CAPA分析:NEW HEADLINES  6月ー2020年

6月28日掲載

 

Premium Analysis

 

「前進法」:老朽化する米国の空港インフラへの投資

 

28-Jun-2020

 

ドナルド・トランプが2016年の大統領選の前に、「第3世界」の水準だと評した米国の老朽化する空港インフラに対して、民間或は公的部門かいずれからも、投資を計画する試みが幾つか行われて来た。トランプ氏に対して公平を期す為に言えば、彼は以前、試みたのだが、政治システムに敗れて居る。

 

現在、提案されて居る「前進法」、これは全ての職業を網羅するものだが、その枠組みの中で、もう一つの試みがなされて居る。そして、それには太陽光発電(空港にも適用できる)、航空管制の改善、そして持続可能な航空燃料も含まれて居る。

 

これは与野党(共和党と民主党)を超えた支持がある様で、多分我々が遭遇して居るこの異常な時代が創り出したものだろうが、採択される好機である可能性がかなりある。

 

 

‘Moving Forward Act’: investment in ageing US airport infrastructure

 

Premium Analysis 

 

ルフトハンザの国家支援確定、ライアンエアとウイズエアの競争拡大の中で

 

27-Jun-2020

 

ルフトハンザは、2020年6月25日の株主総会で、ドイツとの交渉で決まった90億ユーロの国家支援パッケージへの株主の承認を得た。同社は承認が疑問視されたのを惧れた際に、もし財政支援が却下された場合は破産法の保護を申請すると脅して居たのだった。

 

ルフトハンザは、これで生き残ることを確かなものとしたかも知れないが、問題は山積しつつある。投票は、ライアンエア・グループがドイツでの供給の攻撃的な復活(2020年6月終わりから2020年7月始めに、供給席数が320%飛躍的に増える)を計画する中で行われた。おまけにウイズエアはドイツに新たな基地を検討するかも知れない。

 

この二つの超LCCグループはまた、ウイーンで、ルフトハンザ・グループのオーストリア航空との競合各社を率いても居る。そこで、ライアンエアはグループ内エアラインを再編し、ライアンエアと同社の子会社マルタエアのため(この会社はグループのドイツでの再開の重要部分をも運航して居る)、ラウダモーションを格下げしようとして居る。

 

破産するとの脅しは、ルフトハンザの株主達が、総会に出席して財政支援を支持することに拍車をかけるのに充分な効果を上げた。にも拘らず、ルフトハンザがその様な声明を出さねばならないと感じた事は、同社が、そして全てのエアラインが直面する異常な問題を物語る、もう一つの証である。

 

Lufthansa state aid secured as Ryanair & Wizz Air competition grows

 

CAPA豪州太平洋航空サミット、8月5日~6日於アデレードはハイブリッドで:対面とオンライン

 

26-Jun-2020

 

世界で最も信頼される航空と旅行業界の市場情報の源泉であるCAPA-航空センターは、CAPA豪州太平洋航空サミットをハイブリッドな催し物として2020年8月5日~6日に豪州アデレードにて開催する事を謹んでお知らせする。これは、COVID-19の来襲以来、この地域で初の航空関連イベントである。

 

このハイブリッドなサミット会議は、アデレード・コンベンションセンターで開催される実際の会議部分と、会場の講演者に加え、世界のあらゆる街角からその土地の高いレベルの講演者に光を当てる新たなバーチャルな部分を含む予定である。出席者はアデレードで実際に会議に参加するか、或はバーチャルに参加する事を選択する事が出来る。

 

最高レベルの、オピニオンリーダーや意思決定者たちを惹きつける比類の無い能力を示して、CAPAはバージン・オーストラリアCEOでMDのポール・スクラー、ツーリズム・オーストラリアのMDフィリパ・ハリスン、そしてオーストラリア商工会議所観光部門会長ジョン・ハートなどが、アデレードで生で講演する他、国際的ゲストとしてスクートCEOのキャンベル・ウイルソン、日本航空副会長藤田直志など、決して見逃せない講演者のラインアップを確定して居り;更に多くの方々が間も無く発表される。

 

CAPA Australia Pacific Aviation Summit 5/6 August, Adelaide to be hybrid: in person/virtual

 

欧州最初のCOVID-19によるエアライン撤退:レベル・ヨーロッパ、サンエクスプレス・ドイツ

 

25-Jun-2020

 

2020年3月5日に英国の域内エアラインであるフライビーが倒産した時、COVID-19が原因の一要素だと証言した。然し、これは英国と欧州全土で都市封鎖と旅行規制が発令される前だった。その週の欧州に於けるエアライン供給席は、依然として前年水準の98.2%であった。

 

4週間後、供給席数は21.6%まで崩落した。2020年4月の殆どと2020年5月は供給席数は2019年水準の10%当たりに浮かんで居て、2020年6月22日の週に、僅かながら20.3%まで回復して居る。

 

その他のエアライン3社が、2020年、フライビーの前に倒産して居る。然し、航空旅行への需要の巨大な崩壊があったのに、その他の欧州エアラインはどこも、2020年6月の後半まで事業を止めなかった事は特筆に値する。その時でさえ、ともに大手親会社グループが所有する、レベル・ヨーロッパとサンエクスプレス・ドイッチュラントの2社だけであった。アイルランドの域内ウエットリース運航会社シティジェットは2020年4月から債権者保護の下に入って居たが、事業を辞めては居ない。

 

危機の真っ只中に於ける欧州エアラインの生存率は、国家の支援と拡大する債務に後押しされた。回復段階での生き残りは、需要と収入の回復の不確実さが、より確かな供給とコストと同じペースであるかどうかにかかって居るだろう。

 

Europe's first COVID-19 airline exits: LEVEL Europe/SunExpress Germany

Premium Analysis 

 

欧州のエアライン供給見通し:様子見

 

24-Jun-2020

 

欧州の登録された2020年夏季スケジュールは、引き続き間引かれた状態であるが、未だに各エアラインの計画や、CAPAの供給プロジェクション・モデルに比べると高い。

 

2020/2021の初冬スケジュールは、2019年水準の90%となって居るが、これは指針にはならない。世界的に2020年11月の予約は、2019年水準の半分以下である。

 

旅客予約の視野は、将来のスケジュールを計画する困難さに加えて、現時点では非常に短いものだ。「80−20」の発着枠ルールの中断が冬季まで継続する事は、何がしか計画に対する柔軟性を与えてくれるだろう。

 

一方、欧州での暫定的な供給の回復は、引き続き上方へ漂って居る。

 

CAPAの客室座席仕様と組み合わせたOAGに依れば、総供給座席数は、2020年6月22日の週で対前年で79.7%落ちるスケジュールになって居る。

 

