CAPA分析:NEW HEADLINES  2月-2022年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。 

 

**************************

 

CAPA(Centre for Aviation)の発表する”CAPA Analysis” 原文はこちらからご覧になれます。

 

2022年2月27日掲載

Premium Analysis

米国空港ターミナル計画への申請開始ー難しい決断;民間部門除外される

26-Feb-2022

 

米国大統領ジョー・バイデンのインフラ関連の法案の、少なくとも一つが議会を通過し、空港の共同体への引き渡し段階となり、多くの人々が引き渡しを希望して居る。

 

然し、多額の資金が関わって居る訳ではない。

 

計画が最初に発表されて以来、幾つかの環境保護基準が残って居り、少なくとも数件、新規のものが導入され、いささか問題が広がって居る。これらの新規の基準は幾つかの空港に苦情を申し立てさせる事になるかも知れないが、それらがどの様に生じ得るのかの例も、このレポート中に収められて居る。

 

驚いた事に、投資の世界が空港分野を再考するかも知れない地点に近づこうとする中で、そして3年前の空港リースへの試みには可なりの利点があったにも拘わらず、民間部門はこの計画から除外されて居て、これは米国の政権にとっては悪い動きになりかねない。

 

Applications for US Airport Terminal Programme open – difficult decisions; private sector excluded

ライアンエアとウイズエア、夏季ピークに増席を主導

26-Feb-2022

 

ライアンエアとウイズエアは、欧州の航空業界の回復を先導し続けて居るが、その他の主導的なグループもまた、より強気になりつつある。2022年2月21日の週、ライアンエアは2019年の席数の104%を供給した。供給席数で2019年を超えるのは、欧州のトップ10エアライングループの中で同社のみだった。ウイズエアは83%で2番目に高い比率だった。欧州全体では69%で、トップ10グループは併せて72%だった。

 

欧州の2019年水準対比で31.1%の供給減少が、同地区のランキングを最下位に留まらせたが、30.6%減のアジア太平洋には極めて近かった。中東の供給は、26.9%減、アフリカは20.3%、ラテンアメリカは12.8%、そして北米は12.3%だった。

 

2022年7月最終週のスケジュール計画では、欧州全体で供給が2019年水準の93%、トップ10グループは併せて13%である。ウイズエアは159%の大増強を計画し、そしてライアンエアは117%を予定して居る。トルコ航空、SAS、エアフランス-KLM、そしてイージージェットも、2022年7月下旬までに、2019年供給水準の100%或はそれ以上を計画して居る。89%のルフトハンザグループが、主導的グループ中では最も慎重である。

 

プーチン大統領の破滅的なウクライナ侵攻が、更なる再拡大に役立つ事は無いだろう。そして今やバレル当たり100米ドルを超えた燃油価格の、コストへの影響も歓迎されない問題である。

 

Ryanair and Wizz Air lead adding seats for summer

Premium Analysis

コロンビアのエアライン、強い野心を抱いて2022年に乗り出す

03-Mar-2022

 

コロンビアは、コロナウイルス・パンデミックの間、COVID-19のいくつもの波と戦って来たのだが、この国の回復は、世界の他の地区に比べても、全体として上手く行って居る。2021年の国内線の旅客水準は、パンデミック前のものにじりじりと近づいて居り、2021年12月の旅客数は実際に2019年の実績を上回った。

 

2022年に入って、アビアンカの破綻後の業績や、この国で更なる超低コストエアラインが開業、そして2つのULCCの間で、特定の国際路線で、新しくユニークな提携が始まるなど、コロンビアでは多くの注目すべき展開がある。

 

COVID−19危機の前には、コロンビアはラテンアメリカで第3の規模の航空市場だったが、回復が続く中で、特に低コストでの競争が国内線、国際線の双方で、更に顕在化し、この国が地区内でのダイナミックな勢力であり続ける舞台が整いつつある。

 

Colombian airlines embark on 2022 with ambitions running high

Premium Analysis

豪州の国際線再開ー第2部:カンタス生還

23-Feb-2022

 

この豪州の国際線市場の分析の第2部では、拡大する回復の裏にあるトレンドを検証する。

 

国際線の供給は、国境の規制が緩和されるに連れて、増加して居るが、エアラインの市場占有率には、可なりの変化が生じて来て居る。パンデミックの間は、海外のエアラインが支配して来たが、今年になって振り子は豪州のエアライン(主にカンタス)に揺り戻して居る。

 

この分析の第2部では、幾つかの主要なプレーヤーたちが、豪州の国際線市場で自社便を復活させて居る状況を、より具体的に検証した。

 

