京都ミステリ-スポット 第19回 「伏見城からの血天井」(2016年 初秋)

 2016年11月28日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 ”関ヶ原の戦い”を前に、徳川家康の京都での拠点「伏見城」を石田三成等の西軍4万人が攻めました。死守を命じられた譜代の重臣「鳥居元忠」以下1800人は10日間もの奮戦の後、多くは討ち死、生き残った380人も自刃して果てました。
 この亡くなった一党の魂の冥福を祈るため、血痕の残された床板が京都の5つの寺院に分けられました。その内、「源光院」と「養源院」の2寺院を訪ねました。
 
 「源光院」は、紅葉の名所として知られる北山鷹峯にある室町時代に創建された曹洞宗のお寺です。
 禅の教えを込めた“迷いの窓”「四角い窓」と“悟りの窓”「丸い窓」で有名です。
 四角い「迷いの窓」は、病や死などさまざまな苦しみに満ちた人間の生涯を象徴しており、丸い「悟りの窓」は、何ものにもとらわれないおおらかな心と大宇宙を表現しています。
  まず「迷いの窓」の前で普段抱えている苦しみや迷いについて自覚し、それから「悟りの窓」の前で自身の内面を見つめなおすと、本来のあるべき自分に生まれ変わることができると言われています。  

源光院 山門

生々しく「手型」が残っています。

右「迷いの窓」、左「悟りの窓」

 

禅」の静寂・・・を感じさせる2つの「窓」、
一方、すぐ横の本堂の「血天井」を見ると心が乱れます。 不思議な空間です。

 

 

 

 

源光院 本堂 血天井


 養源院」は、「三十三間堂」のすぐ側にある
浄土真宗のお寺です。
 1594年淀君が父浅井長政の追善のため建立したが、ほどなく焼失した、1621年に淀君の妹の徳川秀忠夫人が伏見城の遺構を移し再建した。
 伏見城を死守した鳥居元忠以下将士の自刃した時の板の間を本堂の廊下の天井に張り、その菩提を弔ったため、俗に「血天井」と呼ばれた。
 寺の中は“写真禁止”のため、残念ながら「血天井」をここに載せることは出来ませんが、遺体の形をくっきりと残した天井でした。壮絶です。

俵屋宗達の「唐獅子」杉戸絵

俵屋宗達の「白象」杉戸絵


 また、当寺は、本堂の襖、杉戸に”俵屋宗達”の絵が伝えられています、杉戸絵の「唐獅子」と「白象」は普賢菩薩、文殊菩薩の乗り物であり、宗達はこれらを描くことで、非業の死を遂げた徳川の家臣たちの霊を慰めたと言われています。
 本堂の襖絵の「金地着色松図」や、これら杉戸絵の「唐獅子」「白象」は、宗達の代表作として、重要文化財になっています。

京都府観光連盟サイトより

養源院 山門

養源院 本堂玄関


海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)