CAPA分析 : NEW HEADLINES  8月

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。

 

 

 英文本文の翻訳を航空、旅行業界の豊富な経験と知識で承ります。 

  

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ミャンマーナショナル航空=香港、台湾そして中国への大胆な国際線拡大を継続

29-Aug-2015

 

ミャンマーナショナル航空(MNA)は、2015年末までに香港、台北へと新たな国際線路線網を広げようとして居る。2016年には、このリブランドを果たした政府所有のエアラインは新たな保有機材737−8004機増やし、中国本土の複数の地点への展開を計画して居る。

 

MNA2015817日、22年間の空白の後に国際線を復活させ、新たなページを開いた。同社は現在、シンガポールとミャンマー中の26の地点に国内線を飛ばして居る。

 

MNAは、確立されたブランドの外国社との強烈な競争を含め、参入する全ての新たな国際線市場で待ち構える障害を克服しなくてはならないだろう。然し、MNAは国内線路線網の主導的立場とアバカスとの新たな流通アレンジメントを梃子にして、ニッチな位置を確保できると自信を持って居る。

 

Myanmar National Airlines continues ambitious international expansion with Hong Kong, Taiwan & China

業務渡航:CAPAのシドニー刷新サミット=供給の鎖の障害物について討議

28-Aug-2015

 

豪州の業務渡航関係の指導者たちが集まったCAPAアジア太平洋業務渡航刷新サミット2015では、障害、データ、関知の義務についてが主たる話題になった。

 

このサミットは、約150人の上級業務渡航管理者を集め、出張旅行の、近いそして長期の将来像への展望とともに、供給者と購買者が見る現在の問題と商機についての洞察について話を聞いた。

業務渡航を管理する側にとって障害となる、ウーバーやエアB&Bなどの新たな技術革新の産物から、引き続き、現在の出張旅行の管理手法に対する挑戦が続き、供給者側としてはこれに順応する事を余儀なくされるだろうという、強い予測がなされた。


Corporate travel: CAPA's Sydney Innovation Summit tackled the issue of supply chain disruption

オーランド国際空港、国際線の成長はオープンスカイ政策の成功の証左=エミレーツが乗り入れる中で

27-Aug-2015

 

オーランド国際空港は、20159月に期待の大きかった、同空港の旅客を中東やアジアへ運ぶ戦略的な道を開くエミレーツ航空の新たなドバイ便の就航で、印象深い成長を遂げたこの数年間を締め括ろうとして居る。

 

この空港は、昨年一年間で、ブラジル、ペルー、メキシコ、デンマーク、そしてアイルランドへの便の開設を迎え入れた。これらの便が増強できたのは、米国の3大世界エアラインのハブでも無いオーランドの、米国航空界の統合後の時代にあって、国際線誘致を図る独特な能力のお陰である。

 

アメリカン、デルタそしてユナイテッドが反湾岸の論法で凝り固まる中で、オーランド国際は自らの空港に新たな国際線を確保する能力にとっては、オープンスカイが重要である事を強調して居る。

 

そして、皮肉な事にデルタは、UAEとカタールとのオープンスカイ協定には反対して、米国のオープンスカイ体制の基盤を揺るがし続けて居ながら、自社が2015年後半にオーランドからブラジル線を開設する時には、米国のブラジルとのオープンスカイ協定を利用しようと狙って居るのだ。

 

Orlando International’s international growth is testament to open skies success, as Emirates enters

中国発航空と旅行市場、依然堅調=元の切り下げにも関わらず

27-Aug-2015

 

中国での小さな振動は、世界では地震でも起きたかと思わせるに足りるものだ。元の切り下げは、広範囲な影響を投げかけて居るが、航空業界に関する限り、中国発の市場見通しは依然として明るい。中国でより大きな経済変動があれば、元の切り下げもその一部だが、中国発着のビジネス需要に影響を与える可能性がある。然し、中国人旅行者が2014年に11,700万人に達し、更に大きな中国発のレジャー需要は、堅固な成長を続けるだろう。

 

米ドルに対しては、元は、ほぼ2012年の水準に戻って居る。太平洋横断の供給増大とビザ発給の規制緩和が、引き続き拡大を推し進めるだろう。日本、韓国、豪州そして欧州など、その他の中国人旅行者に人気の目的地では、元はこの2年かそれ以上で最高の状況が続いて居る。見通しは依然明るく、そして、より待遇が良くなる中国人旅行者にとっては、素晴らしい話だ。

 

Airline and tourism prospects for China's outbound market remain strong despite yuan depreciation

ベトジェットエア、ベトナム国内での拡大続く=IPOが近づく中で

27-Aug-2015

 

ベトジェットエアは、ベトナム国内の旅行需要が引き続き急速に伸びる中で、更なる国内線拡大を進めて居る。同社は、20157月、ベトナム国内市場の占有率40%を確保したが、間も無く50%を獲得出来るだろう。

 

ベトジェットは、2015101日、16番目の地点となるプレイクに路線を開設の予定で、更に、同社の急速に拡大するA320系の保有機材では入れない、副次的な国内線地点への路線を開く為に、リージョナルジェットの使用を考えて居る。同社は、2015年末迄には、ベトナムのリゾートの島、コンダオへの路線開設に使う想定のエンブラエルE1951機ウエットリースして、新たなリージョナル戦略を試す事に、熱心に取り組んで居る。

 

国際線の拡大は、国内線に比べるとずっと控え目で、確かに遥かに危険を孕むものである。ベトジェットは、201510月には、5番目の国際定期便である、ヤンゴン線を開設しようとして居るが、賢明にも、殆どの国際線の拡大は、特に中国へのチャーター便に絞って居る。ベトジェットは、また、競争がより激しく、市場環境の厳しい、タイでの子会社事業拡大については、極めてゆっくりして居る。

 

VietJet Air continues domestic expansion in Vietnam as its IPO approaches

エアアジア、2015年上期実績=地域の主導的LCC、長期展望に立ってグループを改編し、拡大を引き締める

26-Aug-2015

 

