2025.8.09.

JAL/ANA2025年度Q1決算の簡易比較

  両社の公表資料をもとに、若干の分析と考察を加えました。

(注)両社の決算基準は異なるので厳密な比較とはなりません。

 

  両社高収益も、JALの伸びが目立つ

  

 

1. 損益比較

   

   JAL)売上収益の伸びは+11%、営業費用は+6%。

 

      これにより増益となり営業利益率は前年比若干UP9%。

 

      営業利益は237億円増加して433億円であった。

 

      各事業とも高い伸びを示している。

 

 

 

   (ANA)営業収益の増率は+6%、費用は+5%。

 

      営業利益は増益で、利益率は7%。

      際内旅客は順調に伸びているが、LCCと貨物郵便は小幅ながら減収。

 

 

 

2.  JALはマイル/金融、コマース事業でも高収益(EBIT) 

    フルサービス事業でEBIT(利払前利益)307億円(利益率8%)をあげているが、

      マイル/金融、コマース事業やLCC事業でも高い利益率を示している。

 

 

 

      3.指標でみる旅客収入等

          

         際内旅客(フルサービス)は、両社供給(座席㌔)を上回る需要増(旅客㌔)を達成して

   搭乗率は上昇。 

     特にJALの国内旅客は大幅需要増で搭乗率も大きくUPしたが、収入単価は低下。

 

 

    国際貨物については、JAL15%増収、ANAは▲2%減収。

   

    

      4. LCC比較

 

     (JAL)メインの長距離;ZIPAIRの増収が大きかったが、搭乗率は若干低下。

 

     (ANA)メインの近距離;Peachが若干減収、搭乗率と単価の低下が影響。

 

 

(参考)機材の比較

 

      (JAL)燃費効率もよい大型A350を積極的に導入。

            地方路線でリージョナルJet機を活用。

      貨物機のうち3機はヤマト運輸用の小型A321型機。

      LCCは長距離のZIPAIRがメイン。

      なおこの外数に、50%出資のJetstar-JapanA32022機保有)がある。

 

ANA)大型の新鋭B777は引渡し目途が立っておらず、中型の新鋭B787を積極導入。

      リージョナルJetは保有していない。

 

      貨物機のうち2機は大型のB777型。

 

(Y.A)