ラテンアメリカは、アフリカの82.4%減より僅かに大きな82.5%の最大のカットである。供給席数は北米で69.7%、中東で72.0%、アジア太平洋で52.7%落ちて居る。

 

欧州のカットは先週の81.6%より2.0ポイント小さくなって居て、3週連続で下げ幅が縮小する傾向にある。然し、エアライン、そして旅客の双方で「様子見」の状況が依然続きそうである。

 

Europe's airline capacity outlook: wait and see

 

ACI、航空業界の再出発を支えるよう、各国政府の支援を要請

 

24-Jun-2020

 

世界の多くの空港を代表する組織であるACI(国際空港評議会)は、空港に対する各国政府の支援に関するその立場について決定的な声明を発出した。

 

ACIに依れば、COVID-19パンデミックの影響は、2020年で、46億人以上の旅客減少、空港収入は地球規模で総額970億米ドルの減少と言う結果になると見積もられる。

 

ACIの指摘する重要点は意味のあるものだが、各空港は、全ての工業、商業の各分野が、税の減免、そしてある例では払い戻しを求めて作って居る長い列の一部である。殆どの業界が、同じ支援を求めて居て、各国政府にとっては空港を、毎回リストのトップに置く事は非現実的であろう。

 

これとは別に、発着枠の「使わなければ失う」と言う運用規則を緩和する事について、ACIは相変わらずIATAとは相容れないままである。

 

ACI calls for government support to underpin aviation restart

 

Premium Analysis 

COVID-19:カナダのエアライン、制限解除を要請

 

24-Jun-2020

 

カナダのエアラインは、未だにCOVID-19パンデミックを漕ぎ渡る最中にあるが、米国の競合他社の状況に似て、幾らか元気の出る兆候が見えて来た。然し、完全復活は何年も先になるのは変わらない。

 

この国最大の2社、エアカナダとウエストジェットは、2020年夏季スケジュールに便を復活させようとして居る;然しながら、供給は2019年の水準を下回ったままである。エアカナダとウエストジェット、そして、他の旅行業界関係者たちとともに、世界の他の地域が開放されるにつれ、カナダの政府に幾つかの旅行制限を解除するよう要請して居る。

 

カナダのエアラインは政府からの支援が依然闇の中の状態で、便を復活させようとして居る。エアカナダは、健全な貸借対照表とともに危機に突入し、財政支援を求める必要は無いかも知れないと語って居る。民間企業であるウエストジェットもまた、危機に耐えるに充分に強固な弾薬庫を持って居るのかも知れず、この時点では、両社とも、政府が大規模企業の支援のために創設した融資のパッケージを利用する意思を表明して居ない。

 

COVID 19: Canadian airlines urge the lifting of restrictions

 

アイスランド、観光事業のキックスタートに挑む

 

24-Jun-2020

 

アイスランド政府は、2020年6月15日から、到着旅客に対する任意のコロナウイルス検査の提供を開始した。

 

Iceland tries to kick-start its tourist business

 

ウタパオ空港プロジェクト:タイ、BBSの共同事業を認可

 

24-Jun-2020

 

タイのウタパオ空港を運営するコンソーシアムに対して、永らく待たされた認可が与えられた。

 

タイの内閣はこのプロジェクトの下で、BBS共同事業を「空港都市」を含む官民連携(ppp)として選任する事、及び民間の提携先との覚書締結に踏み込むため、東部経済回廊(EEC)タイ事務所への権限を委任する事を承認した。これは、タイの3つの小規模な空港で経験のあるバンコク航空が主導し、東京成田空港が参加する可能性も示唆されて居る。

 

BBS共同事業は、バンコク航空、BTSグループ・ホールディングズ、そしてサイノ・タイ・エンジニアリング&コンストラクションCo.が構成して居る。

 

パタヤとその周辺のタイの主導的ビーチリゾート地域に近い、ウタパオ空港は、また現在のスバンナブミおよびドンムアン空港を補完する、バンコクの第3空港になることも期待されて居る。

 

U-Tapao airport project: Thailand approves BBS Joint Venture

Premium Analysis 

 

COVID-19:LATAM航空グループ、リストラに果敢に挑む

 

23-Jun-2020

 

LATAM航空グループは、ラテンアメリカの多くの地域で、拡大を続けるCOVID-19パンデミックが拍車をかける、厳しい需要の下落に耐える為に、チャプター11破産保護の下で、正式にリストラするために大がかりな動きをしようとして居る。

 

同社はブラジルのライバルであるアズールと、両社に国内線での存在感を拡大し、最終的には需要が回復し始めた時には収入を増強する好機を与えるコードシェアリング契約で提携して居る。これはどちらかと言うと驚きの動きであるが、COVID-19蔓延が巻き起こした危機は、世界中のエアラインに、生き残る為には前例のない事でもする事を余儀なくさせて居る。

 

多分、驚くまでもなく、LATAMは、2020年9月まで実質的に休止して居るアルゼンチン国内線市場から撤退する事にして居る。アルゼンチンのエアラインの見通しは、引き続き暗いもので、政府所有のアルゼンチン航空が最後まで生き残るエアラインになる可能性がある。

 

COVID 19: LATAM Airlines Group makes bold moves in restructuring

 

イスタンブール空港の「安全な旅行」が描き出す空港の課題

 

22-Jun-2020

 

イスタンブール空港は、この世界最大(最終的に)、そして最新の空港の一つが、旅客の安全のために可能な限りの準備をしたと、自分たちの空港を通過する旅客に納得させようと「安全な旅のために、全て準備OK」と言う、分かり易い内容の3分半のビデオを発表した。

 

幾つかの空港は自らの対策を宣伝する事で他をリードしようと試みて居るが、その筆頭が、2018年10月に開港した、新イスタンブール空港(IST)である。ISTの対策は、控えめに言っても広範にわたるものだ。

 

今回の記事はこれらの対策を詳細にチェックする、少々皮肉っぽいレポートである。

 

同時にアイスランドが、主たる観光シーズンが迫る中で、危機的な観光業界を再びキックスタートさせようと摸索して居る。観光業界は、アイスランド経済の主力であり、アイスランドは9月末までの最盛期が早くもやって来ようとする中で、また、勢いを取り戻そうと必死である。

 

アイスランドが国境を再開し始める中で、アイスランドエアの営業担当取締役は、同社がレイキャビク/ケフラヴィク空港とバイオセキュリティ対策の始動を交渉中である。

 

Istanbul Airport's ‘Safe Travel’ illustrates airport challenges

 

欧州のエアライン供給回復。欧州域内国際線が鍵

 

22-Jun-2020

 

