京都ミステリ-スポット 第25回 「病気平癒にご利益のある寺社」  (2017年 12月)

 2018年3月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 京都には“病気平癒”にご利益があると伝わる寺社がたくさんあります。 今日は、その内、伝説の残っている2つの寺社を紹介します。

 

1. 護王神社

 

 「宇佐八幡宮神託事件」に功のあった奈良時代の貴族「和気清麻呂」を祀っています。京都の目抜き通り「烏丸通り」に面し、向かいは京都御所です、京都の一等地です。 この事件とは、日本書記によれば概略は以下です。

 

 769年、称徳女帝の寵愛を受けた「道鏡を皇位につければ国は平安になる」との宇佐八幡宮の不可解な託宣が都に伝えられた際、その真偽を確かめるため“和気清麻呂”が宇佐八幡宮に派遣され、「日本は臣下が君主となった例はない。皇位には皇族をたてるべし。」との神託を持ち帰り朝廷に上奏しました。これにより“和気清麻呂”は道鏡の怒りに触れ大隅国へ流罪となりましたが、“道鏡”が帝位につくことは阻止されました。称徳女帝の崩御後、道鏡は失脚、和気清麻呂は流罪を許され、平城京に復帰、その後、「平安京遷都」にも尽力しました。

護王神社 鳥居

護王神社 拝殿


和気清麻呂像

護王神社本殿


 和気清麻呂が流罪地/大隅国へ向かう途中、道鏡の討手に襲われ足を怪我しましたが、どこからともなく現れた“300頭の猪”が和気清麻呂を途中の宇佐八幡宮に守り届け、その地で足の怪我を治癒させた・・・という伝説があります。

 

 この故事から、護王神社は「いのしし神社」とも言われ、“狛犬”の代わりに“霊猪”が神社を守っています。

また、「足腰の治癒」にご利益があると篤く信仰されています。

祈祷殿(足腰守神)

狛犬役の霊猪像


 

2. 仲源寺「目疾(めやみ)地蔵」

 

 「仲源寺(めやみ地蔵)」は、賑やかな祇園の中、目抜き通りの四条通に面し鴨川からも近い地にあります。

 

 黒光りした木造のお地蔵様の右目は少し潤んで充血しているように見え、そのため、眼病で苦しんでいる人の身代わりになっておられるとして、“目の病気にご利益があるお地蔵様”として信仰を集めるようになりました。

仲源寺(めやみ地蔵)

めやみ地蔵尊

・・・祇園商店街振興組合より

めやみ地蔵尊石碑


めやみ地蔵尊 本堂

「目疾地蔵尊」額

 しかしながら、安置された当時は全く別の目的のお地蔵様でした。

 

 鎌倉時代の1288年、続く大雨から鴨川が氾濫した際、防鴨河使であった勢多判官為兼がお地蔵菩薩のお告げに従い、雨が止むように祈祷を行った所、大きな洪水を防ぐことができたと伝わります。

 お告げに感謝した為兼は、この地に「雨やみ地蔵」と名付けたお地蔵様を安置しました。

 

 これが、後に転訛して「目やみ地蔵」となり、江戸期には“眼病に霊験のある名地蔵”と数えられるようになりました。


海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)