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CAPA分析 : NEW HEADLINES  4月-2017年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。 

 

 英文本文の翻訳を航空、旅行業界の豊富な経験と知識で承ります。 

  

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4月24日掲載

エミレーツ航空、米国線の供給カットには多くの理由が
21-Apr-2017


最も人目に立ち、規模の大きなエアラインとして、エミレーツ航空はしばしば、湾岸の航空界を守るという、益々困難になる使命を双肩に担って居る。エミレーツは、ドバイがこの地域の地政学的な動きを担うのと同様に、湾岸と中東の3大エアラインの代表を一手に引き受けて居る。


ちょうど、湾岸のエアラインに、熱心に反対して来た米国の3大エアラインの間にもかなりの違いが有るように、エミレーツもその仲間たちとは根源的に異なって居る。即ち同社は創業も古く、より大きな地元市場を持ち、最初からより大きな営業の権限も持って居る。


然し、エミレーツは多くの他社が分け前を欲しがる市場で競争しなくてはならない。ドバイ株式会社が多くの点でシンガポール株式会を手本とした様に、同じ道を辿ろうとする者が大勢居る。これが、市場の状況を安定させる事はない。


確かに、トランプ米国大統領の政策は航空業界、そして旅行業界を傷つけて居る。然し、エミレーツの米国路線便を19%カットすると言う発表は、どちらかと言えば米国の政策にではなく、トランプが大統領候補として現実味を帯びる以前に始まった、市場原理の性格に、より関わった問題である。

 


 Emirates has multiple reasons for cutting back on US capacity

FOR CAPA MEMBERS

 

グルジアの航空市場 第2部=自由主義的政策が急速な空港の成長をもたらすケーススタディ

21-Apr-2017

 

グルジアの3つの国際線空港は、急速な成長期を導いた、自由な航空政策の恩恵を受けて居る。このレポートの第1部で注目した様に、グルジアの総旅客数は、2016年に26%伸び、2017年は更に40%の拡大が予測されて居る。

 

グルジアの主たる玄関口であるツビリシ国際空港に於ける旅客交通量は、2016年、22%増加して居る。ツビリシの旅客数は、2009年にたった70万人だったものが、2016年には、230万人になった。同空港は-007年以来、トルコのTAVが運営して居る。

 

グルジアの、その他の2つの国際空港バツーミとクタイシは、2016年、更に急速に成長した。バツーミは、やはりTAV2007年以来、運用して居るが、クタイシの方は2012年の開港以来、政府が所有して居る。

 

クタイシは、旧ソ連圏の中では初の、低コスト空港と位置付けられ、20169月のウイズエアが基地を開いて以来、成長が加速して来て居る。グルジアのクタイシへの投資と、新空港をLCCモデルとする決断は、この伝統的な考え方に支配された地域に於ける、もう一つの自由で、改新的な取り組みの例を示して居る。

 

Georgia aviation market Part 2: a case study on liberal policies driving rapid airport growth

FOR CAPA MEMBERS

 

グルジアの航空市場 第1部=2016年、旅行客が26%の成長を牽引;2017年は40%成長を想定

20-Apr-2017

 

グルジアは、旅行産業の興隆と、自由主義的な航空政策に導かれて、世界最速で成長する航空旅行市場の一つとして台頭して来て居る。この欧州とアジアの交差点に位置する小国は、2016年に、旅客交通量が26%の伸びを記録し、2017年には、更に急速な40%近い成長を予測して居る。

 

2016年、訪問者数は、航空機による入国者数の40%の増加に牽引されて8%伸びた。訪問者数は、今や、グルジアの総旅客交通量の75%を占め、旅行産業は、この国のGDP7%以上の貢献をして居る。

 

これは、2部構成のグルジアの航空市場に関するレポートの第1部で、航空業界に自由主義的手法でのぞむ事が、如何に積極的な影響を及ぼすかと言うケーススタディを提示して居る。その他の、旧ソ連の各共和国、そして、他地域の小国家もグルジアの例に学び、自国のエアラインを保護するのを止める事が出来るかも知れない。

 

 

Georgia aviation market Part 1: tourism drove 26% growth in 2016; projected 40% growth for 2017

空港都市、そしてアエロトロポリスのビジネスモデル=成功の保証は、多分ある、多分ない

19-Apr-2017


世界の33以上の空港が、「空港都市」を持って居るか、計画して居る。


www.aerotropolis.com
に掲載されたリストによると、25の「アエロトロポリス」(空港都市を中核とした都市開発)が既に運用されて居り、更に26が開発中である。6つの大陸の空港がこれらの新しいビジネスモデルを検討して居るか、または既に運用して居り、急速に世界中で最も好まれるビジネスモデルの1つになりつつある。