Australia reopens to international flights – Part 2: Qantas returns

Premium Analysis

豪州の国際線再開ー第1部SIAは拡大、米国エアラインは抑制

22-Feb-2022

 

豪州が、今にも国境を更に開放しようとする動きは、多くのエアラインによる豪州行き国際線便の増強に拍車をかけて居る。その動きとは、この2年間で初めて、幾つかの路線を復活し、それ以外では便数を増やし、或は航空機を大型化して強まる需要に応えようとするものだ。

 

この数ヶ月、国際線便は、積み上げられて行く一方で、国境が外国人訪問客に開放される3月以降には増加の率は更に上がると期待されて居る。カンタスと、外国を拠点とするエアライン各社は更に多くの便を復旧させようとして居る。然し、その復旧の度合いはまちまちで、このためにパンデミック前の状況に比べると市場占有率にかなりの変化が産まれて居る。

 

エアライン数社は、特に米国からの豪州線の便数の増強計画を遅らせて来た。然し、その他の外国エアライン、特にシンガポール航空は、最も早く豪州国際線便の再構築しようとして居る。

 

然し、カンタスも、即座に追いついて居る。

 

Australia’s reopens to international flights – Part 1. SIA expands, US airlines hold back

Premium Analysis

ジェット2.コム、欧州第4の独立系LCC 拡大の模様

22-Feb-2022

 

ジェット2.コムは、必ずしも、現在の規模に相応しい注目を集めては来なかった。

 

同社の保有機群は、コロナウイルス・パンデミックの最中には拡大を中断したのだが、90機の航空機と言えば、欧州の独立系LCC保有機群の中では、第4位の規模になる。この範疇の運航会社として、より大きな保有機群を持つのは、ライアンエア、イージージェット、そしてウイズエアだけである。

 

ジェット2.コムの保有機群は、2019年までの10年間で3倍の規模になり、その年間輸送旅客数は2017年3月までの1年から、2020年3月までの1年へ2倍に増えて居る。この英国のLCCは、2020年に、保有機群でノルウエーエアを追い越して、欧州第4位の独立系LCCになった。

 

COVID-19パンデミックの最悪の時期が過去のものとなったと見られ、ジェット2.コムは2021年、57機の航空機を発注した。これは全機ボーイングの運航会社である伝統を破るものだが、航空産業全体が崩壊寸前である中で、慣例に反する発注をすることで、価格の値引きを受けた可能性を示唆するものだ。これはまた、ジェット2.コムの拡大への熱望を強調して居る。

 

2022年2月11日、CEOのスティーブ・ヒーピーは語る:「2022年は、国際線旅行がパンデミック前の姿に戻る年だと言う自信を、我々は持って居る」。それはまた、ジェット2.コムが欧州で第4位の独立系LCCである地位を固める年でもあるだろう。

 

Jet2.com, Europe's #4 independent LCC looks to grow 

2022年2月20日掲載

Premium Analysis

チェンナイとコルカタ、新空港の候補地を検討

19-Feb-2022

 

デリーとムンバイの両市は、インドでは誰も本当のところは分からないのだが(遅れは何処からともなく現れて数年間も続きかねない)、数年以内に第2空港の完成と運用開始を期待して居る。

 

若し、それが結実へと進むとしたら、非常に大きいものの、インドでは商業的なエリートではない、二つの都市チェンナイとコルカタが一緒になるかも知れない。チェンナイの現在の空港は、2年以内に民営化される予定で(これも、全てが計画通りならの話だが)、一方コルカタは政府の管理が続く。両空港は、首都や主たる商業都市の空港に比べ、国内線そして低コストへの需要に、可なりの程度で依存して居る。

 

そして、この事が詳細な候補地の最終決断がなされた時に、これらの新空港にどの様に資金を調達するのかと言う疑問を投げかける。デリーとムンバイの新空港の戦略は、民間部門が主導する一方、インド空港局の役割は、より小規模な地域空港の支援者の一つとなる方である。

 

然しチェンナイとコルカタは、外国からの投資家たちにとって、さほど魅力的では無く、よって地元インドの企業にバトンを渡す事になるかも知れない。

 

Chennai and Kolkata examine sites for new airports

北大西洋のエアライン供給、最早、欧州の回復に遅れをとって居ない

15-Feb-2022

 

欧州のエアラインにとって、北大西洋は、最も重要な大陸間の地区であり、北米のエアラインにとっては欧州エアラインにとってより、更に重要である。従って、コロナウイルス・パンデミックの長距離路線に対する不均等な影響は、特に欧州の長距離運航会社を傷めつけて来た。

 

然し、IATAの月例交通量データは、北大西洋が、2019年の同月からのRPKのパーセンテージ変化で測ると、2021年11月まで、欧州の最強の長距離交通量地区だったものの、欧州域内に比べれば依然弱かった事を示して居る。

 

より新しい月の交通量データは、未だ発表されて居ない。にも拘らず、週毎の供給のトレンドは北大西洋は最早、欧州の総供給の回復に後れを取って居ない事を示唆して居る。

 

North Atlantic airline capacity no longer lagging Europe's recovery

Premium Analysis

フロンティアとスピリット:超LCCの新たな一章が実現するか?

