「JAMR研究員による2014年頭の小論文・随筆など」

 

2014年度も航空業界は大量採用

 

客室乗務員・グランドスタッフ採用概況

 

主席研究員  光岡寿之

 

 

女子学生に人気の高い「客室乗務員」「グランドスタッフ」の採用は、JALグループの採用再開に伴って、ここ2年大量採用が続いています。

 

客室乗務員、グランドスタッフは女子学生にとって、従来は「憧れの手の届かない夢の仕事」でしたが、現在は真面目に努力すれば十分に「手の届く夢」になっています。

 

ここ2年のCA採用におけるJAL/ANA国内大手2社の募集数をみると、

 

客室乗務員募集数

JAL

ANA

合計

新卒

既卒

合計

新卒

既卒

合計

2012年度

200

400

600

400

 50

450

1050

2013年度

200

150

350

450

150

600

 950

 

この他に、国内中小航空会社/LCCの客室乗務員採用、外資系航空会社の日本人客室乗務員採用、そして、国内基幹空港(成田・羽田・関空・中部など)でのグランドスタッフ採用において約1000名を募集、更には重複合格者の内定辞退数を上乗せして各社が合格発表をするため、実際には、業界全体では年間2500名程度の大量の採用が行われています。

 

フジドリームアエラインズやJエアーなど中小の航空会社の客室乗務員採用においては、内定者がJAL/ANA大手に流れ必要数を確保できないため、年間何度も追加採用を行っています。

 

先日、12月に入って、航空関連の雑誌社が主催する「2014年度航空関連就職セミナー」に出席して来ました。参加企業は、JAL(客室)、IALエクスプレス(客室)、JALスカイ(成田・羽田のグランドスタッフなど)、ANA(客室)、ANA成田エアポートサービス(成田のグランドスタッフなど)、ANAエアポートサービス(羽田のグランドスタッフなど)の6社、女子学生が最も就職したい客室乗務員とグランドスタッフの会社です。

 

各社とも2013年度と同程度の採用を予定していると表明、つまり、2014年度も大量採用が見込めるとの朗報でした。

 

航空産業は「平和産業」です、世界が平和であれば仕事に観光に多くの方が旅をされます。2014年度も「世界の平和」と「航空業界の大量採用」を祈りたいと思います。

 

 

以上

 

海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)