応札した、優先2社との協議の期限と見做されて居たのだが、イージージェットとの交渉は、未だ、結論に至って居ない。もし合意が達せられ、承認されたた場合、イージージェットは、6位から、ドイツ第4位のエアラインとなり、おそらく、国内線市場に参入するだろう。

 

エアベルリンは2017年10月15日に長距離線の運航を停止し、2017年10月28日そのエアラインコードABの下での全ての運航を終了する予定である。

 

As it dies, airberlin sells NIKI, LGW, other aircraft to Lufthansa/Eurowings. easyJet talks continue

 

Premium Analysis

 

エアアジアジャパン・マークII=日本最初の主要独立LCCに

24-Oct-2017


2年前、エアアジアグループは、日本の市場に再参入するつもりだと発表したが、この事業は、遂に2017年10月29日、名古屋=札幌、毎日2便で、事業を開始しようと計画して居る。

 

エアアジアジャパンマークIIは、2015年7月に発表され、2015年10月にAOCを取得したが、最終的な認可では無かった。2016年3月から4月頃の初便就航が想定されて居たが、管理上の問題、そして、見るからに、やんわりとした保護主義のために、ずれ込んだ。

 

同社は、この国で第5番目の地元LCCとなるが、現存するどのエアラインからも独立した、初の主要LCCである。エアアジアジャパンは、既にLCCが、59機の航空機を飛ばし、10%の占有率を持つ市場に参入し、国内に2機の機材を持つことによる、大きな新規参入コストに直面し、これが少な過ぎない、そして遅すぎない事を証明する必要があるだろう。エアアジア・ジャパンの基地である名古屋では、LCCの競争相手であるジェットスター・ジャパンがその存在感を拡大して来て居る。

 

AirAsia Japan Mark II plans launch on 29-Oct-2017, becoming Japan's first major independent LCC 

Premium Analysis

 

エバー航空の前会長、スターラックス航空を計画=台湾に第3の大規模エアラインは不要


23-Oct-2017


エバー航空の前会長張国煒氏は、2016年3月に父親の死に続いて起こった相続の紛争で一族から会長の座を追われた時、会社と言う飛行機を操縦して居た。それに対する反応として、彼は2019年に台湾の新しいエアライン、スターラックス航空を創業しようと計画して居るが、これはエバー航空に真っ向から対抗するものだ。張氏は、広胴機を考えて居て、スターラックスを台湾のエミレーツにしようとして居る。

 

このありふれた復讐劇の筋書きは、メディアに盛んに取り上げられ、張氏は2億米ドルまで投資する積りだと報じて居る。これは巨額であるとは言え、特に大規模に航空機を、即ち、リース機だとしても資本を必要とする、アジア=北米間の乗継需要市場で、大々的な規模獲得を狙おうとするエアラインにとっては、はした金である。

 

台湾の管理当局は、スターラックスが創業出来るように政策を変えようとして居るが、台湾は、第3の大規模なエアラインは必要として居ない。張氏が果たして本気なのか、或は、恐らく台湾のエアライン産業構造にとっても良い結論と思われるが、エバー航空での職を取り戻そうと細工をして居るのかは定かでない。

 

 

Former EVA Air chairman plans StarLux Airlines. Taiwan does not need a third major airline

Premium Analysis

 

セブパシフィック航空、供給拡大を再開=且てない市場占有率の下落に続いて
23-Oct-2017


セブパシフィック航空は、主として不採算な長距離路線からA330を投入替えした事に牽引されて、国内線と域内国際線での拡大を再開して居る。この低コストエアライングループは国内線供給で12%、域内国際線の供給席数で23%伸ばし、全体供給が現状維持だった2016年、たった3%だった2017年上期の後の拡大の新局面を勢い良く発信させて居る。

 

同社の4大市場である香港、シンガポール、日本そして韓国での供給は、A320をA330-300に大型化した事から、大きく増えて居る。

 

国内線の供給は、基幹路線の大型化と、ターボプロップによる新たな地点間路線により、上昇の方向に動いて居る。

 

セブパシフィック航空は、2018年に、今や保有機の中で最大の狭胴機はA320になり、更なる大型化を可能にする8機のA321が納入される事から、供給拡大を更に進める計画をして居る。同グループは、2016年、2017年上期に、珍しく経験した市場占有率の低下を逆転して、市場占有率拡大の再開を可能にしてくれる筈だ。

 

Cebu Pacific Air resumes capacity expansion following rare market share declines

 

 

10月22日掲載

Premium Analysis

 

エバー航空、張会長の退任から停滞=北米線カット、中華航空拡大の中で

 21-Oct-2017

 

エバー航空は、会長と何人かの幹部役員を失った、所有に関する兄弟論争の後に、2016年3月にChang Kuo-wei (張國煒)会長が退任させられる結果となったのだ。

 

その時以来、エバー航空はさまよって居る。計画にあった新たな目的地は出現せず(一つは削られた)、一方拡大は下方修正され、新たな北米定期便の構想は、拡大を創り出すはずだったのに削減されつつある。デルタ-大韓航空の共同事業が成立した後、エバー航空は明確な提携相手を持たない最大の太平洋横断路線の運航社である。

 

中華航空は、カンガルー路線の需要を狙って、ロンドン線再開と他の欧州内地点を値踏みしようと、またMROの事業へと拡大しようかと新たな計画を試そうとして居て、これは正しくないかも知れないが、変化を示すものだ。