エアアジアは、苦戦する子会社の黒字を回復し、収益性を再確立しようと試みる中で、拡大のペースを緩めて居る。2015年上期に、エアアジアブランドのエアライン8社のうち歴史の長いマレーシアとタイの短距離会社だけが黒字で、後の6社は赤字だった。

 

エアアジア系列の旅客総数は、2015年上期には、伸びはわずか6%2,650万人になった。2015年はほぼ間違いなくエアアジアの14年の歴史の中で、史上最低の旅客数伸び率になるだろう。

 

2015年はまた、エアアジアが保有機数を縮小する最初の年になるだろう。エアアジアは現在、年初にあった197機に比べ、166機のA32027機のA330300など、2015年を193機で終える計画だ。今後3年間では、極めて控え目な成長が計画されて居て、2018年末には、208(177機のA32031機のA330)になる予定だ。

 

AirAsia 1H2015 results: the region’s leading LCC regroups for the long run, reining in expansion

エアバスA340500/600のプロファイル=ルフトハンザ、イベリアは大量保有を継続、アジアのエアラインでは退役へ

26-Aug-2015

 

2015年、タイ航空と中国東方航空は、A340600を退役させた。A340600132機生産されたが、そのうち89機が現役だった。ルフトハンザとイベリアは現役機の46%を占めて居る。エティハド、バージンアトランティックそして南アフリカ航空(SAA)3社と合わせると、現役機材の81%になる。

 

ルフトハンザの2025年の保有機材計画ではA380747−8i777xA350そしてA330からなって居り、A340−600は機齢が進むとともに引退して行くだろう。イベリアは、メキシコシティ、サンノゼ、ボゴタ、そしてキトなどの暑い、高地の目的地に飛ばすために、A340−600を保持して居る。

 

ASKで見ると、イベリアのマドリッド=メキシコシティー線が、最大のA340−500/600の路線である。南アフリカ航空のヨハネスブルグ=ニューヨーク/JFK線が距離としては最長の路線で、SAAは燃油を喰うこの機材の更新を望んで居る。

 

 A340-500/600はエミレーツが退役させ、湾岸から消え去りつつあるが、一方でエティハド、カタールは、数少ない長距離路線に使って居る。

 

Airbus A340-500/600 fleet profile: Lufthansa, Iberia retain large fleets, Asian airlines retire them

キャセイパシフィック、2015年上期:「我々の関与は変わる事が無い。」=然し、市場がそれに応え無い

25-Aug-2015


キャセイパシフィックは、2015年上期に、子会社や、ヘッジの無い中国国際航空などの関連会社からの利益に大いに助けられ、最終決算が低い水準から、若干の改善を見せ、高級ビジネスモデルを引き続き堅持しようとして居る。ジョン・スローサー会長は、「我々が、やって居る事は正しいに違い無い。」と、語って居る。

 

然し、行く手は、益々険しくなって居る。燃油費で12%のヘッジ差損は、概ね、消費者に転嫁し、外貨為替の影響もあるけれど、9%の実収率低下となった。長距離路線のプレミアム需要は、引き続き軟調である。キャセイの効率向上に依存したメニューは、間も無く、天井にぶち当たる可能性がある;即ち、機材の稼働率は、搭乗率が86%になる間に、A350と、その後の777Xは改善を齎すとは言え、その他の利益があれば貴重である。キャセイは地理的に有利で、より大きな地元市場を持った競争相手達の一歩先に居続ける為には、少しづつでも改善を重ねなければなら無い。

 

Cathay Pacific 1H2015: 'Our commitment is unwavering.' But the market is not returning loyalty 

CAPA LCC空港会議:綺羅星の講演者が揃う=参加申し込みは後3週間

24-Aug-2015


今やLCCは、世界のエアラインが供給する総席数の4席に1席以上を占めて居て、一方、東南アジア域内に限ればLCC5席中の3席近くを供給して居る。実質上、世界の全ての地域でLCCはエアライン業界の成長の推進役になって居る。然し、彼らが発着する空港はしばしば、全く異なった時代に建設されて居る。結果として、空港のインフラや提供する技術、サービスが、LCCの今求めて居るものに適さない例があらゆる地域で生じて居る。

 

空港の管理者や政府監督官庁がLCCのビジネスモデルの牽引車としての本質への配慮に欠ける場合もあり得る。一方、LCCの多くにもライバルであるフルサービスエアラインの特徴を取り入れ、ハイブリッド化した、異なったタイプが生まれて居る。

 

この基本問題を探る、バンコクでのCAPAサミットの1日の会議では、利害関係者の間に存在する、意識の亀裂に橋渡しをする手助けを、そしてアジアの航空界そしてその先まで、共存共栄の関係を創り出す事を目指して居る。

 

このCAPAサミットは915日、バンコクのシャングリラで開催され、エアアジア主催の歓迎レセプションは914日の夕刻開かれる。

 

CAPA LCC Airports Congress: a star-studded speaker line-up - three weeks to sign up

エミレーツの米国での拡大は、ジェットブルーとアラスカ航空のハブに繋ぎ留められる=ラテンアメリカでの拡大は、パナマシティーに

23-Aug-2015


2015
年冬のスケジュールでは、エミレーツは、米国に向けて、2014年冬より35%供給を増やす予定だ。この拡大は、無作為なものでは無く、増加分の90%は、現地の提携先である、ジェットブルーとアラスカ航空のハブである、ニューヨーク/JFK、ボストン、シアトルとオーランドに集中して居る。残りの増加分10%は、主に、前回供給増が全期間で実現したものだ。

 

もう一つの提携先のハブであるフォートローダーデールは、ジェットブルーが、この南フロリダの都市からラテンアメリカへの存在感を拡大させて居ることから、エミレーツにとっては魅力的かも知れない。ジェットブルーはエミレーツが20159月に路線を開設するオーランドよりもフォートローダーデールの方に、より大きなラテンアメリカ線での存在感を持って居る。然し、エミレーツのラテンアメリカへの食指は、まず、ドバイから世界最長となるパナマシティーへの路線で広げられる。

 

地元で大いに成功して居るハブエアラインであるコパと最終的に提携関係を結べば、エミレーツにとってラテンアメリカへの大きな途を開く事になる。パナマシティーとコパはずっとアジアのエアライン提携社を探して居て、エミレーツは部分的ながらこの希望を満たす事になる。

 

Emirates' USA growth anchored around JetBlue and Alaska Air hubs. Panama City for LatAm Growth

エアアジアX、保有機拡大を緩め、2015年度下期に黒字回復を目指す=エアアジアが異母姉妹を買収できるか?