作家のミリアム・ウイーダーマン博士が、2017517日、ドバイで開かれる、CAPA空港リーダーズ・フォーラムにて、「空港都市とアエロトロポリス開発」の特別セッションに参加する予定である。

 

 

The Airport City and Aerotropolis Business Model: maybe, or maybe not, a guaranteed success

 

アラスカエア・グループ、統合によるシナジー効果目標を上方修正=2017年の利益が縮小する中で
19-Apr-2017


アラスカエアグループは、カリフォルニアに於いては、より広い守備範囲、より大きな路線網の力を梃子にし、合体した保有機群を使って、大陸横断路線では、必要な市場により席数の多い機材を投入し、利益を最大化しようとする中で、バージンアメリカとの統合合併によるシナジー効果の予測を、コストと収入の両面で上方修正して居る。


バージンアメリカが運航する、現有のエアバス狭胴機は、将来も当面の間、合体後のエアラインの保有機となる予定である。結果として、これらの機材はアラスカのファーストクラス席も含め、標準の機内装備へと改修させる事になるだろう。


合併前のバージン・アメリカ同様に、アラスカは、競争の激しい米国大陸横断市場にライフラットシートを提供するのは同社の戦略に相応しくないと決断した。事実、ライフラット商品を提供しないと言う選択は、(避けられない)経済の下降サイクルが起こった時には、アラスカをより好ましい立場にしてくれる可能性はある。

 

シナジー効果の見通しはもっと良いと言うにも関わらず、アラスカは、バージン・アメリカの事業が全般的に低い利益率であった為に、ある程度、利益率へのプレッシャーに直面するだろう。それでも、2017年には、利益率は落ちると言うものの、アラスカは、税引き前利益率の業績は、業界平均を凌駕するだろうと強調して居る。

 

 

Alaska Air Group ups merger synergy targets as the margins for 2017 compress

 

 

FOR CAPA MEMBERS

 

フロンティアとスピリット航空、保有機群を強化=旅客刺激策に強気の見通しを支えるために


18-Apr-2017


LCCのフロンティアとスピリットは、米国全体で増殖する事業モデルを支えるために、150機以上のエアバス狭胴機を発注する予定だ。フロンティアの保有機群は2016年末から2021年までに、66機から121機へ83%拡大する計画である。スピリットの2017年末から2021年までに、108機から158機へ46%拡大すると予測される。

 

両社はそれぞれ、自社の保有機群に関わる独自の資金管理の取り組み方をして居る。スピリットは自社所有機の数を増やすために、リース機を買い取る選択をし、一方フロンティアは、一般の市場にアクセスする手法をとって居り、オペレーティング・リースを主たる金融手段とする計画である。

 

両社各々の拡大計画には、フロンティアとスピリットが、大規模なグルーバルネットワークエアライン各社が、超LCCと、より効率的に戦うために、価格設定の部門を創設して対抗するという、市場動向の変化にも関わらず、米国に於ける超LCCビジネスモデルの持つ可能性について、それぞれが導き出した結論が反映されて居る。大規模エアラインが価格マッチングに集中して来たことにも関わらず、フロンティア、とスピリットは米国市場に於いて、需要を刺激する好機について、未だに強気な姿勢を崩して居ない。

 

Frontier and Spirit Airlines ramp up their fleets to support bullish views on passenger stimulation

FOR CAPA MEMBERS

 

中国のエアライン、ラテンアメリカで存在感を拡大=中国東方航空はメキシコシティを検討中


19-Apr-2017


中国のエアライン各社は、今や、自国のエアラインが世界的な存在感を得る事を求める政府の指示に従い、ラテンアメリカに焦点を向けて居る。中国国際はサンパウロとハバナ(同社はラテンアメリカと考えて居る)に定期便を持ち、20174月、中国南方はバンクバー線を延伸してメキシコシティ線を開設した。HNAはブラジルのアズールと、北京=リスボン便をHNAグループのエアラインである北京首都航空が送客できるポルトガルのTAPを部分所有して居る。

中国東方はこれまで、ラテンアメリカ路線については、コードシェアに頼って来たが今や、この地域にも自社便を飛ばす事を考えて居る。中国東方は以遠の南米へ延伸する前提で上海=メキシコシティの直航便を検討して居ると思われる。この便の運航を、そしてメキシコシティでの発着枠取得の為にも、中国東方はアエロメヒコとの提携で実施する事もあり得る。事態の進展を導くのはアエロメヒコと中国東方の両方に出資して居るデルタ航空である。

