2025.6.10.

スカイマークの2024年度決算概説

  発表から少し時間が経ってしまいましたが、スカイマーク(SKY)の2024年度決算について
  概説します。

 

  コストUPに収入単価UPが追い付かず減益。

   今後新機材への更新(B737-8とB737-10)で収益性向上をはかる。

 

 

1. 収支状況

   

   ・前年比で収入+5%に対し、費用が+8%と上回り、営業利益は4718億円と減益となった。

 

・加えて営業外収支が、為替差額の影響(期末に昨年度末比で円高化したことによる外貨資産の目減り)で 
 悪化し、経常利益は758億円と大幅減益となった。

 

・一方繰延税金資産を積み増した(将来利益への控除税金の繰延効果)ことによる会計上の効果
 で、最終損益は21億円となった。

 

2025年度は収入費用ともに+8%の収益性横ばいを予定している。

  

 

2. 業績指標

 

       ・機材数は前年と不変の29機、便数/座席数は2.6%増、旅客数は2.4%増で、

  搭乗率は僅かながら低下して81.4%となった。

・収入単価は2UPながらコストのUP5%と上回り、収益性低下となった。

 

・便当りでみると、収入は4万円増の256万円、費用は11万円増の242万円、

 利益は7万円減少して13万円であった。

・費用の内訳をみると、燃油費、空港使用料、人件費、その他費用が上昇している。

 

・燃油費は燃油単価と円安の進行(通年ベース)、空港使用料はコロナ対策措置の終了に

 よるものであり、人件費や物価上昇も影響している。

・なお費用の構成内訳をみると、運航4費用で67%を占め、うち燃油費は30%となっている。 

 人件費は18%。

 

 

 

      (便当り収入/費用)             (費用の構成割合)

 

3. その他

 

     SKYの定時性と顧客満足度は国内の中でもトップレベルを維持している。

 

・今後の収益性改善の切り札として新機材への更新を考えている。

 B737-8は燃費効率が大きく改善され、また2027年度導入のB737-10は、

 燃費効率のほか座席数が増加(210席)することで収益性改善に繋がる見込みである。

 

(Y.A)