22-Aug-2015

 

長距離低コストエアラインであるエアアジアXは、グループ全体が、厳しい市場環境に悪戦苦闘する中で、更に拡大のスピードを緩めて居る。エアアジアXの現在の保有機材は今後3年間に、たった3機の追加しか計画されて居らず、インドネシアとタイの新たな子会社のための体制作りに期待されて居たのに比べ、ずっと緩慢な動きになった。

 

エアアジアXは、現在、7四半期連続の赤字を続けて居り、累積赤字は2015年第2四半期の3,600万ドルを含めて、27,000万ドルに達して居る。グループは2014年後半からずっとリストラモードに入って居り、2015年第2四半期には輸送旅客数が20%も落ちる状況になって居る。

 

好ましからぬ市場環境と、予期せぬ外的要因が待望の黒字回復を遅らせて居る。然し、エアアジアXはマレーシア航空の供給減に助けられて2015年下期には黒字回復すると自信を持って居る。然し、新たな予想できない外的要因が悪い影響を与える可能性もある。

 

AirAsia X slows fleet expansion, seeking a 2H2015 turnaround. Could AirAsia buy its half-sister?

イランの航空業界、航空機メーカーの次の標的=期待通りの急成長なるか?

21-Aug-2015

 

イランに対し、画期的な核開発の取り引き提案がなされ、焦点は、合意に至る迄の恐ろしく複雑な内容から、その意味するところに移って来た。航空業界で言えば、これは、イランが新しい航空機を買うという事だ。この見通しは、予てから見えて居たのだが、数カ国が、共同包括行動計画を承認した事から、今や、手の届くところに感じられる様になった。イランは、老朽化した保有機材を更新し、国内のエアラインが制限を受けて居る間に、イランの市場で外国社が得た利得を取り返し、新たな成長を実現する為に、エアバスやボーイングと取り引きを始めたいと躍起だが、実際の商談が始まるのは2016年になってからだろう。

 

20158月現在、イランの現役保有機材は215機ある。イランの構想としては、5年以内に300機、更に次の5年間で200機、合わせて10年間に500機を買うと言うものだ。核取引が成立する事により、この数字はより詳細に検討されようとして居る。イランとしては、保有機材の平均機齢がほぼ25年と最高齢の部類に入って居り、更新と成長を求めて居る。

 

Iran aviation: the next market for aircraft manufacturers. Can growth be as fast as hoped?

 

湾岸エアライン、東南アジアへの進出続く=ルフトハンザ、シンガポール航空は、合弁で対抗すべきか?

20-Aug-2015

 

ルフトハンザとシンガポール航空は、着実に湾岸エアラインに市場占有率を奪われて居る。この2社は、アジア=欧州間の市場での立場を改善する為に、商品のアップグレードを使おうと考えて居るが、可能性のある提携先からの支援は余り得られて居らず、例えばこの両社同士くらいだ。

 

互いにスターアライアンスのメンバーではあるけれど、提携の話は両社の関係の中核にはなって居ない。両社は、より大きな敵と戦う為に、互いに、小異を捨てて大同に着くべきなのだろうか、もっと深刻には、それが一体、出来るのだろうか?

 

ルフトハンザとSIAは合わせて、東南アジア=欧州間直航便供給席数の27%を占めて居る。然し、OAGトラフィックアナライザーのデータに依れば、全ての乗継地点を経由して飛んだ旅客を入れると、彼等の占有率は僅か13%である。エミレーツは1社だけで、市場の12%を占め、エティハドとカタールを加えたら、東南アジアと西欧間の旅客の27%は今や、湾岸のこの3社の乗継便を使って居るのだ。

 

Gulf airlines continue Southeast Asia push. Should Lufthansa & Singapore Airlines respond with a JV?

タイ・ライオンエア2016年末迄に、規模を2倍に=ノックエアとタイ・エアアジアに更なる影響

19-Aug-2015

 

タイ・ライオンエアは、次の16カ月で、保有機数を2倍に増やし、2016年末迄に歴史の長いノックエアより大規模な事業を展開出来る様な計画を立てて居る。タイ・ライオンは、2013年末に開業し、タイの急速に伸びる国内線LCC市場で、既に20%以上の占有率を獲得し、2016年末には、これが30%を超える筈だ。

 

タイ・ライオンは現在、13機の737-900ERを運航しているが、つい最近、2機の737-800を受領し、737-900ERでは飛べないような、副次的な国内空港への路線を開設する為に使う計画だ。タイ・ライオンは、2015年末迄に、737-800をもう5機、2016年には、-800と、-900ERを取り混ぜて10機の航空機を追加する計画だ。

 

タイ・ライオンの国内線路線網は、今後数カ月で10地点から13地点に拡大する予定だ。同社は、2015815日、シンガポール行きのデイリー便で国際線も復活させ、2015年末迄に、中国で数地点への路線を開設する計画だ。

 

Thai Lion Air to double in size by end of 2016, further impacting Nok Air and Thai AirAsia

ローマ・フィウミチノ空港の火災、ファッションの都ミラノに利あり=アリタリアはハブの板挟みに陥る

18-Aug-2015

 

201557日、イタリアの首都の筆頭空港で、アリタリアの本拠地である、ローマのレオナルドダビンチ空港は、喫茶店から始まった第3ターミナルの火災のため、閉鎖せざるを得なくなった。数百便がキャンセルされ、全てのターミナルが立入禁止となり、混沌とした現場で旅客は大混乱となった。


消防車15台が出動し消防士が消火活動に奮闘する中で、火は、数個の入国審査ブースを破壊し、主に免税店の大きなエリアなど、商業ゾーンにも燃え広がった。幸運にも、直接の犠牲者は出なかったが、漸く完全に鎮火すると間も無く、健康と安全への懸念が持ち上がった。アエロポルティディローマ(AdR)や、民間航空局、ENACによる各種の対策にも関わらず、これらの懸念は、尾を引いて居り、先ずは、空港全体の能力の60%まで、稼働を引き下げる事となった。