 

China's airlines' growing presence in Latin America: China Eastern considers Mexico City

 

 

4月16日掲載

エアアジアX、米国に飛ぶ9番目のアジア太平洋の低コストエアラインとなる=ハワイへは3番目

14-Apr-2017

 

マレーシアのエアアジアXは、20176月、大阪からホノルルへの便を開設して、北アジアからハワイへ運航する2番目のLCC、そしてアジア太平洋のLCCとしては3番目になろうとして居る。同路線は、このマレーシア国籍のエアラインに対して第5の自由乗入れ権を与える、いくつかの航空自由化協定の組み合わせによって実現可能となった。現在アジア太平洋からハワイ線、或は米国50州のどこかに飛んで居るLCCは、大韓航空のLCC子会社であるジンエアとカンタスの子会社ジェットスター航空だけである。

 

エアアジアX2年間の長い辛抱の後、20172月に米国FAAの認可を確保した。同社は、米国FAAの認可を獲得したアジア太平洋のLCCとしては9番目、そして東南アジアからはセブパシフィックに次いで2番目になる。現在アジアのLCC6社がグアムに飛び、5社がサイパンに飛んで居る。

 

アジアのLCCはやがては米国本土にも飛ぶことになるだろう。中国のLCCと同様に、エアアジアXおよびセブパシフィックの双方ともに、事業計画として米国西海岸を視野に入れて居る。またセブパシフィックは、東南アジアから米国本土への直航便を飛ばす可能性のある唯一のLCCである。

 

 

AirAsia X to become the ninth Asia Pacific low cost airline serving the US, and the third in Hawaii

アビアンカ・ブラジル、困難な環境、激しい競争に直面=新たな国際路線便で

14-Apr-2017

 

ブラジル第4の規模の国内線エアラインであるアビアンカ・ブラジルは、マイアミそしてチリのサンチャゴに定期便を開設し、各市場でこの新たなライバルと激しく競争するだろう手強い競合社に仲間入りして、事業の手を広げる事を決断して居る。アビアンカ・ブラジルの競争相手は各市場で相当な力を持って居り、提携社と組んで、膨大な路線網、乗り継ぎ便を提供する力を持って居る。

 

アビアンカ・ブラジルが国際線目的地を追加する決断をしたのは、国内線での供給過剰は、まさに形をなし始めたばかりの、遅々とした実収単価の回復を脅かすと言うブラジルの競合他社からの警告にも拘らず、国内線の拡大が衰えを知らず続く中での事だった。

 

アビアンカ・ブラジルが国際線市場に手を広げるのはアビアンカ・ホールディングズとの合併統合の可能性と言う背景の中で起こって居る。両社はそれぞれ、シナジーアエロスペースが、過半を所有する最大株主だが、経営は独立してなされて居る。2014年にアビアンカ・ブラジルとの統合合併の可能性の評価を完了した後に、アビアンカがユナイテッドと戦略的提携をしようとして居る事に関して、株主間の醜い争いが続く真っただ中にあり、今やアビアンカは、同社との提携について再考し始めて居る。

 

 

Avianca Brazil faces tough conditions and fierce competition on new international flight

空港投資、政治、エアライン間の関係:CAPA空港リーダーフォーラム=於ドバイ、51617

 

13-Apr-2017


空港投資というものは、世界の地政学的な環境、エアラインの機内販売、そしてそれが空港での小売業にどの様に影響するか、エアラインは空港に何を望むか、、、エアラインの世界が、急速に変化する中で、空港都市をデザインする上で、これらの事柄が、全て入り混ざったものになる。

 

2つの大問題として上げられるのは、米国大統領ドナルド・トランプの政策はどうなるかと、英国がEUを離脱する決断がどの様に航空界全般に影響を及ぼすかであろう。これらは、トランプ大統領が2度にわたって実行しようとした移民禁制と、ラップトップPCの機内持ち込み禁止で示された様に、既に世界的な影響を見せて居る。

 

これらの問題は、2017516/17日に、「ドバイ空港ショー」の一環としてドバイで開催される、「CAPA世界空港リーダーズ・フォーラム」(http://www.theairportshow.com/)にて、照明が当てられる事になる。「空港ショー」は、空港と航空関連商品やサービスを展示する企業にとって、業界屈指の企業間取引の舞台で、今年は300社以上、7,500人以上のプロが集まると予測されて居る。

 

Airport investment, politics, airline relations: CAPA Airport Leaders Forum, Dubai, 16/17 May

 

