CAPA分析:NEW HEADLINES  9月ー2019年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。  

9月30日掲載

 

フラポートの世界的空港群:堅実な成長とプラスの財務実績 

27-Sep-2019

 

過去3か月、6か月のフラポートの財務報告は、同社の外国での投資と運営契約からの収入とEBITDA*の拡大が主となって居る事を明らかにして居る。成長は、不動産(安定して居る)を除く活動の全ての分野で記録されて居る。

 

フラポートの世界的な子会社やその他の投資の目録の中の空港の数は3大陸の26空港に上る。

 

業績のデータは、「国際的活動及びサービス」で、44%の収入の増加、そしてこの分野のEBITDA*で16.3%(共にグランドハンドリングのEBITDA増加を除く、その他の分野を遥かに凌いで居る)と目覚ましい。

 

基地空港であるフランクフルト国際が相変わらず収容能力に限界が来て居り、常に増大する資本支出を必要とする中で、フラポートの財務実績が、常に他の空港への同社の投資に牽引されて居る事から、これは驚くことでは無い。

 

今回レポートは、幾つかは子会社であり、フラポートはそこに投資をして居るこれらの空港を、そしてそれは親会社にとって、相応しいものであるかどうかを見てみる。

 

殆どの例で、それは相応しいものである。

 

*EBITDA:利息、税金、減価償却費が引かれる前の収入

 

Fraport global airports: solid growth and positive financial results

Premium Analysis  

カナダ=アジア間エアライン需要が変容中:新たな二国間協定か? 

26-Sep-2019

 

現時点では、カナダとアジア間の市場趨勢は地政学的な出来事や貿易紛争で大きな圧力に瀕して居り、この市場に就航中のエアラインは、北米から中国、香港への需要が軟化する中で、供給を調整し続けて居る。

 

然し、長期的には、カナダ発アジア行きの底堅い航空サービスは、航空旅行では、中国が最速で成長を遂げて居る市場の一つで、2020年代の半ばには、世界最大の航空市場として米国を追い抜くだろう事から、優先順位の上にあり続けて居る。

 

恐らく、アジアの需要が引き続き形成される中で、カナダからアジアへの市場にとって、航空協定の締結への取り組みを再考する必要性が生じて来る、潜在能力が満開に達する様にするためには、ある種の前向きな考え方が必要だろう。

 

Airline traffic between Canada and Asia is shifting: new bilaterals?

 

トーマスクック事業清算:ツアーオペレーター、エアライン、そしてリース業界に影響

 

24-Sep-2019

 

2019年9月23日、トーマスクック・グループが業務停止に陥った事は、1841年に始まり、パッケージホリデーを発明し、旅行業界で最も長い歴史を持つブランドの一つとなった事業の悲しい結末だった。

 

同グループの英国のエアラインである、トーマスクック航空は、直ちに運航を停止し、スカンジナビアのエアライン子会社も同様だ(但し、スカンジナビアのエアラインのウエブサイトでは、ついで、9月24日に復旧する予定と表示した)。

 

然し、2つの英国外のチャーター主体のエアライン(トーマスクック航空バレアリックスとトーマスクック・アビエーション)、グループのドイツのエアライン、コンドルは、今も自社の便を飛ばして居る(但し、トーマスクック・グループの企業を通じてパッケージホリデーを予約した旅客は乗せられない)。コンドルはドイツ政府の保証するつなぎ融資を申請して居る。

 

欧州、北アフリカそして米州の各地でホリデー旅行中に足止めされ兼ねない15万人の英国市民を帰国させる必要性について、メディアの見出しが噴出して居る。然し、ツアーオペレーター、エアライン、そしてリース業界、また空港に与える影響が実感されるのは、民間航空局が実施するこの作戦が、完了してかなり経ってからになるだろう。

 

状況は流動的で、引き続き変化し続けるだろうが、今回レポートは、トーマスクック・グループの事業清算の考え得る衝撃に関する、CAPAの最初の分析を提示する。

 

Thomas Cook liquidation: tour operators, airlines and lessors affected

Premium Analysis  

2019年上半期、空港のEBITDA/EBITDA利益率=多くの要素が絡み合う 

24-Sep-2019 

 

この航空輸送業界が、再び、難しい時代の淵に立たされる中で、最近、世界中の空港が、2019年上半期と2019年第2四半期の業績を公表し始めて居る。

 