 

張氏は、台湾中を夢中にさせて居る復讐ドラマの中で、エバー航空のライバルとなるスターラックス航空を立ち上げようと計画して居る。更には、新規立ち上げエアラインの長期見通しは限られたものであるし、誰とっても、台湾にとっても、遥かにましな結果は、兄弟たちが張氏をエバー航空に戻す事だろう。

 

張氏がエバー航空に戻れば待って居る成功より大きな成功を成し遂げるのは困難である。

 

 

EVA Air stagnating since removal of Chairman Chang. North America cuts, China Airlines growing

 

Premium Analysis

 

アリタリア:ルフトハンザ、イージージェット、応札表明は2社のみ=それもこのイタリアのナショナルフラッグの一部分だけ
19-Oct-2017


2017年10月16日、アリタリアへの入札期限の日までに、倒産したエアラインの管理者が検討する7件の応札があった。関心ありと公に表明したのは、ルフトハンザとイージージェット2社のみで、最近、エア・ベルリングループの部分取得に応札したばかりの2社である。

 

エア・ベルリンの時と同様に、彼らはそれぞれ更生管理団やイタリア政府の望む、会社全体では無く、アリタリアの一部分に入札して居るのだ。当選した入札者への売却は、2017年11月5日に、予定されて居たのだが、イタリア内閣の決定に従い、2018年4月まで、延期されて居る。

 

ライアンエアは、イタリアで最大のエアラインだが、最近の運航のトラブルに集中するために入札から撤退した。イージージェットは、イタリアで、ライアンエアに次いで大きなLCCであり、ルフトハンザは、アリタリアの次に大きなFSCである。これで、両社には、アリタリアの一部分を手に入れ、イタリアで、ライアンエアの支配に挑戦する好機を与えてくれる。

 

然し、このイタリアのエアラインのこれまでの全てのオーナーが皆、苦い経験から知って居る様に、文化を変える事、リストラ、そして政治の介入を止める事は、成功する、継続可能な事業運営にとって、最小限の必須要件である。

 

 

Alitalia: Lufthansa, easyJet the only declared bidders, but only for part of Italy's flag carrier

FSCに未来は無いのか?CAPAアジア航空サミット=アジアのエアラインCEO達が生き残り戦略を探る
19-Oct-2017


アジアの流動し、変遷する航空市場は、域内の既存エアラインに生き残り、拡大する為に革新することを余儀なくさせる湾岸のエアライン、LCC、そして中国のエアラインの様な、低コストの新規参入社と共に、速いペースで進化して居る。

 

幾つかのフルサービスエアラインは低コストの子会社或はブランドを創設し、フルサービスとLCCのビジネスモデルの境界を跨ごうとして居る。一方で、LCCは新規機材を大量に発注し新たなる市場に狙いを定めて居るのだが、彼等自身の競合や管理規制の問題に直面して居る。

 

これらの問題は、11月7日〜8日シンガポールのカペラ・セントーサ島で開催されるCAPAアジアサミットでスポットライトを浴びる事になる。航空と企業渡航の有力者たちを集め、今回のイベントは、エアライン、空港で、TMC、渡航管理者たちの中から300人以上の上級経営幹部を惹きつける予定だ。

 

 

FSCs have no future? CAPA Asia Aviation Summit: Asia's airline CEOs explore survival strategies

Premium Analysis

 

エアカラン供給を伸ばす=保有機更新、ニューカレドニアの観光を拡大して 

19-Oct-2017


ニューカレドニアのエアカランは2機のA330-900neoと2期のア320neoの発注を終えて、保有ジェット機群の全体的更新の準備をしている。この小さな太平洋諸島のエアラインはこれら新世代の航空機を使って、同社の商品を改善し、路線網全体で供給を拡大しようとして居る。

 

エアカランの供給は、向こう2年間で、少なくとも12%(20%まで可能性有り)は増え、ニューカレドニアの観光産業に拡大の好機を齎すことになる。この仏領の島への訪問者数は過去10年間で、僅か12%しか増えて居ない。

 

エアカランは最も速いペースで伸びて居て、ニューカレドニアにとって2番目に大きな(フランスに次いで)起源市場である、豪州での拡大を追求する可能性もある。同社は、また新機材A330−900neoを中国への路線開設に使うかも知れない。中国人は未だ目的地ニューカレドニアを発見して居ないが、適格な提携関係とマーケティングプログラムが始まれば、巨大な可能性を秘めて居る。

 

 

Aircalin to grow capacity as fleet is renewed, driving tourism growth for New Caledoni

Premium Analysis

 

東アジアの長距離路線拡大、ANA、フィリピン航空、シンガポール航空が牽引
15-Oct-2017


北東、そして東南アジアのエアラインは、大陸を横断する新たな目的地を開設し、都市組合わせの順列を増やそうとして居るのだが、中国本土のエアラインから、益々激しい競争と、邪魔立てを受けて居る。中国本土のエアラインは、低い足許から、より多くの新規目的地を開設し、今や、長い伝統を持つエアラインに取って変わろうとして居る。

 

中国国際航空は、アジアのどのエアラインよりも多くの大陸間路線の地点に便を飛ばし、これまでシンガポール航空、大韓航空、そしてキャセイ太平洋が持って居た様な路線網を持って居る。中国東方、中国南方と海南航空は、急速にまさに広大な路線網を展開して居る。

 

