京都ミステリ-スポット 第16回「西陣ミステリースポット散歩」    (2014年~2015年)

 2016年8月29日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

①「岩上神社(岩上祠)」

 

 西陣の表通りから一歩入った住宅街の街角に、突然、謂われのありそうな“巨石”が現れます。
 伝えによると、二条堀川にあった“霊石”を、御所内の中和門院(後水尾天皇の母)の邸の池の畦に移した所、怪異が起きたそうです、吠え出したり、すすり泣いたり、子供に化けたという。
持て余した女官たちが真言宗の僧に相談、僧はその石を貰い受け、現在の地に「有乳山岩上寺」と称して祀った結果、怪異はおさまったという。 以降、“授乳”“子育て”の信仰を集め「岩上さん」と親しみをこめて呼ばれています。
 享保と天明の火事でお堂は消失、明治初めには廃寺となり荒廃を極めましたが、大正時代に繊維業の「千切屋」が“邸内に祠を構え、“巨石”だけが今に伝わりました。

 

伝説が今も同居する街・・・京都です。


② 本隆寺 「夜泣止の松」

 

 本隆寺は、西陣にある法華宗真門流の総本山で格式を感じさせるお寺です。
 享保と天明の大火の際、周囲の西陣一帯が焼け野原となるなか、本隆寺の本堂と祖師堂は、お祀りする“鬼子母神”の霊験で消失を免れたと言われ、以来、“不焼寺(ふしょうじ)”と呼ばれています。

 

 「夜泣止の松」の伝承:

 天文元年(1532)、第5世/日諦上人は赤ん坊の養育を頼まれたが、毎夜母を慕って泣く赤ん坊に困っていた所、この松を廻ると何故か夜泣きが止まった。この赤ん坊は、長じて名僧日修となりました。
 以来、人々はこの松を「夜泣止の松」と呼び、子供の夜泣きに悩む母親は、この松の葉を待ち帰り、枕の下に敷いて子供の夜泣きを治したと伝えられています。

本隆寺 本堂

 

 

 

「夜泣止の松」と石碑


④ 雨宝院(西陣聖天)

 

 雨宝院は、空海の造った歓喜天像(聖天)が本尊で、西陣の人からは「聖天(しょうてん)さん」と親しまれている。
 提灯と境内の緑の風情の素敵なお寺です。

 

③ 西陣の5名水

 

①「染殿井」
  雨宝院にあり、今も涸れることなく涌いている。この水を染色に使うとよく染まるとされ、以前は西陣の染物関係者が水を汲みに来ていましたが、現在は清めの手水に使われています。

②「千代井」
  本隆寺の本堂前に残る、今は涸れています。

③「桜井」
  首途八幡宮社務所辺りにあったと伝わります。

④「安居井」、⑤「鹿子井」は、西陣の一般民家内にあると伝わりますが、一般公開されていません。

⑤ 首途(かどで)八幡宮・・・義経ゆかりの神社

  かつて、この辺りに「金売吉次」の屋敷があったと伝わる。
 源義経は奥州平泉に赴く際、この八幡宮に途中の安全を祈願して出立したと言われる。「首途」は「出発」の意味で、かつて「内野八幡宮」と言った当宮は、「首途八幡宮」となった。


雨宝院/染殿井

本法寺「千代井」

首途(かどで)八幡宮


海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)