燃油価格は上昇、貿易戦争は長引き、貨物輸送量、そして、場合によっては、旅客輸送も下降し始めて居る。

 

会計手法の「EBITDA」は、運用段階で、企業が如何に上手く、或いはまずく機能して居るかを迅速に計る方法として、収入と稼ぎを対照させるEBITDA利益率と共に、既に長く使われて居る。

 

今回のレポートは、先月公表された、欧州、豪州、そしてラテンアメリカの種々の財務実績から、特にこの2つの計測法で検討して居る。

 

Airport EBITDA/ EBITDA Margins 1H2019 many factors in play

Premium Analysis  

台湾のLCC各社:タイガーエア台湾、IPO後に拡大を加速 

23-Sep-2019 

 

台湾のLCC分野は驚くほど遅いペースで発展して来た。国際線フルサービスの競争相手が3社(間もなく4社)あるのに比べ、台湾のLCCはタイガーエア台湾、たった1社しか無い。

 

タイガーエア台湾は、2019年9月26日創立5周年を迎えるが、保有機は11機のA320のみであり、最近の2年間近く、全く追加して居ない。台湾のフラッグキャリアーである中華航空は、格安子会社が拡大する事に慎重で、協力を志向することに消極的である。

 

間も無く行われる新規株式公開(IPO)は、15機の新しいA320neoが納入されるのに伴って、タイガーエア台湾を加速された率での拡大へと導くだろう。タイガーエア台湾は、外国社が支配する台湾のLCC市場全体より、速いスピードで伸び始める事ができる筈だ。

 

より大きく、より強力なタイガーエア台湾は、第3のフルサービスの長距離エアラインが誕生するのに従い、競争が激しくなれば、中華航空の見通しを引き上げる筈だ。中華航空は、カンタス、シンガポール航空やANAの様なアジア太平洋の僚友達と共に、市場の格安指向の部分での商機を充分に取り込み、より強固なマルティブランド戦略を追求すべきなのである。 

 

Taiwan LCCs: Tigerair Taiwan to accelerate expansion following IPO

 

ミュンヘン空港:長距離供給拡大がフランクフルトを上回る 

23-Sep-2019

 

ミュンヘン空港と長距離路線目的地の間の、年間供給席数は過去2年間でほぼ1/4も跳ね上がって居る。昨夏以来、アビアンカによるミュンヘンからボゴタ、コレンドン航空ヨーロッパによるバンジュル(ガンビア)、ルフトハンザによる大阪、そしてアメリカンによるダラスと言った路線の開設が行われて居る。

 

ユーロウイングズは2020年にミュンヘンから米国路線の開設を計画して居る:アンカレッジ。フェニックス、ラスベガス(コンドルが2017年夏に運航した後、2018年夏にユーロウイングズが運航する)そして、オーランドである。

 

ユーロウイングズの親会社であるルフトハンザは、2020年3月から、A350-900機材を使って、新たに週間5便のミュンヘン=バンガロール便の開設を計画して居る。ルフトハンザはまた、2020年3月、週5便のミュンヘン=デトロイト(既にデルタが夏季のみ運航)、そして週6便のミュンヘン=シアトル(2017年10月コンドルが運航休止)を開設予定である。

 

ミュンヘンは、ドイツにとって、北米とアジア太平洋への供給席数が過去2年間事実上変わらないフランクフルトに次ぐ、第2の重要な長距離ハブである。

 

2019年8月19日の週、フランクフルトに対するミュンヘンの供給席数は、北米が38%、アジア太平洋が39%である。ルフトハンザは2020年夏季から、ミュンヘンのA380の保有機群の数をフランクフルトに合わせ、5機から7機へと増やす予定だ。

 

Munich Airport: long haul capacity growth outpaces Frankfurt

9月23日掲載

ロンドン-ニューヨーク:共同事業の占有率落ち着く、ノルウェーエアの参入から5年

18-Sep-2019

 

英国航空のロンドン/ヒースロー(LHR)とニューヨーク/ジョンFケネディ(JFK)間の便は、世界で最も高収益なエアライン路線である。2019年3月までの1年間、この路線は12億米ドルを稼ぎ出したが、OAGに拠れば10億米ドルを超える収入を上げる唯一の路線だ。