15-Feb-2022

 

何年もの間、憶測が浮かんでは消えた後、米国の超低コストエアライン、フロンティアとスピリットは、米州の他の超LCC各社には無い規模を築き上げ、合併する計画を発表した。然し、合併した組織は、未だに、米国の4大エアライン、アメリカン、デルタ、サウスウエストそしてユナイテッドを見れば、小人に過ぎない。

 

彼らの保有機群、ビジネスモデルの相似性、そして僅かに異なる路線網への取り組みなど、多くの点から、フロンティアとスピリットの組み合わせは筋が通って居る。米国の管理当局は同様の結論に至るかも知れないし、至らないかも知れない;然し、両エアラインは、その統合計画が、多くの市場で、旅客に対して低コストの選択肢を拡大するだろうと考えて居る。

 

また、米国の企業統合に於ける、この最新の一章が、より多くのM&A活動に拍車をかけるのか否かと言う明らかな疑問もあり、その答えはそれほど明確では無い。

 

Frontier and Spirit: will a new ULCC chapter emerge?

Premium Analysis

リオのサントス・デュモン空港の「単独」コンセッション、ガレオンと共同へ劇的な変更

15-Feb-2022

 

ブラジルは、10年前に始まった、主要空港の国家的競売の最終段階に近づいて居る。より新しいラウンドは、以前に国営運営会社インフラエロの財政を助けるために手控えられて居たが、今年上期に完了予定であるこの第7次分に含まれて居る、2大都市の国内線空港を除けば、小規模な地域空港である。

 

再調整は、リオデジャネイロのサントス・デュモン空港が、別途競売される事を意味するのだろうが、一方で以前入って居た「ブロック」は、コンゴーニャス空港(サンパウロ)グループに移されて居る。

全ての空港に対する提示価格は、高い様に思われ、サントス・デュモンの場合は、それは涙ぐましいものだ。その様な価格が、「常態」が取り戻されるまで、達成できるかどうかには疑問の余地がある。

また、政府が、サントス・デュモンとコンゴーニャスを一つのパッケージに入れようと考えたのか、疑問がもたれるところだ。

 

外国の投資家たちは、特にリオの空港に惹かれるだろうが、将来の政府が、結局は、以前、幾つかの国々であった様に、コンセッションを取り消すかも知れないと言う、厄介な疑問が残るだろう。

一方で、現在の政府は、大統領選挙の前に、この国の経済の見通しを改善するために、インフラを可及的速やかに売却しようとして居る。

 

注:この手順が如何に無秩序になってしまって居るかを証明する様に、サントス・デュモンのコンセッションは2022年2月11日、突然、全て取りやめになり、リオの主要国際空港ガレオン空港の再コンセッションと一緒に行われる予定の、2023年まで延期された。(記事最後の「臨時ニュース」参照)  

Rio’s Santos Dumont Airport’s ‘go-it-alone’ concession dramatically changed to double with Galeão

ケープヴェルデ首相、航空輸送の優先事項を説明;一部は現実的、その他はそれほどでも無い 

14-Feb-2022

 

大西洋の群島ケープヴェルデは、(その主要市場である)欧州発のレジャー航空会社にとっては、運航限界のギリギリの線上にあるが、彼らを立ち止まらせてしまった、コロナウイルス・パンデミック来襲の前には、主にチャーター航空会社が創り出した、目覚ましい観光客の増加を目のあたりにして居た。

 

現在、政府は、この国の海外居住者の需要を満たし、観光を再び急発進させるため、国の航空会社に義務を課す方向へ逆戻りすることで事態を収拾しようとして居る。パッケージの一部として、とりわけ、*PSO路線をより迅速に認定するのに役立つ様、国の航空規定を書き直そうとして居る。

 

然し、それ以上の事がある。

 

他の殆どの国々と同様に、ケープヴェルデも、不確実な未来に直面して居る。一体、観光客は戻って来るだろうか?もし来なかったら、来させるにはどうしたら良いのか?彼らは経済にとって重要な要素である。

 

