全国一宮 第28回「美濃一宮 南宮大社」(2019年 5月)

2019年10月15日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 美濃国一宮「南宮大社」は、神武東征の際、「金鵄(金のトンビ)」を飛ばし、熊野から大和へ進軍する天皇の軍勢を道案内する「八咫烏(ヤタガラス)」を助け戦勝をもたらした功をもって、当郡府中に祀られたのを創建と伝える古社です。その後、崇神天皇の時代に現在地に奉遷、国府の南に位置したことから「南宮大社」と呼ばれるようになりました。

 

 “関ヶ原の戦い”では、近くの“南宮山”に毛利氏が布陣、安国寺恵瓊が南宮大社の社殿を焼き払いました。現在の社殿は、徳川家光によって再建されたものです。

南宮大社 大鳥居(21m)

南宮大社 楼門


 主祭神の「金山彦命(カナヤマヒコのミコト)」は、「伊邪那美命(イザナミノミコト)」が火の神「迦具土神(カグツチノカミ)」を産んだ時、火傷を負い苦しんで吐いた嘔吐物から生まれた神で、「金属・鉱山の神様」です。

 「金山彦命」を祀る全国3千社の総本社で、全国の金属加工、刃物等を扱う業者から篤い信仰を集めています。刀工で有名な“関の孫六”も南宮大社に近い美濃赤坂が発祥地です。近くに、銅・鉄を産した“金生山”があったことが関係しているのかもしれません。

 古来から、金属(鉄器・武器)を祀る当社は、軍事力の象徴となり、源氏、北条氏、土岐氏、徳川氏など有力な武将の崇敬を受けてきました。

  脇神としては、「彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)」と「見野命(ミノノミコト)」が祀られています。

 「彦火火出見尊」は、「山幸彦海幸彦」神話の「山幸彦」のことで、神武天皇の祖父にあたり、農業・稲穂の神です。何故ここに祀られているのかは不明です。

 「野見命」は、神話には出てこない不明の神ですが、「見野」は「美濃」に通じ、元来の地元の神が祀られていると思われます。

拝殿

拝殿より本殿を臨む

樹下社(大己貴命)

 

本殿廻廊内にある4摂社、

全て、重要文化財

南大神社(天火明命)

高山社(木花之佐久夜毘売・邇邇芸命)

瓦塚

 

 聖武天皇」が“大仏建立”のため、東国行脚をされた際、「南宮大社」にも立ち寄られ、「金属の神・金山彦命」を参拝された足跡が残されています。

 

 

南宮稲荷神社

 

 

 

 

南宮神社境内の外の裏山にひっそりと「稲荷神社」があります。

 

樹木に囲まれた“千本鳥居”は壮麗で、清々しい雰囲気です。

高舞殿

 

北門より拝殿を臨む

 

 

美しい椿の花が咲く神社として有名です。

 

 

 

南宮大社は、古来より、刀剣・刃物など“金属類の神様”でした。

 

 

多くの「鍬」、「鎌」等が、奉納されています

 

 

 

 

現在も、多くの金属加工メーカーから、製品の奉納、信仰を集めています。

 

 

 

 

 隼人社(火闌降命)

 

  京都に送られた平将門の首級が関東に飛

  び帰ろうとした際、南宮大社に居た“隼

  人”が神矢を放って射落とし、近くの“御

  首神社”に埋め霊を祀ったという伝承が

  あります。

 

 

 

社殿の古瓦を集めた“瓦”の供養塔です、 

 彫像が絶妙です。

荷神社本殿


荒魂社

 

由緒ある摂社・末社

 

石舟社

金敷金床神社


潮干海神社

落合神社


海外事情

 

Thomas Cook Groupが倒産した「3. トーマスクック倒産」。デジタル化への遅れが原因で、顧客のパッケージ離れが原因ではないとSkiftの記事「14. トーマスクック倒産後の欧州パッケージツアー」が述べている。アウトバウンド観光大国の英国とドイツでは、国際(海外)パッケージ旅行者がそれぞれ年間2,000万人存在して、国際旅行需要の40~43%を構成すると言う。観光庁統計によると2018年度の海外募集型企画旅行は191万人なのだから、日本と比べて欧州のパッケージ市場は10倍も、とてつもなく大きいことが分かる。尤も観光庁統計は、たったの50社程度の主要旅行業社の統計であり日本の市場の全体を表してはいない。その上欧州は、欧州連合域内を国内旅行とみなして把握するべきかもしれないので単順な比較は困難だ。日本の国内募集型企画旅行者は3,370万人だ。

 

規模の比較は別にして、このSkiftの記事では「OTAのダイナミックパッケージに対してパッケージの大きな利点の1つは、ツアーオペレーターがプロダクトとエクスペリエンスをエンドツーエンドでコントロールして、より高いレベルのサービスを提供できることである」と説く。そして「Ryanair会長のMichael O’Leary の発言『パッケージは終わった』は間違っている」と伝える。

 

この記事は、パッケージ離れが進んでいると言われている日本の旅行業界にとって、誠に参考になる話だ。 

 

4. DMOはグーグルに勝てるか」で登場する英DMOVisit Greenwichが、「自分たちが集めるローカルコンテンツは、Googleのお粗末な情報とは段違いだ」とえらい自信のほどを見せている。Googleより優れているとは俄かに信じがたい話ではあるが、DMOは本来、Visit Greenwichのようにならなければならないのだろう。日本では、GoogleDMOとも協力して地方の“町おこし”に積極的に取り組んでいる。

 

Visit GreenwichVR(仮想現実)やAR(拡張現実)のデバイスを旅行者誘致に活用すると言っている。そういえばFacebook925日、VR端末向けの新たなSNSHorizon」を2020年に始めると正式発表した。VRARが旅行にも広く使われるようになる時代がやってくるかもしれない。そうなれば、パーソナルなエクスペリエンスの旅行の新時代となる。(編集人)

 

海外事情 中国特集

海外事情 中国特集

 

これは、PhocusWire Daily が今年の2月、中国正月である春節のタイミングで編集した4つの記事にまたがる中国特集である。中国市場は、その巨大な人口をバックに2019年に1,900万人が国際旅行すると予測している。その49%が中華圏の香港・マカオ・台湾行きの旅行で、残りの51%がその他の海外旅行となる。最近の香港の社会的混乱と台湾への個人観光旅行の実質的全面禁止により中国人の海外旅行比率はますます高まるだろう。海外旅行では、韓国への旅行が韓国THAAD配備による影響で減少を余儀なくされており、日本旅行が漁夫の利を得る形で大きく中国人の訪日需要を伸ばしている(1月〜8月前年同月比 13.6%増)。

 

中国は、巨大なアウトバウンドを外交上のカードに使い始めている。日本だって、日中関係が何らかの影響でこじれたりすれば、あっという間に中国人の日本旅行が減少することになるだろう。事実、日韓関係悪化で訪日韓国人需要は8月に48%減少した(1月〜8月前年同月比 9.3%減)。

 

訪日4,000万人への道のりは国際政治の問題も介在して厳しいものがある。

(編集人)