非常に慎重な欧州エアラインの供給の回復は、まだ非常に低い水準ではあるが、続いて居る。

 

CAPAの保有機群データベース客室座席仕様と組み合わせたOAGスケジュールに依れば、2020年6月15日の週に、欧州の供給席数は対前年81.6%減少したが、これは前週の84.7%減少より、2.0ポイント下げ幅が小さい。(訳注:3.1ポイントの誤りか) 

 

欧州は、再び、ラテンアメリカの82.7%減少に次いで、2番目に大きな供給カットだった。供給席数はアフリカで76.6%、北米で71.7%、中東で71.0%、アジア太平洋で49.5%落ちて居る。

 

これは、現時点の姿を表して居る;欧州航空業界にとって、より重要なのはこれからの見通しである。エアラインが、夏の残りの期間に登録したスケジュールは、定期的に間引かれて居るが、依然として有り得べき現実からは誇張されて居て、この問題からCAPAは自ら供給の予測モデルを開発した。

 

最初の、国内線が主導する回復の局面で、アジア太平洋や北米に比べ、欧州の不利な点は、国内線の規模が小さい事だ。この理由から、欧州にとって、この大陸での供給席数の総和の半数を占める、欧州域内国際線市場へのアクセスを、調整して容易にすることが極めて重要である。

 

Europe's airline capacity recovery. Intra-Europe international is key

 

COVID-19:需要が上昇、米国エアラインは依然としてキャッシュを溜め込む

 

22-Jun-2020

 

米国のエアラインは、忙しい夏季旅行シーズンに、鬱積した需要が具体化しつつあり、かすかな希望の光が見えるが、完全な回復がやって来ると見做すべきではないと考えて居る。

 

幾つかの前向きな傾向にも関わらず、殆どの米国のエアラインの2020年第2四半期の収入は、対前年で急激に落ちる事が予測されて居り、需要を刺激するために市場には、低運賃が注入され続けることから、圧力を受け続けるだろう。

 

2020年7月以降の需要についての視界は悪く、そしてこの国のエアラインは、キャッシュの焼失を避け、流動性を構築するためのそれぞれの努力を続けて居るところだ。ユナイテッドは、融資を確保するために、常顧客プログラムを使う最初の米国エアラインとなって居るが、アメリカンは米国政府からの融資を確保しようとする中でこれに倣う事になりそうだ。

 

COVID-19: demand grows, but US carriers still stockpiling cash

 

シンガポール/チャンギ空港ターミナル5:政府の再検証は不吉

 

22-Jun-2020

 

世界最大級の空港の多くは、パンデミックが彼らの長期インフラ計画に如何に影響を与えるかを語ることに消極的であるが、シンガポール/チャンギ空港は、その巨大なターミナル5プロジェクトの見直しがなされて居る事を認め、どちらかと言うと積極的である。第5ターミナルは、2030年代に完成予定で、第1段階で年間5,000万人の旅客を収容できる計画である。

 

シンガポールの交通大臣カウ・ブーン・ワンの最近の声明は、業界にとっては不吉である:政府はシンガポール/チャンギ空港の第5ターミナル建設を、COVID-19の影響評価の間、少なくとも2年間延期する。

 

嘗てチャンギは文句無く、東半球の南部分のハブであったがその「フルサービス」の路線網の力は、部分的だがこの地域の他のハブに浸食され、多分、ドバイ国際空港の台頭で、また程度は小さいがその他の中東の空港によって、それがいつの間にか更に傷つけられて来た。

 

チャンギのターミナル5プロジェクトが削られたり、ましてやキャンセルされると言う話は無いが、この種の延期はその可能性を示唆して居るのかも知れない。

 

Singapore Changi Airport’s Terminal 5: government review is ominous

Premium Analysis 

 

航空貨物収入、2020年に増加、エアラインの総収入は半減する中で

 

21-Jun-2020

 

IATAによれば、2020年4月、貨物のトンキロで測った航空貨物の物量は、対前年で27.7%下落した。これでマイナス成長の期間を連続18カ月に延長した事になる。

 

貨物の物量が、これまでは世界の交易が弱まり、経済成長が鈍化するのを反映して居たのに対し、2020年4月の数字はCOVID-19の影響の悪化を示して居る。

 

にも拘らず、貨物の輸送量は強力に旅客の輸送量を上回って居る。IATAは貨物の収入が2020年には拡大する(8%、旅客収入の61%下落に対して)と予測して居る。

 

エアラインの収入実績動向の見通しは、現在のところ、2020年第2四半期の業績報告まで未確定である。毎月の業績を発表して居る、台湾の2つの大手運航会社のデータによれば、幾つかこれに加える参考事項がある。

 

中華航空の貨物収入は、2020年5月、153%上昇して居り、EVAエアは161%上昇である。収入の拡大の殆どが、実収単価の強さに牽引されたものだ。これらの実績は、必ずしも、全てのエアラインに当てはまる訳でではないが、この危機の真っ只中にあって貨物の強さを描き出して居る。

 

然し、航空貨物が事業の旅客側に比べ強固である事が証明されたとは言え、世界のエアライン業界にとって、2020年の記録的な損失を回避するにはとても充分とは言えないだろう。

 

Air cargo revenue to grow in 2020, as total airline revenue halves

6月21日掲載

Premium Analysis 

関西エアポート㈱:台風とウイルスの嵐を乗り切る

 

20-Jun-2020

 

関西エアポート株式会社は、日本での民営化の一番手の一つであり、2015年に2つの大阪の空港を、次いで2016年に神戸空港を引き継いだ、日本とフランスの会社のコンソーシアムである。このコンソーシアムは、2020年の最初の3カ月を含む、2019年度の決算報告書を発表して居る。

 

同社は、特に大阪・関西空港では2018年に台風で大きな被害を受けて居り、それに続き、2020年3月からCOVID-19パンデミックによる大規模フライトキャンセルに見舞われて居る。

 

関西空港の財務報告書は、台風の影響、そしてパンデミックの期間をカバーして居るため、これらの外部要因からの影響の大きさを物語り、洞察に満ちて居る。

 

Kansai Airports: riding the storm of a typhoon and a virus

 

財政支援、キャセイ太平洋を生き残らせる、然し今はリストラが必須

 

20-Jun-2020

 

キャセイ太平洋航空は、生き残るために必要として居る、政府主導の大規模な財政支援パッケージを確保して、短期の息継ぎの猶予を手に入れて居る。今は、同社がコロナウイルス後の業界の環境の中で、競争して行けるように会社を再構築する事で、その焦点を長期へと転じねばならない。

 

