広島空港民営化、遅延するも、ほんの3ヶ月

当分析はCAPAが2020年5月13日に発表した  

 

Hiroshima Airport privatisation delayed, but only by 3 months

 

 

をJAMRが全文翻訳したものです。

 

2020年5月21日

 

広島空港民営化、遅延するも、ほんの3ヶ月

13-May-2020

 

 

世界中で空港民営化への作業行程や取引が中断する中で、次の広島空港の例では、ほんの数カ月遅れるだけで、日本での時間の尺度は、とても僅かな調整がなされて居る。

 

日本の国交省(MLIT)は、旅行に対するコロナウイルスの影響のため、広島国際空港の民営化スケジュールを3カ月遅らせる計画をして居る。

 

同空港は、現在、2021年4月では無く、2021年7月に民営化空港としての事業を開始するスケジュールとなって居る。

 

日本は、空港民営化の考えが、他の同様な経済規模の国々で進んでいた程、進歩して居なかった国である。政府の赤字が大きな理由の一つだったが、その点では、観光の強化とLCCの成長が考え方を変えさせる大きな牽引役となった。という民営化は「良き事」であるという概念は、今や、政党間で広く合意され、共通の基盤と共通の目的がある:観光の振興である。

 

日本の空港民営化は、ゆっくりとしたスタートを切り、そして当局は断固として居り、今や何が起ころうとも、その時間の尺度を死守するだろう。 

 

概容 Summary 

      広島空港の民営化は3ヶ月後ろ倒しされた。

 

      広島は過去5年間に亘る一連の民営化案の最後のものの一つであり、関係当局は日程を死守しようとして居る。

 

      外国の投資家にとっては、ずっと押し売り状態だったが、今ではそのペースを緩めさせる機会は無い。

 

      最終段階の入札者は、多分、日本国内のコングロマリットの中から出るだろう。

 

 

広島空港は、現在、2021年7月に民間の運用開始の計画

 

日本の国土交通省(MLIT)は、コロナウイルスの航空旅行への影響から、広島国際空港の民営化スケジュールを遅らせる計画である。

 

MLITは、2020年6月でなく、2020年9月に、同空港を民間として運営する契約に対しての優先交渉権の保有者を選抜する意向で(通常の手続きである)、同空港の民営化運用の開始は2021年4月でなく2021年7月にスケジュールされる。 

広島の位置

 

Source: Google Maps. 

表面上は、3カ月の遅延はこの環境下では大した問題では無く、以前は何十年もの間、疎んじて来た後に、時に、可能な限り外国の組織を惹きつけようと試みざるを得なかった、MLITの民営化スケジュールを支える積極的な表明である。 

急激な供給の下落は、今や底を打った

 

他のどこでも起こって居る様に、広島空港は、20203月の始めから、4月の半ばにかけ、出来事の影響を受け、急激な供給の減少に見舞われ、その後202054日の週には、週間47,800席と言う数字への逆転があった。

 

これは去る20202月に前年度最高の76,460席からの数字である。

 

然し、将来の見通しは、他の殆どの空港同様に、予測することが困難である。  

広島国際空港 週間総供給席数:2017年~2020*

 

Source: CAPA - Centre for Aviation and OAG

 

民営化の過程全体が始まる迄に何年も掛ったが、それから「心躍る好機」への強固な目標が立てられた 

日本は、空港民営化と言う考えが、他の同様な経済規模の国々で進んでいた程、進歩して居なかった国である。 

民営化の過程は、国交省が2020年までに、全ての国家管理の空港を民営化する計画だと発表した、2011年に始まった。最初の過程は、大阪の伊丹空港と関西国際空港の経営を統合することから始まることになり、次いで、滑走路、空港ターミナルビル、駐車場の経営の長期リース・コンセッションだった。国交省は、その野心的な2020年ビジョンの達成にはまだ成功して居ないが、多くの人々が予想して居たよりずっと良くやって来た。 

関西の案件は、一部日本の企業(オリックス)、一部はフランスの企業(ヴァンシ)が落札したが、それ以来、そのヴァンシ以外、殆どの関心は日本の企業や投資家からであった。 

外国の経験を招じ入れて、最終的には、どの国や地域に比べても最大の数である、ほぼ100か所の空港を民営化することの可能性を極大化するために、MLITの仕事は、外国の投資家に「心躍る好機」だと説得する事になった。 

政府が、ブラジルやそこでのコンセッションと同様に、地球規模の活動の震源地となった民営化に対する気持ちを変えるに至ったのには、多くの要素が含まれる。 

赤字、観光、そしてLCCが牽引力 

政府の赤字は主要な理由だった;同時に、東京だけでなく、日本中で観光を振興させることの必要性、そしてそれは概ね軌道に乗って居た。政府は、ずっとその点が欠けて居ると考えられて来た。その様なマーケティングの方法はなかなか無く、エアラインに実行するように補助金を与えるくらいだ。 

日本の年間観光動向:訪日旅客数 2011年~2020

 

Source: CAPA - Centre for Aviation and JNTO. 

