京都ミステリ-スポット 第2回 「3匹の猿が都を守る」(2013年 夏)

 2015年6月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 3匹のやんちゃ猿兄弟が平安の昔から京都の町を守っていることご存知ですか?
 現在の御所の姿の元となるものは、光格天皇が寛政2年(1790)に平安の古制に則って造営されたものですが、その後、天明の大火で焼失、安政3年(1856)に再々建されたものが現在の御所です。

 この御所の築地塀の北東角(丑寅の“鬼門“の方角)は折れ曲がって凹んでいます、凹ますことで鬼門を失くしているのです。 ここを「猿が辻」と言います。

 よく見ると築地塀の中に烏帽子を被り、御幣を持った木彫りの1匹のお猿さんがいます、このお猿さんは比叡山延暦寺の守護神社である日吉山王神社の神使で御所の鬼門を守っているのです。

 「神の猿」⇒「マサル(勝る)」⇒「魔去る」に通じるからです。また、鬼門の方角、丑寅(北東)の反対側(南西)を「申(さる)」ということも関係しているようです。ただ、このお猿さん、通りかかる人に悪戯をするらしく、いつの日からか檻に閉じ込められています。

御所・猿が辻


猿が辻のお猿さん


 

 

 この「猿が辻」から北東に少し延長した寺町今出川近くの住宅街にひっそりたたずむ「幸神社(さいのかみのやしろ)」にも、「猿が辻」のお猿さんの双子と言われるお猿さんが本殿の北東(鬼門)の壁にいます。

左甚五郎の作と言われています。やはり「猿が辻」のお猿さんと一緒に皇城(御所)の表鬼門を守っています。

 このお社は元々「猿田彦」を祀る「出雲路道祖神」で平安京以前から存在する京都で最も古いお社の一つです。 平安京以前の京都が出雲族や渡来族(秦氏)と深くかかわっていた名残りです。 近くには「出雲路」の地名が残っています。

 外の路からは入って来る“鬼“を“サエギル”が転じて“サイ(幸)”となったと言われています。

お猿さん御札



幸神社(さいのかみのやしろ)鳥居




幸神社お猿さん



皇城鬼門石碑




 「幸神社」を更に北東に大きく延長した比叡山の山麓、修学院離宮の近くに「赤山禅院」があります。 この赤山禅院は平安京の表鬼門を守るためにおかれた比叡山延暦寺の別院で、比叡山の千日回峰行とも関わりが深く「赤山苦行」でも知られています。 本尊の赤山大明神は、陰陽道の祖神とされる中国の神「泰山府君」を勧請したものです。

 ここの本堂の屋根の上にもまた、「猿が辻」「幸神社」の兄弟のお猿さんがおり、一緒に都の表鬼門を守護しています。

 このお猿さんもやはり悪戯好きだったのか今は檻に入れられています。

 因みに、平安京の裏鬼門(南西)には、男山の「石清水八幡宮」が都を守護しています。


赤山禅院(赤山大明神)

赤山禅院のお猿さん

皇城表鬼門のお札


海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)