財政援助パッケージは、最大390億香港ドル(50億米ドル)に達するもので、大半は香港政府から来るものである。この財政援助は、民間企業に対する、政府の初の直接投資と考えられる物を含んで居る。この事は、香港の経済にとってキャセイの重要性を強調して居り、パッケージの規模の大きさがエアラインの陥っている危機の重みを物語って居る。

 

繰り返すが、COVID-19危機が収束する時、政府が彼らのエアラインを救う為に、介入をしたいと言う意欲が、アジア太平洋のどのエアラインが最適な形で立ち上がるかを決定する、最大の要素の一つである。彼らにも、新たな市場の現実に自らを確実に順応出来る様にするために、未だ努力せねばならないが、キャセイ太平洋や、シンガポール航空の様なエアラインは、この点で有利な立場にあるだろう。

 

Bailout keeps Cathay Pacific alive, but restructure now essential

Premium Analysis  

スキポール空港、近距離路線のハイパーループへの代替を計画

 

20-Jun-2020

 

チューブの中を走る「ハイパーループ」高速鉄道の概念は、実験モデルまででさえ、その進捗が遅々として居るが、もう10年も前から考えられて来た。ハイパーループとは、その中を、旅客や貨物を乗せた、さや状のもの(pod)が、実質的に空気抵抗や摩擦を受けずに進む事ができる、気圧を低くし、封印されたチューブ、或はチューブのシステムである。

 

多くの候補地の一つが、開発企業が、長距離路線に発着枠を明け渡しつつ、環境への負荷(environmental footprint)を減少させるために、アムステルダム・スキポール空港と隣接各国の空港とを繋ぎたいと望んで居るオランダである。

 

これは非常に野心的な、そして長期にわたるプロジェクトであるが、近距離航空便に対するスキポールの取り組みに適した計画である。

 

Schiphol Airport plans to substitute Hyperloop for short haul routes

Premium Analysis 

COVID-19:アレージアントエア、予約が向上してキャッシュ焼失改善

 

20-Jun-2020

 

米国市場の需要は依然として、歴史的な低さに留まって居るが、今や、通常なら忙しい夏の旅行シーズンがやって来て、人気のラスベガスやオーランドなどのレジャー目的地は、観光客に向けて開放されつつあり、この国のエアラインの殆どが、底辺から立ち上がる、ある種の動きを見出だして居る。

 

米国の超低コスト運航会社であるアレージアントエアは、2020年6月上旬には、同社の本来の計画の70%近くを運航したのだが、大規模なレジャー目的地の部分的な再開を前に、早くも前向きな傾向を見始めて居る。同社は、全体として米国国民の可なりのパーセンテージが旅行をしたがって居ると考えて居る。

 

然し、アレージアントはまた、当然ながら、何週間かの検疫隔離の後、米国がゆっくりと開放される中を漕ぎ渡って行く為に、慎重な取り組みをしようとして居る。需要は底辺から立ち上がろうとして居るが、完全な立ち上がりを予測するのは依然として難しい。

 

結果として、アレージアントは保有機群の規模を適正化し、日々のキャッシュ焼失を減らすことに努めて居る。

 

COVID 19: Allegiant Air – cash burn improves as bookings improve

Premium Analysis  

COVID-19と航空業界:チリの感染者数増加が更なる不確実性を拡大

 

19-Jun-2020

 

ブラジルを筆頭に、ラテンアメリカはCOVID-19蔓延のホットスポットになって居る。ブラジルの後に続くのは、感染者数の上昇を見続けて居るペルーとチリであり、この地域で、この曲線がいつになったら平らになるのか予測できない。

 

パンデミックの前には、チリは堅固な国内線旅客の拡大を記録し、低コストと超低コストエアラインが確立され、長期に亘り支配して来たリーダーであるLATAM航空グループに挑戦して居ることから、市場は恩恵を受けて居た。

 

COVID-19危機は、LATAMがチャプター11を申請する結果となって居り、チリの政府がこの国のエアラインに財政援助を拡大するか否か、まだ極めて不確かである。

 

この地域の多くの国と同様に、チリは、大規模に縮小した需要に合わせ、その事業規模の適正化に努める中で、この国のエアラインにとって逆風になりかねない大規模な経済問題に直面して居る。

 

COVID-19 and aviation: Chile’s climbing cases add more uncertainty

 

欧州のエアライン供給上昇、だが、スケジュールの見通しは非現実

 

19-Jun-2020

 

CAPA保有機群データベースの客室座席仕様と組み合わせたOAGスケジュールに依れば、2020年6月8日の週、欧州の供給席数は、対前年で84.7%落ちて居るが、これは前週の86.3%下落より1.5ポイント下落幅が小さい。

 

欧州は現在、対前年供給減少幅ではラテンアメリカの85.3%減に次いで第2位です。供給席は、アフリカで81.0%、北米で73.0%、中東で72.7%、そしてアジア太平洋で51.4%落ちて居る。

 

COVID-19パンデミックの第2波が無ければ、欧州は供給減少の最悪の時期を乗り越えた様に見える。にも拘らず、供給は依然としてとても低い水準にある。それ以上に、残りの2020年夏季のスケジュールデータは依然として非現実的な高い水準の供給席数を示して居る。例えば2020年7月6日の週の、OAG/CAPAデータは、2019年水準の89%の供給席数を示して居る。欧州の主要エアライングループの発表した運航計画で、2020年第3四半期は、前年の20%(エアラフランス-KLM)から60%(ウイズエア)の間であるのに比べると、これは作り話である。

 

Europe's airline capacity climbs, but the schedules outlook is fiction

 

CAPA:ニュージーランドのエアライン供給、2020年末までに80%回復

 

17-Jun-2020

 

新たなCAPAの見通しによれば、COVID-19危機前には、世界30位の国内航空市場だったニュージーランドは、2020年末までに同国の以前の供給水準の80%弱まで回復すると予想される。

 

今月、国家的な規制が緩和されて(警戒レベル1の下で)、国内線の供給席数は2019年水準の40%近くに達し、次いで、10月上旬までに、順次2019年水準のほぼ60%まで上昇すると予想される。

 

この予測は、OAGの技術を使って可能となる各国の国内、国際線供給席数の見通しの内訳を、同時に2019年実績に基づく各都市と路線の組み合せを示す、CAPAの「ニュージーランド航空供給モデル」に納められて居る。

 

政府の声明、エアライン路線網の発表、そして供給予想と組み合わせて、このモデルは堅固で繊細な将来の航空供給席の予測を提供する。

 

CAPA: 80% recovery in domestic New Zealand airline capacity by end-2020

 

オーストリア航空財政支援、税金と最低運賃で守られて

 

16-Jun-2020

 

