CAPA分析 -7月

春秋航空と吉祥航空、台湾海峡市場に参入=まずは影響は小さい

31-Jul-2013 10:16 AM

 

吉祥航空と春秋航空は、来るべき中国本土と台湾を結ぶ極めて高収益な海峡越え路線への参入を前に準備を進めて居る。この飛行時間2時間弱の路線の収益単価は天文学的水準のキロメートル当たり30セント(USD)に達しようとしている。

彼らはまずは台湾の港湾都市である高尾に就航させられ、最重要な上海=台北路線への就航は2013年の後半に認められるだろう。

この民間経営の2社は、2000年代半ばの改革開放時代に誕生した航空会社の中で最も突出したエアラインで、新しい企業であることから、伝統や仕来たりの重い荷物を背負わずに済んでいる。

春秋はまた、ある意味で中国最大のLCCと定義され、この海峡路線市場に乗り入れる最初のLCCとなる。

この2社は競合他社より、当然ながら安い運賃を期待されるだろうが、少なくとも台北=上海線ではそれほどでは無い。

そこは、需要が現在の供給をはるかに上回っている上に、2008年の両国間関係の雪解けとともに定期路線として再開されて以来、両国政府が厳しい監視下に置いて居るからだ。

他の市場で求められる様な出血サービス運賃を提供する必要性が極めて乏しいのだ。

市場戦略や収益性の観点から言って、吉祥と春秋にとって、このルートは良い路線になるはずである。しかし、高い需要のこぼれ落ちる市場に対し、短期的に見ると、両社の限られた便数では、競合他社にとっては大した脅威にはならない。しかし長期的に見ると、エアライン自身に抜本的企業体質の変更をする気があれば、この短距離、都市間輸送路線はLCCには完璧な市場である。


Spring Airlines and Juneyao Airlines enter cross-Strait market; market impact small - at first

アジアの航空会社コスト・ランキング=エアアジアXSIAとタイ航空が最高効率、ANAが最高コスト

30-Jul-2013 9:00 AM

 

 

アジアの航空会社のコストと効率性は各社とも、とても大きな差がある。

ヨーロッパと比べると、エアアジアは、区間距離で調整後の数値で比較すると、ブエリング、やイージージェットより効率性が高いがライアンエアほどではない結果となる。タイ航空がアジアの主要なフルサービス航空会社の中で、最も効率の高いエアラインであるが、欧州で最もスリムな航空会社のひとつであるフィンランド航空には及ばない。

 

しかしタイは、アジアの多種多様なフルサービス航空会社と違って、どれも似たようなコストと区間距離を持つ、多くの欧州のフルサービス航空会社より効率が高いことは確かである。

 

ランクの最高位にあるのが、日本の全日空であり、欧州主要航空会社の中で最も高価であるSASのコストに匹敵する。これらが、CAPAの調査から見出だせるアジアの航空会社のコストの実態である。

 

地理的条件や現地の労働コストが、部分的にはエアラインのコスト全体を支配している:日本の3社がこのサンプルの中では最も高価なエアラインである。

 

日本の独立系LCCであるスカイマークはどの中国の航空会社よりも安く、一方、アジアの最も効率的なフルサービスエアラインであるシンガポール航空は生活費がアジアのどこよりも欧米に近い、シンガポールに立地している。アジアの多くのフルサービス航空会社はどこも効率化を目指す必要がある、一方、LCC各社は究極的にこのコストの格差が小さくなって行く時のために、現在の低コスト体質を維持する必要がある。

 

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Asian airline cost rankings: AirAsia X, SIA & Thai are most efficient while ANA is highest cost

 

シンガポール航空、短中期見通し=利益率とLFが低下して厳しさが続く

29-Jul-2013 6:08 PM

 

シンガポール航空(SIA)は、20136月末までの四半期で、収益の改善を発表した。しかし、同社の短期事業計画の中では、利益率の低下が続き、見通しは厳しいままだ。

SIAグループはもし、機材デリバリー遅れの補償がなければ、経常赤字を計上するところだった。

SIAは今よりも域内および、低コストの市場に、より焦点をあて、一方で長距離高級商品に投資する戦略的シフトを行いたいと考えている。その方が中長期的に、収益性を改善する筈だからだ。

しかし、SIAは全ての局面で難題に直面している。

長距離路線では競争は激しさを増し、市場の状況は悪化したままである。

アジア太平洋地域の中では事態は改善していると言うものの、最近SIAと近距離のフルサービス子会社であるシルクエアが行った供給拡大が需要を追い越して、搭乗率を押し下げている。

長距離LCC子会社であるスクート及び、近距離LCC子会社のタイガーエアは未だに不採算のままである。そして、SIAにとっては伝統的に重要な事業である貨物部門も心配の種である。


Singapore Airlines short to medium term outlook remains bleak as yields and load factors drop again

エアバス社、1,000機デリバリー達成=A330がシンデレラから王女に変身して

28-Jul-2013 8:00 PM

 

エアバス社は2013718日特別塗装のA330をキャセイ航空に渡し、1,000機目のデリバリーを達成した。広胴機シリーズで1,000機の記念すべき道標を超えるのは、同社にとって、これが初めての事で、お祝いに値することだった。エアバスの主たる競争相手であるボーイング社は、B767747、そして777でこの記念すべき1,000機を達成している。787も多分2020年代中ごろには間違いなく達成すると思われる。

 

登場から20年を経て、A330の人気は、A350やボーイング787と言った新たな広胴機のシリーズの出現を目の当たりにしても、殆ど衰える兆しが無い。

20134月、A330シリーズの責任者であるパトリック・ピエドラフィタは、ボーイング社がA330の持続する競争力に終止符を打つと称して、787を登場させた時から、800機以上のセールスが成立したと言って居る。 

 

Airbus records its 1,000th delivery as the A330 goes from Cinderella to princess

ピーチ・アビエーション、東京大阪線に進出=日本の交通業界全体に挑戦

27-Jul-2013 12:00 PM

 

日本での格安航空会社の物語といえば、若さ溢れる企業が、大エアラインの既得権益に挑戦するという、古典的な筋書きばかりではない。

時にインドやラテンアメリカでの経験の様に、LCCが長いバスでの移動に取って代わる話だったりする。また日本独特の状況で、LCCが高価な高速鉄道に取って代わる手段を提供しようとしている例もある。

この幅広い筋書きがピーチ・アビエーションの東京・大阪線参入の説明には必要である。日本で最も有名な2大都市、東京と大阪だが、航空輸送に関しては、この2都市を結ぶ路線は国内最大では無いのだ。

ピーチとジェットスター・ジャパンは毎週、片道3,780席を供給することになるが、これは405kmのこの路線に競合他社が供給する110,000席に比べると大海の一滴に過ぎない。しかし、競争相手は在来航空会社だけではない。新幹線の片道料金はおよそ140ドル、一方、夜行バスは、時にトイレも無いけれど、予約状況によって32ドル~100ドルというところ。

ということは、ピーチやジェットスター・ジャパンの片道42ドルからという料金はまさに、地殻変動といえるものである。

新幹線との戦では、LCCは成田まで行かなければならない。しかし料金は3分の1。バスとの戦では、LCCの方が安いか同程度だが、時間が短く、ずっと快適である。

日本のLCCの歴史は、まだまだ草創期にあり未だに人々をつかむ方法を探っている段階であるが、彼らの与える衝撃は議論の余地がなく、着実に拡大して行くだろう。

 

Peach Aviation to enter Tokyo-Osaka route, challenging Japan's entire transport industry

インドネシアの町メダン、国際都市に成長=エアアジアとライオンエアの主導する新空港開港で

26-Jul-2013 9:00 AM

 

メダン市郊外のクアラナム国際空港は2013725日に開港し、国内主要空港の中で最も混雑していない空港になった。メダンに飛ぶ国際線は現在、たった6路線で、乗り入れている外国航空会社は6社に過ぎない、それも近隣のマレーシア、シンガポールの企業である。

しかし、クアラナム空港は地元の需要の急成長に応じて、国際線の一大ハブに成長する可能性を持っている。というのは、後背地として1,000万人を超える人口を持っていることと、国際線乗り継ぎ旅客に重要なインフラの制約条件が他のインドネシアの空港で劣悪化しているからだ。

ガルーダ・インドネシア航空は今年はじめメダンに国内線のハブを作ったが、国際線への拡張は先延ばしにしている。しかし、結局のところ、ガルーダはこれを見直して、メダンに国際線を開き、国内線から国際線へのそして、国際線同士の乗り継ぎ空港として、ジャカルタの代替地とすることになるだろう。

一方、他のインドネシアおよび外国航空会社は、メダンの、能力以上の運営をしていない広々とした空港という希少価値を利用することだろう。LCCはと言えば、既に新空港の国内及び国際線供給量の70%を占めており、メダンにはジャカルタの様なビジネス旅客の需要は無いのだから、特に順調な足がかりを築いて居ると言えよう。

  

Indonesia’s Medan poised for international growth as new airport opens, led by AirAsia and Lion Air

エミレーツ、エティハド、カタールの急速展開続く=(東南ア=西欧市場特集3/3)

25-Jul-2013 9:00 AM

 

東南アジアと西ヨーロッパの間の市場についての特集全3回の最終回。

1回は東南アジアキャリアー、フィリピン航空(PAL)、とガルーダ・インドネシアが既に欧州直航便を運航する4社に追従して、準備を進めている状況を分析した。

2回は欧州エアラインの状況、そして、ノルウエー・エアシャトル参入のインパクトについて分析した。今回は湾岸諸国のエアラインが東南アジアで急速に拡大を続け、更に大きな東南ア=西欧間の市場の美味しい部分を追求している状況を見てみる。

過去2年間にわたり、湾岸諸国の3大エアラインが50%を超える東南アジア路線大を続けている。

彼らの東南アジア線の旅客の少なくとも1/3は西欧を目的地とするか、西欧から出発している旅客だと仮定すると、湾岸諸国のキャリアーは欧州のライバル航空会社よりも多くの旅客をこの2地区間で運んでいる事になる。

CAPAINNOVATAのデータによれば、エミレーツ、エティハド、そしてカタールの3社は現在、週間21万席の東南アジア発着の直航便座席を供給して居る。これが201311月始めまでには、ほぼ23万席に増える予定だ。その頃は北半球が冬に入り、ヨーロッパ人が東南アジアの温暖な気候を求めて休暇旅行に出かけるピークシーズンの始まりに当たるのだ。

201311月の数値は対前年で37%増となり、2011年にこのトリオ(3社)がそれぞれのハブから東南アジアの目的地に供給して居た座席数に比べて、54%の増強になるのだ。

 

Emirates, Etihad & Qatar continue to pursue rapid expansion in Southeast Asia-Western Europe market

キャセイと香港航空、マレ線に参入=香港のハブと中国人のモルディブ需要を梃子に

24-Jul-2013 9:37 PM

 

 

目下ブームとなって居る中国=モルディブ間の需要を取り込むのに、香港がその地理的なそして規模のメリットを活用しようとして居るのは、まさに遅くともやらないよりはましと言うものである。

モルディブへの国別入国者統計では、中国国籍は2012年に単独で最大の23万人を記録している。第2位のドイツ人の98千人の倍以上の大きさである。

香港航空が、モルディブの表玄関であるマレ行きの便を復活させた数週間後の、20137月、キャセイ太平洋航空が1027日から運航する週4便の予約受付を開始した。

伝統的な企業の慣性の問題から、キャセイはモルディブ線を開始するか否か1年以上も考察を巡らせてきたが、この間にシンガポール航空(SIA)とチャーター会社のメガモルディブが事実上、市場を完全にさらってしまった。

しかしキャセイの参入はSIAにとって強烈な競争を齎す事になるだろう。キャセイとそのドラゴンエアの子会社は、SIAとシルクエアの子会社に比べ、はるかに奥深くまで中国のネットワークを持っているし、更に、シンガポール経由より香港経由のルートの方が短いのだ。

一方で、SIAは毎日2便という運航便数で大きく有利な位置に居る上に、域内路線用のプレミアムクラス席の少ない機材を使って居るが、キャセイは長距離路線仕様のプレミアムクラス席の多い機材を使用する予定だ。

中国の海外観光需要には可なりの富裕層が含まれることは確かだが、全体としては未だに価格に敏感な、パッケージ旅行が主流である。現在運航している香港航空とメガモルディブはコスト単価を下げるために、規模の拡大を考えなくてはならなくなるだろう。


Cathay & HK Airlines enter Male as Hong Kong leverages hub and Chinese demand for the Maldives

タイガーエア、新装なる=但し第1四半期の赤字で見通しは曇りがち

24-Jul-2013 8:00 AM

 

タイガーエアウェイズ・ホールディングズの20136月末までの2014年第1四半期が、オーストラリア、インドネシア、フィリピンの子会社が再度不採算となっため、赤字に戻ってしまった。

グループとしては、新たな提携を決めたバージン・オーストラリアがタイガー・オーストラリアを黒字化してくれる、そして、タイガーエア・マンダラ、タイガーエア・フィリピンにも改善を齎してくれると自信を持っている。しかし、その3つのLCCに依然として障害は残されている。

一方、グループとしては、タイガーエア・シンガポールが拡大を加速させていることから自らの本拠地シンガポールでの潜在的供給過剰に直面している。

同社は向こう9ヶ月のうちに、5機を増やし、A320が計26機となる。これは2年前、供給過剰から損失を出して以来、最大の拡大となる。

インドネシアでは、更に多くの潜在的チャンスはあるのだが、タイガーエア・マンダラは未だに不採算である。タイガーエア・フィリピンは昨年1年間、保有機材がA3205機に留まっていて、見込みは更に厳しい。

 

Tigerair has a new look but the group’s outlook remains relatively cloudy following 1QFY2014 loss

 

全日空、国際的買収を模索=フィリピン航空との協議は前向きだが結論に至らず

24-Jul-2013 3:08 AM

 

日本の全日本空輸(ANA)は豊富な資金を元手に、政府のデフレと人口減少に立ち向かう「三本の矢」の成長戦略の一環として、海外エアラインの買収を模索して居る。

しかし、結婚と言うものはある程度の恋愛関係の期間が無いとめったに上手くゆくものではない。

ANAはひそかに、インドのエアラインのいくつかに秋波を送って居たが、今度は、丁度海外エアラインからの投資を求めているフィリピン航空(PAL)に甘い口笛を吹いている。

この事実は、他でもないPALの部分所有者であるサンミゲル社からの情報で、多分彼らはこのニュースで他の潜在投資家を動かそうと考えたのだろう。

現実にはANAPALが共働することはまず無いだろう。PALはフィリピンの主要LCCとは喧嘩別れしている上に、乗り継ぎ需要を摘み取るための、地理的条件あるいは路線規模に欠けること、世界アライアンスや多くの他社との提携の後ろ盾がない限り、実力は評価が高くない事を考えると、熾烈な競争からPALの長距離路線への野望の成就は極めて難しいだろう。