答えは、どの組織がどの使命、即ち「地点間のレジャー便;国民の需要に合わせ提供する;地理的に優位な状況となり得る地点から活動を四囲に広げて行く」、に最適なのかを、より良く理解する事にあるのだろう。

 

政府にとっては、尊敬される民間分野の空港運営企業に担当させる事は役立つかも知れないし、コンセッション契約者を見つけるのも最優先の課題である。

 

然し、最適な候補を見出すのも、さほど容易では無い事が判明するのかも知れない。

 

訳注)*PSO:Public Service Obligations 公共サービス輸送義務制度:離島の生活路線などを守るために行政が支援するEUの制度。エアラインを公募し、援助額を入札させるなどの方法で決定する。

  

Cape Verde Prime Minister outlines priorities for air transport; some realistic, others not so much

Premium Analysis

リバプール空港の拡張マスタープラン、環境保護の見地から見直しへ

14-Feb-2022

 

リバプール空港は、60年前、英国の北西部地域の主要国際ゲートウエイとして、見落とされて以来、その潜在能力を現実には発揮できないで居る。

 

然し、近年になって、(過半の)民間所有の下で、その業界の最大の強打者2社、イージージェットとライアンエアが殆どの供給を担う、低コスト空港としての確かなニッチを上手く確保して居る。

 

ごく最近であるが、パンデミック直前に、同空港の「戦略的ビジョン」と基本計画案が、北西部地域で「選ばれる空港」になると言う、新たなゴールを明らかにした。

 

然し、英国第3の繁忙空港で、6倍も大きな空港が、高速道路で50km以内にあるのに、これは至難の業である。

 

それでも、コロナウイルス・パンデミックは、どこか機会を平等にしてくれる所があるのだから、若しリバプール空港がそれを達成しようとするなら、今こそチャンスである。

 

然し、交通量が増える話とは別に、その様な野望はインフラの支出で裏付けられねばならない、そしてまずは、同市の議会は環境保護の見地からその認識にどの様な影響があるのかを、充分に理解しなくてはならない。だから、同空港の拡張基本計画を環境保護の観点から見直すことは賞賛に値する決断なのである。同市議会が賞賛に値しないかも知れないのは、小規模な株式を売却する事である。

 

この空港の名に冠されて居るジョン・レノンがかつて言った様に「一人で見る夢は唯の夢だ。ともに見る夢は現実である。」  

 

Liverpool Airport’s expansion master plan to be reviewed on environmental grounds

2022年2月13日掲載

Premium Analysis

ベトナムのエアライン、国際線への勢いをつかみ始める

12-Feb-2022

 

政府が海外航空路線、そして旅行者の入国の規制を緩和するに連れ、エアライン各社は、ベトナム発着の航空便を強化し始めて居る。多くの航空便が2022年2月を以て復旧し、ベトナムの観光業界が再開に動く中で、2022年3月末からその率は更に高くなりそうだ。

 

ベトナムは、フィリピン、マレーシアそして豪州など、観光の再開を検討し、これについて最近、大々的に発表した複数のアジア太平洋の市場の一つである。この地域で最も人気の高い目的地の一つであり、観光が国の経済にとっての主要な貢献者であるベトナムにとって、これは特に重要な一歩である。

 

幾つかの主要市場が依然として、強い制限を残して居る中で、ベトナムのエアラインは、アジア内、そしてこの地区外の両方で、可能な所から路線を復旧させ始めて居る。ある例では、この国のエアラインは、変化する市場の動向を利用して、新たな長距離便を飛ばそうとして居る。

 

Vietnam’s airlines start to gain international momentum

新潟、日本の次の民営化空港ー交渉が大詰めに

12-Feb-2022

 

インフラから始まった日本の空港民営化計画は、完全に停止する事は無いが動きを停滞させたコロナウイルス・パンデミック来襲まで、国交省が10年以上前から慎重に進めて居た。

 

現在、新潟県と、2022年11月にそれを進めるか否かの最終的決断をしようと、再びそのスピードを上げようとして居る。

 

このプログラムはこれまでの所、成功して来たと判断されて居り、また新潟はほんの24番目の規模の都市であり、航空交通は供給不足である事から、可能性としては実現する模様だ。

 

もう一つ同じくらい関心を集めるのは、LCCとその乗客を増やし、観光を振興すると言う、国交省の重要な双子の目標が、新潟で実現出来るかどうかである。

 

最初の命題は、可能だろうが、観光客数は民営化によって自動的に流れが増える訳では無いだろう。

 

Niigata - Japan’s next airport for privatisation edges closer to a deal 

Premium Analysis

欧州の航空業界回復つづく、然し制限が依然ばらばら

10-Feb-2022

 