 

確かに、今回の火災は、フィウミチノのインフラの状況や、現在から将来にわたって、膨大な数の旅客を取り扱う事の妥当性、そして、多くの拡大強化計画があるけれど、国家の表看板、空の表玄関の役目を担うべきか否かさえ疑問視する数々の懸念の箱の蓋を開ける作用をしてしまった。

 

As Rome's Fiumicino burns, fashion capital Milan could benefit. Alitalia is left with a hub dilemma

 

ハワイアン航空とジェットブルー、3大エアラインのキャンペーンに対抗して一致団結=締結された合弁協定に挑む

16-Aug-2015


内乱が勃発。巨大な世界規模のエアライン3社と、中規模の国内線を運航するエアラインの間の仲違いが、拡大して居る。このカテゴリーに含まれるエアライン各社は、アメリカン、デルタそしてユナイテッドの始めた湾岸エアラインの補助金糾弾キャンペーンで、それぞれ相反する立場に居る。この事は、その他のエアライン各社による、米国が100カ国以上と結んで居るオープンスカイ協定の恩恵を奨励する目的を持った、米国社のオープンスカイ同盟結成の動きと並行した、最近のジェットブルーとハワイアン航空の提携にも反映されて居る。

 

然し、ハワイアンとジェットブルーはまた、大っぴらに、過去10年間に3大エアラインの採用したビジネス戦略、即ち、独禁法で許された合弁協定が、基本的な信条に悖ると非難して居る。ハワイアンとジェットブルーは、合弁協定は、結局、運賃を上昇させ、消費者の選択肢を減らしたと考えて居るのだ。

 

ジェットブルーは、合弁協定が、本当に消費者の利益になっているのか、米国政府が見直すよう要請して居る。米国の監督官庁は、最近、同国の最大手エアラインを監査することに意欲を示して居り、ジェットブルーは、これで、自社の要請が、牽引力を持ち始める目が出てきたと信じて居る。

 

Hawaiian Airlines and JetBlue combine to oppose the Big 3’s Gulf campaign and challenge closed JVs

ライオングループ、シンガポールへの進出を強化=バティックエアが世界第2の国際路線に参入して
14-Aug-2015


ライオン・グループのフルサービス子会社、バティックエアが新たに毎日2便のシンガポール便を就航させ、国際線市場に参入した。バティックは、ジャカルタ=シンガポール間を飛ぶ8番目のエアラインとなり、国際線として世界第2位の規模を持つこの路線で、既に姉妹社LCCライオンエアが飛ばして居る、毎日7便を補完する事となる。

 

シンガポール線の開設は、同社が、保有機数を34機へとほぼ倍増させるのに伴う、2015年のバティックの主要拡大計画の一部となる。ライオンは、今年受領する狭胴機の殆どをバティックとタイ・ライオンに割り当てる一方、本体ライオンエア ブランドの拡大は、可なりペースを緩めて居る。

 

新路線は、ライオングループにとって、シンガポール大進出作戦の一部でもある。タイライオンエアもほぼ同時期にシンガポール線を開設する予定で、シンガポールは主要なライオングループのエアライン4社が、揃って定期便を就航させる初の地点となる。

 

 Lion Group continues Singapore push as Batik Air enters world’s second largest international route

ノックエアとノックスクート第2部:国内線と域内での拡大=ベトナムの3路線を含む

13-Aug-2015

 

ノックエアは、2015年下期から2016年にかけて、更に8機の新機材を加え、より速やかな拡大を計画して居る。ノックの保有機数は、現在の24機から、2016年末までに32機に増え、国内線、国際線双方の市場で拡大するに充分な供給力を持つ事になる。

 

ノックは、競争が激化するにも関わらず、現在の主導的立場を維持する為に、引き続き、国内線拡大を推進する計画だ。然し、ノックは、また、シンガポール、ベトナムの3地点への路線開設、そして現在唯一の国際線定期便を飛ばすミャンマーでの拡大へと、域内国際線の市場での拡大も推進しようとして居る。

ノックは、現在、ダッシュ8 Q400ターボプロップの保有機数を少なくとも8機に増やし、副次的な国内路線拡大と、ベトナムのダナンの様な副次的な国際線の新地点への路線開設が可能になるよう計画して居る。追加する737-800は、国内線幹線への供給拡大を継続し、同時にハノイ、ホーチミン、シンガポールや、中国の幾つかの地点への就航の為に使用する予定である。


Nok Air & NokScoot Part 2: domestic and regional expansion including three new routes to Vietnam

 


フライドバイ、二元ハブ戦略開始=エミレーツはDWCへの動きには未だ沈黙

12-Aug-2015

 

未来は到来しようとして居る。20151025日から、フライドバイが現在の主たる基地であるドバイ国際(DXB)での定期便運航を補完するため、初めてドバイワールドセントラル(DWC)のドバイアルマクトゥーム空港から、定期便の運航を開始する計画だ。7都市に合計週間70便を運航するが、これは、次のシーズン以降増えて行くだろう。間も無く、巨大になるDWCは、フライドバイの、姉妹エアラインであるエミレーツ航空の、ドバイ首長国の、そして、世界の航空界の未来なのである。

 

エミレーツはその大規模で、乗り継ぎに重点を置くビジネスモデルは、分裂ハブの運用は不可能であるとして、次の10年の何処かで、一気にDXBからDWCに移転する考えを変えて居ない。然し、より多くの地場需要や、域内に焦点を置くフライドバイなら、矢張り極めて難しい命題ではあるが、二元ハブをより容易に運営出来る。方程式は沢山の要素を含んだ複雑なものである。フライドバイの拡大をDWCに方向転換させれば、DXBの発着枠に余裕が出来て、エミレーツに取って有利になる可能性がある。即ち、フライドバイに別の票田を狙う事、交通量の限られたDWCの基幹エアラインになる事を促す事になる。

 

flydubai begins dual-hub strategy with Dubai World Central launch. Emirates still silent on DWC move