ANAはアジアの航空界では数少ない国境を越えた大規模企業買収のための模索を続ける模様で、暫くはそこここで浮気ばなしが予想される。

 

ANA looks for international acquisition: talks with Philippines Airlines productive but not end game

「豪州太平洋・航空サミット」開催=87日~9日於フォーシーズンズホテル、この地区で史上最大

19-Jul-2013 3:33 PM

 

201387日~9日の間、シドニーのフォーシーズンズホテルで開催される、「CAPA豪州太平洋・航空サミット」には110人を越える講演者と300人の出席者が集まる予定である。

この地域で開催される航空界の戦略サミット会議としては史上最大のものである。

全豪州、ニュージーランドのエアラインや空港会社のCEO達と、この地域に乗り入れているエアラインから選ばれた指導者達がこの業界の最重要課題について講演する。

1日、第2日(87日、8日)は「注目すべき成長市場」、「タスマン航路の新複占構造」、「長距離LCC」、「この地域での中国の戦略」、「カンタス航空の作戦」、「バージンオーストラリアの移行計画」、「市場の成長における旅行業界の役割と自由化」、「国際線サービスを魅力的にする提携へのアプローチ」などをテーマにセッションが開かれる。

 

3日(89日)は二つの特別セッションを組む。(1)空港の革新 及び (2)企業の出張旅行の革新 で 「企業の出張旅行」のセッションには、旅行会社、オンライン旅行会社、GDS(エアライン予約システム)、旅行マネジメント会社、旅行ITシステム会社、エアライン、企業旅行の買手とサプライヤー、などの企業の指導者達が登場。そして空港セッションには空港、空港関連サプライヤー、また、アナリスト、空港投資家、そして監督官庁からリーダー達が登場する。

89日の最終日には、「大論争:シドニー第2空港」と銘打ってマックス・ムーア-ウイルトン(シドニー空港)、ポール・ハウズ(オーストラリア労働組合)デイビッド・ボーガー(シドニー商工会議所)、ポール・ウイッテーカー(デイリーテレグラフ)、デイビッド・エリア(ホストプラス)、そしてポール・ヒュ-ズ(ニューカッスル空港)が登壇する。この討論会はスカイニューズ・オーストラリアの政治編集委員デイビッド・スピアーズの司会によりテレビで実況生中継される。

 

Australia Pacific Aviation Summit: 7-9 August, Four Seasons Hotel, Sydney. The region's biggest ever

吉祥航空、中国国際そして中国東方航空と提携=スターアライアンス加盟候補か?

18-Jul-2013 4:00 PM

 

中国の民間企業である吉祥航空はより広々とした通りに飛び出す道を探っている。

シンガポール航空と乗り継ぎ協定を、より近くは中国国際航空、中国東方航空の両社と相互コードシェアを始めたことにより、同社の提携を組むというアイディアは単なる野望から現実のものへと進化してきている。

30機を越えるA320シリーズを保有するにも拘わらず、吉祥航空は、未だに余り名が知られない状況である。しかし、同社がより深く国際的提携を試みることで変わって来るだろう。

上海を本拠地とする吉祥航空が既にスターアライアンスの目に留まって居るのは確かである。というのは、2010年にスカイチームの一員である中国東方航空が上海航空を買収して抜けて以来、スターアライアンスにとっては、路線網に穴があいたままなのだ。

一方、互いに重複する路線が殆ど無いことから、中国国際、中国東方とのコードシェアはまた違う意味合いを持つ。

東方航空は上海でのお山の大将だが、吉祥航空の方がより多くの上海の発着スロットを持っている。東方としては、何とか、うまくこれを増やせないものかと考えているだろう。

同様に、中国国際は、上海でのプレゼンスを上げて、東方航空に対抗しようとしている。

この絡み合う思惑を解く鍵が吉祥航空という訳である。

そして、吉祥が提携先の扱いについては、既に目ざとく学習していることは疑問の余地が無い。

 

Juneyao Airlines partners with Air China and China Eastern – is it a candidate for Star Alliance?

 

ノルウエー・エアシャトルの東南アジア進出=欧州キャリアーの競争を激化させる

(東南ア=西欧路線特集2/3)

22-Jul-2013 1:00 PM



東南アジアと西欧間の市場についてのレポート、全3回の第2回。

1回では東南アジアキャリアーのフィリピン航空(PAL)とガルーダ・インドネシア航空が既に就航している4社に加わって、欧州行き直行便運航の準備をしていることをレポートした。今回は、欧州各社の状況を見てみよう。そこでも既存のエアラインの勢力拡大に加えて、新規参入する航空会社がある。

ノルウエー・エアシャトルは20136月に、オスローおよびストックホルム=バンコク間に就航し、欧州航空会社として東南アジアに路線を展開する8番目のエアライン、そして最初のLCCとなった。

また、同社は20113月にエアアジアXA340によるロンドン、パリ便を休止、撤退して以来、初めて欧州アジア間の市場にLCC便を復活させることになった。

エアアジアXは今は、アジア太平洋地区内の路線に集中し、A330-300Sを使って飛行時間9時間以内の路線に狙いを絞っている。

ノルウエー・エアは東南アジアに大きな野心を抱いており、更に欧州行きを増便できるよう、バンコクに基地を置く準備をしている。しかし、同社の当面の最大の関心事は北大西洋で更なる急速な拡大を図ることにある。そこでは、飛行時間がより短く、長距離低コストエアラインという同社のモデルに、より大きく貢献できる可能性が高いからである。

 

Norwegian Air's move into Southeast Asia intensifies European airline competition

 

フィリピン航空、ガルーダとともに欧州への野心的拡大に=熾烈な戦いにもかかわらず(東南ア=西欧路線特集1/3)

18-Jul-2013 4:24 AM

 

フィリピン航空(PAL)は、最近EUの禁止航空会社リストから外れたことで可能となった、欧州への野心的な拡大の準備をしている。PALは向こう数ヶ月のうちに欧州直行便を開始し、西欧の5都市までこの短中期計画中に就航することを目指している。

しかし、東南アジアと欧州間の市場で、継続可能でニッチな路線を切り開くためには、巨大な難問に直面することになるだろう。PALともう一つの東南アジアのフラッグキャリアーであるガルーダインドネシア航空はともに、この競争が激化し、と同時に欧州経済が依然として比較的弱体化している最中に参入しようとしているのだ。

PALとガルーダは、既にしっかり欧州に根付いた東南アジアの3つのフラッグキャリアーに打ち勝ち、もう少し小さな2つのアセアン航空会社と戦わねばならない。欧州と湾岸諸国のエアラインも欧州東南アジア間の市場で拡大を続けているため、新規参入組にはますます難しい状態になる。

東南アジア=西欧間の市場に関する報告、全3回シリーズ。今回は東南アジアのエアライン、特にPALとガルーダを見て見よう。彼らがシンガポール航空(SIA)、タイ航空、マレーシア航空、ベトナム航空そしてロイヤルブルネイ航空の後を追って、欧州路線を開設しようとしている実態を。

2回は欧州の、第3回は湾岸諸国の、ともに東南アジアでその存在感を強めているエアラインについて見てみたいと思う。

 

Philippine Airlines joins Garuda in plotting ambitious European expansion despite stiff competition

 

デルタ航空、中国のスカイチーム・パートナーを使って成長=主要ハブ空港での乗り継ぎで

15-Jul-2013 3:49 PM

 

デルタ航空にとって、アジア太平洋地区は、かつてはお荷物だった。その大きさにしては、収益でも、供給座席数でも全体の3%を超えることはまず無かった。アジア太平洋地区の利益率はデルタの中でも最低の部類だったのだ。それが、ノースウェストとの吸収合併で、変わった。

この地域、特に日本の市場はノースウェストにとって、極めて重要で、彼らの収入と供給に対して1/4ものシェアを持って居た。デルタは、アジア太平洋での規模は相続したが、品質は受け継がなかった。ノースウェストの収益率はパッとしなかったのだ。それが、変化を見せ始め、近年の北太平洋の収益率はデルタの全地区の中で最高の部類に属する。

 

これがデルタの成長への足がかりを与え、デルタは最近、上海線と東京線を増便した。そして将来は台北への直行便を、更に香港への直行便を復活させようとして居る。この結果は、アメリカ3大エアラインの中でただ一つ、日本のパートナーとの提携をして居ないにも関わらず、依然として太平洋線供給量の大半が日本向けと言う構造を持つデルタの、日本以遠の路線の多様化を助ける筈だ。デルタが拡大しようとする中国路線は、中期的に見れば、ユナイテッドの様にアメリカ本土から中国の2線級都市に飛ぶのではなく、強力なスカイチームのパートナーである、中国東方航空、中国南方航空との連携で乗り継ぎ便を用意する事になるだろう。

 

デルタはアメリカ最大のエアラインであるユナイテッドのライバルになろうとは思わないだろう。しかし、依然として3位のアメリカンのずっと先を行って居る。

 

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Delta Air to use its Chinese SkyTeam partners to grow, connecting over the main hubs

デルタ航空、中国のスカイチーム・パートナーを使って成長=主要ハブ空港での乗り継ぎで

15-Jul-2013 3:49 PM

 

デルタ航空にとって、アジア太平洋地区は、かつてはお荷物だった。その大きさにしては、収益でも、供給座席数でも全体の3%を超えることはまず無かった。アジア太平洋地区の利益率はデルタの中でも最低の部類だったのだ。それが、ノースウェストとの吸収合併で、変わった。

この地域、特に日本の市場はノースウェストにとって、極めて重要で、彼らの収入と供給に対して1/4ものシェアを持って居た。デルタは、アジア太平洋での規模は相続したが、品質は受け継がなかった。ノースウェストの収益率はパッとしなかったのだ。それが、変化を見せ始め、近年の北太平洋の収益率はデルタの全地区の中で最高の部類に属する。

 

これがデルタの成長への足がかりを与え、デルタは最近、上海線と東京線を増便した。そして将来は台北への直行便を、更に香港への直行便を復活させようとして居る。この結果は、アメリカ3大エアラインの中でただ一つ、日本のパートナーとの提携をして居ないにも関わらず、依然として太平洋線供給量の大半が日本向けと言う構造を持つデルタの、日本以遠の路線の多様化を助ける筈だ。デルタが拡大しようとする中国路線は、中期的に見れば、ユナイテッドの様にアメリカ本土から中国の2線級都市に飛ぶのではなく、強力なスカイチームのパートナーである、中国東方航空、中国南方航空との連携で乗り継ぎ便を用意する事になるだろう。

 

デルタはアメリカ最大のエアラインであるユナイテッドのライバルになろうとは思わないだろう。しかし、依然として3位のアメリカンのずっと先を行って居る。

 

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Delta Air to use its Chinese SkyTeam partners to grow, connecting over the main hubs

 

エアウエイズ・ニュージーランド、黄金の輝きを失う=大幅値上げに航空各社が拒否反応

11-Jul-2013 8:00 AM

 

エアウエイズ・NZは、かつて顧客であるエアラインから、価格交渉でのオープンな姿勢、一方で株主である政府への適正な商業的見返りを確保していることから理想的な独占企業と称賛されてきた。

 

しかし、この201371日から実施された、向こう3年に亘り、過去4年間実績に18%を上積みするという、大幅な料金値上げで、2008年に同社の顧客満足度、コスト効率、継続的改善への取り組みに対して贈られたIATAのゴールデンイーグル賞の輝きも失せてしまった。

 

同社は確かに、過去10年間も値上げをしていなかった。

 

今や、3,000万平方キロメートルもの飛行空域の航空管制を担当するこの会社は、顧客であるエアラインから、不当な利益を上げていると糾弾されている。

 

しかし、同社は今後3年間に、重要なインフラ整備のために必要な9,700NZドル(7,600万米ドル)の資本支出を賄う為には、どうしても必要な値上げで、その殆どは既に各航空会社の承認を得ていると言う。

更に、同社は、世界経済危機の時期には、エアラインに協力して、不要不急のインフラへの投資を抑えて、何とか価格を下げて来たのだという。


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Airways NZ loses its golden glow as airlines baulk at big price increases

 

シンガポール航空の新客室仕様=小さなステップだがプレミアム顧客戦略には重要

10-Jul-2013 6:45 PM

 

シンガポール航空(SIA)は、20139月に777-300ER機材でデビューする新時代の長距離路線客室仕様を発表することで、世界をリードするプレミアム旅客エアラインとしての地位を強化する新たなステップを踏み出した。

 

この一世代進んだ客室仕様の刷新や、ごく最近拡大した、広胴機の注文リストを見てもSIAは長距離路線、そしてプレミアム旅客市場に全力を注ごうとしているのが分かる。その一方で、急激に伸びている域内路線やLCCの分野にも焦点を当てる様になっている。

 

79日に発表された、新客室仕様は、ほぼ7年前に発表され、航空業界に新たな基準を創造した、長距離路線のプレミアムキャビンの仕様の画期的な展開には全く及ぶものでは無い。

しかし、現在は航空業界全体で仕様展開のサイクルに入って居り、新基準を創り出すチャンスは限られている。

 

SIA自身、世界をリードするプレミアム旅客航空会社としての地位を保つためには、商品をほんの一ひねりすれば良い事だった。しかし、現実には、そのトップの位置には、これまで存在しなかった沢山の競争相手が居るのだ。

 

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Singapore Airlines new cabin products represent baby steps but are important to premium strategy

スカイマークのリスク=日本の伝統的重量級航空会社と新たなLCCに挟まれて

10-Jul-2013 1:15 PM

 

日本の第3の航空会社スカイマークにとって、資金上の問題と純益が低下することが次第に戦略的な弱点に影響し始めている。同社は、今はまだ完全な国内線エアラインだが、2年以内にA330A380という新機材導入を含め、大きく拡大する計画を持っている。

 

スカイマークはますます業界の上と下の間に挟まれている様に見える。上の方ではフルサービスエアラインの全日空、と日本航空が大きな路線網を持ち、スケールの有利を享受している。サイズではJAL1/4ANA1/5未満のスカイマークにはとても太刀打ちできない。

 

下の方では日本市場への新たな参入者で、スカイマークより遥かに小さなLCCが低コストでどんどん成長している。スカイマークはLCCの低コストには対抗出来ず、ANAJALのプレミアム顧客層や大きな路線網の有利さにも対抗出来ない。当面は、東京都心に近く便利な羽田空港の発着枠を確保することに成功していると言うものの、このメリットも次第に色褪せつつある。

 

スカイマークの経営者はJALを倒産に追い込んだ傲慢な、旧態然としたものとは全く違った世界観を持っているが、スカイマーク自身がこれを資本に、世界のパートナーに向かって開けた効率の高いハイブリッド航空会社になることが出来ないでいる。これこそアジアの航空業界の歴史を塗り替える可能性を持っているのだが。

 

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Skymark Airlines risks being caught in the middle of Japan's legacy heavyweights and new LCCs

エティハド航空、上半期またも2桁成長=収入の20%は提携先から

9-Jul-2013 2:17 PM

 