国際線の供給は欧州航空業界の回復にとって鍵となるもので、今、再び、その総供給量の中の占有率を高めようとして居る。これは、大陸の大部分で、COVID-19オミクロン株がピークを過ぎたことに対応して、国際線旅行の制限が幾らか緩和された結果である。

 

2022年1月31日の週、欧州の供給席数は、今や2019年水準の33.6%減となって居る。これは、一週間前に比べ2.7ポイントの改善であるが、供給が30.0%減へと強い上げ潮になったアジア太平洋のお陰で、欧州は地区間ランキングで最下位に戻ってしまった。中東は28.0%減、アフリカは23.8%、ラテンアメリカは16.1%、そして北米は13.3%だった。

 

欧州の供給は、再び2019年水準に向かって回復の軌道に乗って居る。

 

然し、欧州の各国政府は、制限を一律に緩めて居る訳では無い。欧州の大規模な市場のなかでは、スペインと英国が、フランスとドイツに比べ、遥かに大きく緩和して居る。

 

Europe's aviation recovery continues, but restrictions remain uneven

アラスカエア、歴史的な強さに、進化する中で

10-Feb-2022

 

アラスカエア・グループは、2018年のヴァージン・アメリカとの合併の後でさえ、ずっとレーダーの下で飛んで来た。

 

然し、アラスカは、幾つかの、より大きな同業者より低いプロファイルを保ちながら、貸借対照表や営業力を一定水準に維持して来た。そしてエアライン各社がCOVID-19危機のパンデミックの局面から先へと動こうとする中で、アラスカの長期にわたる特性が輝き続けて居る。

 

オミクロン株の波で、米国の業界が期待に比べ鈍い2022年のスタートを切らざるを得なかった後に、アラスカは今年の後半には、その供給をパンデミック前の水準まで伸ばそうと努力して居る。

 

このエアラインはまた、新たな提携関係や、米国西海岸の再覚醒を通じて、路線網の商機を生かす計画だ。

 

Alaska Air plays to historic strengths as it evolves

「空港をリースして自治体債務を削減する」議論が再浮上ー今回はボルティモアで

10-Feb-2022

 

官民連携(P3)とは別に、ある特定のインフラを建設するのに、米国では空港の民営化(リースによる)は、外国からの強い関心にも拘わらず、影を潜めて居た。

 

実際に、僅か一つの成功例、もう一つは数年続いた、そしてもう一つは2012年着工したのに、未だに完成せず、全く離陸出来ないではないかという議論にもなるだろう;それが26年間と言う長きにわたる活動の結果なのだ。

 

一つの魅力として、常にあると言えるのは、地方自治体が空港リースから、今では「資産のリサイクル」として知られる年金債務の一部、或は全てを支払うに充分な稼ぎを得る可能性がある事だ。そして、年金債務は山ほどある。

 

ワシントンポスト紙が、首都圏にある3つの空港の一つ、ボルティモア・ワシントン国際空港が、正にこの目的のためにリースされるかも知れないと報じて居る。

 

これは、パンドラの箱を開けてしまったのだ。

 

The 'airport lease-to-pay-down-municipal-debt' argument surfaces again – this time in Baltimore

Premium Analysis

ホンジュラスのパルメローラ空港、開港;トンコンティンは国内線専用に

10-Feb-2022

 

実現まで長い間かかったが、ホンジュラスのパルメローラ空港が、2021年12月、この中央アメリカの国に新たな玄関口を提供すべく、そして、少なくとも国際線の便が着陸するのに、地球上で最も危険な空港の一つと認識されて居るトンコンティンを避けるための空港として開港した。

 

新たな空港は、首都からかなりの距離があり、旅客は、これまでカージャックや追いはぎに遭遇する危険のあった道路を通って行かねばならないだろう。もし、観光を振興する積りなら、多分、これは最善の方策では無いだろう。

 

一方で、ミュンヘン空港インターナショナル社(MAI)が、コンサルタントとして、及び以前は軍事施設だった空港を改修するコンソーシアムの参加社としての双方からこのプロジェクトに深く関与して居る。MAIは強力な経歴を持ち、如何なるリスクも承知して居るだろう。

 

Honduras’ Palmerola Airport opens; Toncontín now limited to domestic

Premium Analysis

欧州の低コストエアライン保有機群:全てのLCCが等しい訳ではない

08-Feb-2022

 

COVID-19パンデミックがもたらした障害に、欧州のエアライン各社は、それぞれ異なった方法で対応して居る。大まかに言えば、長距離でビジネスクラスの商品を持つエアラインは、近・中距離路線と、よりレジャーに的を絞った路線網を持つエアラインに比べ、より大きな痛手を被って居る。

