旅物語 第17回 富山・八尾「おはら風の盆」(2016年9月)

2016年10月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 9月1日、富山の八尾へ「おわら風の盆」を見に行ってきました。
 古い家並みの残る町々の日没後、三味と胡弓の哀愁の漂う伴奏の中、哀切感あふれる「越中おわら節」に乗せ、町々の若い男女が情緒豊かに踊る「風の盆」は、忘れていた懐かしい古き良き日本を思い出させてくれる、心にしみるお祭りでした。
 
 「風の盆」は、元禄時代、八尾の町衆が町外に流出していた加賀藩から下された「町建御墨付」を取り戻したお祝いに三日三晩踊り明かしたことに由来すると言います。
 
 また「風の盆」の名称の由来は、9月初旬に相当する“二百十日”の台風の季節の暴風を鎮め豊作を祈ったとか、同じく9月初旬が旧暦で「盂蘭盆」に当たるためとか、言われていますが、確かなことは不明です。
八尾は養蚕や紙の交易で栄えた商人と職人の豊かな町で農作への依存は低かったようです。

女踊り

 

 八尾の11の町内会は、9月1~3日の間、各々独自に決めた日時に“町流し”を行います。

 

 ここでは観光客は、「1ケ所に止まって”待って見る“のではなく」、「自分で11の町を巡って”見に行く“」のです。
 
 元々が、各町内で自分たちが楽しむためのお祭りだったから当然ですが、 とっても面白いと思いました。

 

 3日間で全国から25万人の観光客が来たそうです。

 

力強く勇壮な「男踊り」です。

昼間は子供たちも参加します。

歌い手と地方(伴奏者)は三味、胡弓、しめ太鼓です。

風情のある八尾の町並みです。 「諏訪町」の通りは「日本の道百選」に選ばれて」ています。

男踊り


海外事情

 

6 10 日から 21 日までの 2 週間のオンライン旅行流通に関係する海外主要記 事です。
この号では、「3. OTA エアビーとレートパリティー」に注目したいと思います。 Airbnb がホームシェアに加えてホテルまで販売するとなると、
泊とホテルが 一つのプラットフォーム上で横並びにリストされることになり、タイプの異な る施設同士の価格比較が難しくなって、レートパリティーの維持が困難になる と言っている・・・と理解しました。しかし「(Airbnb では)、ゲストが施設の 真のコストを判断できない不明瞭なプライシングの環境が存在する」とはイマ イチ良く理解できませんでした。Airbnb が最近導入したホストオンリーのコミ ッションモデルであれば、OTA のモデルと近似するのですから、そんなことに はならない、のではないでしょうか?
 

 

Airbnb が上場して・・・顧客獲得コストが上昇・・・ホテルの直販志向を強 くさせることになるが・・・一方でパリティー破りの悪役である格安販売のホテ ルオンリーの業者が増加するデメリットも存在する」とも言っています。しか し、ホテルにとっては、Airbnb のホテル販売開始によってチャネルがそれだけ 増えるので(OTA の中抜きのチャンスが生じるので)良いことである、と考え るのは間違っているのでしょうか?ホテルオンリーのパリティー破りは、 Airbnb とは関係のない別の次元の話では。「Airbnb のコミッションが、将来値 上げされる可能性もある」と言っていますが、EXPEBKNG との対抗上、こ の大手 OTA2社を上回ることにはならないのではないでしょうか。Airbnb の 多角化戦略は、「焦点が合っておらず・・・会社(Airbnb)は衰退する可能性が ある」とも言っていますが、ホームシェアからホテル販売を開始して、OTAHotelTonight を買収し、OYO に投資し、そしてタビナカの Experiences プロダ クトを開発して EXPEBKNG に競争を挑むのは、まさに Airbnb総合旅行 会社になるという大いなる経営ビジョンであると考えるべきだと思います。 この記事の著者(OTA Insight, Chief Commercial Officer)は、Airbnb に対して かなり否定的であるようです。中小の独立ホテルにとっては、そもそもパリティ ーに縛られたくない筈ですから、Airbnb がパリティー維持を困難にしてくれる というのであれば、これは歓迎すべきことではないのでしょうか。最後に「ホテ ルは、ますます複雑化する流通を制御することができない。ゲストが他では取得 できない並外れたエクスペリエンスを提供することに最善を尽くし続ける必要 がある」については全く同感です。 

 

恒例のメアリー・ミーカーの「インターネット・トレンド 2019」が発表されま した。「12. メアリー・ミーカー、インターネット・トレンド発表」
この 333 枚のスライドでは、日本の企業は Sumitomo MitsuiLINEMIXI の たったの3社が言及されているに過ぎません。中国は独立した章(11China) で 30 ページ以上が割かれています。日本のインターネットテクノロジーの弱さ が見て取れて、とっても悲しいことです。(編集人)