京都ミステリ-スポット 第28回 「平安京・北の守護“玄武”の船岡山」(2014年 新春)

 2018年7月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 「船岡山」は、現在の京都の碁盤の目の北西角近く、“一休和尚”のいらした大徳寺の向かいにある、標高112mの小山で、清少納言の「枕草子」の中で「岡は船岡・・・」と賞賛された都一番の趣のある“丘”です。 今も山頂は眺めの良い公園です。

 

 平安京造営に際して、北に山「玄武(亀)」、東に川「青龍(龍)」、南に池「朱雀(鳥)」、西に道「白虎(虎)」に守られた都市は繁栄するとの風水の卜から、北の起点・玄武として「船岡山」が選ばれました。ちなみに東の川は「鴨川」、南の池は「巨椋池(明治時代に干拓された)、西の道は「山陰道」と言われています。

 

 現在の船岡山は、明治天皇が創建した織田信長公をお祀りする「建勲神社」が主体ですが、そもそもは、丘の途中にある「船岡妙見社」が、この山の地の神「玄武神」をお祀りしていました。

 「船岡山」は、現在の京都の碁盤の目の北西角近く、“一休和尚”のいらした大徳寺の向かいにある、標高112mの小山で、清少納言の「枕草子」の中で「岡は船岡・・・」と賞賛された都一番の趣のある“丘”です。 今も山頂は眺めの良い公園です。

 

 平安京造営に際して、北に山「玄武(亀)」、東に川「青龍(龍)」、南に池「朱雀(鳥)」、西に道「白虎(虎)」に守られた都市は繁栄するとの風水の卜から、北の起点・玄武として「船岡山」が選ばれました。ちなみに東の川は「鴨川」、南の池は「巨椋池(明治時代に干拓された)、西の道は「山陰道」と言われています。

 

 現在の船岡山は、明治天皇が創建した織田信長公をお祀りする「建勲神社」が主体ですが、そもそもは、丘の途中にある「船岡妙見社」が、この山の地の神「玄武神」をお祀りしていました。


船岡山から見る比叡山

 

 建勲神社(たけいさお神社、通称:けんくん神社)は、豊臣秀吉は大徳寺で主君織田信長公の大法要を営んだ後、向かいの船岡山に菩提寺を創建するという構想を持っていましたが、その後石田三成の献策により中断、

 400年後の明治になってようやく明治天皇により創建されたという数奇な歴史を有しています。 織田信長公が祀られています。

 

 山上の本殿まで、約100段の急な石段を登り切ると、広々とした壮麗な山上の境内に出ます、「舞殿」「拝殿」「本殿」などが鎮座します。

 

 観光客も少なく、ひっそりとしていますが、信長公らしい荘厳できりっとした「気」が漂っています。

建勲神社・舞殿

船岡山遠景・・・建勲神社ホームーページより

建勲神社境内

 

 

「明神型素木造り(みょうじんがたしらきつくり)」では、京都で一番大きい

 

建勲神社・拝殿・本殿

 

「応仁の乱」の際は、「船岡山」一帯に“西軍”の“陣地”が築かれました。

「船岡山」の近隣地域が「西陣」と呼ばれる所以です。


 実に簡素な拝殿と本殿ですが、この「船岡山妙見社」こそ、北を守護する船岡山の地の神「玄武大神」をお祀りする、「船岡山」のそもそものパワースポットです。

 

 中国の古代天文思想から、「玄武」は北極星を指し、また神仏習合の中で、「玄武大神」は、「童形の妙見菩薩」として顕われました。

 

 平安京造営の際には、「船岡山」を北の基準点(玄武)としたため、「船岡山」から南への直線の延長上に「大極殿」が、更にはメインストリートの「朱雀大路」が造られました。

船岡妙見社

船岡妙見社由来立て札


 現在、建勲神社の末社である義照稲荷社(よしてるいなりしゃ)は、伏見稲荷大社と関係深く、奈良時代より、山城国(今の京都)に居住し開発を行ってきた渡来人「秦一族」が深く信仰、「稲荷信仰」を広めました。

 また織物文化も伝えた「秦氏」により、「義照稲荷社」は、今も西陣織の“祖社”として深く信仰されています。

 

 また、こんな伝承も残されています。平安初期(9C初期)船岡山に住んで居た善良な白狐夫婦が世のために役に立ちたいと願い5匹の子狐を伴って伏見稲荷大社に詣で、眷属(神の使者神)となって仕えたいと祈った所、即座に「今より長く当社の使者となり、参拝者・信仰者を扶けるべし」と伏見稲荷大神の託宣を得ました。以降、稲荷社の神の使いは、この夫婦狐一族となりました。

 

 現在の伏見稲荷大社の「命婦社」は、その船岡山の母狐を祀ったとの記録が残されており、義照稲荷社の隣にある「稲荷命婦元宮」が、正にその元宮です。

義照稲荷社

義照稲荷社参道


 平安京の造営においては北の守護神「玄武」は「船岡山」と見立てていますが、この船岡山の麓すぐの所に、後は高層マンション、周囲は住宅街と、ごく普通の場所に、正しく「玄武神社」と称する古社があります。

 

 御祭神は文徳天皇の第一皇子「惟喬親王(これたかのみこ)」(9C後半)。第一皇子でありながら天皇になることのできなかった悲運の親王をお慰めし、親王ご寵愛の剣を神体として祀ったのが始まりとされています。 「伊勢物語」で有名な「在原業平」とも親しく親交のあった方です。

玄武神社、鳥居と本殿

 

 番外編 : 船岡山の近所に、元銭湯の趣を残したままの変わった喫茶店「カフェ・さらさ」があります。

 店内は、昭和のレトロな雰囲気を残し、座席の後の壁は、銭湯時代のままの“マジョリカ・タイル”が素敵です。

今や、大人気のお店です。

 

玄武神社の周囲の風景


海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)