エアバスとボーイング、2022年は1,000機以上を、2023年には更に多くを納入予定

当分析はCAPAが2022年11月1日に発表した

 

Airbus and Boeing to deliver more than 1000 aircraft in 2022; more to come in 2023

 

をJAMRが全文翻訳したものです。

2022年11月7日

01-Nov-2022

 

エアバスとボーイング、2022年は1,000機以上を、2023年には更に多くを納入予定

 

エアバスとボーイングは、2022年第3四半期を通して、航空機の発注そして製造に上昇機運を享受し続けて居て、両航空機メーカーをより良い2023年に向けた道筋に押し上げて居る。

 

この2つの大手西側完成機メーカー(OEM)は、2022年には納入が1,000機を越えようとして居り、2023年には両社は更に納入を増強し、向こう10年間の中頃には、完全回復を達成する計画である。

 

生産計画、公表された目標、そして歴史的な納入パターンに基づいて見ると、この2大OEMは2022年におよそ1,100機を越える納品で、世界中の納入数を2012年の彼らの実績まで取り戻す筈である。

この2つのOEMは、2021年には併せて898機を納入して居る。

概要 Summary:

  • エアバスとボーイングは2022年第3四半期、発注と航空機製造の上振れを享受し続けて居る。
  • この大手OEM2社は、2022年内に1,000機を上回る航空機の納入を、そして両社とも2023年には更に増強された生産を計画して居る。
  • 2022年の最初の3四半期を通じ、2つのOEMは併せて766機の民間機を納入した。
  • 2022年のこれまで、主流の狭胴機が納入数増加の殆どを占めて居る。

エアバスとボーイングは、航空機の発注そして製造に上昇機運を享受して居る

 

2022年の最初の3四半期を通じ、この2つのOEMは、併せて766機の民間航空機を納入した。 

 

 

    エアバスとボーイング:民間航空機の納入累計(2021年と2022年現在まで)

Source: CAPA – Centre for Aviation, via data from Airbus and Boeing.

 

エアバスは、436機を顧客に納めたが、これはこの欧州のOEMが421機を納入した、2021年の同時期に対して僅かな増加である。

 

ボーイングは330機を納入したが、これは2021年9月の納入数に比べ、ほぼ2/3の増加である。年末まで3か月を残した段階で、そして納入が幾つかの主要プログラムで上昇傾向にある中で、ボーイングは既に、2021年通年の納入数に匹敵して居る。 

 

ボーイングは、737MAXと787で納入機数を再構築して居る

 

2022年の現時点まで、主流の狭胴機が、納入機数の増加の殆どを生み出して居て、殆どが737MAXの追加発注からなって居る。ボーイングは、今年、330機以上の737MAXが在庫して居る状況でスタートしたが、同社は段階的に、在庫して居た機材と新造機の両方で納入を強化して来た。

 

2022年9月までに737MAXの納入は262機、月間平均29機強である。

 

そのうち、70から80機がボーイングの737MAX の飛行禁止措置以来、在庫して居た航空機から、一方、その残りはエヴァレットの生産ラインから出来立ての新造機材だと報じられて居る。

 

  ボーイング737MAX :納入機数(2018年1月〜2022年9月)        

Source: CAPA – Centre for Aviation, via data from Boeing.

 

殆どの市場に於いて(中国を目立った例外として)、737MAXの飛行禁止が終わり、納入が再開されて、ボーイングは順次737MAXの生産比率を再構築して来た。

 

2022年7月には、OEMは737MAX の完成機が月間31機に達したと報告して居る。ボーイングは、この生産水準を2022年早くに達成する事を願って居たがサプライチェーンと熟練技術者の不足の問題から、後退せざるを得ないで来た。

 

ボーイングの2023年の目標は、2023年上半期中に、737MAXの生産機数を月間37機に上げ、そこから、急速な再構築をすることだ。この米国のメーカーは、2023年末、或は2024年早々までに、生産を月間47機に上昇させる事を計画して居ると報じられた。然し、2022年8月中にボーイングのCEOであるデーブ・カルフーンはこの目標はCOVID-19パンデミックが招いたサプライと労働力の問題の影響で達成できないかも知れないと認めた。

 

特に、737MAX プログラムの唯一のエンジン供給社であるCFMインターナショナルは、生産数を上げる要求に対応することに苦戦して居る。

 

ボーイングは、最近、ライバルのエアバスが余儀なくされた様な、エンジン無しの機体の製造に消極的で、その代わりに、地上待機中の機材から外して、新造機に装着し始めた。

 

この米国のメーカーはまた、2022年8月に3機、2022年9月に7機を顧客に納め、最近、787の納入も再開して居る。

 

各航空機は、納入が認可される前に、生産問題に対応するための完全な検査を通過しなくてはならないが、ボーイングでは約120機の787が在庫中で顧客に届けられるのを待って居る。

 

エアバスは、サプライチェーン問題が続く中で、順調に納入して居る

 

ボーイングは、飛行禁止とされた航空機の、大きなストックがあったために、納入を増強する事が出来た一方で、エアバスは自社のサプライチェーンと生産上の問題があり、これは、生産高を名ばかりの増強しかできないで居る事を意味する。

 

今年の現時点までのA220狭胴機の納入数は34機で、2021年の同時点と同様である。特に、エアバスは2022年9月に4機を納入する前、8月にはサプライチェーン問題からと報道されたがA220を1機も納入出来なかった。

 

A320系列の納入は335機で、内訳はA321が169機、A320が165機、そしてA319はたったの6機だった。平均の納入機数は名目生産率が月間45機であるのに対し、34機を下回った。

 

   エアバス:狭胴機の納入数(2022年1月~2022年9月)

Source: CAPA – Centre for Aviation, via Airbus data.

