旅物語 第27回「地中海クルーズ・前編(マルセイユ・ジェノバ・ポンペイ)」(2019年11月)

2020年1月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 “今年就航の世界最大5700人乗れる最新鋭のクルーズ船”という広告に惹かれ、2019年11月初旬、7泊8日の地中海クルーズを楽しんで来ました。飛行機でバルセロナに飛び、乗船、マルセイユ、ジェノバ、ナポリ、メッシーナ(シチリア島)、バレッタ(マルタ共和国)を巡り、出発したバルセロナに戻って下船、再度、バルセロナから飛行機で日本に帰国しました。

 船のスタッフ1500人を加えると総数7200人、船は18階建ての17万トン、中には、いくつものレストラン、24時間ビュッフェ、バー、映画館、劇場、ショッピング街、多くのプール、スポーツジム、カジノ、医院、保育所等があり、多くの機能を持った街そのものが動くイメージです。クルーズ船では食事代は船料金に含まれているため、何回食事をしても支払いは不要です(但し、お酒と一部高級レストランは有料)。また、寝ている間に次の寄港地に着くため、荷物を持ち飛行機や列車で移動する旅行に比べて格段に身体は楽、その上、船内はバリアフリーですから、車椅子や杖が必要なお客様には、船内の全ての施設を気軽に利用出来るので、最適の旅行形態と思いました。クルーズが高年齢層に人気があるのが良く分かりました。

 

今回前編では、前半の寄港地、マルセイユ、ジェノバ、ナポリ/遺跡“ポンペイ”をご紹介します。

乗船した世界最大のクルーズ船

航海ルート


1. マルセイユ(フランスで2番目に大きい都市です)

 

ノートルダム・ド・カルド寺院

 

 海に面した高い丘の上にそびえるローマ=ビザンチン様式の19世紀半ばに建てられた壮麗な聖堂です。

 鐘堂の上に立つ黄金のマリア像は教会のシンボルです。


 

 

「イフ島」

(ノートルダム寺院から見た海側の風景です)

 

 真ん中、手前の“イフ島”は、デュマの小説「モンテ・クリスト伯(巌窟王)」の舞台となった島、砦(監獄)です。

 

ノートルダム寺院から見たマルセイユ全景

 

 

旧港の繁華街にある観覧車

 

街角のパン屋さん

メインストリート「カヌピエール通り」にあった“メリーゴーランド”

旧港にあるマルセイユのお土産の名物「石鹸売り」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧港(ヨットハーバー)


 

マルセイユ大聖堂(サントマリーマジョール大聖堂)

 

 新港に面し、19世紀後半に建てられたローマ=ビザンチン様式を取り入れた大きなドーム、そして、緑と白の大理石模様が美しい壮麗な教会です。

(正面は工事中でした)

 


2. ジェノバ(コロンブスの生まれた都市)

 

 中世、海洋都市国家として栄えた、イタリア最大の貿易港。

 

サン・ロレンツオ教会

 

 通称“ドウオ-モ”と呼ばれるゴシック様式のジェノバ最大の教会。内部は壮麗です。


「ドウカーレ宮殿」内部の壁画

「ドゥカーレ宮殿」

 

 現在は文化イベント施設、2001年には「先進国首脳会議」がここで開催されました。

 

 

 

 

 

 

 

 旅行中、唯一、雨の寒い日でした。

 

 ジェノバの人は親切で、街は重厚・シック、とっても素敵な街でした。

「白の宮殿」

「赤の宮殿」からの街の眺め

赤の宮殿(現在は美術館)

 

(Wikipediaより)

 

 

 

 

 

 

 

周囲には、12~13紀に建てられたジェノバ名家・貴族ドーリア家の建物が並んでいます。

有名な「ガリバルディ通り」、左は「市庁舎」

「赤の宮殿」の絵画

古い石畳の小路


「フェツラ-リ広場」 噴水が素敵です

古い歴史のサン・マッテオ教会


 

3. ポンペイ(クルーズ船の寄港地は「ナポリ」でしたが、「ポンペイ・ツアー」に参加しました)

 

 紀元前6世紀より発展してきた「ポンペイ」は紀元79年当時人口1万人をようし、ローマ市民の別荘もある海辺の商業都市として栄えていたが、79年8月24日のヴェスビオス火山の大噴火による火砕流で一夜にして都市は埋没した。多くの者は避難したが逃げ遅れた2千人が犠牲となった。15世紀に一部発見、18世紀に再発見され、以降発掘が現在も続いている。 

 小さな町程度の遺跡と思って訪れた「ポンペイの遺跡」は、予想に反し、2000年もの昔なのに、極めて都市計画の行き届いた文化的な都市でした。ローマ帝国文化の影響を受け、石畳の大通り、水道設備は万全、更に碁盤状に張り巡らされた道路で区画された中に、商業施設地域、住宅地域、いくつもの神殿地域、広場、野外劇場、公衆浴場等が整然とあり、人々は現代とあまり変わらない文化的な生活を送っていたことが分り、びっくりです。