米国の事前入国許可方式=複数の問題が上がる

12-Aug-2015

 

本能的に保護主義的な、米国のエアラインや、労働組合が、外国の空港に米国移民入国審査の事前許可方式を確立させる便宜を政府が与える事に、声高に反対の声を上げて居る。予想できたことだが、騒ぎが最大になったのは、UAEのドバイ空港が、公認される新たな一群の最初にあると分かった時だ。

これは、米国3大エアラインが、その「白書」の中で、目の敵にした湾岸3社のうちの1社であるエティハドに対する、所謂、重大で、そして不公平な恩恵であった。

 

旅行者にとって、到着時に米国の入国管理のうんざりする手続きを避けられるメリットに疑いを挟む人は少ない。然し、これが、不公平なのか、より本質的には、特に関連するエアラインにとって、価値あるものなのか定かでない。そしてある欧州の政府は、これは「大西洋横断の保安警備の観点からは破滅的な考え方」だと、根源的な反対を唱えて居る。

 

US immigration pre-clearance: controversial in more ways than one

ノックエアとノックスクート 第1部:加速する国際線拡大=まずは中国と台湾に焦点

11-Aug-2015

 

タイのノックエアは、2015年下期に、中国、ベトナム、そしてシンガポールに新たに就航し、急速な拡大を追求する計画である。同社の合弁会社で長距離LCCのノックスクートもまた、長年計画して居た日本、韓国への定期便運航については、タイ政府がICAOの安全監査に不合格となったためにタイのエアラインに管理上の規制が課せられ、これらの国には、2016年まで開設出来そうにない事から、2015年末までに、中国、台湾に新路線を開始する事を計画して居る。

 

ノックは戦略上、まだ比較的存在感の薄い、国際線市場で拡大する必要がある。然し、タイと中国、シンガポール、台湾そしてベトナム間の市場に既に飛んで居る、LCC各社との戦いに勝たねばならない。

 

ノックとノックスクートの路線網拡大計画のレポート、今回は2部シリーズの第1部である。第1部では、ノックブランドのエアラインの、中国、台湾に於ける拡大と、ノックスクートのバンコク=シンガポール線を肩代りするノックの計画に焦点を当てる。第2部では、その他の東南アジア市場、特に、ベトナムでのノックの拡大計画とタイの国内線市場で続く拡大について、見てみたい。

 

Nok Air & NokScoot Part 1: accelerated international expansion, initial focus on China and Taiwan 

エルアルの787購入計画、多分拡大への保有機材更新=海南、キャセイがテルアビブに飛ぶ?

10-Aug-2015

 

エルアルが15機の787を購入する計画は、重要でありながら、遅れ気味の同社のリストラの途を一歩踏み出すものだ。エルアルは以前の10機の発注をキャンセルし、そして、新規発注は、最速でも、2019年の納入枠となってしまう状況だが、それでもエルアルは、最初の7872017年に、そして最後の機材は2020年に受領すると予定して居る。これらの787は、何れも機齢が20年を超える6機の747-400と、6機の767-300ERを更新する為に使われる。より小さいが、より多い機数の787で、大きな747を置き換えるのは、実際の客室仕様によっては、供給席数の現状維持を計画している事を示すのかも知れない。

 

保有機材の更新は、2013年に黒字回復したと思ったら、翌2014年に赤字転落したエルアルにとって、特効薬になるとは限らない。エルアルは2015年第1四半期には損失を改善し、第2四半期には燃油費の低価格が明らかに影響して居るが、利益が拡大を示して居る。エルアルには更なる調整が必要であろうが、特に13機の787で業績向上が見られれば、15機の確定発注に加えて、オプションを持つ事を期待して居る。

 

北米と欧州はエルアルの核となる市場だが、アジアも中国からの投資が拡大して居る事から力を見せて来て居る。海南航空は20159月にテルアビブ線開設を発表して居るが、これは遅れる様だ。一方、イスラエルの報道によれば、キャセイパシフィックが2016年中頃に新しいA350でテルアビブ線を開設する可能性があるとの事だ。

 

El Al's plans to buy 787s will allow fleet renewal, perhaps expansion. Hainan, Cathay to Tel Aviv?


タイガーエア・オーストラリア、737-800で国際線進出=バージン・オーストラリア・グループの戦略が、進化する中で

7-Aug-2015


バージン・オーストラリアは、3つのバリ路線をタイガーエアに引き渡し、これまでの複数ブランド戦略を調整しようとして居る。この変革で、バージンはバリに於ける、国際線事業の損失を減らす事が出来る筈だが、ジェットスターの787や、東南アジアの急成長を遂げる、他の広胴機を飛ばすLCC各社に、バリや、他の中距離レジャー路線で対抗する為には、グループとして、最終的には、更なる戦略的調整をする必要があるだろう。


新たなバリ路線は、2007年の開業以来、これまで国内線専門で飛んで居たタイガーエア・オーストラリア ブランドの国際線事業のスタートを飾る事になるだろう。然し、この便はバージン・オーストラリアの航空事業者免許の元、バージン・オーストラリアの乗員により運航され、結局、より高い運航コストとなる。

 

広胴機を使ってメルボルン=バリ線を運航するLCCの競合他社は、タイガーエアオーストラリアが、路線距離の関係から、737-800を最大密度の客室仕様としたり、自社のA320で運航したりする事が出来ないため、相変わらず、遥かに低い運航コストのメリットを享受出来る。タイガーエアオーストラリアは、バージンオーストラリアの737-8003機引き取るが、これらは、180席の全席エコノミー仕様に改修される予定である。

 

Tigerair Australia goes international with 737-800s as Virgin Australia's group strategy evolve

ブリスベン、2016CAPA豪州太平洋航空サミット開催都市に名乗り

5-Aug-2015

(シドニー発、201585)

 

CAPAより、謹んでお知らせしたい。この地域の、この種の催しとしては、最大の規模で、豪州全土、ニュージーランド、アジアそして太平洋のエアラインと旅行業界のCEOたちを招き、ブリスベン・マーケティングが主催し、ブリスベン空港公団、クイーンズランド観光局や、地元業界など、広範囲な関係者の支援で開催される、20168月の第4回豪州太平洋航空サミットの開催都市は、ブリスベンとなった。