 

より広くは、ロンドン=ニューヨークと言う都市組合わせは、ASKで世界最大の国際路線、そして供給席数で見て最大の大陸間路線(世界の全国際線の中で供給席数で第2位)である。LHR-JFK(ロンドン/ヒースロー=ニューヨーク/ジョンFケネディ)は、ASKで、世界最大の国際空港組合わせ、供給席数で世界最大の大陸間空港組み合わせである。

 

ロンドン=ニューヨークは反トラスト法免責の2つの共同事業が支配して居る。

 

OAGのデータに拠れば、英国航空/アメリカン航空の占有率は48.7%で、バージンアトランティック/デルタの占有率は28.4%である。ノルウェーエアの占有率は、2014年のゼロからの出発以来、10.0%まで上がって居る。共同事業は、殊にバージン/デルタは、ノルウェーの参入で、占有率を減らして来たが、今は落ち着いて来て居る。更に、2020年、バージンとデルタは、LHR=JFKを大型化し、ロンドン/ガトウイック(LGW)からのJFK便をバージンの運航により、計画して居る。

 

今回レポートは、OAGのロンドン=ニューヨーク間市場の供給量データについて、空港組み合わせ、エアライン、そして共同事業別に、CAPAの分析を提示するものだ。

 

London-New York: JV share stabilises 5 years after Norwegian Air entry

 

ベトナム空港会社、国有化:グループADPとの商談、ご破算に

18-Sep-2019

 

ベトナムは、少なくとも表面上は、政府が国内、国外双方の投資家に対し、自国の空港のリストに、恰も熱心に関心を惹きたい考えて居る様に見える東南アジアの国の一つである。然し、この外見は少々誤解を招くものの様だ。

 

2017年にグループADPとなった、当時のアエロポルトドゥパリ、はベトナム空港会社(ACV)とタイアップし、それにより、ACVの7.4%の株式を取得し(後に20%となる)長期にわたる投資を行うと言う取引を模索して居た。政府はこの取引を認可したが、その後、ACVとグループADPの双方の、複数の不一致点から、暗礁に乗り上げた。

 

ベトナム政府は現在のところ、ACVの95.39%を所有し、残りの4.61%は国内外の投資家が所有して居る。現在、大臣たちは未だに投資を歓迎すると言って居る一方で、政府はACVの国有でない僅かな株式を買い戻そうと提案して居て、即ち実質的にこれを国有化しようとして居る。

 

Vietnam's Airports Corporation nationalised: Groupe ADP deal scuttled

 

WOWエア破綻:アイスランド航空業界の穴は残る 

17-Sep-2019

 

今年、アイスランドのエアラインの供給席数総計は、2018年対比で1/4以上も暴落しようとして居る。これは、過去6年間、LCCであるWOWエアに触発され、市場リーダーだったアイスランドエアグループ、そして外国エアライン共に、急速な拡大を追求し、強力な2桁成長をして来た事と大きく対照をなすものである。

 

2019年3月のWOWエアの破綻退場は、供給拡大の大きな貢献者を消し去っただけでなく、残されたアイスランドの殆どのエアラインに操縦桿を緩めるよう促した。WOWエアを除た、アイスランドエア・グループと他のエアラインの供給席数総数は、今年前年並みとなるだろう。

 

これには幾つかバリエーションがある。LCCであるWIZエアとノルディック航空、そしてノルウエーエアとフィンエアはアイスランドで急速に伸びて居るが、全体としてアイスランドエア・グループの伸びはつつましいものであり、イージージェットと英国航空の様な運航会社は供給を削ろうとして居る。

 

他の航空市場では、大型選手の破綻によって残された穴はしばしば、他のエアラインにより可なり急速に埋められてしまう。アイスランドでは、これがまだ起こって居ないのは、需要がWOWエアの時代に継続不能な低価格により、人工的に膨らまされて来た証拠である。

 

WOW air collapse: the gap in Iceland aviation remains

 

キュラソーのハト空港:堅固な観光需要と健全な路線網 

09-Sep-2019

 

キュラソーのハト国際空港は、ニューヨーク、コロンビア、などの市場からのそしてトリニダードへの直航便の拡大を牽引して来た、この国の観光の指標の堅固な伸びから恩恵を被って居る。

 