オーストリア政府は、40ユーロの最低航空運賃を設定し、同時に近/中距離便に於いて旅客税を引き上げることを計画して居る。この2つの対策は、国家支援の正に最新の受益者になったばかりのオーストリア航空の低コスト競合社たちを、不公平な形で叩くことになるだろう。

 

ウイーンでのオーストリア航空、そして親会社ルフトハンザグループへのLCC競合の拡大は、COVID-19危機の前から勢いを増して来て居たが、この脅威はまだ強まりそうだ。

 

ライアンエア子会社のラウダとウイズエアは、急速に拡大して居り、2019年にこの空港でのルフトハンザグループ以外で最大のエアラインになって居る。ウイズエアとライアンエアグループはまた、危機後の回復の好機をつかむ事に於いては、今や最も目立つ欧州エアラインの仲間入りをして居る。

 

新税と40ユーロの最低運賃計画の組み合わせは、LCC各社(特にライアンエアグループとウイズエア)にオーストリアでは、航空券の価格を上げるか、赤字で飛ばす事を強いるよう計算されて居る様に見える。これは充分、法的な問題になり得るだろう。

 

環境問題対策の様に見せては居るものの、オーストリア政府の計画は、保護主義の様に見える。

 

Austrian Airlines bailout protected by taxes and fare floor

Premium Analysis  

アマゾンエア:A200機材の保有機群を計画か?

 

15-Jun-2020

 

アマゾンエアは、このeコマースの巨人のビジネスで、最終的な特定の構成要素について、とりわけ堅固な防備を固めるUPSとFedexにどの程度挑戦する積りなのか、ずっとある種の謎を生み出して来た。

 

COVID-19パンデミックの間中、オンライン小売りの爆発は、アマゾンにとって恩恵であったし、これから見通せる将来に亘って、可なりの縮小傾向にある、殆どの商業事業者と違って、アマゾンエアはその保有機群と空港での従業員を拡大しようとして居る。

 

アマゾンエアの最終的な戦略について、ひとつの大きな疑問は、同社は、現行の航空事業の殆どを外注する事から変更して、その代わり、この機能を内製化しようとするのか、と言うものだ。それは同社がこれまでにも事業の他の局面で使った事のある戦略であり、そしてアマゾンは既に小規模ながら、航空ロジスティックスの一部を内製化して居る。

 

然し、当面は、アマゾンはパイロットや自社の貨物機の運航については外部に委託を継続する事でよしとするようである。

 

Amazon Air: A 200-aircraft fleet planned?

Premium Analysis  

COVID-19、如何に欧州の単一航空市場を解体したか

 

15-Jun-2020

 

欧州連合の最大の成果の一つは、何年間もの複数局面に分けられ、1990年代に全面的に始動した、単一航空市場である。

 

それが、第2次世界大戦以降の航空界を支配した、複雑な二国間協定のシステムを排除し、単一航空市場の中では、エアラインの市場へのアクセス、そして所有/統治の制限を取り除く。これが、インターネットの進展とともに、欧州の低コスト航空業界の発展を刺激する重要な要素となって居る。

 

この結果は、乗り継ぎ可能性と消費者の選択肢の巨大な拡大で、その結果として地域経済に齎される恩恵、雇用と国をまたいだ人々の交流である。

 

世界中の他の国々のグループはどこも、この様に自由化された航空市場を持って居ない。

 

然し、それが、COVID-19による旅行制限が加盟国間で一方的に課された、2020年3月の2週間で、解体されてしまった。今や、回復の局面を迎え、旅行制限は緩和され、そしてエアラインへの国家の支援もまた、概して少しずつ進んで居る。

 

危機にあって、単一航空市場は予期しないほど脆いものだと分かってしまった。これの再構築は、今始まるかも知れないが、始めの兆候としては余り元気の出るものではない。

 

How COVID-19 dismantled Europe's single aviation market

6月15日掲載

 

港から上海へ12時間の空の旅。業務渡航のオデュッセイア

 

12-Jun-2020

 

これからするのは、香港のあるビジネスマンの上海への業務渡航の極めて詳細なお話である。

 

それは、中国政府が、新たな感染を持ち込むのを防ごうと、如何に入念に注意を払ったかを、詳細に物語って居る。

 

それはジョニー・トールセンの、「カリフォルニアからデンマークへ、36時間の空の旅:ジョニーの冒険旅行」に詳しく描かれた、フランクフルトに到着後、ドイツを進む気軽な旅とは大きく異なる体験である。

 

中国、そして殆どのアジア太平洋の国々は、都市封鎖の規制を緩和し、外国人の入国さえ許すなかで、感染の第2波を体験して居る。彼らはそれ以来、開放するために、遥かに多くの慎重な取り組みを行い、この例の様に、旅行が特別に業務のためとして認められた物である場合でさえ、多くは未だに厳格な検疫隔離を義務付けて居る。

 

然し、欧州各国は、しばしば彼らの旅行の出発地が何処で有ろうとも、特にEU市民を例外とする、それぞれ異なった条項を設けて居る。

 

Hong Kong to Shanghai in 12 hours - by air. A business travel odyssey

 

カリフォルニアからデンマークへ36時間、空路にて:ジョニーのオデュッセイア

 

11-Jun-2020

 

ジョニー・トールセンは、旅慣れた人であるが、最近、彼の故郷デンマークへ、母親を80歳の誕生日に訪ねる旅は、「かつてはこうだった」旅とは全く異なった体験であることを実証してしまった。

 

COVID-19の時代に、長距離を旅するのは、たくさんの潜在的な障害物をはらむ事を露呈させた。

 

ジョニーの話は、彼の直面した種々の障害を描いて居るが、同時に、重要なのは、特に旅客が健康衛生面の必要要件を充たすよう設けられた対策を巡って、多くの問題点を提起して居る。

 

旅行全体を通じて、標準化を達成する事は、極めて難しい事である。大量の異質な、国の権威が、種々の、そしてしばしば相反する規則を義務付け、行程に沿って、無数の係員が規則をそれぞれ独自の解釈をしながら、旅行者を安心させる過程を、切れ目なく作り上げようと言うのは極めて複雑な作業である。

 

然し、旅行者たちが安心して、大挙して戻って来てほしいなら、明らかな改善の余地がある。

 

California to Denmark in 36 hours – by air: Johnny’s travel odyssey

 

CAPA「エアライン供給予測モデル」を始動、OAGの支援で

 

11-Jun-2020

 

シドニー発(2020年6月11日)、世界で最も信頼される、航空と観光業界のための市場情報の源泉である、CAPA-航空センターは、主要市場に於ける、エアラインの供給の想定を、構築し翻訳するように設計された、一連の相互作用方式のデータモデルを、運用開始した。