2011年に初の利益を計上してから、エティハド航空の経営は、順調とは言えない世界経済に直面しながら、堅実に成長を続けて来た。

 

同社の2013年上期の実績は、エクイティアライアンス(資産同盟)戦略の強みを示している。同社がこの半期に記録的な2桁成長を記録しているのは特に提携エアラインが大きく貢献しているのだ。

 

収入は記録的な水準だと思われるが、同社は年間を通じた最終損益しか開示していない。

エティハド航空は、2013年の第2四半期に92100万米ドルの収入を報告しているが、これは対前年8%増となる。

 

2013年上半期の旅客収入の伸びは更に大きく、対前年13%増の18億米ドルである。

全体として、2013年の上半期で、収入合計(貨物を含み)は、25億米ドル、対前年14%の伸びである。このうち、エティハドの提携パートナーからの収入が両期間に共通して、全旅客収入の20%を占めている。

 

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Etihad reports another 6 months' record double-digit growth; 20% of revenues from partnerships

ベトジェット、大胆にも汎アジアLCC構想をスタート=タイでの合弁を手始めに

9-Jul-2013 8:00 AM



ベトナムのベトジェットエアは汎アジアLCCグループ戦略を進めようとしている。まず、タイで合弁子会社を設立、もしうまく行けば、激動の東南アジアのLCC市場の中で、現在はまだ、たった2%の供給シェアしか持って居ないが、ランクを駆け上がることになり得る。

しかし、リスクは大きい。東南アジアのLCC市場は既に22社、そして、他にも幾つかがひしめき合って鎬を削る戦場だからだ。

計画中のタイ・ベトジエット就航や他の東南アジアキャリアーとの合弁はベトジエットがまだ独立した企業としては18ヶ月しか経って居ない事を考えると、極めて野心的だと言える。

ベトジエットはベトナムで急速に頭角を現わした。しかし、アジアの他地区でそのブランドは全く知られておらず、先駆者優位のメリットを持つ、エアアジア、ジェットスター、ライオンそしてタイガーに挑まねばならない。

この最初のタイでの合弁事業で、二つの堅固に築き上げれらたLCCであるタイエアアジアとタイ航空の子会社であるノックエアと難しい競争をしなくてはならない。

ライオンもタイでの合弁事業開始を考慮中である。 確かにアジアの市場はどんどんのび成長している。しかし、そんなに多くのLCCが共存できるということは無いだろう。

 

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VietJet boldly starts to build pan-Asia low-cost portfolio, starting with new JV in Thailand

 

フィンランド航空、JAL/BAの提携に加盟=スターアライアンスに対抗するワンワールドの強化を後押し

8-Jul-2013 3:31 PM

 

懸案になっていたフィンランド航空の英国航空(BA)と日本航空(JAL)の欧日提携への加盟決定は、このワンワールドを主体とする提携が待ち望んでいた援軍になるだろう。この結果、彼らの欧日間市場のシェアは16%から23.5%に増加する。この提携はBAの欧州域内乗り継ぎ便を含み、ロンドン=東京という単純往復需要の極めて強い性格から、ヒースローから後戻りする欧州域内乗り継ぎ需要も含め、日本と英国間の需要を強固に掴んでいる。

 

似たようなスターアライアンスの欧日間市場提携は全日空とルフトハンザがリードしているが、市場の25%をしめている。2012年にルフトハンザグループの盟友オーストリア航空とスイス航空が加盟したことにより、一気にシェアは32.5%に拡大。市場占有率にとどまらず、スターアライアンスのグループは欧州大陸内の便利な乗り継ぎでも一枚上であった。

 

今回、フィンランド航空が提携加盟を申し出たことは、また、同社と20137月に独自に東京ヘルシンキ線を開設して、同社の持つ地理的に優れたハブに進出したいと願っていたJALの間の浮気話にきちんとした結末をつけるものだった。

 

一方、フィンランド航空とBAのより親密な提携関係は大西洋路線での提携に続くもので、BAがフィンランド航空のアジア戦略にますます興味を示している事にも繋がっている。 この両社の関係から、更に何かが生まれて来るかも知れない。

 

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Finnair applies to join JAL-BA joint venture, strengthening the oneworld grouping against Star's JV

ニュージーランド航空、太平洋路線独占=但し、将来の競争相手が虎視眈々と窺う 

5-Jul-2013 12:06 PM 

 

ニュージーランド航空は20125月にカンタスがオークランド=ロスアンゼルス線(出発地はメルボルン)を休止して以来、ニュージーランド発の北米路線を独占して来た。その時以来、カンタスが残した空白を埋めるだけでなく、米国発のニュージーランド訪問者の急増、米国経済の回復に応じて同社は供給も増やして来た。

 

成長する市場で誰か一人が商売をしていると、通常は早々に競争相手が出てくるもので、ある意味では20135月のハワイアン航空によるホノルル=オークランド線の開始でそれが起こったと言える。

 

ハワイアン航空の示した提案のひとつは、ホノルルが、ロサンゼルスやサンフランシスコという混雑した西海岸のゲートウェイに比べてずっとストレスの少ない、米国内他都市への乗り継ぎ地点になれるというものだ。

 

カンタスとはワンワールドの盟友である、アメリカン航空が、2年以内にロサンゼルス=オークランド直航便の開始を考えているという観測がある。アメリカンは、ボーイング777-200ERの機材をより座席数の多い、2クラス仕様に改修しようとしており、これなら、休暇旅行客の多いこの路線にピッタリかもしれない。 

 

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Air NZ enjoys a monopoly on the Pacific, but potential competitors are circling

 

HNAグループの中国西部航空、LCCに変身=中国でLCCブームの火付け役になるか?

4-Jul-2013 12:30 PM

 

中国、海南航空の親会社で、民間企業であるHNAグループは、子会社の中国西部航空をLCCに変身させようとしている。

 

西部最前線の重慶にあるこの中国西部航空は、かねてLCCのブランドを訴求しようとしていたが、今や、本気で、LCCとしての運営が出来る様、企業構造を変えようと決断した模様だ。

 

西部航空自身の変身よりも、西部航空が火付け役となって、拡大するHNAグループの航空会社が次第にLCCのビジネスモデルを採るようになるという、波及効果の方がより大きな意味を持っている。中国の他の航空会社の反応へのプレッシャーがいやおう無く強まるだろう。

この事が、時間の経過、そして更なる成長とともに、アジア航空界の最後の砦のひとつである中国で、長く待望されていたLCCブームの初期段階に発展するかもしれない。

 

問題の変身の実態を詳しく見て見よう。中国の唯一の純粋LCCである春秋航空は一般的なLCCの典型的な例から行けば、最大の付随収入の稼ぎ手である預託手荷物料金を取っていない。

春秋としては料金を取りたいところだが、市場からの強烈な抵抗に直面するのが分かっているのだ。全体として、中国はまだLCCにとっての理想的な環境になり至っていない。しかし、全ては変わろうとしている。

 

春秋航空が示してきたのは、この国は好適な価格設定で、機能的で定時制の高い、いわゆる伝統的な怠慢な運営と違った航空会社を強く求めているということだ。

この動きが大きくなるに連れ、中国西部航空は春秋と一緒になって真に贅肉の削がれた新たなLCCに進化することになるかもしれない。

 

西部航空はLCCへの構造改革をHNAの姉妹エアラインである香港エクスプレスと同時に実行しようとしている。この2社が、お互いに切磋琢磨し、密接な関係を作り、両社とも戦略的な決断と路線網の利点を大局的に補完するよう求められている様だ。

 

香港エクスプレスは西部航空のハブである重慶に乗り入れ、まだ西部航空と指名されている訳ではないが、HNAの航空会社のどれかと提携することになるだろう。

 

以下の関連記事も参照されたい。「香港航空、LCCになる=香港エクスプレスと二枚看板の戦略に乗り出そうとしている」
Hong Kong Airlines embarks on dual-brand strategy with Hong Kong Express to become LCC

 

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英文の本文リンクHNA's China West Air to become a low-cost carrier – the catalyst for a LCC boom in China?

 

マイレージ・プログラム(FFP)=この打ち出の小槌が、より自律した存在に

3-Jul-2013 6:37 PM

 

FFPは感覚的にも重要な存在になるかもしれない。多くのフリークエントフライヤーにとって、その制度の中での自分のステータスや、苦労して獲得したポイントを何に交換できるかが、大切な生活の品質の一要素になってきている。

つい最近発表された調査の結果を見ると、航空会社によって、また賞品への交換手続きによって、顧客満足度がかなり違うことが判る。

この事が、顧客の体験を通じてエアラインのブランドに影響を与えるFFPの大切さを物語っている。

 

FFPはエアラインが常顧客に自社の無償航空券を与える単純な仕掛けから大きく進化して居る。それは今、提携エアラインや他業界の提携企業を抱き込んで、航空旅行以外の賞品を用意出来る様になった。賞品を受け取れるのは人間とは限らない。バージン・オーストラリアはペット向けのFFPを発表したばかりだ。

 

FFPはまた、エアラインにとって、有利な付加的収入を齎す資源としても、のし上がって来た。経済的な貢献についての見方はまだ定まって居ないが、今や自律したFFPの例がどんどん現れ、第三者が投資や所有に乗り出す例が増えて来て居る。

 

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Frequent flyer programmes: expect to see moves towards greater autonomy of these moneyspinners

 

 

 

タイガー・オーストラリア、可愛い虎に=バージン・オーストラリアとの提携が近づくに連れ

3-Jul-2013 5:15 PM

 

タイガーエアウェイズ・オーストラリアのCEOロブ・シャープは73日、このオーストラリアの最も純粋なLCCモデルであるエアラインが示して来た、とても暖かく愛すべきとは言えないイメージを改める新ブランドを発表した。

 

同社は、時に不快で、しばしば冷たい印象を与えて来たし、タイガーグループCEOトニー・デービスの元ではそれが誇りとさえ考えられていたが、既に2011年に休業から復活してからは、柔らかく変身しつつあった。

 

しかし、ここへ来て、60%を所有するバージン・オーストラリアとの将来の提携に備える中で、このブランドは、「暖かく、情熱的で純粋な」抱きしめたくなるようなタイガーエアになった。飛びかかる虎のイメージはもはや消えた。

 

バージン・オーストラリアが、カンタス=ジェットスター(及び域内の)連合の運営モデルに対する全面的な競争勢力を立ち上げようとする先駆けとして、タイガーエアは、より市場に適した、殆ど継ぎ目の無いブランドを創出するという、丁度今ジェットスターがカンタスグループの中で占めている役割を演ずる必要に迫られている。それは、両社のブランドがより容易に結びつく様にする事なのだ。CEOロブ・シャープは新たなスタイルについて、「我々のエアラインがここオーストラリアで復活するスタートだ」と表現して居る。この新ブランドは他のタイガーグループ企業にも適用される。

 

新たな企業名やカラーには単なるブランド変更や、より使いやすいウェッブサイト等以上のものがある。

 

シャープCEOによれば、「新たなブランドは順次、顧客の触れる場所から仕事に反映されて行く。そしてより多くのオーストラリア人をより多くのオーストラリアの町に結びつけ、一方で一度体験すると、間違いなく繰り返し乗りたくさせる様な、LCCにとっての新時代を体現して行くものだ。」 これは、「また使う理由は価格だけ」という昔のタイガーとは違うエアラインである。

 

しかし、抱きしめられて嬉しいのは良いし、これでより多くの旅行者がリピーターになるかもしれないが、鍵を握るのは矢張り価格だ。特にオーストラリア経済が急速に冷え込もうとしている時には。

 

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Tiger Airways Australia becomes cuddly Tigerair as the Virgin Australia partnership approaches

香港航空、二枚看板の戦略に乗り出す=香港エクスプレスをLCCに変身させて

3-Jul-2013 12:26 PM

 

香港航空はアジアの中で、フルサービス航空会社を子会社のLCCが補うという2枚看板を背負う会社の一番新しいケースである。

香港航空は、姉妹会社で今は殆ど一体と言える香港エクスプレスをLCCに変身させる計画で201310月頃、1314年の冬のスケジュールからサービスを開始する予定だ。これで香港に初のLCCが誕生する。香港エクスプレスは2018年までにオールエコノミーのA32030機保有するエアラインに成長する計画で、これは今計画されているLCC、ジェットスター香港を凌ぐ大きさになる。

 

HNAグループが一部所有する香港エクスプレスは旅客に同エアライン内の乗り継ぎ、そして香港航空やその他のHNAグループのエアライン、そして多分それ以外のエアラインとも連携して提供するハイブリッドなLCCになる計画である。プレミアムクラスへの対応はその後の話になるだろう。香港エクスプレスのLCCへの変身は可能だろう、但し、その成功の可否は香港航空がどれほど自由裁量権を渡すかにかかって居る。

 

全体としての二枚看板戦略の成否は香港航空が自らをどれだけ高品質のフルサービスエアラインとして市場に浸透させるかにかかって居るが、これはまだ出来て居ない。

香港エクスプレスが近距離市場で甘い汁を吸う間に、香港航空は熱望する長距離路線での成功を探求することになる。

 

この戦略が功を奏する道はある。しかしいくども修正を加えつつ、時間のかかることになるだろう。

 

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Hong Kong Airlines embarks on dual-brand strategy with Hong Kong Express to become LCC

IATA事務局長トニータイラー、より強力な行政指導を!=ニュージーランドの空港、管制会社の運営に対して

3-Jul-2013 11:50 AM

 

IATA事務局長兼CEOのトニー・タイラーは72日オークランドでの朝食会でのスピーチで、ニュージーランド経済にとって、航空産業の担う重要性を強調した。IATAの推進する航空産業共通の流通システムを推奨し、NZ政府に環境整備への支援を要請した。

 

そして、いつものエアライン業界の課題に戻って、ウエリントン空港が、心得違いをしていると語った。タイラー氏は、この国の表玄関である空港と航空管制を担当する、エアウエイズ・ニュージーランド社が各種の価格を大幅に値上げしたことについて、同社に対するより強力な行政からの監督が必要であると訴えた。

 

 

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IATA’s Tony Tyler calls for greater regulation of NZ's "badly behaved" airports and ATM provider

NEW!

