エアラインの苦労がまだ足りないと言うかの様に。                 原油価格が天井を突き破る

当分析はCAPAが2022年1月25日に発表した

 

As if the airlines didn’t have enough problems. Oil goes through the roof

 

JAMRが全文翻訳したものです。

2022年1月30日

エアラインの苦労がまだ足りないと言うかの様に。原油価格が天井を突き破る

25-Jan-2022

 

 

原油価格が7年間で最高に高騰し、ジェット燃料は更に急激に値上がりして居る。これはエアラインの株価に重くのしかかり、見通しには、明るい要素が少ない。  

概要 Summary

  • ジェット燃料の価格が7年間で最高に高騰
  • ある研究所は原油価格は100米ドルを超えると予測する
  • 燃油価格が更に高くなるとLCCにより大きな打撃で、そして現在回復しつつあるのは市場でも価格に敏感な部分である

 

2022年のエアラインの収益性見通しは下降、燃油価格が頭痛のタネに加わる中で

 

どう見ても、世界のエアラインは、またも厳しい年を目の前に迎えて居る。あるものは他より上手くやるだろう;あるものは失敗し、2年間の損失が頭上に覆いかぶさり、新たに積み重ねられた負債はただただ大きすぎる。

 

然し、全体としては2022年は最早や、待ち望まれて居た、きらりと光る景気後退の後の回復と言う約束を秘めては居ない。

 

気まぐれな国境封鎖が続き、需要は引き続き、少なくとも今後数か月に亘って荒れ模様、で消費者を他の用途にお金を使うよう促して居る。更に悪いことに、ビジネス旅行は影を潜め、長距離国際線旅行を支える、実収単価の高い運賃を破壊して居る。

 

従って、世界の経済が緩慢に成長へと戻って行こうとしながら、依然としてサプライチェーンの断絶と言う重荷を抱える中で、燃油価格が2022年1月21日の週、ブレント原油が1バレル当たり88米ドルを僅かに下回る、7年来の最高値を付けた事は、最も好ましくない展開である。

 

更には、ゴールドマン・サックスが、価格は2022年第3四半期までに100米ドル、(現状からもう11米ドル上がるに過ぎず、多分、大した上昇では無い様に聞こえるが)まで上昇すると示唆して居る。価格上昇は、一部、生産者と消費者がストックの減るのを許して居る中で、原油供給の不足の所為である。大手の影響力ある金融機関が3桁の原油価格を予想したのは、これが初めてでは無い;変に皮肉な見方では無く、価格の流動性と高値は、より良好な交易の見通しを示す事になる。

 

IATAのジェット燃料価格の報告は(ジェット燃料は原油から精製される)エアラインは既に燃料に100米ドル以上を支払って居る事を示して居る。

 

2022年1月21日まで、2022年の最初の2週間の平均価格は、今世紀の記録を覆す、昨年同時期を74%上回って居る。jet-a1-fuel.comに依れば、数日後に世界中のジェット燃料は、米州と欧州を筆頭に2022年1月25日に1バレル当たり108米ドルまでに及んで居る。

 

そして、下のグラフで見られる様に、航空燃料と原油の価格差は広がりつつあり、良い徴候では無い。もし、多くが予見する様に、向こう数週間で旅行需要が戻って来るとすれば、更なる上昇への圧力が高まるだろう。

 

ジェット燃料とブレント原油の価格の動き、2015年1月~2022年1月(米ドル/バレル)Jet Fuel 2022

Source: https://www.iata.org/en/publications/economics/fuel-monitor/

 

この価格で、IATAは、「2022年の燃油請求書への影響」は631億米ドルだと述べて居る。これを考慮に入れて、IATA加盟エアラインが併せて300億米ドルの利益を上げた2019年には、ジェット燃料価格は、1バレル当たり70~80米ドルの範囲で推移し、殆ど低い方の範囲だった。

 

今年の最初の月は、殆どのエアラインが未だに利益を上げられない状態で、間もなく終わるが、2019年水準を達成する事はまず出来そうに無い。その様な、かすかすの利益率の産業の、こんな危うい時期に、燃油コストにもう20%以上を上乗せすることは、その結論は明白である。

 

市場の軟弱な部分を傷めつけるため、タイミングは特に悪い

 

現在までの航空旅行の回復の殆どが、観光旅行者という市場の価格意識の高い部分で起きて居る。このため、燃油価格の上昇は、上手くいって居るエアラインに対して、厳しい意味を持つ。

 

燃油コストが30~50%の様な割合を示すところには、エアラインのコスト構造に依るが(即ち、その他のコストがより低く、燃油が全体でより高い比率を占めるLCC各社には)、最近の展開は回復の核心を直撃する。LCC各社はしばしば、燃油コストを波動するに任せ、ヘッジをしない。時には、彼らの利になるが;価格が急激に上昇する時には、桁違いな痛手となる。

 

欧州の旅行の回復の見通しに楽観論がある一方で、ウイズエアの様なエアラインはこの痛みを感じて居る。殆どのエアラインの最近の株価は、値下がりして居て、多分、不確実性の組み合わせからだろうが、燃油価格は間違いなく重くのしかかって居る。

  

エアラインの株価、痛みを覚える

 

ウイズエア株価、2022年1月24日までの5日間WIZZ'

Source: google

 

ICAG*の株価、2022年1月24日までの5日間

(*BA、IB、ブエリング、エアリンガスおよびその他のグループ会社)Source: google

 

米国の市場の感覚もほぼ同様である。

 

デルタ航空の株価、2022年1月24日までの5日間DELTA

Source: google

 

そして、カンタスも国内州境の不確実性など様々な問題で、苦しんで居る。

 

カンタス航空の株価、2022年1月24日までの5日間 

qantas

Source: google

以上