 

FOR CAPA MEMBERS

台湾の中華航空、エアバス機の発注を考慮=フランス乗入れ権獲得の手段として

 

13-Apr-2017


中華航空は、結果としてフランス政府がパリ線への乗入れ権を認可してくれ、同社の地元のライバルで、唯一フランスへの直航便を運航して居る、エバエアとの競争力を与えてくれる事を狙って、エアバス機の発注を検討して居る。

 

2016年の政権交替以来、長い間、眠った様な国有エアラインだった中華航空は、今や勢力拡大に興味を示して居る。然し、同社にとって、欧州は強力な市場ではない。だがパリでは、スカイチームの盟友であるエアフランスと、協働する好機もあり得る。これによって、パリ線は、同社にとって、復活を計画して居るロンドン線に比べ、よりコストの掛からない路線になり得る。

 

中華航空は、現有の737-800保有機群の更新と補強のため、再度、狭胴機の発注を計画して居る。この機材発注は、揺れ動く海峡越え市場の情勢について、中華航空が、如何に楽観的に見て居るかを示して居る。

 

A320neoの評価が高く、この一件の発注で、中華航空の6機のA350オプション契約を行使がどうなるのかは定かでない。中華航空は、2008年発注のA35014機のうち5機を受領して居る。エアバスの航空機発注とフランスへの乗入れ権との相関関係は微妙なものだが、これが初めてのケースでは全くない。台湾とボーイングの地元である米国は、オープンスカイ協定を持って居る。

 

Taiwan's China Airlines considers Airbus order as a means to winning French traffic rights

 

FOR CAPA MEMBERS

バージン・アトランティック:クリーガーCEOの下で、多くの事が変わった=然し、依然、謎は残る

11-Apr-2017

 

クレイグ・クリーガーCEOが、バージン・アトランティックのトップの座について、4年ちょっと経った:同社は大西洋横断の路線網を、再度これまで以上に見直し、保有機材のほぼ1/3を、新たな、より効率性の高い機材に入れ替え、49%の株主であるデルタ航空と英国米国間路線での共同事業を成功裏に進展させ、財務実績への視点を改善させて居る。同社はまた、英国での国内線事業、リトルレッドを開業し、次いで休止した。

 

20173月遅くに公表された、バージン・アトランティックの2016年アニュアルレポートは、収益性は改善して来て居るが、利益については依然として非常に薄いものである事を示して居る。

今回のレポートは、20133月に、クリーガー氏の着任直後に、CAPAが同社の事業分析のレポートを公表して以来、初めてバージン・アトランティックの進展の状況を評価をする機会を捉えるものである。それ以来、多くの事が達成されたが、純粋に継続可能な収益性は未だに達成されて居ない。

 

Virgin Atlantic: much has changed under CEO Kreeger, but it remains an enigma 

 

FOR CAPA MEMBERS

 フィンエアとTAPポルトガル=両社の地元を基地とした長距離戦略の比較

10-Apr-2017

フィンエアとTAPの両社は、ともに欧州の辺境部分に基地を置いて居る:即ち、フィンエアは北東の外れであり、TAPは南西の外れである。また、両社はともに、比較的に人口の少ない国に属して居るが、両社ともその地理的条件を資本として、欧州全域、そしてその他の地域から来る旅客を、他の大陸の長距離線目的地へと繋ぐ路線網を発展させて来た。

 

TAPの主要長距離市場は、南米北部(主にブラジル)であるが、アフリカにも副次的な長距離市場のニッチな市場を持って居る。フィンエアの主たる長距離市場は北東アジアで、これに加えて南および東南アジアでも存在感を見せて居る。両社はまた、米国にも運航して居る。近距離では、LCCの競争がフィンエアよりTAPの方に、より大きな脅威となって居るが、コストの削減はともに重要である。 

 

TAPとフィンエアの輸送旅客数、平均区間距離は似たようなものである。それ以上に、両社とも、持続可能な収益性を創り出すために苦闘して来た。今回のレポートは、欧州の地元に基地を置く二つの独立系の代表格の長距離のニッチな戦略を比較し、両社の相違を示して見る。両社はともに、長距離路線の拡大を加速させようとして居る。

 

Finnair and TAP Portugal: their location based long haul niche strategies compared

FOR CAPA MEMBERS

米国3大エアライン、年金を削減へ=責任ある貸借対照表管理を維持しつつ
10-Apr-2017


米国の3大グローバルエアラインである、アメリカン、デルタそしてユナイテッドは、貸借対照表の強みをうるさく喧伝して居る;即ち過去数年間に彼らがフリーキャッシュフロー(純現金収支)の創出や、債務の軽減など、種々の術を使って達成して来た結果のことである。

