Jetstar-Japan 極めて厳しい決算に!

Jetstar-Japan1010日に20146月期の決算を公表した。

結果は営業損失▲107億円という極めて厳しいものとなった。





Jetstar-Japan 極めて厳しい決算に!

 

 

Jetstar-Japan1010日に20146月期の決算を公表した。

結果は営業損失▲107億円という極めて厳しいものとなった。

昨年11月に追加注入した110億円の資金が1年で消失した勘定になる。

 

当研究所の見方では、赤字は数十億円に留まり、追加資金の半分以上は残ると
期待をもって眺めていた。

収入単価(発着)が大きく改善し、搭乗率も75%を大きく超えていたからだ。

問題はコストがどれだけ改善するかにあったが、これもかなり改善して、
8,000
円台になるのではと期待していた。

結果は、コストが9,200円超と依然高止まりしていたのである。



決算値(前年対比)は下記1のとおりであり、当研究所の推定(便数、座席数、旅客数)にもとづいて算出した収益性の指標(概算)は下記2のとおりである。

 

 

1. 損益計算書と貸借対照表

   損益計算書(収支状況)

営業収益は前年比2.3倍の290億円になったが、費用の増が大きく、営業損失は

前年より増えて▲107億円となった。

これに営業外損益等を加味した当期純損失も、前年より増えて▲111億円となった。

 

   貸借対照表(財務状況)

資本金等の株主出資は、昨年11月の増資(110億円)によって230億円となったが、

累損の増加がそれを喰いつくして、純資産は4億円と債務超過スレスレ。

流動資産(主に現預金と営業未収入金と推定)はほぼ前年並みの38億円。

即ち資金的には、緊急的な追加出資を必要とした前年と同じような状況にあるといえよう。

 


 

1. 収益性指標(JAMR推定概算)

  座席数1.9倍に対して旅客数は2.0倍となり、搭乗率は72.176.7%と大きく改善。

  旅客単価(発着)も7,8008,800円と約1,000円向上(+12%)

  これによって便当たり収入も+20%増えて122万円となった。

 

  他方座席コストも改善はしたものの、その幅は9,6009,200円と小さかった。

これではスカイマークや他の中堅3社より劣り、LCCとしては依然高すぎると

言わざるを得ない。

1便当りの費用は、収入より44万円も多い166万円であった。

  

  (参考)黒字のPeachは、平均路線距離はJetstar-Jより若干短いものの、

便当り収入154万円、費用144万円、座席コストは8,000円未満であった。

  (81922日付のJAMRレポート参照)

 

 

 

 

3. 今後の課題

 

  追加資金の獲得が緊急の課題と思われ、

  収支改善策、特にコストの改善を急ぐ必要があろう。

 

                                              以上

海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)