 

CAPA豪州太平洋航空サミットは、年に1度の、航空、旅行業界の経営者の先進的な集まりであり、地域のエアライン、空港、そして企業渡航の業界が直面して居る、戦略的課題について、高いレベルの討論、議論をする為の重要なフォーラムである。

 

Brisbane announced as 2016 Host City for the CAPA Australia Pacific Aviation Summit

IAG、四半期の利益を再び伸ばす=イベリアの長距離路線拡大が機材の追加で加速

4-Aug-2015

 

2015年第2四半期の業績で、IAGはより長い期間に亘る財政的な目標達成に向けて、もう一歩を踏み出した。第2四半期の営業利益は対前年同期比で39%伸び、直近12ヶ月の投下資本回収率は0.7ppt向上した。収入及び営業コストは通貨の変動で膨らんだが、最終的にはプラスの効果になった。それにも関わらず、外貨の為替に合わせた調整のために、IAGは単位収入の下落よりも高い率で、単位コストの削減を行った。

 

運航するエアライン別には、英国航空とイベリア航空の両社は、ともに営業利益の改善を享受する事が出来た。ブエリングは、引き続きグループの中では最も利益を上げたエアラインだが、このスペインのLCCの業績も、僅かながら落ちて居る。その事業は季節変動に大きく左右されるが、第3四半期は、最良の期間である為、年度末にはより良い実績で終わる可能性もある。

 

この四半期のIAGの業績は、再び、欧州の他の伝統的エアライン・グループのライバル達、ルフトハンザ、エアフランスーKLMよりも良かった。その結果、IAGは自信を深め、これがエアバスとの取引で、最大5機のA330-200など、狭胴機、広胴機をイベリアのために、追加するオプションを行使するという決断へと反映されて居る。

 

IAG grows quarterly profit once more. Iberia long-haul growth to accelerate with additional aircraft

 

日本-韓国路線、LCC占有率30%に=フルサービス・エアラインは新たな戦略が必要

3-Aug-2015

 

低コストエアラインは、6年間で世界第14位、アジアで第5位の国の組み合わせである日本-韓国間市場での占有率を30%にまで伸ばそうとして居る。市場全体は成長を続けて居るが、フルサービスエアラインは、供給を減らして居る。2015年、フルサービスの供給減は連続3年目になる。韓国の独立系LCCであるジェジュエアは市場全体の9%を獲得して居る。韓国のエアラインは、日本のエアラインに比べて、コスト水準がより低い事や、12の韓国のハブから、より多くの日本の地点に飛んで居る結果として、供給の85%を占めて居る。

 

市場では、フルサービスエアラインが、彼等のLCCに路線を明け渡す、LCCと並行して飛ぶ、或いは、LCCに全く新たな路線を開設させるなどの、二枚看板の戦略がある。然し、全体として、戦略は完全に統合されたものにはなって居ない。アシアナは、やがて、韓国最大の市場でLCCの存在感を与えてくれる、現在計画中のLCC子会社エアソウルに、日本に的を絞らせる積もりだ(アシアナの現存するLCC、エアブサンは、ブサンが本拠地であり、ソウルから国際線を飛ばして居ない)。然し、一連の航空安全事故のため、エアソウルの開業は遅れて居り、競合他社にこのタイミングをつかめば、競争的な拡大の出来る余地を与えて居る。

 

LCCs rapidly grow to account for 30% of Japan-Korea market. Full-service airlines need new strategy

新マディナ・モハンマド・ビン・アブドラジズ空港、サウジの空港民営化に勢いを与える

2-Aug-2015

 

サウジアラビアの航空分野に於ける、漸進的自由化とインフラ改善の試みは、20157月初めのマディナ・モハンマド・ビン・アブドラジズ空港の新たな民営化されたターミナルの開業で、引き続きその流れを築こうとして居る。

 

西部サウジアラビアのマディナ空港プロジェクトの完成は、サウジの航空分野で進行する民営化の流れの、もう一つの一里塚を示して居るのだ。民間企業の提携相手を見つけて解決策を見出す事で、サウジアラビアは、これまでエアラインの世界と、またより広い経済界全体の発展の足を引っ張ってきた、航空界のインフラ開発を加速させようとして居る。

 

今回のこの新ターミナルの様な、現存する施設設備を開発するのと平行した、新空港の建設が、この国にとって、航空界を王国の経済発展の牽引力に変えようとする長期的計画を支えるのに必要なのである。原油価格が引き続き低迷する中で、サウジの経済は、成長の継続を確かなものにする為に、急速に石油以外の分野の研究を進めて居る。航空界でもどこでも、民間企業の参画は、ますます増大する重要性を呈して居る。

 

 

New Madinah Mohammad Bin Abdulaziz Airport adds momentum to Saudi Airport privatisation

湾岸のエアライン、2015年の発展:イタリアでの拡大が、エティハド、エミレーツとカタール各社間の競争に光を当てる

1-Aug-2015


ライバル各社は、時に、湾岸のネットワークエアライン3社、即ち、エミレーツ、エティハドそしてカタール航空は、互いに調整し合った戦略を持って居ると考える。現実には、彼らは、おのおの独自の目的と微妙に違う感性を持って、激しく競争し合っているのだ。イタリア市場での動きがそれを良く示している。即ち、エティハドがアリタリアを買収し、市場での存在感をかなり高めた。規模で最大のエミレーツは、何とかリードを守ろうと検討して居り、一方これまで、居心地の良い第2位の座に居たカタールは影が薄くなっている。

 

イタリアは2015年下期、湾岸3社にとって、第6位の成長市場である。湾岸各社は、米国(最大の伸び)に対し2,352席の追加を、英国(第2位)に1,954席、そしてインド(第3位)に1,903席の追加供給をするのに比べ、イタリアには約1,035席を追加する計画だ。パーセンテージで示すと、湾岸3社のイタリアでの伸びは24%だが、この上を行くのは米国の28%だけである。

 