ニュージーランド航空、初のシャークレット付A320を受領=ボーイング787-9の路線、商品もベールを脱ぐ

3-Jul-2013 9:00 AM

 

ニュージーランド航空の保有機単純化計画は、もう一歩前進した模様。

国内機材として最初のシャークレット翼端付きA320を導入し、787-9の最初のキャリアーとして、

3年以内に737-300s, 767-300ERs そして747-400sと言う、伝統的ジェットをやめ、6機種をA320s, 777そして787 と言う3機種に世代交代させ、機材稼働効率を飛躍的に改善して居るだろう。

A320は現在主にボーイング737-300で運航して居る国内路線でコストを削減、787-9は同社の環太平洋路線網戦略を強力に推進する牽引車になっていることだろう。

未来の長距離用機材はと言うと、同社は、長期的にボーイング777-200ERの代替機材として、A350と、未だ未完のボーイング777-XRFI(情報照会要請書)を発信している。これらの機材は、787-9の引き渡しと偶然同時期に世に出る筈だった。787-9の引き渡しが遅れたことで同社は、機材のやり繰りや路線網展開計画の変更を余儀無くされたけれど、一方、777-200ERを継続した事で、同社は、2010年代の残りの期間、最も効率の良い機材運用を実現する為にはどのレバーを引くかの選択肢を意図せずに手にする幸運を引き当てている。

 

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Air NZ takes delivery of its first sharklet A320 and lifts the veil on 787-9 routes and product

 

 

エティハド航空、提携戦略を更に進化=エアベルリン、ジェットとの共同購入計画で

26-Jun-2013 5:15 PM

 

エティハド航空は航空機の共同購入の可能性という条件を加え、その提携戦略をもう一歩進めようとしている。航空機やボーイング787用座席など、より小さな航空機部品の共同購入ができれば、エティハドが出資した航空会社にとっては、他では得がたいスケールメリットが得られる。

エティハドは、現在43の航空会社とコードシェア提携を結んでいる。共同購入についてはエティハドが部分所有している5社の全てかその内いくつかに限られることになりそうだ。航空機メーカーとのこの交渉では、これまで、エアベルリン、エアセイシェルズ、ジェットエアウエイズを含めているが将来的にはエアリンガスとバージンオーストラリアがこれに加わる可能性がある。また、将来、エティハドが買収する航空会社もこれに加わることになるだろうが、エティハドとしては、当面、これ以上投資を拡大しない模様だ。

エティハドは主たる世界の航空アライアンスの外で、合従連衡を進めるリーダーとして浮かび上がって来た。このエティハドアライアンスやその他の系列化されないエアラインの同じような提携関係は世界航空アライアンスに代わる、重要な選択肢となって来ている。エティハドが提携会社としようとしている航空機の共同発注は、世界航空アライアンスが、これまで提供出来て居ない大きなメリットを、齎す事が出来るという例を示そうとしているのだ。

 

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Etihad partnership strategy evolves further as joint purchasing with airberlin and Jet is pursued

 

エアアジア・ジャパン崩壊=エアアジア・グループは強引に過ぎ、ANAは経験に欠けていた

26-Jun-2013 7:15 PM

 

今年1031日を以って、その名前での運航を終了する、エアアジア・ジャパンの破綻の本当の原因を分析するには、この合弁事業の当事者であるエアアジアBerhadと全日空(ANA)のみならず、第三者の意見を聞いて見なければならないだろう。しかし、殆どの人々が認めるのは、基本的な構造の問題があったということだろう。

多くの問題に直面しているのはエアアジア・ジャパンのみならず、ジェットスター・ジャパン、ピーチ・エビエーションとても同じことだ。

いくつかの問題は既に事前に指摘されていたのに、故意に無視されて来たものだ。

総じて、これらの問題が示しているのは、日本においてLCCにはまだまだ将来性ありということ、但し、まさに、正しい環境下においてのみと言う事なのだ。

エアアジア・ジャパンが遭遇した問題は、ANAが主導権を握るという、会社の所有形態に根ざしていて、これはジェットスター・ジャパンやピーチの経営に対して、日本の航空会社が持っていないものなのだ。これが、伝統的な企業の経営者たちではなく、LCCのプロにエアラインを経営させることなのだ。

他のエアアジア子会社の現地パートナーは、どこもフルサービスの航空会社以外の業界から出ている。

エアアジア自身はマレーシア以外の国では、子会社の過半を所有することが出来ないが、どこの国でも、立ち上げる新しい会社にエアアジアの持つLCCとしてのDNAをしっかり植えつけさせる協力的なパートナーを探し出している。ANAはエアアジアにとって、最初のフルサービス航空会社のパートナーであり、多分間違いなく、これが最後となるだろう。

また、エアアジアは自らの生産物をグローバルにしようと、余りにも強引で、地元の流通システムや、今はグローカル理論を指向する、日本人の微妙な感覚が向かおうとしている所を無視してしまったのだ。

これは少々驚きである。というのもエアアジアは以前、インドネシア進出の初期段階に、グループとして、地元の流通システムの必要性など地域の微妙な肌合いの違いを無視したことで、子会社が苦戦するという教訓を得ていた筈だからだ。

 

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AirAsia Japan collapses after AirAsia Group was too bearish while ANA lacked experience

 

ケニア航空、衝撃の9,200万ドルの損失計上=2013年度決算、しかし、アジア市場では成長

26-Jun-2013 8:45 PM

 

ケニア航空は20133月期の決算で、税引き後の損失が予想を大幅に超える79億ケニアシリング(9200万米ドル)だったことで、市場に衝撃を与えた。

この損失は2012年に16億ケニアシリング(1,800万米ドル)の純利益を上げた翌年のことで、ヨーロッパでの経済危機やアフリカ各国で行われた総選挙により地政学的に不安定な状況となり、かなりの需要の減退を招いたことに由来している。

ケニア航空はアフリカ第4の航空会社で、アフリカでは数少ない安定して黒字を続けて来たエアラインの一つである。然し201211月に2013年度の収益が低下するとの懸念を発表し、上半期の損失に次いで、通年では2012年度の4分の1にも満たないほど僅かだが利益が上がると予想した。

予想通り下半期は堅調だったのだが、第4四半期の需要が低調であることが発表された段階で、下方修正された収益目標はもはや達成されない事が明らかになった。 即ち、上半期の55.3億ケニアシリング(6500万米ドル)の損失は回復できなかったのだ。

 

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Kenya Airways reports a shock USD92 million loss for FY2013, but grows its Asian markets

 

エバー航空、今やスターアライアンスに加盟=通過旅客を増やし、域内そして長距離路線で成長を目指す

27-Jun-2013 8:00 AM

 

台湾は旅行者向けの地図にその名を載せてもらうために大変な苦労をして来たが、エバー航空はこれをうまく避けようと計画している。アジアの域内路線や長距離路線で成長し、通過旅客の摘み取りを現在の50%から押し上げようと言うのだ。今年618日に正式に加盟したスターアライアンスがその成長を助けてくれる筈だ。

エバー航空には特定の強い市場が有る訳ではない。むしろ役に立つように束ねて来た、市場の寄せ集めを持っているのだ。

ヨーロッパ路線は主にバンコク経由だが、これらの便はヨーロッパ発台湾行きではなく、バンコク行きの旅客で埋まって居る。北米路線は現在、米国とオープンスカイが発効し、ビザ免除のプログラムがあるので、とてもうまく行っている。長距離路線の座席供給量は殆どこの市場に集中させることになるだろう。

エバーとしては、カナダ路線やヨーロッパ路線でも成長したいところだが、2国間協定で縛られ、限界がある。

より近場では、座席供給量の82%を占める近距離路線があり、エバーは大都市と小さな都市を結んでいる。そして、中国本土への海峡越え路線がある。そこはまだ未成熟の市場で、政治的に良好な関係が続く事が条件だが、急激な成長を見せる事になるだろう。

エバーはスターアライアンスのために新たな路線網を提供する。しかし、台湾がより有名になり、中国本土の重要性が高まるまでは、アライアンス加盟のメリットはエバー側にある。

 

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 EVA Air, now in Star Alliance, looks to grow regionally and long-haul, increasing transfer traffic

 

エンブラエル、ボンバルディアのCシリーズに挑戦=第2世代のE-ジェットの受注で

28-Jun-2013 1:16 PM

 

全く新たな市場が開拓されていくとともに、エアバスやボーイングなど大航空機メーカーは、一見、喜んで市場の一部を小さな航空機メーカーに譲ろうとしている。ボンバルディアはCシリーズで、そして、今やエンブラエルがEジェットの第2世代機で、ともに、隙あらば喜んでこのチャンスをものにしようとして居る。他にもスホーイ、コマック、アントノフそして三菱がそれぞれ、空白地帯を埋めようと動いている。

6月、パリではエンブラエルが凱歌を上げた。ボンバルディアは新世代の機材の開発では4年間のリードを持っているというのに、エンブラエルのEジェット第2世代機が受注リストで既にCシリーズに追いついてしまったのだ。ブラジルのメーカー、エンブラエルは正式にはパリのエアショーでEジェットの第2世代開発計画をスタートしたばかりなのだが、この改良型機に対して、既に7つの異なる顧客から受注、発注予約、LOI(発注内示書)などで計215機の注文を取り付け、ボンバルディアの確定受注、予約の計214機をわずかに上回ったのだ。

エンブラエルは過去の実績に助けられ、その受注の大半は一つの顧客からである。米国最大の地域航空会社スカイウエスト航空が、100機の確定発注とこれに加えて、もう100機の購入権取得を発表した。これは、20135月に同社がE-175の現行型機を200機まで発注したのに追加するものである。

航空機リース会社のILFCも、パリで、E-190E225機、E-195E225機と合せて50機のLOIを交わし、それぞれ25機ずつのオプション(選択売買権)を表明している。更にエンブラエルはアフリカ、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカのエアライン5社(社名不詳)と、計65機の第2世代EジェットのLOIに署名したことを明らかにしている。

 

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Embraer challenges Bombardier's CSeries with orders for second generation E-Jets

 

CAPA、シドニーにて史上最大の航空・旅行サミット=開催まで後5週間!

 

CAPAオーストラリア、太平洋航空サミットはシドニーのフォーシーズンズホテルで、201387日から9日まで開催予定。これは当地区では史上最大の航空・旅行戦略のサミット会議である。

オーストラリア、ニュージーランドのエアラインや空港会社のCEOの面々、加えてこの地区に路線を持つエアラインの選び抜かれたリーダー達が、この業界の重要課題について検討、討議する。

CAPA代表取締役会長ピーター・ハービソンの言葉。

「このサミット会議は、航空産業の思慮に富んだリーダー達が集まり、間違いなく、これまでこの国で開催された、最高の会合になるでしょう。そして大いに意見を交換し、相互の関係を深める素晴らしいチャンスになるでしょう。」

 

http://centreforaviation.com/analysis/capa-to-host-biggest-ever-aviation-and-travel-summit-in-sydney--5-weeks-to-go-116631

タイのノックエア、更なる拡大へと舞う=株式公開に成功し、見通しは明るい

25-Jun-2013 1:00 PM

 

ノックエアはタイの国内線市場での確かな足がかりの上に、株式公開で48.75億バーツ(1.56億米ドル)の調達に成功し、新たなる競争相手の進出を阻む地歩を固めた。

タイ航空の子会社であるノックエアはこの資金を使って、2015年末までに保有機材を少なくとも30機まで増やし、現有の国内線網を強化することに焦点を絞るだろう。

ノックは既に22都市、24路線と言うタイ最大の国内路線網を持って居る。その凡そ半分はターボプロップ機の路線で、タイ国内の地域航空会社のリーダーとなって居る。

ノックの全容を見ると、タイ航空、タイ・エアアジアに次ぐ第3の国内航空会社で、最近はタイ最大のLCC、エアアジアとの差を急速に縮めて居る。

ノックが国際線キャリアーとして存在感を確立するには、まだかなりの困難を伴うと思われるが、現在の所、競争は激化するものの、まだまだ成長のチャンスのある、国内線市場に集中すると思われる。

ノックの国際線進出は、ゆっくりと慎重にニッチな路線に絞って行われるだろう。

 

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NThailand’s Nok Air poised for further expansion with bright outlook following successful IPO

スカイマーク航空=国内線に全席プレミアクラスのA330投入、日本しかできないこと?

24-Jun-2013 8:12 PM

 

これまで、全席プレミアムクラス仕様を成功させた航空会社は僅かしかない。いくつかの夜行便会社からシンガポール航空のA340-500によるニューヨーク、ロスアンゼルス直航路線に至るまで、失敗して撤退したエアラインは多岐にわたって居る。然し、日本の第3の航空会社であるスカイマーク航空が、国内幹線でA330の全てプレミアムクラス・シートの機材を使って、この流れに逆らおうとしている。

スカイマークは域内および長距離の国際線も計画中であるが、現在は国内線だけを飛んでいる。

この計画は歴史が示しているほど無謀なものでは無い。事実、スカイマークは全席プレミアムで成功を収める最高のチャンスを迎えているのかも知れない。

全席プレミアムというとこれまでは概してビジネスクラスを意味し、殆どの例がこのクラスでの計画だった。しかし、スカイマークの場合は全席プレミアムエコノミーであって、海南航空がA330-200で試みた116席やシンガポール航空A340-500での100席と言う例に対してA330-300を使って271席を予定して居る。

スカイマークは国内の高収益市場でANAJALとの差別化を図りたいのだ。この両社とも国内線の機内は(平均L/F70%を超えないというのに)狭苦しいものなのだ。

同社のかなりの低コスト運営と組み合わせれば、この提案は堅実な人気商品になるかもしれない。 

 

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Skymark Airlines offers all-premium A330s on domestic routes. It could only work in Japan?