路線網の広がりが、競争を生む重複を意味する訳では無い。中国のエアラインは未だに中国発着の需要に絞って居り、中国経由の需要ではない。地点間の需要でさえ、より頻繁な便数、そしてより良いと認められる旅客体験を持った、中くらいのエアラインの方が上手くやれる可能性がある。

 

過去10年間に、キャセイ太平洋は、14地点、そしてANAは9地点の新規市場を開設して居る。JALと香港航空はANAの拡大に取って代わる可能性がある。東南アジアでは、近年、新たな目的地が出きて居るにも拘らず、北東アジア、そして湾岸のハブが圧倒して居り、歴史的な乗継可能性に於いては正味で縮小して居る。

 

 

East Asian long haul growth led by Cathay Pacific, ANA, Philippine Airlines and Singapore Airlines

Premium Analysis

 

国際線市場での立ち直り=デルタ航空の2018年の供給上昇を牽引

14-Oct-2017


デルタ航空は、大西洋横断路線部門で、2017年第3四半期に低コストの競争相手が市場で拡大するこの時期に、3年振りに黒字決算を計上した。この業績は、この四半期に国内線上回り、同社全体の国際線の単位収入を伸ばす事に繋がり、デルタは同社の国際線のこの勢いが、2017年の残りの期間に堅固に残ると考えて居る。

 

この業績は、デルタの国内線部門が過去数年間に亘って常に上回って来た事から、些か驚きだった。大西洋横断路線での立ち直りは、デルタに地理別各部門でプラスの単位収入で2017年を終えるとの自信を与えて居る。

 

デルタの2018年当初の供給予測は、2017年に計画して居た1%上昇より高い、2%から3%の伸びである。増加の一部は、区間距離の伸びに牽引されて居り、問題となるのは、デルタがこれらの市場での新たな強みを利用できると考えて居る所から、国際線供給の拡大に後戻りする事である。

 

 

Rebound in international markets drives Delta Air Lines' capacity uptick in 2018

10月15日掲載

ノーウエジアン、アエロメヒコそしてウイリー・ウオルシュ=CAPA航空優秀賞受賞者の面々

13-Oct-2017

 

2017年10月12日:ノーウエジアン、ジェットブルー、エアバルティック、TAPポルトガルそしてコバルトエアがCAPA-ACTE世界サミットの一部としてロンドンで催された2017年航空優秀賞授賞式でエアライン賞を獲得した。

 

アエロメヒコのCEOアンドレス・コネサが「今年の経営者」賞を受賞し、アムステルダム、ダブリンそしてピッツバーグ空港が、3つの空港カテゴリーの首位と認定された。IAGのウイリー・ウオルシュが、権威ある「CAPA伝説賞」(CAPAの殿堂)に認定された。

 

今や15年目となったCAPAの航空優秀賞は、エアライン、空港、そして個人で、単に成功を納めただけでなく、常に移りゆく環境の中で産業界全体に戦略的なリーダーシップを示した例を表彰する事を目的として居る。

 

当初は、アジア太平洋と中東地区に限って居たが、2012年にCAPAは世界の全地域を含む事とした。授賞の候補者は、過去12ヶ月に亘る業績について、CAPAアナリストのグローバルチームが独自に調査し、リストアップし、ついで、業界のエキスパートの小規模な独立した委員会が精査する。

 

 

Norwegian, Aeromexico and Willie Walsh among CAPA Aviation for Excellence Award winners

タイ・ライオンエア、更に急速な国際線拡大を追求=A330-300と737MAX8が納入される中で

12-Oct-2017

 

タイ・ライオンエアは2017年11月、同社にとって最初の広胴機を受領して、急速な拡大の新たな局面を始めようとして居る。最初の一群である3機のA330-300は、北アジアへの新たな中距離路線に使用され、タイ・ライオンにとっては、これ以上、激しい競争下にあるタイ国内線市場への依存度を低減させてくれる。

 

国際線市場はタイ・ライオンの供給席数の6%にもならなかった2016年に比べ、今や1/3を占める様になって居る。タイ・ライオンは、国内製供給席数を今年は削り、国際線市場で拡大するための機材を捻出して居る。

 

保有機材群の拡大は過去12カ月に亘って、同社に加わったのは、たった2機と、比較的に控え目であった。然し。向こう2カ月で、3機のA330が納入され、次いで2018年に数機の737MAX8が納入されるのに伴い、保有機群の拡大は加速しようとして居る。

 

Thai Lion Air to pursue more rapid international expansion as A330-300s and 737 MAX 8s are delivered

 

 

Premium Analysis

 

アメリカン航空、高い財務目標を立てる=ウオール街の近視眼的見方を変える取り組みの中で

12-Oct-2017

 

アメリカン航空の経営陣は、米国のエアライン産業は根源的な構造改革のを経て来て居り、過去の歴史的な好不況の循環は、もはや将来に向けてはあてはまらないだろうと執拗に強調して居る。然し、最近、市場はひたひたと忍び寄る供給増と、その結果としてこれが創り出す収入への圧力の亡霊に脅かされて居る。

 

アメリカン自身が計画した、2017年全社の供給の伸び1.4%は妥当な拡大であるが、その評価は産業界全体の成長に、またある部分、契約期中での従業員への報酬引き上げ制定を自ら決断した事からの圧力に押されて居る。

 

この圧力にも拘わらず、アメリカンは将来の財務実績について、強気のままである。同社の幹部は大胆にも、向こう4年間で、29億ドルの増収を見込む事に惹起された断定として、アメリカンはもう決して損失を出す事は無いと宣言して居る。

