全国一宮 第20回「武蔵国一宮 小野神社・氷川神社」                             後編「氷川神社」(2016年)

2017年1月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 大宮駅」から街路樹の美しい「氷川参道」を2km、20分ほど歩くと古式豊かな「氷川神社」にたどり着きます。関東一円に約300社ある氷川神社の総社です。
 
 古来の歴史をたどると、元々は「武蔵国三宮」から出発しましたが、中世以降は皇室・源頼朝・徳川家康など将軍家の帰依厚く、今では堂々たる風格を持った伽藍など、名実共に「武蔵国一宮」となりました。
 
 創建はあまりにも古く詳細は不明ですが、最も古い伝承は第五代考昭天皇(BC470年頃)の御代と伝え、別伝では第13代成務天皇(AD350年頃)の御代、夭邪志国造(むさしのくにのみやっこ)に任命された出雲族の「兄多毛比命(えたもひのみこと)」が一族を率いてこの地に移住し、一族の祖神を祀る杵築大社(出雲大社の古称)から分霊を迎えて氏神として祀ったのが「氷川神社」の起源と伝えます。

氷川神社参道

 

 氷川神社の祭神は、出雲大社の「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」「稲田姫命(いなだひめのみこと)」「大己貴命(おおなむちのみこと)・・・「大国主命(おおくにぬしのみこと)」の別名」、つまり両親と息子の3神です。

 

 社名も出雲神話の舞台の地を流れる島根県の「斐川(ひかわ)」に由来し「氷川(ひかわ)」となったと言われます。

楼門

二の鳥居

拝殿

舞殿


 かつて、現在の“さいたま市”から“川口市”にかけて、江戸時代中期に埋め立てられた「見沼(御沼)」と呼ばれた巨大な沼がありました。その沼の精霊を古代の民衆が「水神・竜神・農業神」として祀って来たのが「氷川神社」の原型と思われます。
 その名残が、境内にある“神池”や“蛇の池”の湧水であり、また摂社「門客人社」は、現在では、“稲田姫の両親“を祀る神社ですが、江戸時代までは「荒脛巾(あらはばき)神社」と呼ばれ、”見沼の水神”を祀っていました。 この摂社こそ、隠れた「氷川神社のルーツ」です。

 

 氷川神社の近くには、「氷川女体神社」「中山神社(中氷川神社)」という神社があり、古来、この3社を一体として「一の宮/氷川神社」として民衆は信仰してきました。
 この3社は、共通の「竜神・水神伝説」を有しており、また驚くべきことに、3社は一直線上に並んでおり、太陽は、夏至には「氷川神社」に沈み、冬至には「氷川女体神社」から昇るという

・・・古代、稲作で重要な暦をサインする位置に鎮座していたのです。 古代ミステリーです。

摂社「門客人神社」

 

 巫女さんの絵”の可愛い「手水の作法」を見つけました。

 

 氷川神社」で最も有名な神事「大湯祭」は12月10日に行われます。
 これに合わせ「酉の市」が立つことから、「十日市(とおかまち)」「熊手市」と呼ばれ、境内や参道に“熊手”や“神棚(宮型)”、また様々な露店が約2000軒が立ち並び、大いに賑い、手締めの声と拍手の音が響き渡るそうです。全国での有数の「酉の市」です。
 今回、氷川神社を前日の12月9日に訪れたため、境内は準備の真っ最中でした。“熊手”の飾りが綺麗でした。

「酉の市」準備中1

「蛇の池

巫女さんの絵の「手水の作法」

「酉の市」準備中2


海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)