 今回は、時間の制約から一部しか見学していません。まだ多くの見ていない素晴らしい遺跡があるようです。

ポンペイの遺跡と背景は“ヴェスビオス火山

ポンペイの女神「ウエヌス神(ヴィーナス)」の他、ローマ神、ギリシャ神、エジプト神等が祀られている。

ギリシャ神/ケンタウロス

 石畳の道に所々“白い石”が埋め込まれています。

 これは、夜、“ダイアナの神殿”に馬車で向かうとき、月の光に反射して光る“白い石”を目印に走ったと言われています。

野外劇場

公衆浴場跡

 

 

キッチンのあるお店跡

石畳の大通り・両側は商業施設地域

神殿・フォロ(広場)址

 

様々な神話の“神様”たち

 

全ての彫像はレプリカ、本体はナポリ国立博物館で展示保存されている。

ローマ神/月の女神/ダイアナ

ローマ神/アポロ

 

水飲み場

 

かつては、上水道が通っていて、この口から水が出ました

竈のある家


 

発掘品

馬車の轍と下水道跡

馬車止め

発掘遺体の石膏レプリカ

屋敷内のモザイク床


 

ルパナーレ( 娼館)の「フレスコ画」

(注)

ナポリ国立博物館や、今回訪れなかった遺跡には、別荘・住宅の鮮明なフレスコ画が多く保存されています。

 

「ポンペイ遺跡」遠景

 

“ヴィーナス神殿”の丘に立つ巨人像

 

哀愁の漂う横顔に、“ポンペイの悲劇”が伝わってきます。


海外事情

海外事情 2月17日号 

気候温暖化問題に関するニュースが6つもあった。 

5. グリーン法人旅行」、「6. 航空のカーボンオフセットは有効か」、「8. クルーズの環境問題 取組み強化」、「18. ホッパーのカーボンオフセット」、「19. 飛び控え」、「1.(TJ) 法人旅行、温暖化対策に本腰」の6つだ。

 

昨年の“グレタ効果”もあって、航空機の撒き散らす炭酸ガス削減対策が今まで以上に強く求められている。航空機の排ガスは3%程度で少ないなどとは言っておられない。高高度での排ガスは、地上の計測よりも倍以上も環境に与えるインパクトは大きくなると言う。既に欧州では短距離航空便の「飛び控え」(flight less)が始まっている。IATA2037年航空旅客82億人への倍増予測も見直しを迫られるかもしれない。短距離便は自動車旅行(自動運転)へ、長距離便は電話会議やTV会議へシフトする。企業は、“カーボン予算”を新設して炭酸ガス排出量削減に神経を尖らす。航空便利用の出張旅行を削減して炭酸ガス排気量をXX kgも減少したと宣伝するだろう。 

 

18. 2020年のトラベルテック トレンド」や「30. 2020年のトラベルマーケティング」を読むと、キーワードは“モバイルと“パーソナル なトラベルエクスペリエンスにあると見た。だからマーケターたちは、ソーシャルメディアに30%近くも広告予算を割くのだろう。モバイルによって、タビマエ・タビナカ・タビアトの全ての瞬間が顧客と常時接続できるタッチポイントになってしまった。旅行者は、タビマエ・タビナカ・タビアトの全てで、パーソナルなエクスペリエンスを追求している。だから、GoogleGoogle Travelを作り「14. ブッキング、タビナカアプリをテスト」し、「26. ロンリープラネット、エクスペリエンス立上げ」ている。 

 

16. アムトラックCEOインタビュー」では、元デルタ航空CEORichard Andersonが、サービス産業の生産はマネジメントの監視下で実施されるわけではないと言っている。飛行中の航空機の客室サービスは、フライトアテンダント自らがその場その場の現場の状況に応じてサービスする(サービスを生産する)ことになる。サービスマーケティングで言う「生産と消費の同時進行性」の財だからだ。いささか古い話になるが、スカンジナビア航空CEOヤン・カールソンの「真実の瞬間」(1990)によれば、フロントラインの従業員の顧客と初めて接するたった15秒で、企業イメージや顧客満足が決められてしまう。

 

そこでSASは従業員教育を徹底、この15秒の顧客応対品質を飛躍的に向上させ、わずか1年で会社を再建させた。サービス産業のフロントラインの従業員は、会社の命運を左右するほど重要な役割と大きな責任を担っている。TUICEOが、ハイストリートの路面店のカウンターのスタッフに、「貴女達が売っているのは、TUIのパッケージ旅行ではなく、TUIの顧客が一生忘れることができないエクスペリエンスを売っているのだ」と教育したと言う話が忘れられない。(編集人)

 

 

出版物のご案内

好評発売中!

 

当研究所の丹治隆主席研究員がこの度本を出版しましたのでお知らせいたします。

 

著書名 :「どこに向かう日本の翼---LCCが救世主となるのか---

 

出版:2019/09/30 晃洋書房

定価:2600円+税 

 

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日本のオンライン旅行市場調査 第4版」 

 

フォーカスライトJapan(代表 牛場春夫)が、「日本のオンライン旅行市場 第4版」(全14章、220ページ)

を発行します。これは、2012年から2年おきに発行しているシリーズの最新版で、第4版ではダイナミックに変化し続けている2017年度の日本のオンライン旅行市場の概況をレポートしたものです。 

 

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