旅物語 第25回「国東半島 臼杵石仏(磨崖仏)」(2018年12月)

2019年4月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 大分県は不思議な所です。古代史の中心地、ヤマト・出雲・北九州から離れた地に、「伊勢神宮」に次ぐ高い格の「宇佐神宮」があったり、日本では類を見ない壮麗な石仏群が、仏教の中心地、奈良・京都・鎌倉とは程遠い国東半島の臼杵に忽然と姿を残しているからです。

 

 平安時代後期から鎌倉時代に彫刻されたようです。

磨崖仏造営の時期や事情を説明する歴史的資料は一切残っておらず今も不明です。

 

 ただ、地元に伝わる「真名野長者伝説(炭焼き小五郎伝説)」では、亡くなった娘の菩提を弔うため、長者が彫らせたものとされていますが、伝説の内容からは6世紀後半の物語となっており、一方、仏様の様式からは、大部分は平安後期、一部が鎌倉時代の作と推定されているため、時代は合いません。 

 本当に不思議な「石仏様」です。

 

 近くには、伝説上では、石仏を彫った人物とされる百済からの渡来僧/蓮城法師が創建した「満月寺」があり、また、その境内には「真名野長者」の石像もあるそうです。

 

 その規模・数量・彫刻の質の高さから、平成7年(1995年)国宝に指定されました。石仏数60余体のうち59体が国宝となりました。

その後「金剛力士像2体」が追加指定を受け、現在での国宝数は61体です。

 

 石仏群は、4群に分かれ、地名によって、「ホキ石仏第1群」「ホキ石仏第2群」、「山王山石仏」、「古園石仏」と名づけられています。

 

 手厚く保護管理されることも無いままの1千年の風雨を耐えしのぎ、それでも、今なお輝きを放つ、表情豊かな石仏群は、見る私たちに感動と安らぎを与えてくれます。

「古園石仏」の「大日如来坐像のご尊顔」


「古園石仏」

 

臼杵石仏の中心的存在の「古園石仏」は、

「大日如来坐像」を中心に13体の仏様からなり、「金剛界曼荼羅」を表したものと言われています。

 

 

 

 

「多聞天」立像

 

 

 

 

 

大日如来坐像

平成29年、国宝に追加指定された「金剛力士像2体」のうちの1体です。

 

見学時は、修理・整備中でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


古園石仏群・大日如来座像

 

 臼杵石仏中、一番の美しさと評される「大日如来座像」ですが、

 1995年に保存修復が完了するまでは、左下の写真の通り、仏頭は、長い年月、仏体下の台座に置かれたままでした。

1991年当時撮影された「古園石仏群」の写真


 

「山王山石仏」

 

 中尊に丈六の如来坐像をすえ、左右の小さめの脇尊の如来坐像おいた3体で構成されています。

 

 仏像のお顔は輪郭が丸く、目鼻はこじんまりとして邪気のない純真無垢な童顔そのものです。

童顔ゆえに「隠れ地蔵」とも言われます。

 

「ホキ石仏第一群」

 

「ホキ」とは「がけ」の意味で、ホキ石仏第一群は、左より、第一・第二・第三・第四龕(がん)に分かれます。第一と第三龕はともに如来坐像3体を配し、第一龕はさらに脇侍菩薩立像を配しています。第三龕は大日如来坐像を中心に、左右に如来坐像と菩薩立像を配しています。第四龕は地蔵菩薩像を中心に、左右に十王像を配しています。

 

 第一龕の青年期と第二龕の壮年期の仏像の間に、結婚の仲立ちをするキューピッド役の「愛染明王」の像があります。

「ホキ石仏第一群全景」


第一龕、如来坐像3体と左右に菩薩立像

「愛染明王像」

第二龕、阿弥陀如来・薬師如来・如来3坐像


第三龕、大日如来坐像と両側に如来坐像左右に菩薩立像

第四龕、地蔵菩薩と十王像の左半分

第四龕、地蔵菩薩と十王像の全体

第四龕、地蔵菩薩と十王像の右半分


「ホキ石仏第二群」

 

今回、保存工事中のため見学できませんでした。


第一龕「阿弥陀如来坐像と左右に菩薩立像」

第二龕「九体の阿弥陀像」


「国宝臼杵石仏」ホームページより

海外事情

 

エアビーが上場を延期した「14. エアビー上場延期」。オフイスシェアの米デカコーンであるWeWorkの上場延期の直後の出来事である。918日付の日経は「事業モデルや企業統治への懸念が払拭できず、投資家からの評価が高まらなかった」と書いてある。1月には470億ドル(約5兆円)の想定時価総額を半値に落としたが投資家の懸念は払拭できなかったと言う。

 

5月に上場したカーシェアのUberの株価も何とか$40台をキープしていたが、最近では $30台前半におよそ▲25%も下がっている。3月上場のLyftの株価も冴えない。上場初値 $78は、920$4659%も値を下げた。加州ではUberの運転手のようなギグワーカーを従業員として雇用することを義務付ける法案が準備されている。この法案が施行されれば、Uberのコストは20%も増加すると言われているのだから、ここでも事業モデルそのものが懸念されてしまうことになる。エアビーの事業モデルに懸念はないのだろうか・・・。この会社は、WeWorkUberとは違って、少なくとも2017年と2018年にはEBITDA利益をちゃんと計上している。

 

5. トラベル マーケティング、ミッドファンネルへの注力必要」は、アトリビューションマーケティングが重要だと言っている。旅行流通モデルの進化と共に、新たなマーケティング手法が生まれている。そういえば、カンバセーションマーケティングも登場していたっけ。

 

8. 旅行計画 3.0」は、タビマエ → タビナカ → タビアトの全てをシムレスにカバーするソリューションが必要だと問うている。タビナカにおけるイレギュラリティー発生時には、ライブの自動旅程再予約が必要だと言っている。旅行流通モデルの進化が進んでいる。(編集人)

 

海外事情 中国特集

海外事情 中国特集

 

これは、PhocusWire Daily が今年の2月、中国正月である春節のタイミングで編集した4つの記事にまたがる中国特集である。中国市場は、その巨大な人口をバックに2019年に1,900万人が国際旅行すると予測している。その49%が中華圏の香港・マカオ・台湾行きの旅行で、残りの51%がその他の海外旅行となる。最近の香港の社会的混乱と台湾への個人観光旅行の実質的全面禁止により中国人の海外旅行比率はますます高まるだろう。海外旅行では、韓国への旅行が韓国THAAD配備による影響で減少を余儀なくされており、日本旅行が漁夫の利を得る形で大きく中国人の訪日需要を伸ばしている(1月〜8月前年同月比 13.6%増)。

 

中国は、巨大なアウトバウンドを外交上のカードに使い始めている。日本だって、日中関係が何らかの影響でこじれたりすれば、あっという間に中国人の日本旅行が減少することになるだろう。事実、日韓関係悪化で訪日韓国人需要は8月に48%減少した(1月〜8月前年同月比 9.3%減)。

 

訪日4,000万人への道のりは国際政治の問題も介在して厳しいものがある。

(編集人)

旅の写真カフェ

 

10月15日 NEW!

 

全国一宮 第28回 「美濃一宮 南宮大社」