 

デルタは新たに得た、投資適格という格付けを使って、向こう23年続く年金支払いの大変な重荷に対して、資金を調達する良い方法はないか、市場を当たって居る。アメリカンもまた、適正な最小資金拠出を許容する規定が、2017年に期限切れとなるため、流動性の目標額を引き上げ、年金引き当ての額を確保しようとして居る。

 

各社それぞれが2017年内に、主として航空機の購入による、かなり大きな資本支出計画を抱えて居るが、アメリカン、デルタそしてユナイテッドは保有機構成の改善のために、不合理に妥協して、彼らの貸借対照表の進展を止めるような計画はして居ない。

 

The US Big 3 airlines work to slash pensions while maintaining responsible balance sheet management

 

4月9日掲載

FOR CAPA MEMBERS

 

サウスウエスト航空とジェットブルー、異なった道をたどる=貸借対照表の力を維持するために

8-Apr-2017

 

それぞれ、ほぼ46歳と17歳となり、サウスウエストとジェットブルーは財務的優先順位のつけかたに、互いに異なったアプローチを採って居る。ジェットブルーは、債務を減らし、しがらみの無い航空機の割合を上げるために、一定レベルまでリースを止めて購入する手続きを進めて居る。サウスウエストは、遥かに時期を過ぎて居る、予約システムの全面見直しや、他の重要な技術革新への投資など、膨大な資金投入について結論を出そうとして居る。

 

また両社は、それぞれ異なった資金配分の戦略を持って居る。サウスウエストは1990年以来、ある一定水準の株主還元を続けて来て居り、一方、ジェットブルーの場合は、中期的に、より意味のある水準の株主還元をじっくり考える事のできる、借入金のレベルに達しようとして居り、株主還元の方法については、まだこれから形が出来始めようとするところだ。

 

サウスウエストとジェットブルーが、類似した見方をして居る一つの領域が、貸借対照表の強さであり、また両社はよく似た借り入れの目標を持って居る:即ち、資本支出の目論見を支え、管理可能な債務水準を維持し、そして株主への還元を維持拡大すると言うものだ。

 

 

Southwest Airlines and jetBlue take different paths to sustaining balance sheet strength

FOR CAPA MEMBERS

 

インドネシア、シンガポール航空とルフトハンザの共同事業を認可せず=再びガルーダを守る

8-Apr-2017

 

インドネシアは、シンガポール航空(SIA)の犠牲のもとに、フラッグキャリアーであるガルーダに有利になる裁定で、またも自由化に逆行する動きを見せた。最近の一例では、インドネシアは、SIAがルフトハンザと組む、新たな共同事業認可申請を却下し、SIAがジャカルタからシドニーへ新たに第5の自由路線を運航することを許可しなかった。

 

インドネシア=欧州間市場の運賃とスケジュールで協調する、SIAとルフトハンザからの独禁法適用除外申請を却下すること、或は受け付けないことは、両社の共同事業全体には大きな影響を及ぼす訳ではないだろう。然し、ガルーダがドイツ線を開設する可能性を前にして、インドネシア政府当局が同社を保護しようとするのは、不幸な行動だった。

 

SIAのジャカルタ=シドニー線を阻止したり遅らせたりする事は、拡大する市場でのガルーダとカンタスの複占体制を維持する訳で、少なくとも現時点では、短期的に見てより大きな影響を持つだろう。

 

 

Indonesia refuses to approve Singapore Airlines and Lufthansa JV, protecting Garuda once again

FOR CAPA MEMBERS

 

エアアジア、ベトナムでの共同事業開始へ3度目の試行=ベトナムはおそらくLCCで満杯

5-Apr-2017

 

エアアジアグループは、ベトナムでの子会社を設立するための3度目の試行をしようと、新たな共同事業を開始した。エアアジアは、当初、ベトジェットエアと提携して居たが、べトジェットが2011年遅くに運航を開始する前に提携が解消されて居る。

 

市場は、それ以来、規模では2倍以上に拡大し、ベトナムは東南アジアの最速で成長する市場として台頭して来た。更なる拡大の余地はあるものの、既存LCCとして、ベトジェットとジェットスター・パシフィックは、先駆者としての優位性を持って居り、如何なる新規参入者にとっても、それなりの存在感を確立することは難しくなって居る。エアアジアは、また、管理面でのハードルも乗り越えなければならないだろう。

 