契約の期間の様なコンセッションの条件の変化も、常にその中にあって、空港がどのくらい利益を生む可能性があるかに掛って居た。運営企業にとってのリスクを減ずる事と、彼らに時間と投資コストを回復する余裕を与え、利益を出す事の間に釣り合いを取ろうとする動きがある。

観光の焦点は、まずは東南アジアに向けられたが、ビザ規制は全体的に緩和されて居る。西欧諸国など異なる地域への別の焦点は、より後からと計画されて居て、小規模な日本の都市の需要の低い路線に、利益を上げながら、直航便を飛ばすには、部分的には、どの型の航空機が使えるかに掛って居た。今度は、単に、どの航空機が運航され、どのエアラインがそして何処へという質問になるだろう。 

インバウンド観光客は重要、なぜならアウトバウンドは驚くほど翳り始めて居るから 

 

アウトバウンドの需要は、概して成熟した市場になりつつあり、比較的に若い人々(ミレニアル世代)が、欧州や北米の同年配ほど旅行に惹かれない傾向にある。

 

女性の旅行者数の注目すべき増加はずっと続いて居るのだが。低コストエアライン、ピーチの主要な顧客は伝統的に女性達である。勿論、今となってはシナリオの変化は、以前に比べ、全世代が旅行に惹かれないという事になるかも知れない。 

 

LCCはー鶏と卵 

 

そのビジネスモデルに対する姿勢も緩やかに変わって、今や日本には、以前より多くのLCCがある。

 

現在は、鶏と卵の状況があり、始めに来るのはLCCなのか、空港とターミナルなのだろうか(日本には現在、LCCを主として受け入れて居る所が幾つかある)?

 

これは、比較的小規模な空港の民営化に向けた傾向が、より高い水準でのLCCの参画を促して居る事例であり、それは意図されたものであった。従って、LCCの存在感の高まりが利点になり、まだこの分野の拡大は続きそうである。多くの桟橋が、特にLCC用に築かれつつあるのだ。

 

民営化に対する社会の見方が改善、だが未だに完全に積極的ではない 

民営化は「良いこと」と言う考え方が、政党間でも広く合意されて居る。共通の基盤があり、そして共通の目的がある:即ち観光振興である。 

然し、20201月に道内の8つの空港について、20206月から20213月までに引き渡す取引が行われた、北海道の様な所では、人々の間ではそうでは無かった。小さな島にしては、それなりに多くの空港があるのだが、比較的小規模な空港は閉鎖に追い込まれる惧れがあった。 

新たに民営化される空港では、株主は大企業だけと言う認識があったのだが、たくさんの小さな投資家も、確かに居る。例えば、大阪空港の投資家は20%の株式を持つが、金融界とともに電力、鉄道など、多くの産業分野を代表して居る。これらの投資家たちは、その立場に満足して居ると報じられて居る。 

しばしば、小さな株主たちには、ある特定のサービスを提供すると言う恩典がある(提供するサービスや商品により小規模企業の関心を惹きつけた、インドとそこでの民営化の初期段階の状況に似て居る)。また、彼らには同等に取締役会の議席が与えられる。

 

ヴァンシが最終候補者名簿に上る可能性があるが、日本のコングロマリットも少なくとも同様に上がるだろう 

従って、疑問は広島ではどの投資家が関心を示しそうなのかだ。日本の尺度では、特に工業や商業都市では無いが、この国で最も来訪客の多い都市のひとつで(1945年に世界で最初に原子爆弾が使われた事が大きな理由だ)、200万近くの人口の都市にある空港である。 

去る201910月、国交省は、30年間のコンセッション契約の下、広島国際空港を民間として運営するための入札で、第2次選考に進む、入札者2者を選んだが、公表されては居ない。 

この段階で、国交省は、20214月に広島の民営化を開始する準備のため、20206月までに優先交渉権保持者を選抜することを目指して居た。 

ヴァンシは、確かにその中の一つの可能性があったが、より有りそうなのは、最初から民営化の過程を積極的に追及して来た、日本のコングロマリット、例えば、日本開発銀行とともに北海道空港ターミナル株式会社として北海道の空港を取りまとめる、三菱地所と東急株式会社である。 

勿論、全ての候補者は今の段階で撤退する可能性もある。「ボールゲーム」はこの過程が最初に開始された時にあったそれとは完全に異なって居る。

 

ある段階では、広島の後に、更なる空港民営化の候補は無かったが、今はある。

 

北海道の経験の後に、更なる空港が束になって続くかも知れない。例えば、長崎と鹿児島の空港は、北海道の一群の空港の様に、その他の島の空港として束ねられるだろう。

 

 

広島空港運営の民間委託 公募選定手続募集要項(国交省)はこちらから:

https://www.mlit.go.jp/en/report/press/koku05_hh_000015.html 

 

 

日本語 

https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk5_000039.html  

 

Hiroshima Airport privatisation delayed, but only by 3 months