 

エアバスは、狭胴機の生産を向こう3年間くらいで、パンデミック前の水準に増強する野心的な計画を持って居る。

 

A320系列の生産は、2022年末までに月間50機に届きそうであり、エアバスは2024年早々までにA320を月間65機納入する事を目指して居る。その先は、同社は、2025年頃には、エアバスCEOギヨーム・フォーリーが「顧客からの強い需要に裏付けされた」そして、実現可能な水準と考える、月間75機を目指して居る。

 

エアバスは、生産増強の成果として、A321を中心に置いて居る。

 

同機は、現在、A320系列の最も人気のある型式で、「市場の真ん中」分野での長距離A321LR とA321XLRの人気のお陰で、エアバスの全狭胴機受注残の55%を占めて居る。これらの航空機は、またより小型な、より近距離のタイプに、価格プレミアムを齎して、エアバスの貸借対照表にとっても良いものだ。

 

エアバスが損益分岐点に、そして最終的には黒字へと向かってプログラムを推進する中で、A220の実績もまた増加する予定である。2022年の納入機数は、2021年の同型機の生産数を僅かに上回って、50機と60機の中間あたりと予測されて居る。

 

今年現時点までの受注数は、より長期のパターンを反映して居る

 

受注数もまた、2022年に比べ、改善して居る。ボーイングは542機(グロスで)、そしてエアバスは856機(これもグロス機数)を記録し、併せて計1,398機となる。

 

取り消しがあった後に、合計受注数はボーイングで428機、そしてエアバスで647機、併せて1,075機に落ちて居る。比較して見ると、2021年の同時点の合計のグロス受注数は1,313機、そしてネット受注数は935機だった。

 

2022年9月、受注数は、エアバスでは低調で、4社の顧客から、合計僅か13機ーA320系列が11機と2機のA330 である。

 

これに加えて、同社は、A319neo2機とA220を1機の計3機の取り消しを受け、合計受注数を10機に減らして居る。

 

ボーイングは、ずっと良い1ヶ月だった、民間機の発注81機を記録した(米国空軍の空中給油プログラムのための767を15機と共に)。特筆すべき発注には、ウエストジェットの737MAXを42機、中華航空の787を16機、そして「非公開の顧客」からの777X を12機がある。

 

2022年の最初の9カ月間で、エアバスは合計647の純発注数を集め、ボーイングは428機を記録して居る。

 

ボーイングは取り消しについて、かなり上手く対処して、エアバスは今年の現時点までに209機を失った、その主たるものが2022年4月にA330-900を63機の発注を取り消したエアアジアXである。

 

今年現時点までの受注数は、過去4〜5年間の受注傾向を反映して居り、殆どが狭胴機のデザインで、生の発注数では、エアバスはずっとボーイングを凌駕して居る一方、ボーイングは広胴機で優勢である。ボーイングは今年現時点までに95機の広胴機の発注を記録し、一方エアバスは、殆どがエアアジアXの63機取り消しの決断の所為で、▲74機の広胴機の純発注数である。

 

2022年には1,000機以上、2023年には更に多くが計画されて居る

 

生産計画、公表された目標、そして歴史的な納入パターンに基づいて見ると、この2大OEMは2022年におよそ1,100機を越える納品で、世界中の納入数を2012年の彼らの実績まで取り戻す筈である。

 

この2つのOEMは、2021年には併せて898機を納入して居る。

 

ボーイングは、2022年に、400機を超える737MAX機を納入する計画であり、約100機の広胴機とともに、その殆どは新造機である。ボーイングの737MAX及び787の在庫機は、幾つかのサプライヤーが納品計画を達成するための苦戦はずっと続くとしても、2022年第4四半期、そして2023年、及び2024年の納入を増やすために潤沢な余裕を与えて居る。

 

エアバスは今年初め、720機の航空機の納入目標を設定し、その後、生産とサプライチェーンの問題から、2022年第2四半期の最中に700機に削減した。

 

残り3ヶ月となって、エアバスは自社の年間目標達成には、あと264機を完成させねばならない。世界のサプライチェーンの現状から見て、これは大変な要求である。

 

歴史的に、第4四半期は、エアバスの最重要期間で、毎年、全納入数の29%から35%を占めて居のだが、この目標を達成するためには、基本的に、2022年第4四半期に残りの2022年と比べ、納入率を倍増させる事が必要になる。

以上