 

「CAPAエアライン供給予測モデル」はOAGの支援のもと、各国の国内線と国際線の供給席数見通しを、と同時に2019年の実績に基づく、各都市と路線組み合わせで効果的な内訳を提供する。

 

政府の声明とエアラインの路線網の発表、そして供給見通しと現行の多くのデータとモデルが、堅牢で精細な将来の航空供給見通しのガイドを提供する。

 

CAPA launches Airline Capacity Forecast Model, supported by OAG

 

 

CAPA:豪州国内線供給、2020年末までに74%回復-最新版

 

11-Jun-2020

 

政府の声明とエアラインの予測を組み合わせに基づいて、CAPAのエアライン供給モデルは、豪州に於ける、2020年残余の期間の国内線供給席数の段階的な回復を予測して居る。CAPAは、10月の学校の休み期間までには、国内線供給は2019年水準の55%、そして2020年12月中旬までには74%に達すると見て居る。

 

スコット・モリソン首相は5月に、コロナウイルス規制緩和の、連邦政府の3段階計画に基づく、国内旅行の復活を予告した。この計画は、国内の経済を復活させ、各州への旅行を再構築する時間を与える様に企画されたものである。

 

世界で最も信頼される、航空と観光業界のための市場情報の源泉である、CAPA-航空センターは、航空と観光業界に堅牢で精細な将来の航空供給見通しのガイドを提供すべく開発された「エアライン供給モデル」の誕生を発表できることを嬉しく思う。

 

CAPA: 74% recovery in domestic Australia capacity by end-2020 - UPDATE

 

 Premium Analysis 

多くの大規模空港、COVID-19にも拘らず資本支出を遅らせず

 

09-Jun-2020

 

資本支出は通常、どの様な繁華街に於いても最初の犠牲者になるものだ。現在の環境下に於いては、インフラ計画は修正されるか、或は全てキャンセルされる事さえも予想される。

 

現在起こって居る幾つかの例では、然し、世界の旅客数に於けるトップ50空港の中では、今のところ、殆どはそのような動きに関わって居らず、或は、少なくとも話に出て来て居ない。

 

ただ、過去に於ける、セキュリティと環境への投資では、疑いなくターミナル内の健康関連の出費への必要が出て来るだろうし、それを賄うために、大規模な長期プロジェクトは延期を、或は全面取り消しを余儀なくされるかも知れない。そのような出費のコストは幾らくらいなのかは、今までのところ、誰も分からないが、もし空港内で旅客と従業員のスペースを半分にしなくてはならないとすると、それは可なりの金額になる可能性がある。

 

一方で、幾つかの運航会社は、逆に積極的に将来を計画して居る。今、確かに分かって居る事のは、これらトップ空港の資本支出の実際の程度は可なりのものになると言うことだ。

 

Many major airports not delaying capex despite COVID-19

 

航空旅客の信頼を再構築するには=運賃はさほどでは無い

 

09-Jun-2020

 

過去数週間のエアラインからのニュースは、急ぎ路線網の乗継ぎ可能性を再構築しようとする総意を示して居る。コロナウイルスパンデミックが通り過ぎるのを、数カ月じっと注視して居た後には、飛行を開始する地上待機の航空機のターボファンからの唸り声がどんどん大きくなるのに出くわすことになる。

 

然し、まだ需要については大きな疑問が残る。顧客の間にはどのくらい、感染への恐怖心が残って居て、彼らを旅行に引き戻すにはどうしたら良いのだろう?そしてまた、世界的景気後退が間違いなくやって来ると言われ、広く拡大した失業が長びきそうであることで、喜んで飛ぶ意思のある人々でさえ、財政的に縛られてしまう。

 

最初に示唆された、回復までには数カ月はかかるだろうと言う前提は、今や、可なり近視眼的であった。それは数年間だろう。2023年は多くの人々の考えるところだが、今では、最悪のシナリオで、2025年以降とさえ言われる様になって居る。

 

異口同音に一致するところは、旅行需要が、景気後退とコロナウイルスパンデミックの複合効果から回復するには、何年も掛るだろうと言う事です。多くの業務渡航の旅行者(そしてレジャーの旅行者でさえも)空の旅には二度と戻って来ないかも知れない。また、どの規模の需要が科学技術の採用と旅行行動様式の変化によって失われるのだろうか?答えは未だに、1カ月前と変わらない:誰も本当のところは分からないのである。

 

Rebuilding air traveller confidence – not so much about price

 

欧州のエアライン供給:ライアンエアのフライングの後に、本当の上昇を開始

 

08-Jun-2020

 

CAPA保有機群データベースの客室座席仕様と組み合わせたOAGに依れば、2020年6月1日からの週に、欧州の供給席数は前週から31.8%落ちた。

 

前年同期比の減少(より意味のある尺度)は前週の79.1%の下降より7.2ポイント大きい、86.3%であった。更には、これで-78%から-90%の範囲で減少を見せたのは10週連続である。

 

欧州は前週より供給の減った唯一の地区であり、2週間前に最下層から這い上がって以来、最大の対前年減少を示す地区に返り咲いた。 

 

ラテンアメリカの供給は、83.5%減で、一方アフリカでの供給席数は81.2%下落し、北米では75.5%、中東では74.2%、そしてアジア太平洋では48.8%(一年前の水準より半分以上へと回復した最初の地区)であった。

 

4月中旬から5月末の間にOAGに登録されたライアンエアの供給席数フライングに対する調整が行われ、この週が、欧州の上昇(未だ慎重だが)の本当のスタートの様だ。

 

Europe's airline capacity: true climb starts after Ryanair false start

 

欧州エアラインのキャッシュ:新たな与信と国の支援が後押しも

 

07-Jun-2020

 

2019年の収入に対する比率で表した、至近の財務報告によれば、貸借対照表上の現金及び現金同等物に基づくと、ウイズエアとライアンエアがランキングを主導し、ノルウェーエアが追随して居る。

 

このレポートは、欧州主要エアライングループの流動性残高に関するCAPAの分析をアップデートする物である。

 

未使用の与信枠、国からの支援、及びその他の利用可能な流動性をも含めれば、ウイズエアが未だ首位にある。然し、その他の源資を入れると、フィンエア、イージージェット、そしてエアフランス-KLMがライアンエアより上である(後者は、自から欲すれば、更なる与信枠を拡大する余裕を持って居るけれども)。ノルウェーエアは依然としてランキングの最下位のままである。

 