 

これは欧州の低コストエアラインはフルサービスの伝統的エアラインほどには傷めつけられて居ない事を意味して居た。

 

然し、全てのLCCが同じと言う訳では無く、幾つかは、他に比べ大きな打撃を受けて居る。

 

欧州の4つの主導的な独立系LCCとその保有機群の規模が如何に変化したかに焦点を絞ると、COVIDの為に或はその他の要素か、彼らの資産の違いが浮き彫りになる。

 

ノルウェーエアは、パンデミックの前から縮小モードだったが、一方でイージージェットの保有機群は危機の間に小規模な減少があった後、現在では安定して居る。

 

ライアンエアの拡大はボーイング737MAXの飛行停止によって中断されたが、このアイルランドの超LCCは、737MAXの復活のお陰で、今や、拡大を再開して居る。ウイズエアは殆どパンデミックの事には気が付かない様に、その急速な保有機群の拡大を事実上無傷のまま継続して居る。

 

今年度及び中期的の双方に於いて、ウイズエアとライアンエアはこれらのエアライン4社の中では、最も明確な保有機群の中期的拡大への野心を抱いて居る。

 

Europe low cost airline fleets: not all LCCs are equal

イベリア航空社長サンチェス・プリエト:マドリード・バラハス空港は「置き去りになる」可能性あり

08-Feb-2022

 

スペインは、世界で最も来訪者の多い国として、観光客のバブルの中に存在して居る。然し、その観光旅行の殆どが歴史的に欧州からのものである。

 

コロナウイルスのパンデミック期間中に、幾つかの主要国からの来訪者が干上がり、地域の関係当局に新たな市場を探す様促して居て、これは変わるかも知れない。その市場の一つが、既にイベリア航空と、エアヨーロッパ(IAGが株式公開買い付けの対象として居て、一方そのIAGは既にイベリアの親会社である)によって、かなり潤沢な航空便のあるラテンアメリカである。

 

従って、スペインとラテンアメリカの間には、既に充分な供給があり、もしエアヨーロッパがIAGの傘下に入れば、それが更に拡大する可能性がある。

 

然し、スペインの長距離路線網には、特にアジア太平洋発着で目立った穴がある。これが、イベリアの社長に、この国の深刻な状況のハブ空港マドリード・バラハスは、開発出来る運営者が居ない限り「置き去りになる」だろうと警告させて居るのだ。

 

然し、英国航空、イベリアそしてエアヨーロッパの無敵のトリオをもってしても、急速にそして効果的に穴を埋めるには、やらねばならない事が山と有るだろうし、それを互いの「取り分」を食い合いながら出来るのかどうかが定かではない。

 

Iberia’s president Sanchez-Prieto: Madrid’s Barajas Airport could be “left behind"

Premium Analysis

パレートの法則:シドニー空港の株主たち、売却に80:20で賛成票

07-Feb-2022

 

CAPAは、豪州最大の玄関口であるシドニー・キングズフォード・スミス空港(SYD)を獲得しようとする投資家のコンソーシアムが、2021年中頃に出した提案を、注意深く監視して来た。それが予想した通り、株主たちが、2倍に増額された提案価格に合意し、商談は纏まって居る。後は管理当局が彼らの仕事をすれば良いだけだ。

 

これは誰にとっても、良い取引の様である。キングズフォード・スミス空港は、2019年の1/5の旅客数しか取り扱って居ないことから、株主たちは、現実問題、もっと良い提案を期待することは出来なかった。この投資家たちは、その他のゲートウエイ空港でも十分な存在感を持ち、航空の世界でも尊敬されて居る。

 

今や、疑問は、他の買い手(そして売り手)が、一体いつ、勇気を出して、この空港のM&A活動を、コロナウイルス・パンデミックの襲来以前の状態に向かわせるのかと言うものだ。

 

Pareto rules: Sydney Airport shareholders vote 80:20 in favour of sale

Premium Analysis

「2022年CAPA低コスト空港とターミナル」レポート第3部及び要約

07-Feb-2022

 

2006年と2009年、CAPAは、当時の新たな現象を追う2つの研究レポートを出版した:「低コスト空港」と「低コストターミナル」(LCAT)である。

 

双方とも、欧州のライアンエア、イージージェット、次いでウイズエア、アジア太平洋のエアアジアなど、世界中で起こった格安エアライン便の爆発から、そして彼らが空港にもたらした新たな需要から生まれて来たものだ。

 

