ANA/JAL 2014年度上期連結決算の比較


                                           2014年11月2日


ANAJAL 2014年度上期連結決算の比較


 

2014年度上期決算について、両社が公表した決算資料をもとに簡単に比較した。

 

1.収支概要;  ANA;国際線(旅客・貨物)で大幅増収。利益は拡大。

(損益計算書) JAL;国際旅客中心に増収。ほぼ前年並みの高利益。

 

 (ANA)営業収益は、+716億円の増、特に国際旅客(羽田増枠効果大)と国際貨物収入(貨物機増機、旺盛な日発貨物や3国間輸送等)が2割増。

     退職給付制度見直し(確定給付から確定拠出へ)も純利益を押し上げ。

 

 (JAL)営業収益は、国内旅客は供給減で減収となったが、国際旅客等の増収で+245億円。営業利益は▲30億円の減益ながら、1000億円に近い高利益を維持した。当期純利益も800億円レベルを維持。

 

 (通期見通し)ANAは期首にたてた見通しどおりの、売上1.7兆円、営業利益850億円、純利益350億円。

     JALは、収入はほぼ期首見通しの規模ながら、利益を上方修正して、営業利益1,580億円、純利益1,350億円とした。

 



2.収益性指標; 大きな搭乗率の差(利益換算で約200億円)。

しかしANAは国際線で第1四半期に比べて差を縮めた。

 

 (国内旅客)両社ともに座席を削減したが、搭乗率を向上させた。

ANA;席数▲2%で収入を微増、JAL;席数▲4%で減収▲1%。

旅客単価(発着)も両社低下したが、搭乗率の上昇がそれを補い、

円安や原油高の費用押し上げ要因をカバーして、収益性は維持されているものと考えられる。

 

 (国際旅客)ANAは+22%と大幅な供給座席増、これに旅客増もほぼ伴って+19%。収入規模でJALを逆転した。

JALも供給を+4%増やし、+3%の旅客増を得るとともに、収入単価の向上(円安要素もあるが)で旅客収入は+5%となった。

 


3.財務状況; 航空機と有利子負債に大きな。

(貸借対照表)

 

 (資産) ANAは航空機で約6,000億円多く、その他の資産(繰延税金資産等)でも約2,700億円多い。

 

(負債) ANAは有利子負債が約8,000億円多い。

(純資産)ANAは資本金+資本剰余金が約2,300億円多いが、利益剰余金は約1,600億円少ない。

なお10月末現在の株価時価総額では、JALが約1,700億円高い。





                                                           以上

■4月5日

 

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どうぞご期待ください。 

 

海外事情

 

513日〜24日の主要ニュースを集めたこの号で目立った記事は、3.「アマゾンと旅行」、6.「アマゾンがインドで航空便予約開始」の2つです。前号3.の「アマゾン、異なる方法で旅行に参入?」の記事と合わせて、アマゾンの旅行領域への参入が何やら本格化している気配が感じられます。

 

世界の旅行業界が恐れているように、アマゾンが旅行業界に参入すれば、とてつもない大きな影響を既存のインターメディアリー(仲介業者)、特にOTAに与えることになるのでしょう。Googleが本格的にメタサーチに手をだして、今度はアマゾンが参入して来るようなことにでもなれば、GAFAの2強が入ってくるのですから大変なことなりそうです。

 

Googleは、あくまでオンライン広告ビジネスの一環としての旅行領域への間接的参入ですが、アマゾンの場合はどのようになるのでしょうか?Amazon Payのメニューを拡大するためなのか? 前号3.の記事に書いてあった通り、クラウドのAWSAmazon Web Services)の販売先として旅行業界を取り入れようとしているのか?はたまたパーソナルアシスタントAlexaのスキルの対象として旅行を取れて行くのか?は良くは分かりませんが、何れにしてもアマゾンのことなので間接的であれ直接的であれ、どのような方法であっても対応する能力を備えている、と考えるのが妥当なのでしょう。今後の動きから目が離せません。(編集人)