極めて重要なエアラインの流動性の源泉の一つは、前受収益である。COVID-19の危機の間中、記帳できる実質的な収入が殆ど無い状態で、エアラインはキャンセル便に事前に支払われたキャッシュの払い戻しを、当然ながら嫌がって来た。然し、便のスケジュールがまばらで、更に不確かな現状で、払い戻しが受け取れるのか疑わしくなると、将来の予約をも減らしかねない。

 

European airline cash: new credit and state aid boosts some

 

 Premium Analysis 

アジア太平洋諸国、国境を越えた旅行の地固めへ

 

07-Jun-2020

 

多くのアジア太平洋の市場で、国内旅行の再開が進むのに伴い、今や、この地区内の国際線の繋がりを再開する事へと注意が移りつつある。

 

これは、更により複雑な仕事であり、幾つかの政府はCOVID-19後の世界の国際線旅行の枠組みを立ち上げる方向へ、暫定的な歩を進めようとして居る。

 

コロナウイルスのパンデミックが始まった途端に、アジア太平洋地区全体で航空旅行は、実質的には、地上で急停止してしまった。殆どの外国人旅行者が、国境封鎖や14日間の検疫義務で足止めされ行く手を阻まれ、僅かに残された国際線航空便は、貨物か緊急帰郷に絞られた。殆どのエアラインは、その国際路線網を直ちに切って、限られた便数を一握りの路線に飛ばして居るだけだ。

 

然し、この地区の多くの国が、COVID-19の封じ込めに良い進展を見せたことから、経済の回復に拍車をかけるのを助けるために、定期便エアラインの運航再開を促して居る。伝統的な経験知から言って、殆どの市場では国内線がまず再開し、次いで近距離国際線、そして最後に長距離路線の国際線である。

 

アジア太平洋の幾つかの政府の間では、必要不可欠な旅行を許可すべく、国境と検疫規制を緩和する議論が始まって居る。これらは、手続きと安全保護が厳しく監視できるように、始めは二国間での取り扱いとなるだろう。

 

然し、早期の取引は、COVID-19の封じ込めに、同じ様な手段を講じた国々の間で、多国間の合意に発展しそうである。より長期的な見地からは、これらが、必要不可欠でない旅行を含めた、より広い合意に途を開く事が期待されて居る。

 

Asia-Pacific countries lay groundwork for cross-border travel

 

COVID-19:フロンティア航空、ピーク季の需要刺激に挑む

 

07-Jun-2020

 

米国の超LCCフロンティア航空は、他の殆どの運航会社に比べ、かなり短期間のうちにCOVID-19危機から立ち直る事が出来るだろうと、比較的に前向きな見方を続けて来た。より大規模な米国のエアラインが、彼らは事業規模をかなり縮小すると警告して居る中で、フロンティアはその様な事を言って居ない。

 

実際問題、同エアラインは米国の旅行最盛期の間、強い夏の旅行需要の上昇があるとして、自社路線網に18路線を追加しようとして居る。明らかに、それは未だに低い足許に留まり、そして殆どの米国エアラインが需要は2020年4月に底を打ったと結論して居てさえ、この夏場の回復が、需要の底辺から2019年水準まで戻るまでには、少なくとも3年はかかると言う大勢のコンセンサスを変える事にはならない。

 

フロンティアが追加するのは、殆どがフロリダの太陽市場(sun markets)へのもので、より大規模なエアラインが便を完全にカットしたり或は、存在感を大きく減退させた路線である。

 

多分、フロンティアは休みを知らぬ旅客を低運賃で呼び込むことに勝機を見出して居るのだろう。然し、競合他社もまた、同じ路線に、幾らかの便を足し戻そうとして居る様で、興味深い価格設定の環境を生み出しそうである。

 

COVID-19: Frontier Airlines attempts to stimulate high season demand

6月7日掲載

 

COVID-19:ラテンアメリカのエアライン倒産、政府支援の欠如を反映

 

06-Jun-2020

 

正にIATAが、ラテンアメリカのエアラインは、世界中で最低水準の政府援助しか受けて居ないと判断した時に、過去数週間のうちに、この地区の2つの主要エアラインであるアビアンカとLATAM航空グループが会社更生法手続きに入ったのは、決して偶然ではない。

 

IATAやその他の組織は、ラテンアメリカの運航会社は、ある種の政府の支援なしでは、危険な状態であるとずっと警鐘を鳴らして来たが、今やこれら警鐘が現実のものとなってしまった。

 

アビアンカと違ってLATAMは、COVID-19危機以前、そしてチャプター11申請前は、より良好な財政状態で、同エアラインへの融資の延伸をしつつあった株主たちは協力的である様に見えた。

 

LATAMは消え去るブランドでは無いが、その破産申請は、エアラインが如何にパンデミックに虚を突かれたかを物語って居る。そしてこれがこの地区に於いて、より多くの政府支援実現へのウェイクアップコールになるかも知れない。

 

COVID 19: Latin airline bankruptcies reflect lack of government aid

 

 

 Premium Analysis  

ルフトハンザ:欧州で最初の、部分的に再国有化された大手エアラインとなる

 

05-Jun-2020

 

COVID-19は、欧州各国のエアラインに、劇的な国家支援の急増をもたらして居る。ルフトハンザの民営化から20年以上も経って、ドイツからルフトハンザに用意されたパッケージは、国が20%の株式を保有し、監査役会に2席を持つことになって居る。

 

ドイツは、年次総会などに於いて通常の議案には投票しないけれど、ルフトハンザの経営移管の際には保有率を25%に増やすオプションを持つ。これは特別な議案を阻止する事を可能にし、収入から言って、将来、欧州最大のこのエアライングループに対する、ドイツ以外からのあらゆる買収者にとっての「毒薬条項(poison pill)」の働きをする。

 

これは、国が支援パッケージの一部として、主導的な上場済の欧州のエアライングループの株式を取得する唯一の例である。資金援助はまた、アリタリアとエアバルティックでも、国家の支援の一部となって居る。

 

エアフランス-KLM、ノルウエーエア、コンドル、SAS、フィンエアそしてエーゲアン航空など、その他の多くの欧州のグループが、国家を後ろ盾とした融資を受けて居る。

 

英国は、国の経済に物質的な貢献をする企業に対し、分野や国籍に関わらず、融資保証するスキームを持って居る。英国航空、イージージェット、ライアンエア、そしてウイズエアは、この対象になって居る。

 

Lufthansa: Europe's first major airline partially renationalised

 

 

空港民営化:驚くことに衰えることなく継続して居る

 

05-Jun-2020

 

空港建設工事の取り止めや延期がわんさとある中で、幾つかの空港民営化の作業が各大陸で継続して居る。

 

カザフスタンでは、アルマトイ空港が2020年第3四半期に、トルコのTAVエアポーツ社に移管される。一つの空港の民営化(広島)が、つい最近延期されたが僅かに3カ月間だ、日本ではもう一つが6月1日に完全民営化された。