この国の観光組織は、2019年の最初の2か月間に、観光がキュラソーの現地経済に対し、1億3,270万米ドルを創出し、これは対前年同期比で10%の増大であると計算して居る。全体のおよそ46%は欧州からの訪問客により生まれて居る。

 

CAPAとOAGのデータは、2019年8月下旬現在、キュラソーは17地点への直航便を持って居る:欧州に2地点、北米に4地点、そしてラテンアメリカ内に11地点である。キュラソーの航空便市場はABC諸島(アルーバ、ボネールそしてキュラソー)の中で2番目に大きなものだ。

 

この空港は、また最終的には同社が運航を停止した、インセルエアの直面した課題をも切り抜けて来た。キュラソーの航空当局から証明書を取得しようとして居る、新規起業のジェットエア・カリビアンなど、幾つかの運航会社は、その穴を埋めようとして居る模様である。キュラソーの堅固な観光指標の伸びから言って、エアラインがインセルエアの残した穴を埋たいと動いて居る事に大きな疑問は無かった。

 

Curacao's Hato airport: solid tourism and a sound network profile

9月16日掲載

 

ロシアのポベーダ、低コストエアラインの競合に直面か 

13-Sep-2019

 

ロシアの競争に関する権威である、連邦反独占局(FAS)の長は、この国の低コストエアラインの分野で、より広範な競争を求めて来た。彼は、低コスト子会社のポベーダと競争するために、アエロフロートがもう一つLCCを作ることさえ示唆して居る。

 

ポベーダはこの国で唯一のLCCで、2018年には720万人の旅客を運び、5.2%の占有率を持って居る。同社は国内線LCC供給では100%、そしてロシア発着国際線LCC供給では、細分化した外国の低コスト競合社に対し、ほぼ40%の占有率を持って居る。

 

ポベーダは2014年12月の設立以来、急速に拡大して来たが、ロシアにおいては、航空旅行の浸透度の比較的に低いため、同社は引き続き低運賃を活用して、潜在需要を誘導して行く事ができるだろう。

 

然し、ポベーダの搭乗率はピークを過ぎ、2019年上期には営業損失を出す可能性へと滑り落ちてしまった。

 

更なる低運賃の競争により、ロシアの航空旅行の浸透の水準向上を加速させるのを助けるだろうし、ポベーダが、更により効率的なコスト構造構築に集中する事さえ可能かも知れない。

 

アエロフロートの希望としては、他社が競合エアラインを設立する事だろう。

 

Russia's Pobeda may face low cost airline competition

 

Premium Analysis  

羽田の新発着枠配分ーどの路線に道が開けるか? 

13-Sep-2019

 

最近の東京羽田空港における、国際線発着枠の配分は、日本の2大航空会社に新たな路線の商機を開いてくれ、また、更なる国際線便の成田空港からの移行を意味しそうだ。

 

日本の当局者は、新しい羽田の発着枠をある特定の国際線市場に割り当てたのだが、具体的な路線に関する主要な決断は、未だに日本のエアラインが明らかにして居ない。

 

羽田の発着枠は、空港の収容力に制限があること、そして世界でも最も価値のある旅客市場の一つである東京首都圏への近さから、垂涎の的である。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は、羽田の方が成田より東京都心にずっと近く望ましいのだが、現在のところ東京では2重ハブ方式を取って居る。

 

Haneda's new slot awards - what routes to gain access?

 

Premium Analysis  

欧州=ラテンアメリカ間路線で、エアヨーロッパ/AF-KLMの共同事業 対 IAG/LATAMの共同事業 

12-Sep-2019

 

来年、エアヨーロッパとエアフランス-KLMは、2018年8月に発表され、本来今夏にもスタート予定を希望して居た、新たなメタルニュートラルな南大西洋共同事業を立ち上げたいと考えて居る。共にスカイチームのメンバーで、コードシェア運航の協力が存在するにも関わらず、交渉は予想以上に長引いて居る。

 

OAGデータに依れば、2019年8月12日の週で、エアフランス、エアヨーロッパそしてKLMは、欧州=ラテンアメリカ間(カリブ諸国を除く)の供給席数で、それぞれ、2番目、4番目、そして5番目の位置に居る。

 