その他の展開の中では、エミレーツが湾岸から初めてボローニャ線を開設するがこの結果、湾岸のハブと結ばれるイタリアの都市は4つとなる。然し、このエミレーツのボローニャへの拡大はローマから供給先を代えたものだ。エティハドとアリタリアは2015年の始めに予想して居た拡大計画を切り詰めて居るが、一方カタール航空は、より早い拡大を計画して居る。

 

Gulf airline 2015 expansion: Italy growth highlights competition between Etihad, Emirates and Qatar

 


シンガポール航空、計画を超える利益を計上=然し、将来の見通しはスクートとタイガーエアの改善にかかって居る

31-Jul-2015


シンガポール航空グループは、2015630日までの3ヶ月間(2016年度第1四半期)に11,100万シンガポールドル(8,300万米ドル)の営業利益を計上したが、これは2011年以来最高の第1四半期業績となる。親会社の1800万シンガポールドル(8,100万米ドル)の営業利益が全体の実績を牽引した。フルサービスの域内子会社シルクエアも黒字を維持したが、グループの2つのLCC子会社タイガーエアとスクートは、それぞれ収支トントン、2,000万シンガポールドル(1,500万米ドル)の営業赤字、であった。

 

然し、タイガーエアとスクートの見通しは、両者が引き続き、より緊密な協力を追求する事から、明るさを見せると思われる。スクートはまた、保有機材の全機787への移行が完成した後は、事業を拡大し、全体としての経済性の向上が可能になるだろう。

 

スクートは、保有する最後の777の退役をこの四半期中に計画し、2016年度内に現在の6機から11機へと保有機材の規模をほぼ倍増させる計画だ。今回のスクートの2016年度第1四半期の損失計上は、2012年中頃に開業して以来、SIAが初めてこの長距離LCCの財務状況を公表したものである。

 

Singapore Airlines reports higher profits but future outlook hinges on Scoot & Tigerair improvements

CAPA「豪州太平洋航空サミット」於シドニー=地域の史上最大の航空・旅行会議

30-Jul-2015

 

700人を超える業界のプロフェッショナルと政府官僚が835日のCAPA「第3回豪州太平洋航空サミット」於シドニーに出席する予定だ。このサミットは、この地域でこれまでで最大の航空、旅行関係イベントになろうとして居る。3日間のこのイベントは、1日終日の空港刷新サミットと業務渡航改革サミット、そしてこの業界の多くの主要なリーダーが集まり、高いレベルで行われる、主要航空業界の出来事の見直しに2日間をかける事になって居る。

 

アラン・ジョイス(カンタス)、クリストフ・ミューラー(マレーシア航空)、マーク・ダンカリー(ハワイアン)、ジェーン・ハードリッカ(ジェットスター)リ・ドンリャン

中国南方)、ショーンドナヒュー(DFW国際空港)、リムチンキアット(チャンギ空港グループ)ベンヤミンイスマイル(エアアジアX)、レヴェントコヌクチュ(ターキッシュエアラインズ)、チュービエットクオン(ベトジェット)、そしてパテーサラシン(ノックエア)など多くの業界CEOたちが全部で100名の講演者パネリストの中に含まれて居る。

 

40社以上のエアラインから、120名以上の派遣団と共に、20以上の主要空港が既に申し込みを済ませて居る。業務渡航サミットには120以上の企業渡航の購買者が出席する。

合わせて700名を超える、業界の専門家が、豪州、ニュージーランド、アジア太平洋そしてその先の地域から、この地区でこれまで開かれた、この種のイベントとして最大となると思われる催しの為にシドニーに向かおうとして居る。

 

CAPA Australia Pacific Aviation Summit in Sydney - the region's biggest ever aviation & travel forum

 

台北/桃園空港:中国本土以外でアジア第1の成長を誇る空港=滑走路工事にも関わらず

30-Jul-2015

 

台北の桃園空港は、台湾最大の空港で、2014年に11.1%の成長を遂げ、3,580万人の旅客を取り扱ったが、その結果、アジア太平洋地区で東京/成田、ムンバイ、マニラより大きな、第16位の規模になった。桃園はまた、アジア太平洋地区の、中国本土外の主要空港の中で、最速の成長を遂げた空港である。また、桃園は、滑走路を一本、工事のため閉鎖せざるを得なかったにも関わらず、これを達成したのだ。完全運用は、2016年の早い時期で、現在の混雑を緩和すると共に、新たな成長を可能にする、更なる発着枠も開放されるだろう。台湾は、2014年に、入国訪問者数で、23.6%の増を記録した。

 

2015年上半期には、訪問者数の伸びは7%に鈍化した。台湾第2の規模のエアラインである、エバー航空は、中華航空を押さえて成長をリードして居る。2015年は、毎日ほぼ1,000席の増加に匹敵する伸びで、日本が最大の成長市場となった。エバーが、長距離路線の拡大を図ったことから、米国もまた、大きな成長市場である。桃園は、2014年に、共にLCCであるが、新規参入エアラインを2社獲得した:タイガーエア台湾とVエアである。この2社を獲得した事は、部分的には、復興航空が一連の航空事故で減便した為に相殺されて居る。同空港は、A380が発着出来る様に投資して居るのだが、エミレーツが、一度だけ特別便で、A380を桃園に乗入れた事がある。然し、多分、中国南方の方が、定期的なA380乗入れエアラインになりそうだ。次に桃園が目にするのは、海峡を越えてやって来る乗継旅客と、新しいターミナル3だろう。

 

Taipei Taoyuan Airport: Asia's fastest growing airport outside mainland China despite runway works

 

 

マレーシア航空のリストラ 第2部=23%の国際線カットでエアアジアがMASを追い抜く

29-Jul-2015

 

マレーシア航空(MAS)は、201591日に、この傾きかけたフラッグキャリアーが新会社へ移行するのを前に、路線網のリストラを進めて居るが、20158月に、国際線の供給席数を約18%削ろうとして居る。国際線のASKは約23%の削減で、域内では強力な、同社の立場を利用しようとして居る為に、中長距離の路線網は、アジア域内の事業より、大きくカットされようとして居る。

 

