京都ミステリ-スポット 第8回 「千本閻魔堂」「釘抜き地蔵」   (2014年 冬)

 2015年12月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 都を南北に走る「千本通り」の北端に「千本閻魔堂」はあり、古義真言宗「引接寺」が正式名称です。ここは平安の昔の葬送地「蓮台野」の入口、あの世に旅立つ人々に「閻魔様」が引導(引接)を渡したと言われています。

 
 伝えでは、あの平安貴族/小野篁卿(800年代前半)が「精霊迎えの法」を閻魔大王から授かり、この地に「お堂」を建てたのを始まりとしています。
 お堂に入り、「閻魔様」の前に立つと、その迫力に圧倒され、”引き立てられた”気分になります。思わず社務所で「お目こぼし」を買ってしまいます。

 嘘が嫌いな閻魔様は表裏の無い”コンニャク”が好物、節分には”コンニャク炊き”参拝者に振舞われます。

 春に行われる「閻魔堂狂言」も京都三大念仏狂言の一つとして有名です。


お目こぼし


ご本尊「閻魔法王」(2.4m、日本一の大きさの閻魔様)

千本閻魔堂



 盂蘭盆会には、お精霊(おしょらい)さんを迎えるため、迎え鐘が終日鳴り続けます。


 「千本通り」の由来は、葬送地「蓮台野」への道に、無数(千本)の卒塔婆や石仏があったことによると言われています。


 境内には、紫式部の供養塔もあります。

鐘つき堂(鐘は南北朝時代1379年の物です)


 古来より、千本通周辺の散乱した石仏、掘り出された石仏をお集めし、お弔いしています。

精霊流しの池



「釘抜き地蔵」


 「千本閻魔堂」から徒歩5分ほどの所にある「石像寺(しゃくぞうじ)」は弘法大師の開基で、通称「釘抜き地蔵」と呼ばれ親しまれています、現在は浄土宗のお寺です。
 苦しみを抜き取るお地蔵様と言うことから、「苦抜(くぬき)地蔵」がなまり「釘抜き(くぎぬき)地蔵」となりました。
 寺伝では、戦国末期の京都の豪商/紀伊国屋道林が両手の痛みをこのお地蔵様に願をかけた所、夢にお地蔵様が現れ、「汝は、前世で人を怨み、人形の両手に八寸の釘を打って呪ったため、その罪で、今、両手が痛いのだ、が、汝が祈り救いを求めたので、昔の怨みの釘を抜いてしんぜよう」と。目が覚めると痛みはなく、急ぎお地蔵様に参ると、2本の八寸釘があったそうです。 その日から、道林は100日間お参りを続けお地蔵様に奉謝しました。
 以来、「釘抜き地蔵」が定着し、多くの苦しみを持つ人がお参りし、願が叶ったお礼に「釘と釘抜き」を奉納するようになりました。 今も多くの方が「お百度参り」をされています。

本堂(釘抜き地蔵菩薩)

石像弥陀三尊像


 本堂の壁は、お礼の「釘抜き・釘」でいっぱいです。
 お堂の上にも、古い昔のお礼の「釘抜き・釘」と「額絵馬」がたくさん奉納されています。

 境内で見つけた大きな「釘抜き」には、衣が掛けられており、庶民から親しまれています。



 一説では、藤原定家がこの地に住んでいた・・・とか。
 寺の墓地にお墓があります。


海外事情

 

今週号では、「7. アゴダの多角化戦略」、「8. ブッキング、民泊の新戦略」、「13.ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収」、「15. ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進」と、BKNGの関連ニュースが4つもあった。BKNGの「Connected Travel」戦略の遂行が進んでいる。BKNGの場合は、Internet of Things (IoT)が、Internet of Travel (IoT)と読み替えているように感じられる? 

 

それよりも、3つの記事が印象深い。「10. 本当のディスラプション」、「22. ソーシャルメディアと旅行」、「24. 東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ」の3つだ。

 

10. 本当のディスラプション」では、ディスラプティブのプロダクトは、必ずしも既存企業よりも良いわけではなく、今まで既存企業が不経済なために手を出さなかったサービスのニーズに取り組んだか、以前は特定できなかったニーズのいずれかであると説いている。そして、ディスラプティブを起こしているのは、テクノロジーでなくて、創造性を発揮したクリエイティブなモデルであることを再確認させてくれた。

 

22. ソーシャルメディアと旅行」は、旅行とソーシャルメディアの相性が抜群に良く、旅行業界がソーシャルメディアを誰よりもうまく使っていると言っている。ソーシャルメディは、人と人の繋がりをインターネットで補完するコミュニーケーションサービスなのだから、顧客とのエンゲージメントに優れているのは当たり前だ。これを上手に使っていないとすれば問題だ。

24. 東南アジアの2つの問題、OYOとインスタ」は、この地区における観光公害の実態を報告している。オンライン旅行ガイドTravelfishStuart McDonaldが、過去15年間で悪化している観光公害の実態を、歯に衣着せずのタッチで断罪している。(編集人)

海外事情12月9日号 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)