 

ライオンエア国際線拡大を加速=タイを手始めに更なる提携で

23-Jun-2013 8:40 PM

 

ライオンエアはその国際線拡大戦略の第一段階に着手した。この戦略は成長目覚しいライオンエアグループが、自分達のルーツであるインドネシア国内線市場から多角経営に羽ばたく姿を見せてくれる筈だ。

20133月にマレーシアのマリンドエアとの提携開始、次には他のアジア諸国の市場での提携が続くと見られている。手始めはタイだ。低コストでハイブリッドでもある会社ライオンは、今はまだ小さな、地元市場からの国際線網を大きく成長させようとずっと考えて来た。

東南アジアに焦点をあてた国際化はライオンにとっては正しい戦略である、なぜなら、もはや、ただ一つの母国の国内市場に頼って居る訳には行かないからだ。

インドネシアの国は世界でも最も大きく、早いスピードで成長して来た市場の一つである。

しかし、600機の機材を発注して引渡しを待っているライオンとしては、この大掛かりな賭けに何らかの安全策を講じなくてはならないし、インドネシアだけに頼って居る訳にも行かない、特にインフラ整備の限界から、中長期的には成長は鈍化する恐れがあるからだ。

また、ライオンが、他の市場に手を突っ込み始めるに伴い、大きな問題に直面することになるだろう。

インドネシアの外に出て、強力なブランドと流通網を確立することがこれからのライオンの最大の課題である。ライオンが新たな市場に進出しようとすると、競争は熾烈である。そこではライオンがインドネシアで持っていた、LCCの先駆者としての有利さは存在しないからだ。

どこに行っても、全アジアに君臨するエアアジアやジェットスターのLCCグループ、そしてもう少し小さいがタイガーエアウエイズが既に優位な場所を占めているのだ。

 

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Lion Air looks to accelerate international expansion by launching more JVs, starting with Thailand

 

ロイヤル・ブルネイ航空=東南アジア最初の787運航会社として更に一歩前進

19-Jun-2013 12:20 PM


ロイヤル・ブルネイ航空(RBA)は東南アジアで最初にボーイング787を運航する会社になろうとしているが、目下、懸命に新事業計画の最終段階に進もうとしている。

最初の4機の7872013年の第4四半期から2014年の第1四半期に就航し、機材効率が大きく向上することにより、同社の長距離路線網での損失を更に削ってくれるだろう。

東南アジア最小のフラッグキャリアーの一つとして、RBA2011年のリストラで、中長距離の3路線、近距離の2路線を廃止し、その後、再建への長い道のりを歩んできた。これまでのところ、近距離路線は、既にコーナーを回り、アジア域内の湧きあがる旅行需要にも助けられ、再び成長に転じ、順調に推移している。

RBAはまた、保有する狭胴機の更新を図る計画で、これは更なる経費削減を齎すことになるだろう。

然し、企業の規模が小さい事、そして今後LCCとの競争が激化する事を考えると、同社が利益を上げるまでにはまだまだ坂道を登る戦いが待ち受けている。

RBAは現在4機の777-200ER5機のA320ファミリーの機材で、アジアの10地点を含む14地点に飛んでいる。777-200ERは同社の4つの長距離路線であるドバイ、ロンドン、ジェッダ、そしてメルボルン路線に使用している。

 

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Royal Brunei Airlines takes another step forward as it becomes first 787 operator in Southeast Asia

ジェットスター香港、地元資本導入=香港航空の教訓から、新たな方針を反映 

18-Jun-2013 2:00 PM


ジェットスター香港が、第3の出資者を迎え入れ、それも初めて地元香港からと言う決断をした事は、経済制度改革で変わりつつある香港の姿勢の延長線上にあると見るべきだろう。香港政府としては市場の競争原理を尊重したいところだが、香港航空での経験を生かさねばならないとも考えている。

香港の金融監督当局にとっての興味は、新たな航空会社の株主に誰がなるかということより、一体、どこがコントロールするのかにある。当局は将来のエアラインが、企業自身のためにも香港の為にも、何の束縛もなく成長し、潜在能力を最大限に活かせることを保証したいのだ。

例えば、香港航空のオーナーは中国本土のHNAグループであり、経営は殆どHNAから出向した幹部によってなされている。

HNAの忙しく、拡大一辺倒の性格から、当局の理論で言えば、香港航空は秩序ある成長から外れてしまっている事になる。

カジノ業界の大立者スタンリーホーの会社シャンタク・ホールディングズを33.3%の持ち株で招き入れることで、ジェットスター香港は、オーナーは地元であると言えることになる。これは現時点では必要な要件ではないが、多分将来は、直接的にせよ間接的にせよ、そうなる事だと思われる。

 

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Jetstar Hong Kong’s local investor reflects HK’s new attitude, learning from Hong Kong Airlines

バンコク航空が株式公開=独立したフルサービス近距離航空会社に存続の余地がまだあることを証明

Jun-2013 9:00 AM

 

バンコク航空はユニークなエアラインである。立派に成功したフルサービスの近距離航空会社として、LCCと巨大な航空大企業に牛耳られる市場で戦って居るにも拘わらず、ずっと成長を遂げている。そして、今、また特別な事をしようとしている。近頃ではLCCか、まれにフラッグキャリアーがする、株式公開をしようとしているのだ。

 

2013年年内に4つのエアラインが株式公開を計画している。LCCであるエアアジアX傘下の3社インドネシアとノックエア、そして目立たないバンコク航空である。

 

タイ証券取引所への上場が上手く行けば、バンコク航空はネットワークや保有機材の拡大増強を後押しする資金を手にすることが出来る。

 

同社は現在23機を運航していて、ほとんどの市場で激化する競争に直面しているにも関わらず、成長が可能な位置にいる。

 

バンコク航空の最大の強みは幅広く益々拡大する提携相手を持っている事で、これが高収益な顧客につないでくれている。パートナーの内、いくつかは同社の主要なハブであるバンコク・スバンナプーミ空港に便を増強していて、域内からの送客をいくらでも欲しがっている。

 

バンコク航空はまた、急成長を遂げている域内の地点へのネットワークを持っている点では誰にも負けない。パートナー各社にはこのネットワークが必要で、多くの場合、成長目覚ましい東南アジアの旅行客に人気の地点に行きたければバンコク航空に運んでもらわざるを得ないのである。

 

結果として、バンコク航空は既存の市場に対して供給を増やし続け、同時に新たな穴場の目的地を増強するに充分な需要を確保し、その稀有な成功例であるフルサービスの小規模専門店のスタイルを維持することが出来るのだ。


 

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 Bangkok Airways IPO: proving there is still room for an independent full-service short-haul airline

ウエリントン国際空港=長距離国際線誘致のために300NZドルかけて滑走路延長を計画

 

13-Jun-2013 8:02 PM

 

ウエリントン国際空港(WIAL)は現在の2,000mの滑走路を300メートル延長して、このニュージーランドの首都から、ボーイング787やエアバスA350を使ったアジアや北米への直行便の開設誘致を計画している。

 

この空港はこの国の中央に位置する地理的条件、そして国内線のハブ空港であることから、オークランド、クライストチャーチにつぐ、国内第3の国際線ゲートウェイになり得ると主張している。空港独自の調査によれば、現在でもアジアのハブ空港への長距離国際線に乗り継ぐ為に多くの乗客がオークランドに飛んでいて、その数は既に、毎日直航便を飛ばしても見合う数字になっている。

 

アジア市場で予測される驚異的な成長が、新世代の広胴機が実現する、運航コストの低さ、改善された性能と相まって、2010年代の終わりまでには、滑走路の延長に伴う財政的なリスクを軽減して、10年前には誰も考えもしなかったウエリントンの様な第二線の目的地への直行便運航を現実的なものにすると思われる。リスクは依然存在する。しかし、その見返りは(潜在的に)十分高いものだ。

 

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 Wellington International Airport plans NZD300million runway extension to attract long-haul services


エアアジア・ジャパン合弁事業つまずく=日本でLCCは生き残れるか?

 

14-Jun-2013 5:10 PM

 

エアアジアは612日全日空とのLCC合弁事業が、両社経営陣の意見の相違から障害に直面していると発表した。特に致命的に重要な、低コスト経営、成田発の運営を如何に行うかという点で、食い違ったために、合弁の解消を含むあらゆる可能性を検討していると言う。

 

これは離婚訴訟に例えれば、「妥協しがたい相違点」を語るに等しいことだ。もし、この2つのエアラインがほぼ1年も運営をしてきて、未だにお互いの目標にかなう何かへと纏め上げる事が出来ないのなら、これはもう過去の結婚歴というべきものである。

 

全日空の方も、もう少し曖昧な言い方だが、事実上、パートナー関係がうまく行っていないことを認め、エアアジアジャパンの残したものを、部分所有しているピーチ・エイビエイションに合体させることを考慮していると言う。

 

それでは次はどこへ? 次のステップは、全く新たなシナリオの創世記が始まるのか、それとも単に、エアアジアが財政的に合弁事業から完全撤退して終わるのか、或いは多分スカイマーク社との交渉に再び戻るのかも知れない。

 

過去20年に亘って、LCC的な現象が新たな地域にやって来た時に、いつも人々は声を揃えて言ったものだ、「この地域は他とは別だから、、、、LCCはこの地域ではうまく行きっこない。」

例えば10年前の東南アジアが正にそれだった。だが今日、東南アジアの国際線供給座席総数の4分の1以上がLCCのものであり、世界最大の紛れもない国際LCCの市場になっているのだ。

 

そしてその数年後には全く同じことがインドで起こったが、今やインド市場の国内線供給座席の70%が低コスト航空会社で占められている。

 

そして、日本である。そこでは事態は本当に異質なのだろうか? 確かに、そこには他の世界と異なる商習慣と、コスト高の体質が実在する。しかし、また、低コスト化への道が他の世界より、ほんの少し曲がりくねっているだけなのかもしれない。

 

 

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 The AirAsia Japan joint venture stumbles. Can LCCs survive in Japan? 

 

ニュージーランド航空、小さくても「出来る」エアライン=2012年の収益と10年間平均利益を、今年度は3倍増させる

 

16-Jun-2013 11:10 AM

 

ニュージーランド航空は、2013年度(20127月~136月)の目標である利益倍増を達成した模様で、20134月に発表した予測の2.35億から2.6NZドル(2.09億米ドル)の上限に迫る状況と言って居る。もし、これが達成となると業績は2012年度収益0.91NZドル(0.73億米ドル)のほぼ3倍増となり、既に発表されている2013年度上半期は300%改善という実績に沿ったものになる。

ニュージーランド航空は業績の改善の原因として、安定した経営環境や、長距離路線網が世界金融危機以来、初めて黒字化したことを挙げている。そして、今、環太平洋路線網の拡大計画を支える提携関係を更に進めることに焦点を絞っている。

驚くことに、同社はまた、オーストラリア=ニュージーランド間路線のパートナーである、バージン・オーストラリアの株式保有率を23%弱まで買い増したが、半年以内に26%まで買い進めようとしているのだ。こうして、同じく大株主であるシンガポール航空とエティハド航空の動きを牽制する戦略的株式保有である。

 

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 Air New Zealand, the little airline that can, triples its FY2012 profit and 10-year average earnings


エチオピア航空=チャンギ空港とシンガポール航空に重要なアフリカへのリンクを提供

16-Jun-2013 9:00 PM

 

シンガポールのチャンギ空港は間もなく、エチオピア航空の就航申請により、その路線網に開いた東アフリカへのリンクという最大の穴を埋めようとしている。

 

チャンギ空港の利用客の伸びが目に見えて鈍化している中で、空港としては何としても新しい市場が欲しいところである。アフリカ、特に東アフリカは、現在、シンガポールをバイパスしている旅客の流れへの扉を開いてくれる。

 

アフリカはアジアにとって、急激に成長する重要な市場として浮かび上がってきた。シンガポール=アジスアベバ路線はシンガポールにとってアフリカ中の都市への乗り継ぎを可能にするのみならず、やはり急成長しているアジア=ブラジル間の市場開拓に代わるものを与えてくれる。

 

チャンギ空港がエチオピアを確保しておくことは、アフリカのエアライン誘致では他のアジアのハブ空港に遅れをとっているシンガポールにとって、極めて重要なことである。

 

チャンギには今、アフリカの航空会社はたった一社、モーリシャス航空しか飛んでいない。それも週一便で、クアラルンプール経由である。シンガポール航空は、ケープタウンとカイロに経由便は飛んでいるものの、アフリカ直航便はヨハネスブルグ唯一つである。 

 

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 Ethiopian Airlines to give Singapore Changi and Singapore Airlines an important link 


ロイヤル・ヨルダン航空、再び黒字化し、787の引渡しを待つ=今後はコスト削減とコードシェアが焦点

 

ロイヤル・ヨルダン航空は2011年度に多額の損失を出した後、運命を逆転させ、2012年度には何とか利益を計上することが出来た。

 

隣国シリアでは不穏な政情が続き、最重要市場の一つであるヨーロッパは経済不安に見舞われた大変な年であったにも関わらず、この結果を出せたことから、同社は希望をつないでいる。

 

同社の経営指標を見ると、この難しい環境下、2013年度も健全な経営を続けられそうである。

 

不採算路線を整理し、コードシェアで代替すれば、サービスは継続しながら損失を減らすことが出来るのだ。

 

しかし、来年から787の受領が始まる同社にとっては、既にアフリカ、そして米国への新規路線の開設が視野に入っている。


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 Royal Jordanian profitable (again) and awaits the 787; cost reduction and codeshares are key focuses

 

シドニー空港=需要倍増の予測に対処するため、ターミナルの国際、国内両用案を進める 

6-Jun-2013 4:10 PM

 

シドニー空港の、2033年までを見据えた再開発計画のマスタープランは、201285日の改訂版でも、殆ど変わっていない。

2033年には、利用旅客の総数は年間7,400万人と、現在の数字から倍増すだろうと予測されている。

また、空港会社は2019年までに国際線と国内線のターミナル地区を主滑走路の両側に分離させて構築する計画を変えていない。

現在、空港東側にあるT2T3国内線ターミナルは再開発後は延長され、A380にも対応可能なゲートの追加を含め、国際線にも使えるものになる。主滑走路西側のT1国際線ターミナルもやはり延長されて、もう4箇所のゲートが増設される。どちらの地区にもひとつのゲートを、違う時間帯に、国内線、国際線どちらにも使用できる可変仕様のゲートシステムが装着される計画だ。

この両用ターミナルの概念は、毎日のピーク帯を施設全体に平準化するためにデザインされているが、同時に乗降客にとっても国際、国内のターミナルを行ったり来たりせずに、提携エアライン間の乗り継ぎが容易に出来る様になる。

加えて、空港内道路も再編され、東地区に新たな環状道路が作られ、またT1ターミナルには新しい大通りが作られ、現在の交通渋滞を解消してくれる予定だ。

 

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Sydney Airport sticks with plans for dual use terminals to handle forecast doubling in demand


 

トルコ航空=戦略上の溝を埋める(2/2)

5-Jun-2013 4:00 PM

 

トルコ航空の輸送旅客数の急成長は国際線の、特に国際線から国際線への乗り継ぎ旅客に負うところが大きい。地域別に言えば、北アメリカ、アフリカ、極東が高い成長率を示しているが、旅客数で言うと、依然としてヨーロッパが最大である。この戦略は湾岸諸国のエミレーツ航空、カタール航空そしてエティハド航空と同列にある。

トルコ航空分析の第2回では、同社のネットワークを上記の3社と比較して見よう。

トルコ航空のハブであるイスタンブール空港は、地理的に言って、湾岸諸国の3社に比べて、ヨーロッパ、北アメリカ、ラテンアメリカ、北および西アフリカ、(中央アフリカの西部も)により近い。

エミレーツ、カタール、エティハドの3社に比べて、同社のアフリカ、そして最も驚いたことに、アジア太平洋路線への国際線座席供給パーセンテージは低いのだ。

殆どの国際線目的地に狭胴機(同社の保有機材の80%以上)を飛ばしているにも拘らず、寄港地当たりの平均便数が特にアフリカとアジア太平洋方面でエミレーツより少ない。

(トルコ航空=戦略上の溝を埋める(1/2)参照)

アフリカでのトルコ航空の強みは何と言っても、北アフリカである。湾岸諸国のエアラインに比べて南、東アフリカに弱いのは地理的にも、また保有機材に狭胴機が多い事からも頷けるところだが、中央/西部アフリカで弱いのは自然の利点を生かしきれて居ない様に見える。

アジア太平洋地域では、東北アジアには強いが、南アジアや東南アジアでは弱体が目立つ。

目下のところ、南西太平洋は勢力範囲外であり、その点、湾岸のハブ空港に比べ地理的に不利である。

同社は、今、アフリカで強力に勢力を伸ばし、新規開設のカトマンズ線などの南アジアと、2002年以来中止していたクアラルンプール線の再開を含め、東南アジアへの拡大を図っている。また、アジアの諸都市へのサービスを可能にする、コードシェア提携先をふんだんに持っている

 