 

アメリカン、そしてライバルのユナイテッドの双方が、アメリカンは安定的な税引き前利益に、ユナイテッドは、デルタとの利益率格差縮小を狙う事に集中して、野心的な財務目標を示して居る。然し、ユナイテッドが2017年中に発見してしまった様に、高い野心的な目標を宣言する事には欠点もある。

 

 

American Airlines' sets lofty financial targets as it works to change Wall Street's short term view

Premium Analysis

 

シンガポール航空グループ、域内の戦略で最重要な決断に直面=787-10、737MAXが納入される中で

11-Oct-2017

 

シンガポール航空(SIA)グループは、近・中距離用保有機を更新する中で、その戦略を調整し、域内のフルサービスの分野での、商品の位置づけをやり直す機会を持つことになった。

アジア太平洋域内での激化する競争や、ライバルたちの商品改善が、SIAの新たな取り組みを余儀なくさせて居る。

 

シルクエアは737MAX8の受領を始めて居り、この極めて効率の高い狭胴機を、新規の或は、SIAの全て広胴機の保有機群で運航されて居る、長めの中距離路線双方に投入する好機が齎された。シルクエアはこれまでの所、737MAXの機内商品については、控え目なアップグレードを追及するに留めると決めて居るが、おより大規模なアップグレードや、SIAグループの全体見直しの一部として親会社との統合も検討される可能性がある。

 

シルクエアは、ライ・フラットのビジネスクラス席を新たな準保有機群に採用し、SIAが2018年に新しい787-10に投入するのと同様の商品を使用する可能性がある。SIAは、新たな2クラスの787-10で近・中距離路線に使って居る2クラスのA330-300とより古いモデルである777を更新する中で、かなり大規模な商品改良を計画して居る。

 

 

Singapore Airlines Group faces critical decisions with regional strategy as 787-10s, 737 MAXs arrive

中国のエアライン、2006年以来、国際線目的地102地点を開設=中国国際、HNAグループが最速

11-Oct-2017

 

アジアのエアラインは、相変わらず、彼らの考える、一生に一度の長距離路線拡大に乗り出そうとするのを止めない。どこにも増して2006年以来、102もの国際線目的地を開設して来た中国本土だ。海南航空と中国国際航空がこの熱気を主導し、それぞれ、23地点と19地点の新しい市場を開設して居る。

 

中国の拡大は、乗入れ権と発着枠がその拡大を阻みつつあり、緩やかになって居る(高い基準点からだが)。中国の補助金と「1エアライン、1路線」の方針がこの拡大を変化させる可能性はある。ずっと続く、事業の拡大に続いて、アジア中のエアラインは提携や国際線乗り継ぎ、そして機内や空港での体験を改善するなど、戦略的な成長も必要として居る。

 

 

Chinese airlines to open 102 international destinations since 2006. Air China, HNA growing fastest

Premium Analysis

 

ノーウエジアンエア:2017年の25%成長計画を緩める=キャッシュバランスを改善する

10-Oct-2017

 

2017年9月ライアンエアのCEOマイケル・オリアリーは、モナーク航空とノーウエジアンエアは共にこの冬を越せないかも知れないと主張した。モナークについては2017年10月2日に倒産して、彼が正しかった事が証明された。ノーウエジアンについては、これはオリアリー氏の注目を集めたい誇張だったかもしれない。

 

ノーウエジアンは今や、特に長距離路線では持続可能な収益性に向かって改革的な拡大する方向に方針転換を試みて居るだろう。2013年に長距離路線に参入してから、2014年には赤字に転落、2015年と2016年は、主として(他社と同様に)燃油価格が安くなったおかげで、回復して居る。

 

2017年上期の営業赤字の後、同社はまたも通年での赤字を覚悟して居る様だ。ノーウエジアンの急速な保有機群の拡大は大きな負債の拡大に繋がった。2017年には更なる大規模な売却、リースバックの拡大と負債により、どうしても必要だった流動性を捻出して居る。結果として、2017年上期の同社のキャッシュバランスは以前の年間1.5カ月分の収入に比べ2.5か月分近くになった。向こう5年間に、更に234機の機材の納入を控え、所有するのに比べリースはよりコストが高いにも関わらず、更なる売却とリースバックは避けられない模様だ。

 

改革的戦略の野心は安定的な財務実績によって維持できるものである。ノーウエジアンは、急速な拡大への途のまだ比較的に早い段階にある。そのキャッシュバランスを安定させる動きは、その過程のうちの一歩である。

 

Norwegian Air: slows planned growth to 25% in 2017, improves its cash balance

 

 

Premium Analysis

 

ハワイアン航空、供給増の波に備える=ドル箱の北米路線で

09-Oct-2017

 

ユナイテッドの路線網と供給に対する動きは、株価に圧力をかけ、米国の国内線市場での価格戦争への広範な懸念を招き、米国のエアライン産業全体に反響を及ぼして居る。2017年後半のユナイテッドによる計画的なハワイ線への参入は、ユナイテッドの島々への拡大が、殆どが、既に多くの競争相手の居る市場であるとしても、ハワイアン航空は圧力に晒されるだろうと言う懸念を呼んで居る。

 

