CAPA Live 展望:エアライン業界はもう二度と元に戻らない

当分析はCAPAが2021年2月9日に発表した

 

CAPA Live Outlook: The airline industry never the same again

をJAMRが全文翻訳したものです。

2021年2月16日

CAPA Live 展望:エアライン業界はもう二度と元に戻らない

09-Feb-2021

 

CAPAの創始者で名誉会長のピーター・ハービソンは、それはCOVID-19パンデミックの前に私たちが知って居たものとはすっかり違うものになるだろうと、世界のエアライン業界に対する厳しい評価を発信して居る。

 

この分析は、月例の催しシリーズCAPA Liveにてハービソン氏が行う、今週のCAPA展望プレゼンテーションの一部である。

 

2月版は、2021年2月10日、世界中にライブ配信され、その他にはエミレーツ社長ティム・クラーク卿、イージージェットCEOヨハン・ルンドグレン、そしてエチオピア航空グループCEOテウォルデ・ゲブレマリアムへのインタビューが予定されて居る。

 

ハービソン氏は、彼の展望のプレゼンテーションを見直して、次の様に述べて居る。「殆どの航空会社が認識して居ない、または認識したくない非常に重要なことがある。将来の航空業界はもう二度と元に戻らない。極めて重要なことに、2021年の業界はせいぜい半分の規模になるだろう。それでも、この業界は2021年第2四半期と第3四半期の大幅な回復に、全てを賭けて居る。プランBは何だろう?」

 

航空会社はいくらかの追い風を享受して居り、債務状況は大幅に悪化して居るのに、過去1年間は流動性を維持するのを助けられて居る。これらの追い風には、政府の「包括的な」財政支援/賃金パッケージ、直接株式投資、および類まれな低金利が含まれて居た。

 

ハービソン氏は、「国際線の供給席数が以前のレベルの約10分の1に低下し、多くの国内線も僅かにましだったに過ぎない、想像を絶する恐ろしい年に廃業した航空会社が非常に少なかったことは驚くべきことだ」と述べた。

 

<関連記事参照>2020年、破綻したエアラインはほんの僅か(特別号参照)

 

転換点は急速に近づいて居る

政府の「包括的な」財政支援は、第2四半期まで、或は米国ではそれ以上続くだろう。然し、需要がない場合、航空会社の収入は変わらない可能性が高く、キャッシュ焼失は続く。

ワクチンの登場により、消費者の感情は徐々に改善される筈だ(全てでは無く、一部の国では)。そして、恐ろしい死亡率は落ち着き始める筈だ。

「現在、キャッシュフローは危機的だが、我々は急速に転換点に近づいて居る。キャッシュ焼失は無期限に継続する訳には行かないのだから、航空会社は単に「家具を燃やして暖をとる」のではなく、積極的になる必要がある。」とハービソン氏は述べて居る。

ハービソン氏は、近距離の旅行者が戻って来た時には、空席が多すぎるため、キャッシュ焼失が増えると予想して居る。航空会社は運賃を押し下げて、市場占有率を守ろうとするだろう。ビジネス旅行は大幅に抑制されたままで、実収単価を低下させ、レジャー旅行者は遅く購入しようとするだろうから、航空会社が前払いのキャッシュを貯めることを難しくする。供給席数は何カ月にも亘って安定せず、より幅広い経済需要が回復するにつれて燃油価格が急騰する可能性もある。

ビジネス旅行の喪失と中距離および長距離の海外旅行の再確立の複雑さが増すことが、フルサービスの航空会社のビジネスモデルを危うくするだろう。

この業界の将来の方向性

 

将来の航空業界は、次の7つの特徴を示し、COVID-19以前の構造からは考えられないものだろう。

 

1.航空会社の収入の流れは、既に急速に進化して居るが、大々的に変化する

      乗客と実収単価のプロファイルは短期的には大きく異なり、中長期的には新しい軌道を示す。

      これは、消費者の需要の低迷、ビジネス旅行の減少、航空券の平均実収単価の低下によって促進される。

      逆に言えば、必然的に、何らかの形の付帯サービス収入が遥かに大きな役割を果たす必要があると言う事だ。

      過去1年間に他社よりも好調だった航空会社は、航空券以外の収入源から、収入の50%以上を生み出して居る。 (多くの場合、貨物輸送によっても助けられて居る。)

      その他の進化する収入源には、以下の様なものがある:ロイヤルティ・プログラム(カンタス航空=3年以内のEBITの半分);ブランド・レバレッジ;多様化(エアアジアはデジタル航空会社になり、2020年代半ばまでにエアライン以外の収入を50%にする事を目指して居る)。

 

2. 健康と衛生の問題が存在し続ける

      国際線では、政府が新たな感染から国境を守るため、「しゃっくり効果」が継続する事を意味するだろう。

      航空会社は、より高い事業運営費用を負担する事になる。

      空港は、健康上のニーズに対応するために、高い費用をかけて適応する必要があるだろう。

      標準化された感染検査とワクチン接種の確認は、何年にも亘って難しい問題になるだろう。

 

3.  競争の規則に関する基盤全体が危うくなって居る

      航空会社に対する政府の支援はかなり広範に広がって居るので、補助金が特に国際線市場では、近い将来の成長の多くを牽引するだろう。

      これが、競争を取り巻く根本的な問題を生み出し、保護主義が再拡大する現実的な可能性が高まる。

 

4. 実収単価のプロファイルが停滞するに連れて、低コストであることがこれまで以上に重要となる

      既に、LCC各社は世界中でその市場占有率を伸ばして居る。

      FSC各社はコスト削減も含め、自らを作り直す必要があるだろう。

      ビジネス旅客を失うと言う事が意味するのは:

      より少ない基幹路線

      より少ない長距離便とより少ない航空会社

      より高価な長距離国際線の旅行 

5. エアライン収入の総和を50%減らす事は、構造改革に他ならない

      それは以下のどれかまたは全てを意味する:

²  はるかに小規模な業界―より少ない、またはより小さい航空会社(債権者と株主に大きな影響を与える)

²  負債の重みが増すに連れ、倒産または、より緩慢で痛みの強い後退。

²  近距離路線ー将来の拡大の大部分を生み出すーでの競争がより激しくなる。

 

6. 国際線旅行は問題を孕んで居るだろう

      調和の取れない各国の反応と突然の国境閉鎖の「しゃっくり効果」が路線計画を難しく、そして金のかかるものにする。

      ビジネス旅客の減少で、長距離基幹路線は便数が減り、航空会社(しばしば補助金を受けて居る)も減少するだろう。

      レジャー旅客に対しても、結果として運賃値上げがあり得るだろう。

 

7. 環境問題に対する継続可能性

      排ガス削減への圧力は強まる。

      これには以下が伴う:

(i) コスト増と; (ii)収入の逸失

最終的に出現する航空業界は、今回の危機に突入した時に我々が知って居たものと極めて異なったものだろう。

ピーター・ハービソンは、2021年2月版の月例(毎月第2水曜日)ヴァーチャル地球規模イベントであるCAPA Liveに、綺羅星のごとき講演者とともに出演する。

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2021年2月10日CAPA Liveの講演者

 

以上

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