市場のリーダーであるイベリアは、英国航空と結んでこの市場をリードするエアライングループであるIAGを構成する。しかし、エアヨーロッパ/エアフランス-KLMの共同事業はIAGよりも高い供給席占有率を持ち、計画されるIAG/LATAMエアラインの共同事業とは僅差を争う事になるだろう。

 

一方で、エア・ヨーロッパはこの夏、新たに3つの路線(パナマシティ、マデリン、そしてイグアス)を開設して居る。これにより、2019年8月に同社の供給が対前年で20%増大する欧州=中南米間の、どの運航会社よりも多くの目的地を提供できる様になる。

 

イベリアの18%の拡大は、新たな目的地よりも便数の拡大に絞られて居る。エア・ヨーロッパ/エアフランス-KLM共同事業は、カリブ諸国を除くラテンアメリカの目的地の数で、IAG/LATAMエアラインズ共同事業にかなり大きなリードをする事になるだろう。

 

Air Europa/AF-KLM JV vs an IAG/LATAM JV on Europe-LatAm

 

景気の後退がブラジルの国内線エアラインに逆風 

10-Sep-2019

 

アビアンカ・ブラジルは運航を停止し、ブラジル最大のエアライン各社が破綻したエアラインの、より魅力的な資産の奪い合いを演じて、2019年はこれまで、ブラジル航空市場に取って、ずっと事多き年である。

 

アズールは他社と共に、アビアンカ・ブラジルの発着枠(特にサンパウロ/コンゴーニャス空港での)獲得に乗り出し、そして今や、新たな発着枠を手に入れ、極めて重要なリオデジャネイロのビジネス路線を開設しようとして居る。同社のこの路線の便はGOLとLATAM航空ブラジルのそれとの比較では、影が薄いだろうが、この市場に参入する事が、アズールの国内線進化の為に重要なのである。

 

アビアンカ・ブラジルの退場以来のブラジル国内線市場の大刷新がまだ続く中で2019年の成長予測が切り下げられた後、そして世界各国で全体的な景気後退懸念が頭をもたげる中で、ブラジルの経済は逆風に直面して居る。

 

Economic decline creates headwinds for Brazil's domestic airlines

 

Premium Analysis  

ライフラット狭胴機のトレンド:TAP、コンパニー、エアアスタナ、ガルフエアが加わる 

09-Sep-2019

 

広範な市場で、企業により良い選択を提供する、狭胴機でライフラット座席を提供するエアラインの数が急速に増えて居る。A321neoLRや、将来的には最近登場したA321neoXLR

 

など新世代の狭胴機が、エアライン各社にとって長距離狭胴機路線をプレミアム指向の低密度客室仕様で、効率的に運航できる事から、ゲームチェンジャーである。

 

15ヶ月前には8社に過ぎなかったのに比べ、現在、13社のエアラインがライフラットのビジネスクラス席を備えた狭胴機を運航して居る。

 

2018年5月以来、5社のエアラインがライフラット狭胴機を導入してトレンドを生み出し、より多くのネットワークエアラインがA321neoLR、A321neoXLR、 737 MAX 8、737 MAX 9、そして737 MAX 10などを受領する事から、これはさらに加速すると見られる。

 

最近導入した5社は、フィリピン航空(PAL)、パナマのコパ、サウジア、フランスのラコンパニエ、そしてTAPエアポルトガルである。カザフスタンのエアアスターナは、2019年10月、最初のライフラット狭胴機を就航させる予定で、2020年初頭にバーレーンのガルフエアがこれに続く予定だ。

 

Lie flat narrowbody trend: TAP, Compagnie, Air Astana, Gulf Air join

 

Premium Analysis  

クロアチアの航空事情:LCCが牽引して、季節特性高い市場が成長 

09-Sep-2019

 

2019年8月7日、クロアチア航空は、30周年を祝った。然し、最近の数年はクロアチア発着の航空需要の急速な伸びに着いて行って居ない。

 

この国の2019年の供給席数は、2012年の水準の2倍を越えて居るが、このナショナルキャリアーは、供給席数は昨年同期比でほんの6.4%しか伸びないだろう:クロアチア航空は2018年には、10年前の190万人よりそう多くない、ほぼ220万の旅客を輸送して居る。

 

この拡大は、どこか他所からきたエアライン、特にLCCに依って牽引されて居る。この欧州でも最も季節的に限定されたものの一つである市場にとって、夏場の来訪観光客がこの成長の主たる要素である。

