最近のCOVID-19急増、日本の国内線旅行回復を叩き潰す

当分析はCAPAが2021年1月19日に発表した

 

Latest COVID-19 spike quashes Japan’s domestic air travel rebound

をJAMRが全文翻訳したものです。

2021年1月24日

最近のCOVID-19急増、日本の国内線旅行回復を叩き潰す

19-Jan-2021

 

日本は、航空業界の新しい現実を描き出す、最新の市場である;即ちその供給と交通量の水準が、新たなCOVID-19感染者の数に反比例して動くというものだ。

昨年のパンデミックとの闘いで最も成功した国の1つである日本から、新たな感染の急増は、地元の航空業界の苦労して得た利益の多くを一掃してしまう恐れがある。

日本での最近の感染者数の急増により、政府はコロナウイルスが最初に出現して以来、2度目の非常事態宣言を発表した。これにより、2つの主要航空会社は1月と2月に国内スケジュールを縮小した。

そのような動きは、既に海外からの旅行者を失って傷ついて居る、国の観光産業にさらなる苦痛を引き起こして居り。また、2021年7月に東京でオリンピックが予定通り開催されるかどうかについても懸念が高まって居る。

日本は、新型コロナ感染の新たな再燃によって、有望だったリバウンドが脱線してしまった唯一のアジア太平洋の市場では無い。

たとえば豪州は、第4四半期に国内線の供給が大幅に回復したことでようやく恩恵を受けたが、急激な感染増により州境の閉鎖が増えたため、供給計画は縮小された。ベトナムや中国など、国内旅行の回復に最も成功した国のいくつかも、急増により一時的な後退を経験して居る。

日本にとって今の問題は、最新の感染再拡大を制御するのにどれくらいの時間がかかるかということだ。

概要

      2020年は日本の旅行業界にとって厳しい年であり、2021年への楽観論は既に挫折して居る。

      COVID-19感染者数の新しい波は、政府に非常事態宣言を促す。

      2021年1月と2021年2月の国内線供給予想は急降下した。

      最近の急増により、海外ビジネス旅行者の適用免除は停止された。

東京オリンピックが行われたとしても、期待されて居た旅行ブームはもたらされないだろう。

昨年は日本市場にとって偉大な年となる筈だった

 

日本の旅行業界は、東京が夏季オリンピックを開催する予定であり、東京の空港での航空便許容量が拡大したことにより、2020年が当たり年になると予想して居た。

 

しかし、COVID-19の出現はこれらの期待を打ち砕いた。日本の国土交通省(MLIT)が発表した統計によると、国内旅客数は2020年5月に前年比93%減少し、10月(データ入手可能な最新の月)には増加したが、それでも前年比で50%減少して居る。

 

 

日本の月間国内旅客数 

Source: MLITT and CAPA. 

 

2021年は新たな緊急事態宣言で始まる

現在、全ての目が2021年に、そして交通量はどの程度通常の水準に向かって回復するのかに向けられて居る。

 

コロナウイルスの感染者数が急増し、病院の収容能力に圧力がかかって居るため、今年は旅行という点では、悪いスタートを切った。これにより、政府は2021年1月7日に東京とその周辺地域に、2021年2月7日まで続く緊急事態を宣言した。その後、他の都道府県にも拡大された。

 

緊急事態の下では、レストランやバーは午後8時までに閉店するよう求められ、人々はできるだけ、特に午後8時以降は、家に居るように促されて居る。

 

これらの措置は、2020年4月の以前の非常事態で課された措置よりもまだ厳しくない。日本のCOVID-19ワクチン接種プログラムは、早くても2021年2月下旬に開始される予定であり、医療従事者が最初の段階で接種する予定であり、リスクの高い人々への接種がそれに続く。

 

第2、第3波が国内線の回復を脱線させてしまった

次のグラフは、日本の国内線航空会社の供給席数が過去1年間に辿ったジェットコースターの様な経過を示して居る。

 

2020年3月と2020年4月の最初の急落に続き、2020年6月初旬に徐々に回復が始まった。

しかし、これは2020年8月初旬に東京で第2の感染の波が発生し、旅行制限が設けられたときに逆転した。再び緩やかな回復が始まり、12月に大きく増加した。

 

国内の供給席数は、2021年1月初旬に再び大幅に落ちた。この減少は、一部は年末年始の休暇期間後の季節的なものだったが、最近の感染者数拡大の波により航空会社が国内線計画の縮小を決めたためでもある。

 

国内の週間供給席数は、2020年4月と2020年5月に見られた低水準に近づいて居る。 

日本の航空会社の国内線供給席数(週間席数による)

Source: CAPA and OAG.

