韓国の国際旅客市場の構造と現状(2)

2020.10.8

 

韓国の国際旅客市場の構造と現状(2

韓国人渡航者の行先は?

 

前回に続くシリーズで、今回は韓国の国際線旅客の発着国(地域)内訳と、国外にでかける韓国人の渡航国(地域)の内訳について説明します。

(注)データは韓国政府・空港当局、日本政府の出入国管理統計(一部JNTO統計)等による。

 

.韓国の国際旅客市場(続)

 

1. 発着旅客を国(地域)別にみると; 

 

① 訪韓外国人/出国韓国人と国際線旅客数;

下表は訪韓外国人(入国時カウント)/出国韓国人(出国時カウント)と、国際線旅客数(発・着双方でカウント)を示したものである。

帰路(外国人の出国、韓国人の入国)を加味すると、それらの2倍が発着旅客数の
  近似値になる。 
  但し、入国/出国で空港(時には海路)が異なったり、3国間移動客の存在、時期 

ズレ、そしてて統計の取り方等の関係で、必ずしもきれいに2倍にはなっていない。 

 

     【訪韓外国人/出国韓国人と国際線旅客数(2019年)】

ここでは「仁川」発着の旅客数(7058万人)をもとに、出国韓国人についてもみていくことにする。なお国際線総旅客数に占める「仁川」の割合は「78%」である。

 

 

      仁川発着旅客数の発着(往来)国別内訳;

下表は仁川空港の発着旅客数(7058万人)を、往来国(発地国・着地国)別に示したものである。表の右部分(参考)については次項で説明する。

また下右の図は、往来(発着)国別に旅客数割合を示したものである。 

 

【旅客数の発着(往来)国別内訳】    【旅客の発着(往来)国別割合(%)】


 

1) 方面別にみると、東南アジア往来客が2040万人と目立って多く、中国往来客が1358万人、日本往来客が1186万人で続いている。

2) 米州・欧州が各500万人台、台湾・香港が各300万人台である。

3) 「欧州」ではロシアが突出して多い。(下表参照)

4) 「オセアニア等」では、サイパン/グアムとハワイで237万人。(下表参照)

5) 「その他」ではミャンマー、トルコ、ウズベキスタン/カザウスタン、モンゴルが多い。 

   ドバイなど中東経由などの旅客も100万人を超えている。(下表参照)

 

      東南アジア旅客の内訳;

1) 東南アジア6ヵ国の内訳をみると、ベトナム往来客が762万人と目立って多く、単独のくにとしては中国・日本に次ぐ規模である。 この中には周辺国を目的地とする経由客も含まれると思われる。

2) フィリピンとタイも400万人台で続いている。

3) マレーシアとシンガポールは100万人台。

4) インドネシアは100万人未満でほかの国と比べれば韓国との繋がりは薄いと思われる。 

 

        【東南アジア旅客の発着(往来)国内訳】

 

2.出国韓国人の訪問国は?(推定); 

 

下表は仁川空港における、総発着旅客数、外人発着旅客数(訪韓外国人x2で計算した理論値)、そしてその差を「韓国人等旅客数(理論推定値)」として並べたものである。

加えて、日本人の渡航先別のべ旅客数も参考並記(※)した。

  (※)日本人の渡航を集計(成田はじめ日本の全空港からの数値、複数国訪問もあり)した数値(日本交通公社資料2017年値)を2倍して発着数としたもの。

出所の異なる(基準や定義も異なる)複数のデータを使っての理論推定値であるため、正確性を欠くが、ごくおおまかな傾向は把握できると考える。

(注)仁川空港発着旅客数(7058万人)から、仁川空港入国外人数(1167万人)x2を控除した推定理論値としての韓国人発着数は4724万人となる。

   他方仁川空港出国の韓国人数(2131万人)x24262万人となって、それとの乖離は462万人;11%である。 なお(  )内の3つの数字は国別内訳も含め実数である。

 

   462万人(11%)の乖離の理由の主なものとして考えられるのが、入出国の記録から外れている乗継旅客である(例えば東南アジア発→仁川乗継→欧州行)。 着/発カウントのため旅客実数はその半分と考えられる。因みに成田空港での乗継旅客はのべ374万人(2019年)であった。

こうしたことを踏まえた上、読み進めて頂きたい。 

 

              【往来国(地域)別にみた旅客の内訳】

 

1)日本路線; 旅客数1186万人のうち、日本人が約380万人、韓国人等(乗継客も含まれるが大半は韓国人と思われる)が約800万人であった。

(参考)日韓の便は他に金浦、プサンからも多数出ており、訪日韓国人(588万人x2)の約7割が仁川路線の旅客という勘定になる。

2)中国路線; 旅客数1358万人のうち約700万人が中国人、600万人強が韓国人等で、中国人が半数強を占めていると推定される。

3)台湾路線; 韓国人等が約160万人で発着旅客(314万人)の半数程度。

台湾へは日本人訪問者が圧倒的に多い(2017ベースで日本各地から380万人)。

4)香港路線;韓国人等が約260万人で、発着旅客(386万人)の7割程度を占めている。

香港への日本人訪問者も韓国とほぼ同規模のようである。 

5)米州・欧州路線;米州路線では韓国人等が約320万人で、発着旅客(557万人)の約6割、

欧州路線は韓国人等が約360万人で、発着旅客(531万人)の7割程度を占めている。

これらの路線には東南アジアなどからの乗継客もかなり含まれていると思われる。

(参考)米州、欧州を訪問する日本人は夫々500/650万人程度(2017ベース)であるが、複数国訪問が多い(特に欧州)と思われ、日本発着旅客数としてはかなり割り引く必要があろう。

  6) オセアニア線; グアム・サイパン・ハワイ(計237万人)を含み、大半が韓国人旅客である。

      日本人が多いのは、300万人超のハワイ路線を含めたため。 

7) 東南アジア路線; 旅客数2000万人超の巨大路線である。

往来相手国籍旅客は380万人程度で、韓国人等が1600万人規模である。

この中には乗継客もかなり混じっている可能性もあるが、韓国人が多い路線である

ことは間違いないであろう。 特に多いのがベトナムである。 

 

              【東南アジア路線の旅客内訳】

 

8) 「韓国人等」の行先国(地域)別割合; 仁川空港発着の「韓国人等旅客」4700万人の

行先国(地域)別割合を示したのが下図である。

発着総旅客数での割合に比べて、東南アジアが膨らみ、中国が減っている。 

 

           【韓国人旅客(理論推定値)の行先別割合】

 

  次回は、仁川空港発着旅客の航空会社別内訳と、コロナの影響が出てきた20201月から

  8月までの旅客状況を説明します。

 

 

以上

注目した記事10.14

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