ANA/JAL 2015年度決算について

ANA/JAL 2015年度決算について

 

201651

 

この度発表されたANAJALの連結決算を比較分析しました。
(説明を簡素化するために概算化した数値を使っている箇所があります。)

 

1. ANAJALの収支&財務規模比較

 

  収支規模のANA/JAL比較; ANAの収入はJAL1.3

1)JALは1.3兆円の収入で約2100億円の営業利益(利益率16%)。

ANAはその1.3倍の収入(1.8兆円)で約1300億円の営業利益(利益率8%)。

収入規模は全事業分野でJALを上回る。

⇒国内旅客;1.37倍、国際旅客;1.15倍、貨物郵便;1.70倍、

 

2JAL利益率ではANAの倍;その差の半分が搭乗率のに起因

搭乗率が上昇しても費用は殆ど増えないため、そのまま収益性の差に繋がる。

⇒後述の参考2参照

JALの搭乗率はANAより約4ポイント高く、利益差のうち数百億円がそれに起因していると考えられる。

JAL)路線拡大等の制約8.10ペーパー)もあり、既存路線をコスト効率の良い小型機で運営する傾向が強く、これによって高搭乗率と高収益性を達成。

但し対ANAで「シェア低下」は免れず、これが続けば中長期的にはマイナスの影響に繋がる可能性もある。

      (ANA)国際線を中心に急速に路線や事業拡大を進め、JALより大型の機材でシェア拡大を図っている結果、搭乗率や利益率ではJALを下回っている。

事業基盤の拡大強化(⇒業界支配力)に力点を置き、中長期的視野に立つ結果ともいえる。

 

3)経常利益と純利益との差は、ANAは約▲500億円、JALは約▲350億円。

      JALの税負担が少ないことによる。

 

(図表1) ANA/JAL 収支規模の比較

 

② 財務状態のANA/JAL比較; 有利子負債が少ないJAL

(ANA) 2.2兆円の総資本のうち、純資産は7900億円(36%)。

  基盤拡大のために設備投資は大きく、有形固定資産(航空機等)は1.3兆円。

これを有利子負債6800億円、株主出資6000億円、留保利益2500億円で賄

い、手元資金は2800億円。

(JAL)再建時の有利子負債圧縮と、その後の税軽減を受けての利益準備金の積み

 上がりもあって、1.6兆円の総資本のうち、純資産は8700億円(55%)。

有形固定資産(航空機等)が7300億円あるが、有利子負債は700億円。

   手元資金は4200億円。

 

 

(図表2) ANA/JAL 財務状態の比較

 

2.前年との対比

  収支の前年対比; 増収増益のANA、減収増益のJAL

 

ANA) 国際旅客とその他収入(傘下のLCCバニラエアを含む)の大幅増収が効いて

営業収益は+777億円(+4.5%)の増収、一方営業費用は燃油費減(規模増=座席㌔+7%のもとで前年比▲614億円)が効いて+328億円の増加(+2.0%)に留まったため営業利益は前年比約1.5倍の1365億円を計上した。

   税金等を控除したあとの純利益は前年比ほぼ倍増の782億円となった。

   2016年度も当年度を上回る利益を見込んでいる。

 

JAL) 国内旅客は+137億円(+2.8%)の増収であったが、国際旅客はじめその他の収入はいずれも減収となり、全体でも81億円の減収となった。

しかしながら燃油費減(▲544億円)が効いて営業費用の減少が大きかったことから増益となり、2092億円の営業利益を計上した。

税金等を控除したあとの純利益も増益となり、ANAの倍以上となる1745億円を計上した。

      2016年度はほぼ当年度並みの利益を見込んでいる。

 

 

    《図表3》 収支の前年対比

 

②営業利益の増減要素試算; ともに搭乗率向上が大きく寄与

両社の営業利益について、前年レベルから当年度に至る増減要素を概算で試算した。

 

・両社ともに燃油費減の効果が大きかったが、それとの見合いで燃油サーチャージ減による国際旅客単価の低下があった。

・国際線、国内線ともに搭乗率UPが増益に大きく寄与した。

・人件費増や貨物郵便収入の減収など、利益減の要素もあった。

・国内線は、燃油費減・旅客単価向上・搭乗率UP3条件が揃ったことで、収益性は大

きく向上したものと推定される。

 

 

    《図表4》 営業利益の増減要素(概算試算)

3.旅客指標の変化

 

【国内旅客】

ANA) 北陸新幹線の影響で小松線と富山線で大幅な旅客減となったが、旅客発着単価が上昇して収入は僅かながら前年を上回った。

     搭乗率も小幅向上して64.7%となった

JAL) 北陸新幹線の影響はあったものの、羽田路線を中心に旅客増となり、旅客単価の上昇もあって+137億円の増収となった。

     搭乗率は更に向上して67.9%となり、ANA3.2ポイント上回った。

 

 〈参考1〉北陸新幹線の影響

      羽田=小松 (ANA876494千人 ▲382千人(▲44%)

               (JAL762539千人 ▲224千人(▲29%)

      羽田=富山 (ANA781459千人 ▲322千人(▲41%)

 

【国際旅客】

ANA) 大幅な供給増(+11%)を上回る旅客増(旅客㌔+14%)となった。

燃油安に伴う燃油サーチャージ減による旅客㌔単価の低下はあったものの、規模増効果で+474億円(+10%)の増収となった。搭乗率も上昇して74.3%となった。

JAL) 小幅増の供給を上回って旅客が増加(旅客㌔+5%)したが、燃油サーチャージ等による単価減が大きく、僅かながら減収となった。

搭乗率は更に上昇して78.8%となり、ANA4.5ポイント上回った。

 

《図表5》 旅客指標の変化 

〈参考2〉費用の構成割合ANA航空運送事業をもとに算出)

     燃油費・空港使用料・機材費・整備費の運航4費用は全体の約6割を占め、人件費やその他の費用は約4割である。

 

いずれも旅客の多寡による影響は余り受けないため、搭乗率が高ければ、その分収益性向上に繋がる。

以上

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