 

一方、ブラジルでは、民営化の一連の初期段階での案件から持ち上がった問題が、あたかも再入札によって解決する様に見られて継続して居り、かたや士気の落ちたインフラエロ(ブラジル空港インフラ公社)は、小規模な田舎の空港の管理と面倒見を任されて居る。

 

Airport privatisation: surprisingly, continuing unabated

 

 

 Premium Analysis  

COVID-19:サウスウエスト航空、盤石の構え、だが不確実性が溢れる

 

02-Jun-2020

 

COVID-19で生き残るエアラインを予告するのは危険な事であるが、20ヶ月近くの流動性を持ち、サウスウエスト航空は、他の多くの運航会社に比べより良い位置に居る。

 

同エアラインのビジネス旅客への露出が比較的に低いこと、そして他にも、強固で係累の無い資産基盤が、同社がCOVID-19危機を漕ぎ渡る為に弾薬庫の中に貯蔵されて居る。そして、需要は未だに圧し潰されて居るけれども、サウスウエストは2020年6月に低い足許から、幾らかの改善を見出そうとして居る。

 

然し、サウスウエストの経営者達は、もし条件が、米国の夏を通じて、急速に改善しない場合は、サウスウエストと航空業界全体は、共に、大胆なリストラを必要とするだろうと警告して居る。

 

COVID 19: Southwest Air in a solid position, but uncertainty abounds

 

英国のリーズ/ブラッドフォード空港、マンチェスター空港に対抗計画

 

01-Jun-2020

 

新たな空港のインフラに関する発表は、プロジェクトが中止された、或は全くキャンセルされたという話以外には、現時点では珍しい事である。

 

然し、英国のリーズ・ブラッドフォード空港(LBA)は(幾つかの最寄り都市のうちの一つの経済的な実力の所為で、比較的に利用率の低い空港だ)、この国の「北の発電所」戦略が全貌を現すにつれ、近隣のマンチェスター空港との競争を助けて欲しいと望む、新たなターミナル建設を発表するのに、この時を選んだ。もし申請が認可されると、工事はターミナルが2023年に完成の予定で、2020年末前にも開始される可能性がある。

 

マンチェスターとリーズ-ブラッドフォード両空港は、45マイル離れて居り、(そして他の空港とともに)2,500万人以上の人口を擁する広大な地域に貢献して居る。ヨークシャーとハンバー地域(計画中の地域)は2001年以来人口の増加率は6%で、英国の中でも最も急速に成長する地域の一つである。

 

最終的には、エアラインを惹きつけるのは、新しいターミナルや地上交通ハブではない;寧ろ、それはビジネスの潜在能力であり、その点でマンチェスターが充分に持って居るのに対し、LBAは、新たなエアラインを惹きつける為には、まだなすべき事が山ほどある。

 

Leeds Bradford Airport's plans to compete with Manchester Airport

 

 Premium Analysis  

欧州のエアライン供給上昇続く。夏季繁忙期は未だに高過

 

01-Jun-2020

 

欧州エアライン供給席数の暫定的復活は続いて居る。CAPA保有機群データベースの客室座席仕様と組み合わせたOAGのスケジュールによれば、2020年5月25日の週に、欧州の供給席数は前週から38.9%跳ね上がった。

 

対前年の減少(より意味のある尺度)は前週の84.6%の下降より5.6ポイント少ない、79.1%である。それでも、-78%から-90%の範囲で減少を見せたのはこれで9週連続となった。

 

欧州は、現在、他の地区に比べ、最も急角度で上昇傾向にある。ラテンアメリカは、対前年88.1%と、再び最大の削減を体験して居るところだ。供給席数は中東では86.8%、アフリカで80.1%、北米で78.9%そしてアジア太平洋で54.4%の削減がなされて居る。

 

欧州の早い段階での上昇傾向は明らかに識別可能ではあるが、2020年夏季繁忙月間のOAGの登録スケジュールによる供給予測は、先週以来、落ちて居り、更に下がるだろう。

 

上昇する供給に需要が付いて行くためには、航空旅行に対する消費者の信頼が取り戻される必要があるだろう。欧州の航空業界と航空当局はこれに対する取り組みを調整し始めて居る。

 

Europe's airline capacity climb continues. Summer peak still too high

 

 

 Premium Analysis  

COVID-19:アルゼンチン&ブラジルの航空業界の復活、誤った道筋で台無しに

 

01-Jun-2020

 

ラテンアメリカは、世界の他の地区より遅くCOVID-19危機の襲来を体験して居り、南、中米の諸国はパンデミックから回復するのに、より長い時間がかかるだろう。

 

この地区の幾つかの国では、既に脆弱な経済と悪戦苦闘して居り、危機が生み出す課題はラテンアメリカ経済の健康全般を更に弱体化するだろう。

 

この地区の各国政府からの反応は、エアラインに対する支援が少ない事とともに、アルゼンチンの、2020年9月まで、国を発着する、及び国内の航空旅行を地上に留置させると言う専横的な決断など、ずっとバラバラであった。

 

現在、ブラジルはCOVID-19蔓延の温床となって居る;もしこの国がウイルスを封じ込められないと、この国の、既に弱体化した経済は更に深みまで引きずり降ろされ、そしてそれは航空旅行の回復に連鎖反応を起こすだろう。

 

COVID-19: aviation recovery in Argentina & Brazil marred by missteps

 

COVID-19:カナダのエアライン各社、回復への長い途を重い足取りで歩み始める

 

01-Jun-2020

 

カナダのエアラインは、世界中の運航会社と同様に、需要が2019年水準まで戻るのには最悪5年間はかかると言う、COVID-19パンデミックが招いた現実に直面して居る。

 

この国の最大の運航会社であるエアカナダは、収入と供給が2019年水準まで戻るのに、少なくとも3年間は期待出来ないと見て居り、そのため、同エアラインは従業員雇用に関する、難しい決断を余儀なくされ、その保有機群の減量化と言う結果に至って居る。

 

殆どのエアラインが、大きく縮小した需要を受け止めるのに相応しい事業規模を模索する中で、加齢航空機の退役を加速しようとして居る。

 

カナダ政府は同国のエアライン各社に経済的支援をするのに時間が掛って居るが、この国の規模の大きなエアラインは、多分、現在比較的に大規模企業を救済するために検討されて居る、支援パッケージの恩恵を受けると思われるが、比較的小規模なエアライン各社は、自力で何とかする様にと取り残されるのだろうと言う懸念を生んで居る。

 

COVID-19: Canada’s airlines start the long slog to recovery

 Premium Analysis