ユナイテッドが、自社の4つのハブからハワイへの拡大計画をテーブルに乗せた事から、ハワイアン航空は、この様な拡大は前例が無い訳では無いと、投資家たちの懸念を和らげようとして居る。これに加えて、ハワイアンはA321neoの初号機の到着や商品品揃えの改善があり、変化する状況に耐えるためには、自らが数年前よりも良い立場にあると考えて居る。

 

ユナイテッドの参入が運賃設定に与えるだろう具体的な影響について、見極めるのはまだ時期尚早であるが、ハワイアンは米国エアラインの中でも最高の単位収入実績を残す一社として2017年を終えようとして居る。

 

 

Hawaiian Airlines preps for a wave of capacity additions on its lucrative North American routes

ベトジェットエアのSWOT:好景気のベトナムで急速な成功と成長=然し、将来への課題が

09-Oct-2017

 

ベトジェットは、最も早い速度で成長して居る航空市場の一つであるベトナムで、重要な地位を築き上げ、東南アジアで主導的な低コストエアライングループの一つとして台頭して来た。ベトジェットは2011年遅くにベトナムで開業し、既にベトナム最大の国内線エアラインとなって居る。

 

ベトジェットは、2016年ベトナム国内線市場の42%、全市場の27%の占有率を獲得した。同社はまた、2013年以来ずっと黒字経営である。

 

然しながら、ベトジェットの収益の大部分は、売却とリースバックから生み出されて居るのだ。

ベトジェットはまた、新しい保有機を運航する結果から、整備コストを安くする事が出来て居る。ベトジェットは将来、より高い航空機レンタル料と整備費に直面しなくてはならない可能性があり、同時に国際線市場での拡大に乗り出す以上、グループの200機に迫る発注書を吸収するためには、強い競争を克服しなければならいだろう。

 

今回のSWOTでは、CAPAはベトナムを本拠地とするエアライングループの(S)強み、(W)弱み、(O)好機と(T)脅威について検証する。

 

 

VietJet Air SWOT: rapid success and growth in booming Vietnam, but future challenges

10月8日掲載

Premium Analysis

 

香港エクスプレスの18便キャンセル=唐突なCEO交代を促す=香港ハブが圧力に曝される

06-Oct-2017

 

低コストエアラインのフライトキャンセルがニュースになり、消費者を慌てさせ、監督官庁の懸念を呼んで居る。然し、香港のHNA子会社の格安エアライン香港エクスプレスのつい最近の体験と、大きく報じられたライアンエアのケースを比べれば、大きな違いを示して居る。ライアンエアは、毎日のフライトを40日~50日間(合計2,100便)キャンセルし、短期間、消費者の一部に何等の代替の選択肢を与えなかったのに比べ、香港エクスプレスは一週間、たった18便をキャンセルしただけで、大部分の旅客を保護した。にも拘らず、この事が唐突にもCEOとその他の経営幹部を退陣に追いやった。

 

航空界は、多分、香港エクスプレスの地元市場であり、香港自らが「アジアの世界都市」と喧伝して居る、東方の現在そして将来の成長に注目して居るからだろう。然し、この不幸な出来事は、香港の航空ハブの状況をよく反映して居らず、どの登場人物も正しい様に見えない。此処は域内のもっと比較的妥当な市場のひとつなのだ。欧州はその誤謬とインフラの欠如に対し、公平性、合理性と同時に、(主として)自由化を危うくしかねないものでもある、監督官庁のチェックを招いて居る様だ。更に大きな管理監督の問題、そして不確実性がアジアの航空界を待って居る。これからやって来るHNAの不確実な事態はリストラ中のキャセイ太平洋に元気を与える可能性がある。

 

 

HK Express' 18 cancellations prompt abrupt CEO change. Hong Kong hub under stress

Premium Analysis

 

バージンアトランティック:エアフランス-KLMとの関係は路線網の広がりの改善に寄与

05-Oct-2017

 

2017年10月3日、エアフランス-KLMの10%の持分を、デルタ航空と中国東方航空に譲渡する問題は、完了した。これで、今や、仏独グループがバージンアトランティックの21%を取得する途が開けた。この英国の長距離エアラインは、また、同社とデルタとの北大西洋共同事業が、管理官庁の承認が前提だが、デルタとエアフランス-KLMをも巻き込んだものになる事からのメリットも享受する事になる。

 

バージンが、展開の次のステージに移る事を楽しみにして居る中で、今回のCAPAレポートでは、その路線網を各路線ごとに分析して見たい。バージンの路線網は供給席数で83%、29路線の内23を占める大西洋横断が支配して居る。バージンの供給席数占有率は、最大がロンドン/ヒースローであり、同社の4つの英国内各基地では低いものだ。

 

更に、同社の路線網は極めて競合して居て、独占路線はたったの2つ、供給席数で首位なのが8路線のみである。英国航空は2017年10月2日の週に運航して居る29路線中21路線で、バージンと競合して居るが、バージンはLCCのノーウエジアンとレジャー航空であるトーマス・クックとトムソンとも競争に直面して居る。(データソース:OAG)

 

今回の分析はバージンの路線網が、脆弱なものである事を示唆して居るが、新しいエアフランス-KLMとの関係が、もう少し幅広く翼を広げるのを助けてくれるかも知れない。

 

 

Virgin Atlantic: Air France-KLM relationship may help in improving network coverage

Premium Analysis

 

マレーシア航空の保有機群戦略:A330200と7879取引に伴い、依然進行中

05-Oct-2017


マレーシア航空は、6機の中古A330−200のリースと、8機の新しい787−9の購入により、リストラの後の保有機群計画の第1局面を完了した。

 