これらの空港は、しばしば、かなりのマーケティングの支援、そして時には何年も続く着陸料免除も提供した。幾つかの例では、空港が、飛んでくれるエアラインに対し金を払う事さえあり、新たな雇用の創出や、新しい航空便により空港を所有する地方自治体に、どのくらいの観光客が増えるか予測する大まかな計算で、正当化された。

 

空港経営のメカニズム全体が、混乱のなかに放り出され、急ぎ解決策を見つけねばならないと言って良いだろう。しばしば、不利な差別を受けて居ると感じるネットワークエアラインの反応から見ると、無理もないのだが、それはとても特効薬にはならなかったけれど、解決策のひとつがLCATだった。

 

今や13年が経ち、このレポートは、あの「現象」が、もししたとすれば、どの様に進展したのかを探る、3編の短いレポートの一つで、特に、まさしくLCCに合わせたターミナルを建設した、或は自らをLCC指向の空港であると謳って居る、幾つかの空港について見たものだ。

 

彼らにとって、メリットはあったのか?例えばLCCとフルサービスエアラインの双方が同じ「ハイブリッド」な方向へと攻め寄せる中で、更に順応する事を余儀なくされたのか?

 

この第3部では、西、北そして南アジアの例を、3部構成のレポートの結論とともに、検証する。

 

CAPA Low Cost Airports and Terminals Report, 2022 – Part 3 and Summary

2022年2月6日掲載

Premium Analysis

中国のエアライン、依然、鋭い牙を持つ寅年と対決

04-Feb-2022

 

2022年2月1日に始まった、陰暦の正月は、頑強で基本的に楽天的な動物である虎の性格を前面に押し出して居る。正にそうであることが必要となりつつある。

 

中国のエアラインは、2022年1月下旬、彼らの大きな損失と3年目に継続しようとするパンデミックの制限がもろに影響しつつある中で、とても幸福とは言えない見通しについて、暦年2021年の業績を報告し、そして異口同音にあるひとつのメッセージを繰り返して居る。

 

中国のCOVID対策方針に対して、不確かで変動する国内線市場、国際線の運航はほぼ無に等しく、為替の変動で増幅される、高騰する原油価格からの強い衝撃などがあって、旅客には飛ぶことに気が進まない状況がある。

 

唯一、中国の主導的LCCである春秋航空が何とか黒字を確保して居る。

一方で、基本的に国際線のハブ運航であるキャセイ太平洋は、本土の厳格な検疫隔離方針に足を縛られ、最も寒々とした見通しに直面して居る。

 

China's airlines confront a year of the Tiger still with sharp teeth

西シドニー空港への交通手段を選ぶー鉄道か?

03-Feb-2022

 

50年以上の調査研究の結果、豪州連邦は急速に発展するシドニー首都圏の西部に、新たなもう一つの空港を、資金調達し建設しようとして居る。この空港は、人口の集中する中心部及びビジネス地区(*CBD)から可能な限り離れた、シドニー盆地を取り囲む山がちな地形に踏み込む前の地域にある。

 

豪州では、その様なインフラの大きな部分の責任が分担されて居り、連邦政府は空港自体に責任を持ち、ニューサウスウエールズ州は空港に必要な地上交通手段のインフラに責任を負う、然しこれを承知の上で、連邦はこのプロジェクトにかなりの資金を提供した。

 

州はまた、空港に隣接して、アエロトロポリス(空港都市)を建設し、就業地区を建設する事を公約して居る。

 

このレポートは現在の空港アクセス計画、そしてどの様な改善が可能で、なされるべきかを検証する。

 *CBD : central business district

 

Finding a way to Western Sydney Airport - by rail?

Premium Analysis

ジェットブルー航空、AAとの提携で拡大、司法省からの挑戦をよそに

02-Feb-2022

 

アメリカンとジェットブルーは、既に1年近い同盟に対して、その提携の進化に待ったをかける、米国の司法省(DoJ)からの挑戦を受け容れようとして居ない。

 

逆に、ジェットブルーの、2桁の2022年供給拡大計画の凡そ3/4は、北東同盟(Northeast Alliance :NEA)と銘打った、この提携を支えるために使われる予定だ。ジェットブルーとアメリカンは、北東同盟(NEA)を2021年2月に開始した。

 

ジェットブルーとアメリカンはボストン・ローガン、ニューヨーク・JFK、ニューヨーク・ラガーディア、そしてニューアーク・国際空港に於いてスケジュールを互いに調整して居る。

 

ジェットブルーは既に、そのアメリカンとのタイアップから、かなり強固な収入を記録して居り、この同盟が拡大を続けるに連れ、もし、政府からの反トラスト法への懸念が水際で抑えられれば、両エアラインの収穫はずっと上昇を続けるだろう。ジェットブルーとアメリカンの同盟の皮算用は無傷のままであり、両社は裁判所に対して、司法省の懸念はお門違いであると言う彼らの論理を、認めてくれるよう説得する事が必要なだけだ。