 

然し乍ら、クロアチアの総計供給席数の伸びは、2019年には、7.7%に落ちて居る。これは、欧州や全世界の平均に比べ、まだ高いのだが、クロアチアでは2013年以来さいていである。

 

この国の政府はインフラの規制が浸食して来て居る事から、観光産業の伸びは鈍化すると見て居る。にも関わらず、観光需要は引き続き健全で、クロアチアの航空市場は拡大を続けると見られて居る。

 

Croatia aviation: highly seasonal tourist market grows, driven by LCCs

9月7日掲載

ボストン/ローガン空港:ジェットブルー踏ん張る、デルタが競合を強める中で 

06-Sep-2019

 

ジェットブルーとデルタ航空両社は、共にそれぞれのゴールである、同空港から毎日200便の出発便とデルタは、ボストンをハブ空港に移行すると言うゴールに向けて邁進する中で、お互いの激化する競争を度外視して居る。

 

ジェットブルーは、この空港を2番目に大きな焦点都市としてかなりの投資を行いローガンを2021年の同社の大西洋横断事業開始の基地として使う以上、ボストンを削減する兆候は全くない。

 

ボストンに対する、デルタとジェットブルー両社の力の入れ様は、競争が繰り広げられる中、間違いなく強固な成長の続く絵を描いて居る同空港にとっては良いニュースである。

 

 

Boston Logan airport: JetBlue digs in as Delta ups competition

 

Premium Analysis  

ユナイテッド航空とアラスカエア、収入管理で進化 

06-Sep-2019

 

効率的な収入管理はエアラインの最も複雑な財務管理の一つで、科学技術の進歩とともに、常に進化して居る。過去数年で、米国のエアラインは、これまで手に入らなかった洗練された水準を加味する、新たな収入管理の科学技術に、投資できる次元に至って居る。

 

ユナイテッドとアラスカエアグループは、過去数年間で、新たな収入管理のシステムに投資した2つの米国の運航会社だった。ユナイテッドは、2018年に同社の新システムをデビューさせ、特にその企業収入分野で、変化の報酬を収穫し始めて居る。

 

今や、アラスカは、同社の数10年来の科学技術に入れ替える為に投資を行い、その変化は、同社の長期的利益率目標を維持する手助けとなる筈だ。

 

United Airlines and Alaska Air evolve revenue management

 

ラテンアメリカ航空事情:成熟した市場で、LCC各社がリード 

05-Sep-2019

 

低コストエアライン各社は今や、ラテンアメリカの2大航空市場である、ブラジルとメキシコの、国内線市場占有率で支配的地位を持って居る。輸送旅客数で見ると、今やゴルは、ブラジルの主導的エアラインであり、超LCCボラリスはメキシコ国内線で最大のエアラインである。

 

ラテンアメリカで、これらの市場が、最も進んだ低コスト分野を持った事は偶然ではない。

 

ゴルは、2001年にデビューし、ボラリスは創業14年である。それぞれは、ラテンアメリカで、最大の旅客基盤を誇る2カ国で、10年以上にわたり、需要を刺激して来たのだ。

 

ブラジルとメキシコ以外でも、その他市場で、低コストの新規起業組には事欠かない;然し、アルゼンチン、チリそしてコロンビアで、LCCが、ゴルや、ボラリスと同水準を達成できるのかは、まだ分からない。

 

Latin America aviation: LCCs take the lead in mature markets

 

 

Premium Analysis  

アゼルバイジャン航空のSWOT分析:観光ブームが成長を牽引するかも 

05-Sep-2019

 

アゼルバイジャン航空(AZAL)は、母国の市場での需要拡大で、増収の好機を迎えて居る。アゼルバイジャンは、人気の高いシルクロードの観光目的地として、台頭して来たが、同時に外国を旅する事に、ますます熱心な若い人口を抱えて居る。

 

然し、政府の所有するこのエアラインが、成長し、市場占有率を失わない為には、多くの課題に打ち勝たねばならない。これまでも、AZALのような小規模なナショナルフラッグキャリアーにとって、競争の激しい市場現場で、採算の取れるニッチな居場所を探し出す事は極めて難しい事だった。

 