6機のA350−900、15機の737MAX8と10機の737MAX10と共に、同社は向こう5年間に納入される予定の、45機の航空機の購入意思表示をして居る。

 

殆どの機材はマレーシア航空がA380、A330−300、そして737−800を徐々に退役させる代替として使われる予定だ。6機のA330−200は2018年に納入され、6機の737−800を更新し、同社がアジアの中の域内路線を大型化することが可能になる。

 

欧州への拡大の再開も、まずは2018年半ばにA350−900を2機使って、次いで2019年遅く、又は2020年に787−9を使って、また進行中である。マレーシア航空は、少なくとも後20機の新世代の広胴機が必要である;即ち787−9又はA330−900neoの追加を考慮中で、A350保有機群の早期退役の可能性も検討して居り、これにより、広胴機の機種をより理に適った数に減らす事になる予定だ。

 

 

Malaysia Airlines' fleet strategy: still a work in progress following A330-200 and 787-9 deal

Premium Analysis

 

トルコ航空の40機7879ドリームライナーを購入の意思表示=広胴機発注の制限の終わりを示す

03-Oct-2017


トルコ航空が、大規模な広胴機の発注を控えて来た数年間が終わろうとして居る。2017年9月21日、同社は2019年から2023年の間に納入される40機のボーイング787-9ドリームライナーの発注する意向を表明した。トルコ航空(THY)は、ボーイング社との交渉は継続中であると言って居るが、航空機メーカーの方は決定次第、発注は同社ウエッブサイトの「受注と納入」に反映されると言って居る。

 

長距離保有機群は、現在のところエアバス寄りとなって居るTHYは、787-9がイスタンブールの新たな第3空港でのニーズに適うと考えて居る。発注は、主としてA330の更新で、THY会長のイルケル・アイジュの言葉では「旅客満足を拡大するため」、同社の広胴機の供給を増やす事を可能にする。

THYの機材の大半は、狭胴機であり、これには変化は無いだろう。同社の世界乗り継ぎ戦略は欧州、中東、北アフリカそして殆どの中央および西アジアへの近さの上に成り立って居て、その全てがイスタンブールから狭胴機の航続距離圏内にあるのだ。

 

然しながら、同社の現在の保有機群計画の分析では、40機の発注は、長期に向けては、同社の全必要数を満たして居ない事を示して居る。この事から、おそらくエアバスも含めた更なる発注の可能性が持ち上がって来る。

 

Turkish Airlines' intent to buy 40 Dreamliner 787-9s signals the end of its widebody order drought

Premium Analysis

 

フィリピン航空、プレミアム商品を改良=新たな低密度A330で5つ星ランクを狙う

03-Oct-2017


フィリピン航空(PAL)は、8機のA330-300を改修して、アジア太平洋の域内国際線市場での地位を大幅に改善しようとして居る。この航空機には、PALをプレミアムな5つ星エアラインに位置付けることを狙うプロジェクトを支援する、商品価値のアップグレードを行うため、ライ・フラットのビジネスクラス席とPALでは初のプレミアムエコノミー席が装着される。

 

改修されたA330の最初の一群は、既に、路線に投入され、現在は、マニラ発、香港、ホノルル、メルボルン、上海、そしてシドニーへの路線に使用されて居る。改修計画は2017年の末までに完了し、マニラから大阪、東京そしてシンガポールの市場でもプレミアム商品の改善が可能になる予定だ。

 

PALは過去5年間に亘って、域内国際線市場で急速に拡大したが、同社の商品は常に弱点であり、フィリピンのプレミアム市場での外国社の支配を許す結果になって居た。改修されたA330とプレミアムエコノミー商品は、アジアの主導的エアライン各社と同社の格差を縮める事を狙いとする新戦略の第一歩を現すものだ。

 

 

Philippine Airlines improves premium product, aims for five-star rating with new low density A330s

Premium Analysis

 

モナーク航空:差し迫る終焉の噂は誇張では無い=倒産、AOC停止、旅客には救援機
03-Oct-2017


英国の、現在も運航して居る、最古のエアラインブランドの一つであるモナークが、今や、英国で過去最大の管理下のエアラインと言う不幸な名前を頂戴して居る。

 

政府チャーターの飛行機が、11万人の旅客を本国送還の予定であり、これから先の予約はキャンセルされ、1,858人の従業員が余剰とされて居る。にも拘らず、今夏の、欧州で第3の規模のエアライン倒産は業界の構造に物質的な影響をもたらさないだろう。

 

2017年9月30日現在、英国民間航空局(CAA)は、モナークのATOL免許を依然として更新する予定だと言って居り、2017年10月1日になされた予約が、保護の対象となることを確認して居る。モナークの財政状況から、ATOL更新が阻まれるかも知れなかった昨年とは違って、CAAは考えられる同社旅客の本国送還のため、チャーター機をモナークの各目的地に、配置し始めることはなかった。更には、モナークはずっと、代わりのオーナーの可能性を追求して居たのだが、迅速に買い手を確保出来なかったことが運命を閉ざしてしまった。

 

モナークは、すっからかんに近づくまで、紙幣を燃やしながら何年も飛び続けて居た。2017年9月15日のCAPA分析が、90%の株主である、グレイビル・キャピタルが2016年10月から2017年3月までの間に、1億6,800万ポンドを注入する事を示唆して居たが、今となれば、それを見透かして居たのかも知れない。