ベトナムは東南アジアで、エアアジアの子会社の無い国としては、仮想のハブによりかなりの存在感を獲得して居るシンガポールに次いで2番目に大きな市場である。エアアジアにとってベトナムは戦略上、避けて通れない市場であるが、グループはパーティに遅刻して、フィリピンで同社の事業に与えた打撃と同様の障害に直面して居る。

 

 

AirAsia initiates third attempt to launch Vietnamese JV; Vietnam maybe overburdened with LCCs

FOR CAPA MEMBERS

 

LATAMとアビアンカ、貸借対照表の浄化を継続=株主間の反目が、アビアンカとユナイテッドの提携に影を投げかける間に

 

4-Apr-2017

2年間のラテンアメリカの経済不況により、この地域のエアライン各社は借入の改善、債務の削減、投資確約額を減額するなどを通じて、貸借対照表を改善する事に、より以上の力点を置く事を余儀なくされて来た。この地域の最大のエアライングループである、LATAMエアライングループとアビアンカ・ホールディングズの2つが、資本コストを抑制するために、航空機受領日程の再交渉など、各種の手段を使って貸借対照表の強化を図って来て居る。

アビアンカ・ホールディングズは2017年に、6機の機材を受領する予定だが、一方LATAM2年間で、予定済みの資本支出を20億米ドル削減する事から、保有機総計で、対前年5.5%縮小する。

LATAMは、2016年後半にカタール航空から、資金投入を受けた事から流動性の活性化が出来、同時に、カタールの資本注入は、2016年末には、連続12ヶ月の収入を押し上げ、対前年5.5ポイント改善させるのを手助けして居る。アビアンカは、2016年中頃からずっと、資金提供者と戦略的提携相手を探し続けて来たが、ユナイテッドを選んだ事は、同社の2つの最大株主間の論争を巻き起こし、訴訟、対抗訴訟が始まり、タイアップの産み出す可能性に暗い影を落として居る。

 

LATAM and Avianca continue balance sheet clean up as shareholder strife clouds Avianca-United tie up

 

FOR CAPA MEMBERS

 

アレージアントエア、資本増強へ=新機材の受領が2017年度の資本支出を急上昇させることから

2-Apr-2017

 

米国の超LCCであるアレージアントエアは、エアバスA320系列機が、保有機構成の50%に達する2017年、全機がエアバス機材と言う保有機群への進化に向けた、大きな一歩を踏み出そうとして居る。同社は、2019年の始め迄に、アレージアントが、比類のないニッチな超低コストの尖兵として急上昇した頃の、屋台骨を支えたMD-80の退役の道筋を立てて居る。

 

アレージアントは、また、2017年に、この年の同社の資本支出の顕著な上昇の要因となるA320新造機の受領を開始する。アレージアントは、2017年の資本支出増大を支える流動性を確保しようと努力して居り、新機材は受領と同時にキャッシュを増大させてくれると考えて居る。アレージアントのこの新機材の主たる資金源は、使用中のA320を担保とする、金融市場である。

 

運用面では、アレージアントは2017年末までに、路線網の中で同社の運航効率を高める事に役立つよう、2つを除く、全ての基地をエアバス運用に移行する予定である。

 

Allegiant Air shores up liquidity as new aircraft deliveries cause a spike in 2017 capex

 

 

4月2日掲載

FOR CAPA MEMBERS

 

欧州の2017年夏季エアライン供給見通し=5夏季連続で平均席数増を上回る

2-Apr-2017

2017年夏季、欧州からのエアラインの供給席数増は、OAGデータによれば、3夏季連続でほぼ6%に留まる計画である。この増加率は、5夏季連続で欧州の過去10年間の平均値を上回る伸びとなる予定だが、2010年以来、過去には達成されて居なかったものだ。2017年の夏季スケジュールは2017326日に始まって居り、いつもの通り、これからもまだ変更が有り得るが、このデータは充分に明瞭な絵姿を見せて居る。

 

欧州発アフリカ路線の座席供給量は、北アフリカの需要がテロの影響による落ち込みから回復するに連れ、最速で伸びる予定だ。また、欧州発のほぼ全地域で(欧州域内も含め)平均値を上回る伸びとなる予定だ。唯一例外は、警戒した湾岸エアラインの拡大が、今夏は鈍化して居る、欧州=中東間路線である。

 

欧州の主要伝統エアラインの利益にとっては最重要な北大西洋では、10年間の平均値より高い伸びとなる模様だが、少なくとも昨夏よりは緩やかなものになりそうだ。独禁法除外の北大西洋共同事業から、LCCを含む新しい小規模な競合社が市場占有率を奪って行く構図は依然として続く模様だ。いつもの通りOAGの供給データは欧州からのエアライン市場の変わりゆく構造を覗き見る窓を提供してくれて居る。