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Turkish Airlines: narrowing the strategic Gulf: Part 2

 

 

トルコ航空=戦略上の溝を埋める(1/2)

4-Jun-2013 3:25 PM

 

トルコ航空の企業ミッションには、「地球規模のネットワークを持つ、誰にも選ばれるヨーロッパの主要エアラインになる。一方で民間航空産業の中で、トルコ共和国の旗艦キャリアーとしてその独自性を維持して行く。」という目標が含まれている。また、同社のビジョンにはこれに加えて業界水準を超える成長を持続すること、そして格安航空会社に匹敵するコストの航空会社になる、など、いくつもの目標が並べられて居る。

トルコ航空は国際線の寄港地の数では世界第2を誇るが、供給座席数で見ると、第8位に過ぎない、また、トルコの国自体が世界の航空市場の中では第15位の規模にとどまっている。トルコ航空が目覚ましい成功を遂げ、自ら掲げる上述の目標を実現しつつあるのは、イスタンブ―ルをハブ空港として、世界の乗り継ぎ需要の流れを惹きつける戦略が功を奏して居るからだ。湾岸の急速に成長する三つのエアラインと競合するとともに、比較購買を促すというアプローチである。

 

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Turkish Airlines: narrowing the strategic Gulf: Part 1

 

 

ガルーダ・インドネシア航空(2/2)=オーストラリア欧州路線で難問に直面

2‐Jun-2013 7:30pm

 

ガルーダ・インドネシア航空は201311月にロンドン・ガトウイック空港への空路を開設し、カンガルールートでの競争に仲間入りを計画している。

同社は、2014年新たにジャカルタからヨーロッパ大陸への直行便を企図しており、オーストラリアと他のヨーロッパ都市を結ぶサービスを開始すると見られている。

同社はロンドンへの運航開始を前にオーストラリア市場で勢力を拡大していて、まずシドニー、メルボルン、パースという現行3地点への供給を増強。更に、20138月にはブリスベーンへの就航を、そして数カ月以内にオークランド線の開設を予定、これでニュージーランドとヨーロッパを結ぶサービス開始が可能となる。

今回は2回シリーズのガルーダ・インドネシア航空の国際線拡大計画についての報告の後半。前半では同社のインドネシアにおける国際航空市場について、そして2013年新たなに計画されている海外10路線について分析した。今回はオーストラリアとヨーロッパを結ぶ激戦区のカンガルールートへの参入について見てみよう。

ガルーダが新しく開設するヨーロッパ線と、拡大したオーストラリア線を維持するためには、通過旅客を惹きつけなくてはならない。しかし、カンガルールートは超激戦区でありオーストラレーシア=ヨーロッパ間の市場に隙間をこじ開けようとするガルーダは大きな難問に直面する事になる。


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Garuda Indonesia's attempt to compete in Australia-Europe market faces challenges

 

ハワイアン航空、いまだ問題を抱える=路線網多角化の成果を摘み取るには

1-Jun-2013 5:25 AM


ハワイアン航空は数年前にオークランド、ブリスベーンとアジアの新路線を開設して路線網の多角化を図ったが、その成果が上がるのを未だ待っている。

この施策は、それまでの米国本土偏重の路線網から脱却しようとする意図だったが、ここ数年でかなりの競争力を持つようになっては居る。

彼らの矢継ぎ早の路線開設は、日本の円安、他社の対抗的な供給増強、ハワイアン自らが各市場の持つ独特の微妙な性格が理解できないことなどから、種々の問題を抱えこんで居る。

同時に同社が未だに最大の収益源としている北米市場への供給過多の問題があり、ハワイアン航空の事業に重くのしかかっている。

これらの課題が依然として恐ろしい影を投げかける中、同社は2012年に本拠マウイ島を強く打ち出し、カフルイ空港をハブ化しようとして供給増強を読み誤ったことから弱体化してしまった、島嶼間路線の負債をひっくり返そうとしている。

ハワイアンの経営陣は、同社が2012年の第4四半期に計上した約1,500万ドルの損失、そして2013年第1四半期の1,700万ドルに及ぶ損失を重ねたにも拘わらず、2013年下期には運命は好転するという言葉を繰り返している。

しかし、2013年下期に計画している20%23%の供給増の大半を比較的新しい市場につぎ込む事が重くのしかかる中で、同社は自身の路線網の要となる分野で状況を改善することが必要になるだろう。


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Hawaiian continues to embrace challenges in reaping rewards from its network diversification

 

エア・タヒチ・ヌイ、エアフランスとの提携強化=

損失の拡大が続く中で

31-May-2013 12:31 PM


エア・タヒチ・ヌイは、ロスアンジェルス=パリ ドゴール空港間の路線で、エアフランスとの更なる提携を計画、そして、他の南太平洋の航空会社との戦いを有利に展開するためにA340-300の新装機を投入すると発表した。

しかし、最大株主である仏領ポリネシア政府のお陰で生き延びている、借金に苦しむ同社にとって、収益は一向に改善されない。また、その政府は、肝心のこの企業のリストラには消極的なのだ。

この遠く離れた群島である仏領ポリネシアの観光産業は、世界的不況の影響で40%も訪問客が減るという大変な局面を迎えたが、ゆっくりと回復している。しかし、フィジー以遠にも旺盛な興味を示すオーストラレーシアからの旅行客の伸びによって潤っているものの、より多くお金を落としてくれるヨーロッパの市場からの需要は未だに下降線を辿っている。

エアタヒチヌイは他にも厄介な敵との戦いに直面している。

若返ったエアパシフイック、そしてオーストラリア、ニュージーランドへの路線を開設したハワイアン航空である。

全て、米国への乗り継ぎが可能で、ハワイアン航空の場合は、はるかニューヨークまでと、南の島での途中下車に、どれも魅力的な選択肢を提供している。


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Air Tahiti Nui plans metal neutral alliance with Air France and partners as losses continue to mount

 

ガルーダ・インドネシア航空(1/2)201310路線新規開設で国際線の拡大を加速

31-May-2013 8:00 AM

がルーダ航空はスカイチームへの加盟の前哨戦として国際的存在感を築くためにもインドネシアで供給不足の新市場への拡大を加速させている。

この国際線拡大策でガルーダは2013年中にジャカルタ=ロンドン線を含む、少なくとも10の新路線を開始すると見られる。

ロンドン・ガトウイック空港は今年11月にアムステルダムに次いで同社の第2のヨーロッパ寄港地になる予定である。2013年にガルーダはその他にも東南アジア内の短距離路線を幾つか開設し、また中距離ではオーストラリアと日本への新規3路線に就航の予定である。

この長距離路線はガルーダにとって最初の777-300ERを受領することで可能になる。

この777-300ERはガルーダの新たな旗艦機材になり、同社にとっては唯一、ファースト、ビジネス、エコノミーの3クラス仕様になって居る。

同社はまた、基本的にアジア太平洋地域内で使用する、A330の保有機数も拡大する計画である。

これまでインドネシアの急速な経済成長は、主として国内線サービスの拡張を牽引して来たのだが、インドネシア発着国際線への急成長する需要に合わせた、この国際路線拡張で、ガルーダは収入を伸ばすことが出来るだろう。 また、同時に、ガルーダを超激戦区であるオーストラリアとヨーロッパを結ぶカンガルートに参入させ、より大きな第5の自由需要の摘み取りを可能にするだろう。

ガルーダのカンガルールートへの参入については2回シリーズの報告の後半で分析する。


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Garuda Indonesia accelerates international expansion with 10 new routes to be launched in 2013

 

 

海南航空の787はシカゴ、シアトル、トロントに=中国国際航空は北京発の主要ルートを確保

30th May, 2013

 

そもそも、中国へのボーイング787の引渡しは、2008年の北京オリンピックに間に合う筈だった。それが2012年のロンドンオリンピックにも間に合わず、2012年に漸く完成すると、中国政府の承認が遅れ、次いで、電池の不具合が引き起こした、全機の運航停止に遭遇してしまい、更に引渡しが遅れることとなった。しかし、今や、長い物語は終盤を迎え、中国での787の就航の開始が目に見えてきた。

 

同機については、中国の三つの航空会社が35機を発注していて、中国南方航空が10機の787-8sを、海南航空も同じく10機の787-8sを、そして中国国際航空が15機の787-9sを、廈門航空が787-8s を6機、予約発注している。

最初の引渡しは中国南方航空が受ける予定で、海南航空は2番目だが、機材運用計画を最初に発表した。それには国内線に合わせて、シカゴ、シアトル、トロントへの長距離便も含まれている。

しかし、北京発のルートについては制限があり、特権の少ない民間航空会社である海南航空は自分の国の政府に787の機材をどの航空路に就航させるかについて強制的に指示されることになるだろう。ちょうど、彼らが北京からA380を飛ばそうとした時に煮え湯を飲まされたのと同様に。

 

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Hainan Airlines' first 787s go to Chicago, Seattle & Toronto but Air China gets Beijing's key routes

 

インドの航空産業(4/4)=インドの航空各社の2013年度は損失165千万米ドル

29th May, 2013

 

4回シリーズの2013~14年インド航空業界展望(66日発行予定)からの抜粋の最終回。

この最終回では、2013年度インドの航空各社の財務、経営状況を検証し、新会計年度への展望を見てみる。

1回では変わり行く航空会社の国内、国際線双方での動向を、第2回ではインドの航空産業の生存や成長に大きな影響を持つ、政治の真空状態について精査した。第3回では空港と空域などインフラの重要問題について述べてきた。


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India’s airlines lost USD1.65 billion in FY2013. CAPA India Aviation Outlook

2013/14: Part 4

 

シンガポール航空=新長期戦略の完成には更にパートナーが必要

29-May-2013 8:00 AM


シンガポール航空がまた新たなパートナーとビジネスチャンスを模索している。

中国、インドと言った主要な勃興する市場のエアラインとの株の持分取得も含め、模索が続いている。

一方で、SIAグループとしては、この2年間にわたり、劇的な戦略変換をしてきたが、新長期戦略にパートナー提携の部分は、まだ殆ど描かれていない。

バージンオーストラリアとの緊密な提携関係、これには最近19.9%まで増やした株の持ち分も含まれている。そして、SAS、ついでアジアのどこかのエアラインとのパートナー関係と言うことになろう。

SASおよびバージン・オーストラリアとの関係はSIAグループCEO、ゴー・チュン・フォンの指揮下に入っていて、どちらのエアラインも注目に値する、しかし、どちらもシンガポールには飛んでいないし、どちらも成長著しい市場に属しているわけでもない。

SIAは、より堅固なパートナー提携先を集めた、より豊かなリストを必要としている。しかし下手すれば提携は難しい関係に陥る危険性も秘めている。

SIAの新長期戦略には最善のパートナー関係を構築することが最も難しい課題になるかもしれない。


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Singapore Airlines needs more partnerships to complete new long-term strategy

 

 

A380103機が就航し今や主流に=どのエアラインが?目的地は?区間距離は?

20-May-2013 8:40 PM


20133月の初頭現在、A380103機が就航している。エミレーツ航空が33機、シンガポール航空が19機を保有していて、路線網スケジュールを分析しようとすれば、この2社とそのハブ空港が圧倒的である。A380が飛ぶ週間フライト総数1,048便のうち、402便はエミレーツ発が占める。ドバイとシンガポールの空港が最大のA380便を受け入れている。

しかし、誰も予想しなかったデータもある。A380を飛ばす航空会社の数が一番多いのが香港、ついでパリとロスアンジェルスの空港である。A380の目的地として最大で、未だA380のハブでは無いのが、ロンドンのヒースロー空港。オーストラリア、シンガポール、UAEに次いで英国と米国が最も共通のA380の目的地。A380便の最大の寄港先は中東ではなく、アジアの国々で、南米には未だに飛んでいない。広州=上海浦東ルートがA380の航路としては最短の1,202kmで、一方ロスアンジェルス=メルボルンが最長で12,751km

カンタスとルフトハンザが最大の平均飛行区間距離を持つ一方タイ航空は一日の機材使用回数で最高のほぼ2回。カンタスとエアフランスが最低(ほぼ1回強)となっている。


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The A380 becomes mainstream, with 103 now in service: which airlines, destinations, stage lengths?    

 

HNAグループのラッキーエア=中国国内線から香港、台湾、マカオを含む域内航空への拡張認可を申請 

22-May-2013 9:03 AM


昆明市を拠点とする、ラッキーエアは民間企業HNAグループ(海航集団)の擁する数多い子会社の一つだが、最近、中国の航空業界を管掌するCAACに対し、国内線航空事業免許を香港、台湾、マカオを含む域内航空事業に拡張したいと申請した。通常、中国の航空会社にとって、大中国圏の市場に事業を拡張することは、最終的に国際線市場に乗り出す第一歩である。

昆明は中国南部 雲南省の省都で香港、台湾とは航路があるが、マカオとは未だ繋がって居ない。昆明=香港は矢張りHNAの子会社である香港航空が飛んでいる。また、香港にとって国際線供給座席が最大なのは昆明ルートで、台北は6番目に乗客の多いルートである。


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HNA's Lucky Air seeks permission to expand out of domestic China market to HK/Taiwan/Macau

 

エアバスA330、依然売れ行き好調=B787ドリームライナーが勢いを取り戻したとしても

25-May-2013 2:47 PM

 

エアバス社は今週も新たな発注を受け(オマーン航空から3機)、依然としてA330の成功を祝い続けている。

 

このA330は最大のライバルのボーイング787に比べて20年近く古い飛行機だが、人気の点では、未だに新開発の機材と渡り合って居る。

2004年にボーイング社が787の開発計画を発表した頃、A330の販売には最大の脅威出現と見られていた。

 

然し、予想されたA330の発注激減は、現実のものとはならず、ここ10年では、新開発機とほぼ一対一の割合で売れている。

 

2004年の787開発開始から、ボーイング社はこの炭素繊維と合成樹脂で出来た機材を890機売っている。ボーイング社によれば787は、類似サイズのA330や自社の767に比べ、燃油効率が20%も優れている、と宣伝している。整備コストの削減可能性についても遜色なく、全体として、座席距離(1シートx1マイル)当たり、10%もコストを低減できると言って居る。また、787の偶像的なイメージはそれを買った航空会社によっても広く喧伝されている。

 

この間、エアバス社は似たような値段ながら、古くて航続距離も短く、燃費効率で劣るA330842機、売って居る。信じられない事に、2008年から2012年にかけて、A330のセールスは787に対してほぼ二対一の割合で圧勝して居るのだ。

 

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Airbus A330 continues to pull in sales even as the 787 Dreamliner recovers momentum 

 

 

プレミアムキャビンでの空の旅=構造的需要の落ち込みが収益に逆風、しかし誰が一番困っているのか?