 

然し、モナークは常でも戻って来つづけそうであったが、グレイビルの財布は今や試合に参加して居無い様だ。

 

*AOC(Air Operator's Certificate:航空運送事業許可

*ATOL(Air Travel Organisers' Licensing:航空旅行会社免許)

 

 

Monarch Airlines: rumours of imminent demise not exaggerated. Bankrupt, AOC suspended. Pax airlift

 

Premium Analysis

 

アエロメヒコ、デルタと共に2億ドルのシナジーを予測=利益率向上に努めて


03-Oct-2017

アエロメヒコとデルタの間の共同事業は、未だ揺籃期にあり、アエロメヒコは、独禁法適用除外の提携からのシナジー目標を安定的な状況で、2021年までの年間ベースで2億ドルだと明言した。デルタは、アエロメヒコに、大まかに言って8億ドルを投資して居り、両社の関係は、アエロメヒコの世界路線網戦略が前進するためには、肝心な柱となる。

 

メキシコ唯一のフルサービスの世界的エアラインとしてアエロメヒコはメキシコシティを米国西海岸への最適なゲートウエイとし、同様にデルタに米国のテキサス以南のハブを提供しようと計画して居る。より世界的な規模では、アエロメヒコはメキシコシティを中米と南米からアジアへの理想的な乗継地点とする事を決意して居る。

 

アエロメヒコは、過去十年間では、7年に亘り四半期ごとに営業利益が出せるよう、貸借対照表の強化、保有機群の全面見直しを行って来た。

 

今や、同社は、二桁の営業利益率を出す事に注意を向けようとして居る。デルタとの提携はアエロメヒコが2桁の営業利益率を達成できるか否かの鍵となる。

 

 

Aeromexico cites USD200 million in synergies with Delta as it works to shore up margins

 

ウエストジェット、参入=カナダの現行エアラインが希望を抱くULCC各社に激しい競争を仕掛ける

02-Oct-2017


カナダの野心的なULCC各社は、2017年中、ニューリーフが、フレア航空に吸収され、ウエストジェットが、同社独自のULCC(「スウープ」と呼ばれる)、そして、カナダ・ジェットラインは、デビューへのスケジュールを立てて居るなど、多くの奔流に耐える事になった。

 

今や、エアカナダは、低コスト部門「ルージュ」を国内線市場に拡大して、格安エアラインに対抗する計画である事を示唆して居る。

 

ウエストジェットとカナダ・ジェットラインの両社にとって、大切な旅客セグメントは、国境を越えて米国に車で行く顧客である。これは、魅力的な旅客セグメントであるが、国境越えを止めるに足る安い運賃を出せるかが鍵である、即ちこれの意味する事は、コスト効率が、これらのエアラインにとっては、最重要項目であると言う事だ。

 

最近のカナダの超LCCのスペースの、振るい落としにより、ウエストジェットのスウープと、ジェットラインの両社が、デビューすることから、2018年は、戦略的な年になろうとして居る。ジェットラインは、北米の大規模エアラインが、自らの支配を守るため、超LCC各社と激しく戦おうとして居る最中に市場に参入する事になる。

 

 

WestJet Swoops in as Canada's incumbent airlines work to create stiff competition for ULCC hopefuls

 

10月1日掲載

Premium Analysis

 

 ライアンエア:乗員配置問題を修正=然し、CAPA分析は、単にパイロット不足だけで無い事を語る

28-Sep-2017

 

ライアンエアの2017年10月までの6週間に渡るフライトキャンセルは、次の冬季スケジュールで、更なる便のキャンセルへと続いて居る。この結果、同社の旅客数の伸びは、2018年度には、9%から7.5%へと、2019年度には8%から7%へと鈍化する。ライアンエアは、パイロットの採用を、また4つの主要基地では、給料を増やす予定だ。ライアンエアは、また、「あらゆる経営の雑念を排除するため」に、アリタリアへの入札を取り下げて居る。

 

ライアンエアは、繰り返し、最近の対策は、同社の乗員配員の問題から生じたと言って居る。幾人かの観測者は、問題はもっと根が深いと見て居る、名目上はパイロットの不足だが、CAPA分析は今回のレポートで、これを支持して居ない。然し、パイロットの定着とキャリア開発にはより経営の配慮が必要かも知れないし、多分それが始まろうとして居る。4年間、その「常に良くなる」プログラムで、乗客に優しくしようと試みた後に、マイケル・オリアリーCEOは、今度は自社のパイロットにより寄り添ったアプローチを採ろうとして居るのかも知れない。

 

ライアンエアには事態が上手く行かない時に、素早く変化する伝統がある。オリアリー氏は両手を上げて、過ちを認め、謝罪して居る。柔らかくなった新しいオリアリー氏は、同じことを再発させないことを確証する決意を失っては居ない。

 

Ryanair: fixing rostering problems, but CAPA analysis says more to this than simple pilot shortage

Premium Analysis

 シンガポール-インド間市場17%の拡大=SIAへの制限にも関わらず、インドのエアライン各社の伸びで

28-Sep-2017

 

シンガポール=インド間市場の拡大は、シンガポール航空(SIA)グループの拡大を制限するためにインドの課した2国間協定にも拘わらず、昨年来大きく加速して居る。

 

シンガポール=インド間の輸送旅客数は、部分的にはインド人シンガポール訪問者の大波に牽引されて、2017年の最初の8か月間で17%の伸びを示して居る。

 