 

 

Europe summer 2017 airline capacity outlook: fifth successive summer of above trend seat growth

FOR CAPA MEMBERS

 

バージン・アメリカ買収、アラスカ航空にサンフランシスコで弾薬庫を与える=ユナイテッドに対抗してのし上がるために

1-Apr-2017

 

アラスカ航空がバージン・アメリカを追いかけ、ついに買収した主たる理由の一つは、米国西海岸で戦略的に同社の基盤を支えるためだった。アラスカは、今や、新たに強化された、サンフランシスコの足場を活用して、2017年末までに、同空港から12の新しい目的地を加え、この町からバージン・アメリカと合体した食指を伸ばして居る。

 

アラスカは、同空港で拡大する事で、サンフランシスコ最大のエアラインであるユナイテッドとの競争力を強化し、新たに計画した路線の多くで、ユナイテッドの独占体制を崩して居る。この拡大は、アラスカとバージン・アメリカが一緒になった事が、ユナイテッドに挑む上で、バージン・アメリカ一社だった時に比べ、遥かに強力な足場を持つ事を示して居る。

 

アラスカが提供する新たな路線は、同社が増強して居るエンブラエル175とバージン・アメリカのエアバスA320系列機を使った、中小規模の市場の混合である。同空港からのアラスカの新たな路線構成は、サンフランシスコから、より大きな収入を同社に齎す筈の、より多様な機材を使った、より幅広い路線網構成で、合体したエアラインの能力を描き出して居る。

 

Virgin America acquisition gives Alaska the arsenal to up the stakes against United in SFO

FOR CAPA MEMBERS

 

デルタ航空と大韓航空、共同事業を発表=中国南方、スカイチームへの変節の影で

1-Apr-2017

 

デルタ航空と大韓航空が、スカイチームの盟友であり、アジア最大、スカイチームの中では第2位、そして世界で第6位の中国南方航空が、デルタのライバル、ワンワールドメンバーであるアメリカン航空から、投資と広範な戦略的提携を受け入れる事に合意した、ほんの2日後に、共同事業を発表したのは、間違いなく、ただの偶然ではない。

 

デルタと大韓航空は共同事業をずっと示唆して来ており、2017329日に発表したのは、単なる、覚書に過ぎない。この共同事業は、収入の分配だけでなく、利益の分配も含んで居る事から、高い水準の統合と信頼を伴った、強力なものでなくてはならないだろう。

 

然し、これ以外、デルタと大韓は、新たな詳細について、或はスケジュールさえ全く公表して居ない。彼らの発表は基本的には、何ヶ月も言い続けて居る事を、単に、正式に認めたに過ぎない。

 

もしこれが、中国南方ーアメリカンへの対抗策であるとするならば、提携する両社は、中期的には大きく変わって行き、互いに重大な競争関係を生じさせない事に注意すべきだろう。デルター大韓共同事業は、投資家の信頼が揺らいで行く事態に直面し、中国ー韓国間市場が厳しい圧力下にある、大韓航空にとっては不幸なタイミングで到来する事になる。

 

 

Delta Air Lines & Korean Air announce joint venture in shadow of China Southern's SkyTeam defection

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インドフィリピン間路線:急速な拡大=A321neoの新技術がセブパシフィックとPAL間の乗入れ権争いを招く

31-Mar-2017

 

急速に拡大するインド=フィリピン間市場で、直航便が2018年までに少なくともフィリピンの1エアラインによって復活しそうである。セブパシフィックエア、フィリピン航空(PAL)そして、フィリピン・エアアジアの全てが、インドへの乗入れ権を求め、そしてデリーへの定期便開設を熱望して居る。

PAL
2011年にデリーへの直航便を、2013年にはバンコク経由便を休止して居る。マニラ=デリー間市場は2011年の頃は、直航便を運航するには小さ過ぎるとすぐに判明してしまったが、それ以来、同市場は規模で2倍以上に成長し、路線はより現実的なものになって来て居る。新生代狭胴機の科学技術が更に路線の見通しをずっと良い物にして居る。

PAL
とセブパシフィックは、マニラ=デリー線に、共にA321neoを使う予定だ。フィリピン・エアアジアは、将来的にはA320neoを使って直航する可能性があるが、今はまず、A320ceoを使って、バンコク経由便の乗入れ権を求めようとして居る。セブパシフィックとPALの直航便計画は、現行の二か国間航空協定の下では、週間7便しかない便数枠を如何に配分するのか、間もなく決断せねばならないフィリピン政府当局を揺り動かすことになりそうだ。
 