26-May-2013 12:40 PM

 

世界中で、プレミアムキャビンでの空の旅への需要が下降している。そして、世界中の航空会社が痛手を被っている。

 

航空産業の黎明期には、全てが豪華だった。1930年~40年の空の旅のイメージは、テーブルクロスに銀の食器のサービス、乗客もクルーも、まるでヨーロッパの一流ホテルに居る様な出で立ちと言う時代だったのを思い起こさせる。

その実、揺れながら悪天候をかわし、数時間を越える飛行では、給油のために着陸しなければならない、狭苦しくやかましい金属の筒の中に居るにも拘わらず。

 

空の旅が大衆化し、誰にも手の届くものになるにつれ、ファーストクラスは金持ちと有名人の居場所として生き延び、ビジネスクラスの出現は多忙な経営者にとって日常のストレスから解放される安息所となり、また、金持ちや有名になりたい人々の野心に訴える存在となった。

今や、格安航空会社の時代になり、空の旅とは主としてA地点からB地点に可能な限り安く行く方法という事になってしまった。

 

サウスウエスト航空、ライアンエアそしてエアアジアと言った航空会社が庶民の革命を引っ張り、空の旅を民主化し、まるでバスに乗るのと同じくらい容易で当たり前のものにしたのだ。

そこで、プレミアムキャビンと総称される、ファーストクラスとビジネスクラスは一体、新しい世界ではどこへ行こうとして居るのだろう?


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Premium air travel: structural demand slides provides revenue headwind, but who is most exposed?

 

アジアの旅行産業=2020年までにニュージーランドの成長の大黒柱となる

27-May-2013 1:02 PM


ニュージーランドの表玄関であるオークランド国際空港(AIA)は同国の旅行産業の挑戦すべき目標として、来訪客を2020年までに、60%近く増やして400万人とすることと、個人旅客の価値を高める事を掲げている。この目標を達成することにより、ニュージーランドの旅行産業に直接的価値として97NZドル(78億米ドル)が齎されると言うのである。

 

この「野心2020戦略」が開始されて1年、入国旅客数は2012年の当初目標からわずかに遅れを取って居る。しかし英国、オーストラリア、アメリカと言った伝統的市場が、航空各社が経済成長の鈍化する市場への供給を絞ったり、他方面に移したことから、目標を達成して居ないのに対し、アジア市場、とりわけ中国は目標を超える成果を上げて居る。

 

報告によれば、過去10年でニュージーランドの来訪旅客の構成は、景気動向の変化、NZドル高、航空座席供給量と運賃値立て、他目的地との競争、そして旅行者の好みの変化に連動して、大きく変わって来て居る。

 

然し、ニュージーランドは、ヨーロッパの多くの市場に取って代わり、高いビジネスチャンスを生み出している中国、ブラジル、インドそしてインドネシアと言った国々の市場で、少しでも高いシェアを獲得するように考えて行かなくてはならないと、AIAは提言して居る。

 

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Asian tourism will provide the backbone of New Zealand’s growth by 2020

 

中国南部高速鉄道、ドラゴン航空の強敵に=ただし諸条件が揃えばの話

27-May-2013 1:11 PM


中国国内の高速鉄道網、そして中国本土と香港を結ぶ高速鉄道が完成することは、ドラゴン航空の中国南部路線網の足元を侵食しかねない。この可能性を同社は益々深刻に考え始めている。

計画では、高速鉄道が香港に繋がるのは2015年のことで、この筋書きが現実のものとなるにはまだ時間がある。

また、ドラゴン航空を始め、航空各社に影響が出るとすると、種々の要素が揃って同時に成り立つ必要がある。

少なくとも現状では、この可能性はどちらかと言うと、無さそうである。即ち、高速鉄道の運賃が高くないこと、便利な場所に駅ができること、計画通りの最高速度が実現すること、そして完璧な国境検問が行われること、という条件が揃って実現する可能性である。

また、香港空港の発着枠がますます品薄になっていることから、ドラゴン航空と航空各社は路線の交換を始める可能性もある。

 

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High-speed rail in southern China could challenge Dragonair, but only under combination of factors

 

 

インドの航空業界2013-14年(3)
       =チェンナイ、コルカタ空港運営に国際的運営会社の入札を募る
 

17-May-2013 10:00 AM

 

インド航空業界展望2013-14年の200ページを超える年度報告書の抜粋全4回シリーズの今回は第3回。

これまで、第1回では国内線、国際線航空会社の動向が変動して居る状況を。 第2回では、インドに付きまとう、政治的な真空状態とそれが航空業界の生存能力と成長に与える影響について分析した。

3回は空港と空域の基本的施設に関する重要点について述べる。特にAAIがインドの二つの主要空港の運営を外部委託契約を提案するという挑戦について、そして地域のハブ空港構想の展望について、可能なのか否か。

そして、次回最終回は今年度の交通量、供給、収益性そして航空会社の採算性について考える。

 

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Indian Aviation in 2013/14 Part 3: Global operators bid for Chennai and Kolkata airport management

 

タイガーエアウエイズ
        =2013年度は損失縮小、2014年度は、まだ難問が待ち受ける
 

20-May-2013 7:15 PM


タイガーエアウエイズは20133月期の決算で損失を縮小、バージン・オーストラリアに子会社タイガー・オーストラリアの60%の譲渡が完了した後、20137月中旬まで、2四半期連続で黒字の予測を立てている。

また、同社はシンガポール=マレーシア間の高い需要に合わせ、増便を計画しており、更に、年度内には10機のA320を受領予定で、その内半分はシンガポール基地の機材とし、残りはタイガー・オーストラリアと二つの子会社、マンダラ航空(マレーシア)とSEエア(フィリピン)に当てがわれる。

タイガー・シンガポールはこの機材を使って、2014年度末までに25%供給を伸ばし、シンガポールとインドネシアの拡大二国間協定で得られた権益をフルに活用する予定で、これはマンダラ航空の支援にもなる。

しかし、タイガー・グループには未だに、オーストラリア、マレーシア、そしてフィリピンにある3つの子会社を採算に乗せるよう育てなければならないと言う、かなり大きな難問が待ち受けている。


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Tiger Airways narrows losses in FY2013 - but challenges for FY2014 remain

 

パプアニューギニア、航空貨物のビジネスチャンス
            =経済発展がカンタスとスカイフォースを惹きつける
 

15-May-2013 1:12 PM


パプアニューギニア(PNG)の急成長する天然資源産業、及び水産資源輸出から急増する航空輸送需要が、カンタス、スカイフォース等の航空会社を惹きつけ、豪州国際空輸サービス委員会(IASC)に対して、貨物専門割り当ての申請を上げさせた模様だ。

カンタスは子会社のエクスプレスフレイタ―ズ・オーストラリア社を通じて、そしてシドニーのスカイフォースアビエーション社がIASCに対して、オーストラリア=パプアニューギニア間ルートで毎週片道53トンの貨物輸送の供給割り当てを申請した。

両国の二国間航空サービス協定では、毎週合計100トンまでの貨物輸送が認められているが、現在は計77.5トンが各方向に供給されている。

現在は2012年にヘビーリフトカーゴ航空が破綻して以来、パシフィックエアエクスプレス社がこの市場を独占している。クイーンズランド州はPNGの鉱山業界に対する資材の供給源だが、同時に同国の日本向け新鮮なマグロ輸出の中継地ともなっている。


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Air freight opportunities in Papua New Guinea attract Qantas and Skyforce as economic boom unfolds

 

インドの航空業界2013-14年(2)
    =前途には巨大な変化が、然し、政治的真空状態がつきまとう

14-May-2013 5:31 PM

 

4回シリーズの全200ページ超のインド航空業界の展望2013/14年度報告書の中から

の抜粋で、今回は第2回。

1回では特に国際、国内双方の航空会社の変貌するダイナミズムに焦点をあてた。

2回ではこの業界の生存能力と展開を置き去りにする有害な政治の真空状態について。第3回では、空港及び空域の基盤施設の重要点について、最終回では交通量、供給、収益性そして航空会社の採算性について展望する。

 

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Indian Aviation in 2013/14 Part 2: Immense change ahead - but a policy vacuum persists

 

カンタス・エミレーツ提携
        =ジグゾ―パズルの最後の一片はタスマン海を越えて収まる
 

15-May-2013 6:31 PM


カンタス航空とエミレーツ航空提携というジグゾーパズルの最後の一片は、ニュージーランドの運輸大臣ジェリー・ブラウンリーが遅まきながら、両社連合がタスマン海を越えてやってくる事に、基本合意書を認める形で承認を与え、漸く収まることとなった。

これで、タスマン海をはさんだオーストラリアとニュージーランド間の航空市場は、事実上カンタス・エミレーツグループとニュージーランド航空、バージン・オーストラリア連合の2社独占状態に変わることとなった。

「豪州競争と消費者委員会(ACCC)」は、既に20133月カンタス、エミレーツの両社の幅広い地球規模の提携に青信号を出したときに、このタスマン海市場については条件付合意を与えていた。一方、ブラウンリー大臣はニュージーランド法のもと両社の国際線航空輸送の値立てや供給量についての取り決めを監督する権限を持っているが、この結論はそもそも20133月末には出されることになって居たものである。


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Qantas-Emirates alliance: the last piece of the puzzle falls in place across the Tasman

 

中国の空港について総括
  =西部の空港が2桁成長を続ける中、北京空港は未だ世界一になれない
 

20-May-2013 10:24 AM


2012年末、政府指導部の交代に合わせて、全国的に活動が減じたことに伴い、中国の人の移動が停滞したことから、大方の予想を裏切り、北京の首都空港は世界最大の旅客空港のタイトルをアトランタのハーツフィールド空港から奪うことは出来なかった。

それでも、北京は2006年に世界の大空港ベスト10に入ったばかりで、その後の目を見張る成長から世界第2位になっている。

北京を始め、中国の主要空港にとって、発着枠の確保がますます難しくなって居ることから、成長は鈍化する事になるだろう。これら大空港のうち最も著しい成長を遂げているのは、重慶、瀋陽、そしてウルムチ空港のある中国西部、北東部地区である。

これらの空港は、全国の旅客数合計の31%の往来を担う北京、上海、広州の空港の規模に比べれば、ほんのひとかけらに過ぎないが、ますます国際的な関心を集めつつある。


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China airport wrap: Beijing still not #1 while western China airports lead double-digit growth

 

韓国、日本間の航空市場
         =LCCの参入、政治的緊張、円安で構造的変革を迎える
 

16-May-2013 10:30 AM

 

かつて、整然とした高収益路線だった日本=韓国の航空路線が、二桁の収益率下落を伴った根源的変革を迎えている。

この日本=韓国市場に起こった史上初の大変革は何が要因だったのかを正確に見極めるのは難しい。

まず、2012年の半ばから後半にかけて、新たな航空会社の参入と既存エアラインの増席により市場が大きく変貌した。主として、未だかつて無い低価格で乗り込んだLCCである。

ついで、2012年の後半に韓国と日本の間にあって、無人ながらずっと帰属について揉めている島の領有権で政治的緊張が発生し、日本発の観光客が急激に減った。

2013年には、円安を受けて日本発の市場は未だに軟調のままである。

政治的な懸案はやがて収まると見られる一方で、韓国側では、長い間、いつかは来る筈だと見られていた、団体旅客から個人旅客へ焦点を移す変化が見られる。

しかし、その焦点となる個人旅客には、いまやLCCがやって来て、彼らの必要を満たしているという違いが生まれている。

LCCは自然な理由から存在し続け、成長して行くだろうが、これに円安という条件が加わった。経済的な、そして政治的な要素は韓国側に有利に働いているが、市場の大きなシェアを握って居るのは日本側なのである。

 

 

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South Korea-Japan airline market sees structural change from LCCs, political tension & weakening yen

 

南アフリカ航空、エティハド航空そしてジェット航空
          =スターアライアンス以外の全員に有益なコードシェア開始

14-May-2013 4:41 PM

 

南アフリカ航空が、新たに湾岸諸国の航空会社の抱擁を受けるエアラインとなった。インドのジェット航空とのもう一つの重要なコードシェア契約についで、エティハド航空とコードシェア契約を結び、アフリカと中東を結ぶ22路線を自分のネットワークに加えることになった。

この契約は、資金難の南ア航空に、末端の航空会社はもっと仮想の長距離路線ネットワークを展開しなければならないのだと改めて認識させる契機になった。

この種の提携は、SAAの長期転換戦略の一部で、高価な長距離用の機材を購入する為の資金調達をしなくても路線を拡大できるというものである。

SAACEO代行ニコ・ベズイデンタウトは語っている。コードシェア提携はわが社に収入を齎す。エティハドとの最初の予測では提携の結果、年間1億南アフリカ・ランド(1,100万米ドル)の増収になると見ている。

一方で、エティハドは既に広汎なアフリカ大陸路線網に、大陸最大の経済圏へのアクセスを持つSAAを加えて更なる改善を実現する事になる。

 

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South African Airways codeshares with Etihad and Jet have mutual advantages for all - except Star

 

ジェットスター(3)
      =ジェットスター・アジアの東南アジア重視でシンガポールに集中
 

14-May-2013 11:45 AM

ジェットスター・アジア、ジェットスター航空、バリューエアを含むジェットスターグループのシンガポールを基地とする経営分析、3回シリーズの最終回。

2回はジェットスターの2つの重要な市場、シンガポール=インドネシア間とシンガポール=中国間の市場について分析した。今回はその他の市場とジェットスターのシンガポールにおける経営展望を見てみよう。

ひとしきり、同国の主なLCCが先を競って急激に供給を増やし、競争を激化させ、収益性を犠牲にした後に、昨年一年間、ジェットスターは保有機材そしてシンガポール発の座席供給の拡大速度を緩めた。

しかし、グループ全体での座席供給は、ジェットスター・アジアが、北アジア、特に中国大陸への中距離路線から東南アジアの近距離路線市場、特にマレーシアに焦点を移し、注力したことで、引き続き伸び続けた。

数ヶ月の内にジェットスター・アジア/バリューエアはA320を新たに2機受領し、計20機とするが、これによる供給増分は再び近隣のマレーシアとインドネシアを中心に近距離路線市場に投入しようとして居る。

 

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Jetstar Group concentrates on its Singapore hub as Jetstar Asia increases focus on Southeast Asia

 

インドの航空業界2013-14年(1)=ジェット航空、737MAXA320NEOの発注が見込まれる 

13-May-2013 1:14 PM

CAPAではまもなく、待望の2013-2014年インド航空業界の展望、年度報告書を発行の予定である。

この全4回シリーズの第一回では、全200ページ超の報告の中から特に国際、国内双方の航空会社の変貌するダイナミズムに焦点をあてる。

2回ではこの業界の生存能力と進歩に有害な政治の真空状態について。第3回では、空港及び空域の基盤施設の重要点について、第4回では交通量、供給、収益性そして航空会社の採算性について展望する。

 

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Indian Aviation in 2013/14: Jet Airways expected to place 737 MAX and A320neo order 

 

ジェットスター(1)=インドネシアでの地歩確保を目指す、バリューエアの遺した先駆者利益を食い潰した挙句に 

9-May-2013 11:45 AM

 

 

ジエットスターグループは躍動するインドネシア市場でのプレゼンスを上げ、シンガポールのハブからの供給を増やそうと準備を進めて居る。ここ数年、インドネシアへの座席供給に関して無策だったジェットスターのこの拡大計画だが、この間、競争相手のLCC各社は急激な拡大を図って来て居る。ジェットスターがインドネシア市場でチャンスを見過ごして来たこの数年間を取り戻すのは容易な事ではない。彼等は、これまた、急拡大を目論む大エアラインとも戦わなくてはならないだろう。ジェットスターにはインドネシアでの系列会社が無く、未だに旅行代理店に大きく依存して居るインドネシアの市場で切符を売るには大変な努力が必要である。

しかし、インドネシアでのビジネスチャンスは、いつもは保守的なジェットスターにとっても流石に捨てがたい程、途方もなく大きなものである。ここは頑張るしかない、さもなくば、アジアで最大にして、最も速いスピードで成長している市場の一つから完全に閉め出されることになるからだ。

 

ジェットスター(2)
=またもやシンガポールでのビジネスチャンスを逃す。中国市場重視から後退で

10-May-2013 9:00 AM

 


ジェットスター・アジア、ジェットスター・エアウエイズ、そしてバリューエアを含むジェットスターのシンガポールを基地とする経営分析、3回シリーズの第2回。

第1回はジェットスターが過去数年間にわたり無策だった、躍進するシンガポール・インドネシア間の市場について、今になって座席供給拡大に動いている状況を分析した。

今回は、シンガポールと中国間の市場対策、そして第3回はジェットスター・アジア全体の展望について分析する。

ジェットスターは2011年末以来、中国市場から明らかに後退している。それまで、201011年とシンガポールのハブを使って、中国大陸全体に急速な展開を目指して来たのとは裏腹な行動である。

この戦略には中国南部の各都市への中距離便にはジェットスター・アジアのA320を使い、シンガポールからは遠くて狭胴機では届かない北部の市場にはジェットスター航空のA330を使うという機材戦略も含まれていた。

 

エミレーツ航空とその仲間たち
           =間もなく米国航空業界を作り変える?