 

JetBlue Airways goes big with AA partnership, despite DoJ challenge

Premium Analysis

欧州の航空業界:供給の回復、再び現れるが、低運賃だとオリアリーが語る

01-Feb-2022

 

2021年10月に発表されたユーロ・コントロールの航空便数の基本的シナリオは、2021年11月には裏付けられた。

 

それから、COVID-19 のオミクロン株が、そしてその結果として旅行制限の増強がやって来た。欧州の航空便数は、2021年11月と12月、そして2022年1月は、ユーロ・コントロールの低い方のシナリオに向かって落ち込んだ。

 

供給席数と航空便数は、正確に互いに相似するものでは無いが(供給席数は明らかにパンデミック前の水準からは更に落ちて居る)、それらは互いに極めて密接に同じ道を辿って上がり下がりする。この数週間のオミクロン株に引きづられた、欧州の供給の停滞の後には、トレンドとしては、ずっと上昇があった。

 

2022年1月31日の週、欧州の供給席数は、2019年水準に対し36.3%の減少である。

これは1週間前より4.2ポイント良くなって(今月、初の改善である)居て、欧州を地区別ランキングの、今や供給が40.2%落ちたアジア太平洋に交代した最下位から離陸させて居る。

 

アフリカの供給は28.7%減、中東が28.4%、ラテンアメリカが17.1%、そして北米が12.9%だった。

  

European aviation: capacity recovery shows itself once more - but cheaper prices says O'Leary

Premium Analysis

新プノンペン空港:敷地面積では世界最大の空港の一つになる

31-Jan-2022

 

何年もの間、3つの民間空港を経営して来た、外国の民間運営会社のサービスを切ることは政府にとっては、珍しい事では無いが、これは前代未聞でもない。

 

そして、それが正に、政府が新たな空港を首都プノンペンに建設し、運営する仕事を、政府の主導する、大規模な不動産投資で知られる民間企業などとの共同事業体の手に委ねて居る、カンボジアで起こった事だ。

 

新たな空港は、パンデミック前に計画されて居たのだが、2025年の開港さえ、その伝統の下に取り扱わねばならず、即ちそれは幾つかの重大な決断をする事を意味するのだ。

 

New Phnom Penh Airport: to be one of the world’s largest by land area

Premium Analysis

「2022年CAPA低コスト空港とターミナル」レポート第2部

31-Jan-2022

 

これは3部構成の「2022年CAPA低コスト空港とターミナル」レポートの第2部である。

 

低コスト空港を提供する事への需要が、まず明白になった英国、そして二つの格安ターミナルが生き残り、繁盛して居る(それは改修されたものだが)フランスを見てみる。2006年と2009年にCAPAは、当時の新しい現象だった「低コスト空港」、或は「低コストターミナル」(LCAT)に関する二つの調査報告を出版した。

 

その二つとも、ライアンエア、イージージェット、そして遅れて欧州のウイズエア、アジア太平洋のエアアジアの様な、世界中で爆発した、格安エアラインのサービスから、そして彼らが空港にもたらした新しい需要から提起されたものだ。

 

これらの空港は、しばしば、可なりのマーケティング支援や、時には、何年にも亘る着陸料の免除を実施して居た。ある例では、空港がエアラインに飛んでくれる事に対して、正にカネを払うべきだと言う要求さえあり、新たな雇用の創出や、新しい航空便により空港を所有する地方自治体に、どのくらい観光客が増えるか予測する大まかな計算で、正当化された。

 

空港経営のメカニズム全体が、混乱のなかに放り出され、急ぎ解決策を見つけねばならなかったと言って良いだろう。しばしば、不当な差別を受けて居ると感じるネットワーク・エアラインの反応から見ると無理もないのだが、それはとても特効薬にはならなかったものの、解決策のひとつがLCATだった。

 

今や13年が経ち、このレポートは、あの「現象」が、もししたとすれば、どの様に進展したのかを探る、3編の短いレポートの一つで、特に、まさしくLCCに合わせたターミナルを建設した、或は自らをLCC指向の空港であると謳って居る、幾つかの空港について見たものだ。

 

彼らにとって、メリットはあったのか?例えばLCCとフルサービスエアラインの双方が同じ「ハイブリッド」な方向へと攻め寄せる中で、更に順応する事を余儀なくされたのだろうか?

 

CAPA Low Cost Airports and Terminals Report, 2022 – Part 2