2025.8.15.
この度公表されたスターフライヤー(SFJ)の2025年度Q1決算について概説します。
旅客単価UPと搭乗率向上、そして整備費等の低下で収益性は改善したが、
黒字化には至らず。
1. 収支状況
若干の増収と費用減で収益性は改善したが、営業利益計上には至らず。
増収は旅客数の増加と単価のUPによるものであり、
費用減は整備関連費用の減(為替が円高に振れた)によるとことが大きい。
営業外要素は、昨年には為替差益(4億円)があった。
これにより経常損益▲1億円、但し法人税等調整額の関係もあり当期純利益は1億円。
なおANAとのコードシェアによりANAに提供している座席の割合はほぼ前年並みと考えられ、
それによるANAからの収入は、営業収益の37%程度と推測される。
2. 収益性を指標でみると
・ 便数は微減(▲0.5%)ながら、席数の多いA320neo型機材が1機増えたことで供給席数は
ほぼ前年並み。
・ 旅客数が3%増えて、搭乗率も77→78%と向上した。
・
ANAからの収入(コードシェア席販売収入)も加えた総収入を便数で除した便当り収入は
178→184万円と増加。
他方整備費等の減で費用は193→185万円と減少。
この結果収益性は改善したが、なお▲1万円の赤字。
・ 89の自社席に70人の自社客が搭乗している勘定になる。
・ なおANA席は前年なみの64席程度と推定される。
3.事業構造について
(2024年度実績から)
・ 羽田=北九州と羽田=福岡は便数規模が大きく、約8割の座席を自社販売している。
この2路線は便数の58%ながら、旅客数は78%を占める。
・ 羽田=関西と中部=福岡は、約7~8割の座席がANA席であり、ANAメインの路線といえよう。
この2路線は総便数の32%ながら、旅客数は14%に過ぎない。
・ 羽田=山口宇部線は、ANA/SFJが座席数ほぼ半々でシェアしている。
(今Q1の状況)
・ 事業構造は昨年とほぼ同じであり、路線ごとの特徴も余り変化がないと思われる。
その中で、羽田=福岡と羽田=関西の搭乗率は90%と高レベル。
羽田=北九州は67%と低め。
(Y.A)