11-May-2013 8:00 AM

 


エミレーツ航空CEOティムクラークは、20129月カンタス航空と画期的な提携を発表して間もない頃、彼らはアメリカン航空ともずっと協議をしていて、アメリカンとも緊密な関係を構築したいと公言して居る。

これは、アメリカンが既にエティハド航空と広汎な共同運航関係を持っていると言う事実、そしてアメリカンが主導する航空アライアンスであるワンワールドが、湾岸諸国第3の航空会社カタール航空を、メンバーに加わるよう、ずっと勧誘していると言う事実にも関わらずの話であった。

湾岸諸国の航空会社、特にエミレーツ航空はヨーロッパの長距離ハブを運航する航空会社に手ひどい打撃を与えて来た。

米国の各社に与える衝撃はまた違ったものだろう、しかし、地理的条件は違ってもその衝撃は多くの人々が予測するよりはるかに大きなものになるだろう。

ひとつには、彼らはこれまで培って来た航空アライアンスの境界線を飛び越えてしまうのだ。

エミレーツは断トツで世界最大の国際長距離輸送航空会社である。座席距離ベースのみならず供給座席数だけで比べても、エミレーツより上には座席数の多い機材で近距離区間を頻繁に運航しているヨーロッパの3社(ライアン航空、イージージェット、ルフトハンザ)しか居ない。

 

タイガー航空とSIA/シルクエア
=インドネシア・シンガポール間の市場での競争を主導、エアアジアは遅れをとる
 

8-May-2013 8:00 AM

 


インドネシアとシンガポール間の航空旅客の市場において2013年の第3四半期に競争が激化しそうだ。この時期、シンガポール航空(SIA)が増便を計画し、その子会社である地域航空会社シルクエアと、やはり子会社でLCCのタイガー航空がそれぞれインドネシアの2地点に新たに就航しようとしているのだ。

ガルーダインドネシア航空、タイガーの子会社マンダラ航空そしてジェットスターが、揃ってSIA、シルクエア、タイガーの後を追ってこの躍進するインドネシア・シンガポールの市場に供給席数を増やそうとしている。

各社が相次いで供給席数を増やせるのは、両国間に新たに締結された拡大二国間協定のお陰である。

しかし、空港発着枠の制約から、この市場で目指している成長を制限され、折角手に入れた運送権を行使できるか危ぶまれる航空会社もある。例えば、インドネシア・エアアジアはシンガポール行きの新規3ルートへの就航を計画していたが、既にチャンギ空港の発着枠制限から断念させられている。

SIAグループの航空各社はインドネシア・シンガポール間の市場の増え続ける需要に応ずるにも、また、新二国間協定で生まれたビジネスチャンスに対応するにも有利な立場にある。

何故なら、SIAはチャンギ空港での追加発着枠をふんだんに、意のままにできると見られるからだ。

特にタイガー航空はインドネシア、シンガポール両国に子会社や系列社を持っている唯一のエアラインであることから、この両国間市場で強みを持っている。これにより、タイガーは、発着枠や運送権について双方の国に柔軟にアプローチでき、エアアジア、ライオン、ジェットスターと言った競合するLCC各社に対して強力な武器を持つことになるからだ。

 

ハルビン空港、ロシア、シベリアのハブを目指す=自国の航空各社の興味は盛り上がらず 

 

7-May-2013 8:34 AM

 

シベリアと中国間の航空座席供給は2003年から2012年迄に202%の増加を見たが、中国北部の都市ハルビンはシベリアの航空路線網のハブ空港になろうと躍起になって居る。

この空港はシベリア=中国間の供給座席の15%を占めて居るが、1,000km南東にある、中国最大の北京空港には比べ物にならない。ハルビンは極東圏のシベリア各都市に対し地理的には優位にあるが、北京には周辺都市間移動や、西部シベリアの各都市への空路網もある。中国最西端のウルムチもシベリアへのハブになり得る都市で、中国南方航空が描いているアジア/独立国家共同体(CIS)のハブとして開発する計画を支持して居る。

動機は単純である。4千万の人口を持つシベリアは中国の交易相手として、益々重要になって居るからで、2009年の経済危機においても、シベリアはロシアの中で唯一、投資額の増加傾向が変わらなかったのである。

中国は木材から原油まで、シベリアの天然資源に着目して居り、シベリアの多くの河川から得られる水力発電はますます重要になって居る。

ロシア最大の民間電力会社はシベリアのGDPは向こう15年間で3倍になると予測して居る。

 

シンガポール航空バージン・オーストラリアと連携強化
  =ニュージーランド航空とともに、エティハド航空に対抗


シンガポール航空(SIA)がバージンオーストラリア株の保有比率を、ほぼ2倍の19.9%にまで伸ばした事は、SIAがオーストラリアを含むアジア太平洋市場により的を絞った新たな戦略を更に強化するものである。

今回のバージン・オーストラリア株の追加分9.9%は創業株主である、バージングループから買ったものだが、これによって、SIAのライバルで、現在9%を保有するエティハド航空の影は薄くなってしまった。

株式持ち分が要因と言う訳では無いが、買い増した持株は、特に重要なオーストラリア=ヨーロッパ間のコードシェアをバージンと更に推進しようとするSIAグループにとって有力な武器となり得る。 

 

両グループが最初にコードシェア契約を結んでからの2年間で、バージン・オーストラリアは単独で急速にSIAの最も強力なパートナーとなっているが、これは正に陰り行く地球規模の航空アライアンスの重要性に対する、遺言状の様なものである。

SIAはスターアライアンスの当初からのメンバーだが、伝統的に受け身の立場を取り続けて来た。そして今や、バージン・オーストラリアとの関係を他の将来性のあるパートナーの仲間に入れて、定着させることに、より熱心である。

 

中国南方航空シドニー線にA380を投入(2)
              =競合他社は更なる価格競争を懸念

2-May-2013 3:00 PM

 

中国南方航空のシドニー線へのA380投入の後篇。この計画は、これまで余り知られて居なかった航空会社が、世界有数の大都市に世界最大の旅客機を投入すると言う点で注目を集める行動である。

それも、最近、この路線に他社が、41%、週間1,554席と言う大増席、過大とも言える供給拡大をして居る最中にである。

中国南方航空のシドニー線A380投入を際立たせ、そして、懸念させて居るのは、単に席数の問題では無く、それが低価格に設定される事だ。

中国南方航空はほんの2年前、すなわちA380投入による大増席のずっと前に、ヨーロッパの夏のシーズンに、オーストラリア発ヨーロッパ行きエコノミー往復切符を、何と通常の半額1,102豪ドル(1,143米ドル)で売り出したのだ。ビジネスクラス運賃も過去2年に亘り同率の値引きをして、ヨーロッパ往復切符を5,819豪ドル(6,034米ドル)で売って居るのだ。

中国南方航空のA380投入でシドニー線のビジネスクラスは毎日48席が100席に、ファーストクラスは4席が8席に増えることになる。

これは、既に値崩れの始まっている、航空会社の収益性にとっては最重要な上級クラスの運賃に新たな問題を巻き起こすだろう。

 

カンボジア・アンコールエア、機材、路線網を拡大
        =フィリピン航空と合弁のカンボジア航空就航を前に

2-May-2013 8:00 AM


カンボジア・アンコールエアはカンボジア市場での競争が強まる中、所有機材、路線網を急ピッチで拡大しようとして居る。

カンボジアを代表する航空会社である同社は、2015年末までに所有機材を倍以上に増やし、中国大陸、香港、インド、韓国などへの新路線を開設すると見られる。

カンボジア・アンコールエアは2009年ベトナム航空との合弁で創業。国内線の他、国際線は隣国2カ国行きだけの、長い間、東南アジア各国の中では最小のフラッグキャリアーの一つだった。そのカンボジア・アンコールエアが、3地点への国際線新規開設と言う、4年の歴史の中で最も劇的な拡大をこの半年でなし遂げて来た。カンボジア・アンコールエアの更なる急拡大と、フィリピン航空との合弁で創立される第二の定期航空会社、カンボジア航空の就航がカンボジア市場の更なる急拡大をもたらすだろう。

カンボジア空港当局の統計によれば、同国の旅客市場は2012年に18%伸び、2013年の第1四半期には21%伸びている。

 

 

 

デルタ航空、中国線での競争力向上
     ー中国東方航空、南方航空からより良い発着枠を獲得してダイヤ改善

 

29-Apr-2013 7:20 PM

中国の空港での発着枠と言うものは、他の国の空港で行われている様に、公然と交換したりできないものなのである。

例えばロンドンのヒースロー空港であれば、過去数年にわたり、ジェットエアウェイズとエティハド、キャセイとニュージーランド、カンタスとBA、デルタと某社、そして多分間もなくエアリンガスとBAが発着枠交換の取引をして来ているのだが。

 

このため、デルタ航空の中国便の様に遅い到着、早い出発のスケジュールを与えられてしまうと、乗り継ぎ旅客の摘み取りが出来ず、致命的な問題になってしまう。

 

 しかし、デルタはこの数カ月、スカイチームの盟友である中国東方航空と中国南方航空を利用して乗り継ぎ旅客を最大限摘み取れる様に、発着枠を調整することに成功して居て、これは双方にメリットをもたらしている。

 

デルタはデトロイト=北京/上海浦東線のスケジュールを、長距離の外国社にとっては最良の、午後に到着、夕方に出発とすることが可能になった。

 

これでデルタの中国での競争力は改善したものの、就航している米国3社の中では最も小さな会社で、機材繰りから、新地点に進出する力は限られている模様だ。

 

 

中国南方航空の収益性に重荷
            =シドニー線に
A380投入で

29-Apr-2013 8:00 AM

 

中国南方航空は2013年10月からシドニー線にA380を投入すると発表した。これはオーストラリアにとっては概して良い話かも知れないが、中国南方航空にとっては、戦略的野心を満たす事が出来、A380を国際市場に使えないという否定的観念から徐々に抜け出せるということなど、利点は限られている。

 

同社はシドニー線のA330を10月からA380に変更する計画だが、これにより、供給は41%増加し、暫くは路線収支上、損失を生む可能性がある。上級クラスでは更に急激な供給増になり、ビジネスクラスは毎日48席から100席へ、ファーストクラスは4席から8席へと増える事になる。

 

 この供給増は、既にオーストラリア、ニュージーランドとアジア間の市場で、エアアジアX、ニュージーランド航空、エミレーツ、カンタス、スクート、そしてシンガポール航空が増席して、飽和状態を超えている真っ只中に実行される事になるのだ。

 


 

 

 

インドネシアの両雄ライオンとガルーダの競争激化

                 =バティックエアの参入で

 

26-Apr-2013 8:00 AM

インドネシアの活況を呈す市場での競争が、今年5月に業界をリードするライオンエアの子会社でFSAのバティックエアの参入でますます激化しそうだ。

バティックは当面、国内の3路線をLCCのライオンと並行して、737-900ER2クラス仕様で運航する予定である。2013年内には更に国内数路線に、次いで2014年または15年に国際線への就航が見込まれている。

バティックの就航で最も大きな影響を受けるのはガルーダ航空で、最大の競争相手が、更に強力にそして品揃え豊かになる訳である。

バティックの最初の就航路線は全てガルーダの就航している路線で、同時にインドネシア第2FSAスリウイジャヤも殆ど全て、飛んでいる。バティックはまた、ガルーダのLCC子会社シティリンクやエアアジア・インドネシアそしてタイガー航空の子会社であるマンダラ航空とも間接的に競争する事になるが、ライオン・グループとしては、これら急速に拡大しているLCC各社との戦には強力な同社のLCCブランドを使う事になるだろう。


 

 

 

キャセイは割引運賃ファンフェアで対抗

           =LCCへの対応策、然し構造改革が必要


25-Apr-2013 4:40 PM

ジェットスター香港が就航の準備を整え、香港航空は香港エクスプレスをLCCに衣替えさせる事を検討し、春秋航空は香港に基地を置く議論をしている、そして他のLCCは香港を便利なハブと位置づけて居る中で、市場はキャセイが一体どう出るのか首をかしげて待っている。

キャセイと子会社のドラゴンエアは香港での供給座席総数のおよそ半分を占めている。

 

キャセイはまだ公式には何ら実質的な対策を打っていない。胸中では市場動向を凝視して居て、あれこれ対抗策を検討して居るに違いないのだが、ビジネスの観点からはLCCは大きな影響は無いと言っている。消費者に向けては、オンライン予約発券で、限られた席数の、割引運賃ファンフェアがあると宣伝して来ており、LCCに比べても遜色無い運賃であると改めて勧めて居るのである。

どんな航空会社も運賃を切り下げる事は出来るが、それでも利益を上げられる会社は少ない。

ファンフェア運賃の適用座席は全体の1%にも満たない数で、同社の価格政策に殆ど損失を与えない事は確かだが、目の前の旅客を摘み取ることも無ければ、新規需要を創出するわけでも無く、同社のLCC対策には全くなって居ない事を知らしめても居る。

 

キャセイには構造改革が必要である。