京都ミステリ-スポット 第20回 「信長の墓」(2016年 初秋)

 2017年1月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 京都市役所に近い寺町御池の「本能寺」を訪れると、つい信長は「本能寺の変」でここで死んだのか・・・と思いがちですが、事件のあった当時の炎上した旧「本能寺」は別の場所(京都のビジネス街の中心地/四条烏丸から徒歩数分の場所)にありました。
 ここで亡くなったのではありません。

 

 現在の「本能寺」は天下人となった秀吉が“京都再開発”の中で寺町通りに洛中の多くの寺を移転させた際、本能寺も旧地からここに場所に移転させられたからです。
 
 現在の本能寺には、3男信孝によって建てられた「信長公廟」があります。

本能寺 信長公廟

 「本能寺の変」後、明智光秀は信長の死体を探しましたが見つからず、今に至るも歴史の謎となっています。

 

 今回は、全国に多数ある「信長の墓」の内、最も“信憑性の高い墓所”と言われる京都の「阿弥陀寺」を訪ねました。

 

 当時の「阿弥陀寺」は西の京の蓮台寺にあった浄土宗の寺で、開祖の「清玉上人」は天皇家や織田家と深い親交があったと言われます。また別の一説では「清玉上人」は織田家で育てられた孤児であったとも伝えます。

 

 「本能寺の変」を聞いた清玉上人は多くの僧を連れて本能寺に駆けつけ、火葬された信長の遺骨を混乱に紛れ阿弥陀寺に持ち帰り土中に隠したと阿弥陀寺に伝わる「信長公阿弥陀寺由緒之記録」は伝えます。

阿弥陀寺 山門

本能寺本堂

本能寺 信長公の墓

「織田信長公本廟」石碑

阿弥陀寺 本堂


 現在の阿弥陀寺の墓地には「信長・信忠の親子の墓所」の他、「森蘭丸兄弟の墓」など討死した家来の墓などがあります。

 

 今も、法事が営まれ、多くの弔いの卒塔婆を目にすると、こここそ“信長の本当の墓所”と思います。

 

 「阿弥陀寺」も秀吉によって旧地から現在の寺町今出川上ルの地に移転させられました。

 

 

「織田信長信忠討死衆墓所」石碑

左が信忠、右が信長の墓


阿弥陀寺 森蘭丸兄弟の墓

阿弥陀寺 織田信長・信忠墓所


 

 かつての「本能寺址」を訪ねました。場所は中京区蛸薬師通油小路東入ル周辺・・・京都のビジネス街の中心地/四条烏丸から徒歩数分の場所、商店/マンション/学校などの混じる静かで落ち着いた街並みです。
 
 日銀京都支店長出身の異色作家「加藤廣」のベストセラー小説「信長の棺」では「本能寺」から「南蛮寺」(キリスト教会)への“秘密の地下道/抜け道”があったと書いているので「南蛮寺址」も訪ねてみました。
 場所は中京区蛸薬師通室町西入ル、「本能寺」と同じ蛸薬師通りにありました。そして2つの寺の直線距離は150~200mほどしかなく、“抜け道”説は十分ありうると納得しました。

 

 何故、信長はこの“抜け道”を使って脱出できなかったのか・・は、小説をお読みください。

 

「此付近 南蛮寺址」石碑

「此付近 本能寺址」石碑


現在の「本能寺址」の蛸薬師通り

現在の「南蛮寺址」の蛸薬師通り


海外事情

海外事情12月9日号 

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「3.(TJ) NDC進展も課題山積み」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。3.(TJ) の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

 

 

 

今週号では、「7. アゴダの多角化戦略」、「8. ブッキング、民泊の新戦略」、「13.ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収」、「15. ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進」と、BKNGの関連ニュースが4つもあった。BKNGの「Connected Travel」戦略の遂行が進んでいる。BKNGの場合は、Internet of Things (IoT)が、Internet of Travel (IoT)と読み替えているように感じられる? 

 

それよりも、3つの記事が印象深い。「10. 本当のディスラプション」、「22. ソーシャルメディアと旅行」、「24. 東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ」の3つだ。

 

10. 本当のディスラプション」では、ディスラプティブのプロダクトは、必ずしも既存企業よりも良いわけではなく、今まで既存企業が不経済なために手を出さなかったサービスのニーズに取り組んだか、以前は特定できなかったニーズのいずれかであると説いている。そして、ディスラプティブを起こしているのは、テクノロジーでなくて、創造性を発揮したクリエイティブなモデルであることを再確認させてくれた。

 

22. ソーシャルメディアと旅行」は、旅行とソーシャルメディアの相性が抜群に良く、旅行業界がソーシャルメディアを誰よりもうまく使っていると言っている。ソーシャルメディは、人と人の繋がりをインターネットで補完するコミュニーケーションサービスなのだから、顧客とのエンゲージメントに優れているのは当たり前だ。これを上手に使っていないとすれば問題だ。

24. 東南アジアの2つの問題、OYOとインスタ」は、この地区における観光公害の実態を報告している。オンライン旅行ガイドTravelfishStuart McDonaldが、過去15年間で悪化している観光公害の実態を、歯に衣着せずのタッチで断罪している。(編集人)