 

India-Philippines: rapid growth, A321neo technology leads to Cebu Pacific-PAL traffic rights battle

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キューバの新たな、そして魅惑的な神秘性、急速に冷める=米国エアライン、供給過剰と停滞する需要に直面して

29-Mar-2017

 

ほぼ一年前、米国エアライン各社は、50年以上にわたる休眠を終えたキューバ路線に定期便を飛ばす認可を得ようと、殺到して居た。エアライン各社が、提示するサービス計画の主張する長所をライバル達が批判し、競争は熾烈だった。キューバへの定期便運航の効果は無限に思え、広範なビジネスモデルを持つ米国エアライン各社が熱っぽく、湧き出ずる需要の可能性を秘めた、次の巨大な市場へのアクセスを確保しようと懸命になって居た。

 

然し、興奮の下に潜んで居たのは、米国への旅行者の流入をキューバ政府が扱い切れるのかと言う懸念と、両国間の需要への期待が、膨れ過ぎて居たのではないかと言うものだった。最近になって、米国エアライン各社がキューバへの供給を削減した事は、彼らが、初期の需要予測とこれらの路線の慣熟期間について、少々熱狂し過ぎて居た事を示して居る。

 

野望が出鼻を挫かれた事は、実際の市場で運用して見る事に対し、具体的なデータを僅かしか持たずに、新規市場の需要パターンを予測する事の違いを反映して居る。市場の供給過剰により2社の米国エアラインが同時にキューバ線から手を引こうとして居る。

 

Cuba's alluring new mystique quickly fades as US airlines face overcapacity and sluggish demand

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エーゲアン航空、オリンピックエア買収以来初の供給削減=2016年の利益下落

28-Mar-2017

2017年内に、エーゲアン航空グループは、2012年以来初めて供給席数と保有機数の削減を行う予定だ。これは、同グループが、2013年のオリンピックエア買収以来、3年間の急速な拡大を続けた後にやって来るものだ。オリンピックの全機ターボプロップの保有機群は、国内線市場に焦点を絞ったものだが、同時に、特にアテネのハブを通じたエーゲアンの国際線路線網への送客を助けるものでもある。削減は国内線市場に絞られる予定だ。

 

エーゲアンは同時に、2017年内、或は2018年早々には、重要な長期の保有機計画を決断する予定である。同社のリース機材の大半は2019年から2023年の間に更新する必要があり、選択肢を検討して居る。エーゲアンは現時点ではエアバスの狭胴機を運航して居るが、A320neo系列に加え、ボーイング737MAXも検討することになるだろう。

 

エーゲアンの最後の供給削減は、ギリシャが数年に及ぶ深刻な不況に喘いで居て、4年間の損失を計上した最後の年である2012年だった。それ以来、同社は健全な利益を上げて来たが、黒字の一方で、営業利益率は2016年に2年連続で下落した。ギリシャはライアンを筆頭とするLCC各社による急速な供給拡大を経験して来た。過去3年にわたるエーゲアンの単位収入の下落が、取締役副社長の言う所の「統合と再調整」のためにひとまず立ち止まる事を促したのだ。

 

Aegean Airlines cuts capacity for first time since Olympic Air acquisition; 2016 margin falls

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セブゴー:2017年に拡大を加速=セブパシフィック・グループがATR72-500の退役を遅らせる中で

 

29-Mar-2017

 

セブパシフィックの域内子会社セブゴーは、2017年に幾つかの新規路線の開設を可能にする、保有機群の拡大を加速しようとして居る。セブゴーは今や、ATR72の保有機群を2017年中に6機増やして、グループの以前の保有機計画より5機多い、合計18機に拡大する計画である。

 

セブゴーは、2016年遅くに納入された2機、2017年早々にもう2機と、過去6ヶ月間に、ATR72-600を既に4機増やして、合計12機に拡大して居る。このLCCは、グループにとっては、全く新規の7路線と、これまで姉のセブパシフィックエアが飛んで居た3路線を含め、10路線を開設する為に追加機材を使用して来た。

 

セブゴーは、2017年末までにもう4機のATR72−600を受領する計画である一方、5機のATR72−500の退役を遅らせて居る。同社の供給席数は2017年内に、20%以上増え、この結果、3%の供給増のセブパシフィック・グループも、主力の供給は前年並みということになって居る。

 

 

Cebgo: expansion accelerates in 2017 as Cebu Pacific Group delays ATR 72-500 phase outs