シンガポールを基地とする、エアライン各社は、既に殆どのインドの大都市への乗入れ権を使い尽くして居るため、インドのエアライン各社がこの拡大の主たる受益者である。エアインディアエクスプレス、インディゴとジェットエアウェイズは昨年、シンガポールへの新路線を開設して居る。

 

インドのエアライン各社は、現行のシンガポール=インド航空協定の上の乗入れ権を、まだ最大限には使用して居ないため、更なる拡大がありそうである。新たな2国間協定締結の可能性があるが、これは、シンガポールのエアライン各社に更なる増加を齎すだけになりそうだ。インドの航空政策の多くの局面が、何年にも亘って、明らかに失敗して来たにも関わらず、未だに保護主義にまみれて居るのだ。

 

Singapore-India market grows by 17%, despite bilateral constraints for SIA as Indian airlines expand

 

 

 スリランカ航空、メルボルン線で長距離拡大を再開=然し、主な焦点は域内の拡大

27-Sep-2017

 

スリランカ航空は、2017年10月29日豪州メルボルンへの便開設で長距離路線への拡大を再開しようとして居る。コロンボ=メルボルン線はスリランカにとって、2016年の大規模なリストラを生き延びた唯一の欧州線であるコロンボ=ロンドン/ヒースロー線に次いで、2番目に長い路線(9時間超)になる予定だ。

 

同社は2016年第4四半期にフランクフルトとパリを休止し、当初欧州路線拡大に予定して居たA350の発注をキャンセルした。メルボルンは、新たな近距離路線に焦点を絞った戦略の例外で、その他の新たな長距離目的地が続く計画は無い。

 

昨年来、スリランカ航空は収益性を改善し、潜在的な投資家たちにとって同社を魅力的にするための、新たな戦略の一部として、アジア域内の路線を拡大する事に焦点を絞って来た。同社は2008年3月までの会計年度の黒字を最後に10年近い間、10億米ドル以上の損失を積み重ねて来た。

 

SriLankan Airlines resumes long haul expansion with Melbourne but focus is mainly on regional growth

Premium Analysis

 

 フィリピン航空、豪州とインドに拡大を計画=補助燃料タンク装着のA321neoを使って

27-Sep-2017

 

フィリピン航空(PAL)は、新たに、より航続距離の長いA321neoを使って、豪州での拡大、インドへの便開設を計画して居る。2018年、PALは8時間以上の便が可能になる、2個の補助センター燃料タンク付きのA321neoを6機受領しようとして居る。

 

PALは、最初に受領する6機のA321neo には、低密度の176席2クラスの座席仕様を選ぶことにした。ビジネスクラスには、ライフラットシートが装着され、長距離広胴機用機材のものに似たプレミアム商品を提供することとし、また両クラスともに、座席の背にIFEが装着される。

 

PALは2018年から2024年に受領する、全21機のA321neoの発注をして居る。然し、同社は、2018年の6機のより長距離の機材を受領した後、2019年から受領する、残りの15機は、A320ceoを差し替えるため、標準的2クラス仕様にする意向だ。

 

 

Philippine Airlines plans Australia and India expansion using A321neos with auxiliary fuel tanks

 

 BREXITは英国エアライン各社にとって災難か?:パイロット組合はオープンスカイを脅かす?=CAPAロンドンサミット

26-Sep-2017

 

BREXIT後の、EUに於ける、英国エアラインの将来の取り扱いについて、不安が渦巻く中で、その草分けであり、欧州と北米のエアラインに膨大な柔軟性を与えて居る、北大西洋多国間協定からの英国の事実上の脱退(或は残留)についても、似た様な曖昧さが残って居る。

 

それどころか、BREXIT前の状況は既に英国の、そしていくつかの他国のエアラインに害を与えて居ると言う懸念さえある。また、欧州には、幾つかのヒントもある。

 

一方で、多分、英国のEU脱退後の状況は穏やかなもので、各国政府には、実際には運用条件が改善する、ウィンウィン状態になるかも知れない。

 

これらの問題は、2017年10月12日、ロンドンで開かれる、CAPAサミットを開幕するCAPAの大論争の議題になる。

 

Brexit will be disaster for UK airlines?: Will pilot unions threaten Open Skies? CAPA London Summit

 

 CAPAラテン・アメリカサミット=ジェットスマート、拡大への数々の好機を提示

 

26-Sep-2017

 

 

 

ジェットスマートは南米中に幅広い路線網を広げようとして居るが、この新規参入の超LCCは、域内の他の国々に攻撃的に拡大する前に、チリに安定したプラットフォームを創造する事を狙って居る。然し、同社は近い将来、獲得したサンチャゴからリマへの便の乗り入れ権を行使する計画である。

 

超LCCの専門家である、イディゴパートナーズの後ろ盾を得て、ジェットスマートは、数カ国で課せられて居る複雑な所有のルールや、ライバル達が低コストの新参者と戦うために、既に地元市場で地歩を固めて居る、ラテンアメリカ域内で事業を運営する事の意味合いを学び始めて居る。

 

 

 

以前、インディゴが、野心的超LCCがいくつか営業開始に動いて居るカナダの市場に参入すると言う議論があったが、同社はカナダでの外国エアラインの所有を司る規定の研究を続けて居て、コミットするためには未だ準備が整って居ない。

 

 

CAPA Latin America Summit: JetSMART cites numerous opportunities for expansion