AZALは、緊急の課題として、更新し、スリム化すべき、機齢の高く、機種の混在する保有機群を持って居る。同社がアゼルバイジャンやその他のCIS諸国の観光でより多くの恩恵を得るためには、路線網の変更(ニューヨーク戦の休止に加え)も必要である。

 

Latin America aviation: LCCs take the lead in mature markets

 

CAPAカナダ航空サミット:ウイニペグ、2019年9月9日/10日 

03-Sep-2019

 

CAPAは、2019年9月9日/10日ウイニペグで開かれる、初めてのCAPAカナダ航空サミットにより、米州のさらに奥深く足跡を広げる。このサミットは、カナダの航空業界の現状と将来像を探るために、エアライン、空港、そして業界のサプライヤーから幹部経営者など、種々の代表者を一堂に集める。

 

基調講演や談論風発のパネルディスカッションなどがぎっしり詰まった予定表で、このイベントは、地球規模のそして地域の重要な業界の問題、出来事、課題について、提言する。

 

40人を超える講演者、モデレーターそして、パネリストが、長い間、主役である2つの既存エアラインに支配されて来たこの市場で、LCCと超LCCの高まる存在感;デルタとウエストジェットの提携、そしてこれが、如何に市場の力関係を揺さぶるか;経済発展の主要な牽引役としての旅行と観光の役割;そして、NDCモデルのもたらす恩恵と課題などの話題に取り組む予定である。

 

CAPA Canada Aviation Summit: Winnipeg, 9/10-Sep-2019

 

Premium Analysis  

エアバルティックのIPOの野望:機を待つのが賢明、エアラインの循環が風向きを変える中で 

03-Sep-2019

 

エアバルティックのCEOであるマーティン・ガウスは、2019年7月、同社が、目標を達成するだろうから、IPOは2021年か2022年が適当だろうと語って居る。彼が株式市場への衝動を焦らなかったのは正しかった。

 

リガを本拠地とするこのハイブリッドLCCは、何年にも渡る停滞と赤字の末、2016年以来、強い勢いで成長を取り戻して居る。更には、同社は6年連続で純利益を計上し、2016年に同社が最初の顧客(ローンチカスタマー)となったエアバスA220-300だけで構成する保有機群更新への過渡期の段階にある。然し、同エアラインの純利益率は低く、同社の経常利益の記録はより散発的である。

 

更にまた、エアライン業界の利益率は、その循環するピーク期を過ぎた模様で、過去2年間dw、殆どの東欧エアラインの株価は下落して居る。欧州のエアラインの現状は、このところ、大きく2つの範疇に分けられる:戦略的そして財政的な力を持ったものと、継続可能な収益性を創出するために苦闘するものである。

 

下り坂は、どのエアラインも試されるのだが、より強い範疇のエアラインは、過去に比べ、このテストに対しより良い位置に居るだろう。

 

エアバルティックは、このグループに属する潜在力を持って居るが、IPOを開始するまで、引き続き我慢する事が妥当だろう。

 

AirBaltic's IPO ambition: wise to wait as airline cycle turns

9月2日掲載

ソフィア空港:ブルガリアはメリディアム/ミュンヘン空港コンソーシアムを指名 

30-Aug-2019

 

ブルガリア、ソフィア空港の長い事続いたコンセッション探しの手続きは、あるコンソーシアムに与えられることで決着した。90日間の審査の後、ブルガリアの運輸省(MoT)は、ミュンヘン空港GmbHと、資産管理者メリディアムからなるコンソーシアムが、「ソフコネクト」の名前で、35年間ソフィア空港を管理、運営すると言う選択をした。

 

この2社は、下馬評は決して高くない上、財務的にも最高の提示をした訳では無かったので、結果は、かなり意外なものだった。

 

然し、多分このコンソーシアムが商談をモノにしたのは、彼らが現在のインフラ、と運用の欠点を認識し、基本計画には、遠い将来の夢の様な絵空事でなく、現状から何かする提案をした、現実主義の味付けだったのだろう。

 

Sofia Airport: Bulgaria appoints Meridiam/Munich Airport consortium

 

コパ航空、2019年の見通しを引き上げる、737MAXの運航停止にも関わらず 

23-Aug-2019

 

パナマのコパ・ホールディングズは世界中の数多くの737MAX運航会社の一つで、同型機の運航停止で綱渡りをして居り、綱渡りをして居り、同機材は早くとも2019年12月半ばまで再開する事は無いだろうと言って居る。