 

2020年が終わり、JALとANAは国内線の完全回復へと動いて居た

つい最近、2020年11月初旬には、日本の2つの主要航空会社は、国内路線の力強い回復を続ける軌道に乗って進んで居る様に見えた。

 

ANAとJALはともに、2020年12月にCOVID前のスケジュール計画の約85%を、2020年12月25日から2021年1月5日までの年末年始休暇期間にはこれを増強して、90-100%を運航することを計画して居た。

 

然し、最近の感染者急増が悪化したため、これらの見込みは徐々に縮んで行った。緊急事態宣言に続いて、はるかに大きな削減が発表された。

 

両社の年末年始休暇の旅客輸送量は抑制されてしまった。 JALの報告によると、休日期間中の国内予約は前年比で供給席数が11.3%減なのに対し、52%減少した。休日期間後、ANAは、その期間の国内旅客輸送量は58%少なかったと述べて居る。

 

両航空会社は、搭乗率が30〜40ポイント落ちて約40%に低下したと報告して居る。

 

2021年1月と2月、エアラインは便数を劇的に縮小して居る

最新のアップデートで、JALは、2021年1月19日から2021年1月31日までの間、通常の国内スケジュールの53%しか稼働しないと述べたが、これは1か月前の見込みから劇的に減少して居る。

 

これは、2021年1月の1か月間の運航率が59%であることを意味し、JALは、2021年2月にはさらに52%に低下すると予測して居る。追加の便の削減の殆どは、東京羽田空港発着のものである。

 

ANAも同様の対策を講じて居る。 2021年1月11日、同社は国内線の運航計画を2021年1月の後半は、通常の56%に、1月通月では66%に削減した。

 

然し、ほんの4日後、2021年1月19日から2021年2月7日までの間、全スケジュールの32%しか運航しないと発表した。また 2021年2月には、55%の運航を計画して居る。

 

今年、オリンピックが迫る中、国際線の供給はスカスカのままだ

 

日本の国際線運航は国内線よりも遥かに低い水準にとどまって居り、国際線便の復活は非常に遅々として居る。

 

CAPAとOAGのデータによると、海外の航空会社を含む日本の国際線供給席数は、前年比16%である。国土交通省のデータによると、日本の航空会社の国際線旅客数は、2020年4月から2020年10月まで、毎月96〜97%下落して居る。 

日本の国際線供給席数(全航空会社の週間席数で見る)

Source: CAPA and OAG.

COVIDの状況の悪化に対応して、2021年1月に追加の制限が導入されたため、国際線の需要はさらに圧力を受ける事になるだろう。

殆どの外国人居住者は既に入国を許可されて居らず、現在、政府は他の特定のアジア太平洋諸国からのビジネス旅行者が入国を許可する取り決めをして居たが、これも一時停止して居る。このビジネス旅行者の特別許可は2021年2月7日まで保留されて居る。

緊急事態宣言は、今年の東京オリンピックの見通しにも新たな疑問を投げかけて居る。ロジスティックの課題はパンデミックによって何倍にも拡大したが、政府は未だにこの大会を決行する決意で居る。たとえそれが開催されたとしても、旅行業界が望んでいた外国人観光客の大規模な流入は無いだろう。テレビで放映されるイベントが、将来の観光客に対して、この国の知名度を上げるのに役立つ可能性があるが、同じ程度までとは行かないだろう。

航空会社の計画は、COVID-19の急増を前にして脆くも消え去る

2020年の終わりには、2021年は日本の航空会社にとって、遥かに良くなり、国内線の力強い回復が国際線旅行が戻るまでの緩衝材になると結論付けるのは理にかなって居た。

しかし、そんな希望は、新年の最初の数週間で既にくじかれて居る。これは、航空会社があらゆる種類の計画を立てる際に直面する難しさを強調して居る。パンデミックはほとんど警告なしに戻って来て、あらゆる需要の想定を危うくする可能性がある。これは、航空会社がビジネス上の意思決定をするのに、積極的にではなく、事後対応する様、強いられることを意味して居る。

ワクチン投入の時系列がより明確さを増すことは、旅行業界や航空業界にとって地平線上に希望が見えて来たことを意味して居る。しかし、大規模な免疫が達成されるまで、これらの業界にとっては、更に多くの財政的苦痛が待ち受けて居るだろう。

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