旅物語 国内 第8回 「長崎の旅(後編)」(2015年 秋)                  その①「平和都市・長崎」、その②「島原散策」

2015年12月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 長崎は悲しい被爆の町、そして恒久平和を求める町です。


 爆心地から800mの山王神社の「二の鳥居」は被爆したものの、“一本柱鳥居”となって残りました。

山王神社・“一本柱鳥居”説明板

山王神社・“一本柱鳥居”


“奇跡の復活”の説明板


山王神社の被爆から復活したクスノキ


 山王神社・境内の樹齢500年の巨大な楠2本も被爆、木は折れ黒焦げになりましたが、10年後から緑の葉を出し始め、関係者の懸命な治療で今や元気に復活しました。


 「一本柱鳥居」「復活のクスノキ」に触れると涙が出ます。



 爆心地から500mの「浦上天主堂」は、長崎大司教がおわす日本有数のカトリック教会、隠れキリシタンの流れを汲み、明治の初めから建設が始まり、大正3年に東洋一のロマネスク様式の美しい大聖堂が完成しましたが、原爆被爆で崩壊、現在のものは1959/1980に煉瓦造りの往時の姿で再建されたものです。
 教会前には、被爆した聖人石像が平和を訴えるかのように立っています。


浦上天主堂



 平和公園の平和祈念像前では修学旅行の小学生が平和の祈りを捧げていました。


平和祈念像

被爆した聖人石像


その②「島原散策」(2015年 秋)

 長崎の帰りに島原に寄りました。有明海に臨む、安土桃山様式が美しい島原城(1964年に再建)を大事に守る、雲仙の伏流水が街のあちこちで湧く、水の城下町でした。
 お堀と石垣が整然と見事でした。


お堀


 お城の北側には下級武士が住んだ武家屋敷町と伏流水を利用した人工水路が保存されており、古き良き日本を感じさせるのどかな風景です。

武家町で見かけた柿

武家町・人工水路


 「島原鉄道・島原駅」は何とお城、こんな素敵な駅にびっくりです。

 駅からは目前にお城が望めます。


島原鉄道・島原駅


 城下には島原の乱の籠城食を由来とする名物「具雑煮」(たくさんの具のはいったお雑煮)は絶品美味です。島原独特の甘み「寒ざらし」も甘党にはこたえられません。


 城下町の名残を残す「森岳商店街」には、九州で2番目に古い「猪原金物店」の建物は築140年と見事です。


 絵に描いたような素敵な地方小都市城下町です。

「具雑煮(ぐぞうに)」

島原城

武家屋敷
島田邸

駅前から見た島原城と商店街

「寒ざらし」

「具雑煮(ぐぞうに)」


海外事情

 

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。

 

 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。

 

 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)