 

その他のMAX運航会社と同様に、コパは以前MAXで運航して居た路線を、より効率の悪い機材で飛ばすことを余儀なくされたため、コストと収入の逆風に抗して戦って居る。同社は、この同型機が依然運航不能のままであるために、コストと収入の問題に直面し続けねばならないと一斉に声を上げる運航各社と一緒になって居る。

 

このエアラインが、そして他社が、この予期せぬ運航停止に対する適切な補償について、航空機メーカーとフランクな会話をする為に準備をして居る事は間違いないだろう。

 

コパの事業環境は、今も比較的に安定して居り、MAXジェット機が運航停止であり、他の航空機の追加納入も不確かなままであるため、依然、課題に直面して居るにも関わらず、同社は2019年の利益率目標を引き上げて居る。

 

Copa Airlines ups 2019 guidance, despite 737 MAX grounding

 

アンカレッジ空港:東西のハブ、貨物とeコンマースで成長中 

22-Aug-2019

 

米国の主要空港の中でホノルルを除けば、最も西の外れにあるアンカレッジ空港は、住民は僅か74万人近くと言う、4番目に人口の少ない州の孤立した社会にある。

 

しかし、この施設の役割の大きな部分は、そこの遠く隔絶した住民社会にとって、州都への、ひいては全ての外界への繋がりを確保する事にある一方で、テッドスティーブンス国際空港は、地球規模の世界では、東西のそして米国ーアジア間のハブとして、もう何十年も全く異なる役割を担って来た;航空機が単に、出発地から目的地まで、直航出来ないと言う時代の主要な任務だ。

 

航空機がずっと長い航続距離を獲得し始めて以来、その役割は急激に小さくなったが、貨物機の航続距離は往々にして、より短いために、同空港は貨物機路線網の中の必須の要素であり続けて居る。

 

今や、世界をリードする貨物とロジスティックスの企業の一つは、アンカレッジが、eコマースの役割を持つことになると預言して居る。

 

Anchorage airport: an east-west hub growing into cargo and e-commerce

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米国の空港:PFCと資金供給の制限を外す新たな議会法案 

21-Aug-2019

 

2016年の大統領選の最中、トランプ候補はいくつかの米国空港を称して「第3世界」の水準だと言った。

 

それ以来、米国の空港のインフラ用資金を注ぎ込む二つの試み、その一つは現実のものとなったが、が行われ、一方でこれとは別に空港民営化を容易にするための法律が施行されて居る。

 

米国でエアラインの乗客が、空港のメンテナンスを継続させる為の料金であり、米国連邦法に従い決められ、上限が定められて居る、航空券の代金の一部として支払う旅客施設利用料(PFC)の領域には変動が無かった。

 

遂に、これらの料金の上限を引き下げる法律が導入されて居る。

 

U.S. airports: new Congressional bill to uncap PFCs and release funds

 

EUの空港料金指令:IATAとACIで報告の評価が異なる 

21-Aug-2019

 

2009年の欧州委員会の空港料金指令(指令)EUと欧州共同航空地域の空港料金の規則の枠組を決めたものだ。

 

2019年7月、その10年後、委員会は、見直しが必要なのかを検証する目的で、この指令の評価を公表した。これは、少なくとも年間500万人の旅客があるか、又は各加盟国の最大の空港に適用されるものだ。

 

2009年にはこの指令は、欧州の75%の旅客を取り扱う、68空港が対象となった。2017年には、89空港が(そのうち83がEU)対象となり、総旅客の85%を取り扱って居た。

 

2009年から、2017年の間に、この対象空港の旅客数は、2009年の10億人か、2017年には15億人と、55.2%伸びたが、これに対し欧州全体の総計は38.5%の伸びだった(欧州委員会、2019年7月のレポートのデータ)。

 

指令が存在しなかったと仮定した状況に比べると、評価全体の結論は、当初の目的を完全に満たすものではないとしても、空港料金の設定を改善する方向に導いたと言うものだ。

 

多分、驚くまでも無いが、エアラインを代表するIATAと、空港を代表するACI欧州は、この評価のレポートに、大きく異なる反応をして居る。

 

EU airport charges Directive: IATA and ACI differ on evaluation report 

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