豪州は、供給席数で約30%ASK40%を占めるのだが、20158MASの国際線路線網から消し去られようとして居る。欧州は、席数で約10%ASK20%だが、20158月には削られる。だが、20155月にフランクフルト線を休止して居る事を考慮に入れると、欧州路線のカットは遥かに大きくなる。

 

20159月、MASの国際線ASKは、エアアジア/エアアジアXグループを、初めて下回る事になる。エアアジアの近距離線マレーシア子会社も、席数ベースで、マレーシア最大の国際線エアラインとしてのMASを追い抜く事になる。グループ単位では、エアアジアは既に、マレーシアで、より大きな国際線供給席数を持って居り、数年前から、国内線のリーダーでもある。

 

Malaysia Airlines restructuring - Part 2: 23% international ASK cut enables AirAsia to overtake MAS

エアアジア・ジャパン、日本で5年間で5社目のLCCとなる=成長の鈍化にも関わらず、チャンスは誰にもある

29-Jul-2015

 

エアアジア・ジャパンは、2013年に最初の合弁の試みが崩壊した日本のLCC市場に再参入するために、日本政府に対し、航空事業者免許の申請を提出した。エアアジア・ジャパンは、20163/4月に、エアアジア・ジャパン・マーク1が以前の東京/成田で遭遇した、大きな競争や夜間飛行制限の無い名古屋から開業する事を考えて居る。

 

この新LCCの計画では、2016年を6機のA320で終え、その後毎年5機ずつ増やす事になって居る。20157月現在では、新規LCC中で最大のジェットスター・ジャパンがA32020機運航、次いでピーチが16機である。エアアジア・ジャパンは過去の過ちから学んだ事を、そして、本来の汎アジアモデルを、幾らかの地元色を加え、複数の市場に適用できる事を証明する積もりだろう。

日本は引き続き、これらのエアラインの流入から利を得るだろう。国内市場の成長は2%に鈍化して居るが、日本には最近の会計年度で、2007年以来最高の9,200万人の国内線利用者が居た。エアアジアジャパンは春秋航空日本と共に、直接的には市場の79%、間接的には90%以上の占有率を持つANAJALの系列に無い事で独特なエアラインである。

 

国内市場の伸びは鈍化して居るが、一方で日本発国際線の伸びはより大きく9%である。2015年上期の来訪観光客は、驚くべき46%の伸びで、日本政府は2020年までに2,000万人と言う目標を、もっと大胆な目標に掲げ直す必要があるだろう。2013年には漸く1,000万人だったものが、2015年には1,800万人を迎えようとして居るのだ。

 

AirAsia Japan to be the 5th LCC in 5 years for Japan. Opportunities for all, despite slowing growth

デルタ航空、中国東方航空に資本参加を計画=他の米国社も国外投資への途を追うのか?

28-Jul-2015

 

デルタ航空はこれまでで最大の45,000万米ドルのエアライン投資を実行しようとして居る。対象は、再活性化、長距離路線拡大の最中にあり、同時に中国の航空権益が上海に傾いて居るために利を得ている、中国東方航空である。然しデルタにとって過去最高の投資にも関わらず、デルタの得るのは3.55%の部分所有と取締役会の傍聴席1席である。これに比べると、バージン・アトランティクでは、36,000万米ドルで49%の部分所有と取締役会の3席だった。デルタの反湾岸エアラインの議論からすると、デルタは静かに中国東方が最も多くの補助金を受け取っている中国のエアラインである事実と折り合いをつけねばならないだろう。

 

デルタは中国東方との提携関係を堅固なものにして行こうとして居る事を強調して居る。両社は20157月現在で、米国本土と中国の間の供給席数の24%を占有して居る。

 

これは、極めてタイトな北大西洋路線の、米国ー英国間でデルタとバージンが持って居る78,000席に比べて、片道で週間20,000席ほどである。デルタの持ち株の方は、長期的な可能性を反映したものだが、たった3.5%ではより象徴的なもので将来の可能性としての更に深い提携関係への場所取りの意味合いが強い。

 

中国東方は、将来の方向性を、そしてスカイチームを捨てて、ワンワールドに移るべきかどうかまで考えて居る。デルタの持ち株は現状維持の為の試みである。

 

デルタは、中国東方がデルタを必要として居る以上に中国東方を必要として居る。中国東方の方には、デルタの意向について、ある種の警戒心があるが、これはこれから続く長く緊密な提携関係の始まりになるかも知れない。またこれは、ユナイテッド航空の中国国際が求めているより深い提携関係を再評価するなど、ライバルたちの対抗手段への導火線になりそうだ。デルタの株式保有が、他の外国エアラインが中国エアラインを買収する事が出来ると言う信号を発信するのか否かは定かでは無い。

 

Delta Air Lines plans a China Eastern stake. Will other US airlines follow the foreign equity path?

マレーシア航空のリストラ第1部=豪州線の40%供給カットは過酷、然し理解できる

27-Jul-2015

 

マレーシア航空(MAS)20158月に、ブリスベーンを休止し、アデレード、メルボルン、パースそしてシドニーへの供給を減らすことで、豪州への供給席数を40%削ろうとして居る。然し、豪州はMASにとって、重要な市場である事は変わらず、同社は豪州で最大規模の外国エアライン10社の一つに留まって居る。

 

供給削減は、殆どの部分が、単に以前の余りに野心的な拡大が継続不能だったのを元に戻そうとするもので、理解出来るものだ。MASのリスクは競争相手、特にマレーシアのライバルであるエアアジアXに、進出する余地を与えることだが、現在の歴史的に困難な局面に於いては、市場占有率を懸念する事が許されない。

 

今回は、MASの供給削減とそれがマレーシアに、またより幅広くアジアに与える影響についての特集第1部である。

このレポートは、エアアジアX2015年早くに実施した供給減に続いて、MASの供給削減が、間も無くやって来る豪州に焦点を当てる。

 

Malaysia Airlines restructuring Part 1: 40% capacity cut to Australia is harsh - but sensible

バンコク/ドンムアン空港、世界最大のLCC空港に=KLIA、バルセロナ、ラスベガスを抜いて

24-Jul-2015


バンコク/ドンムアン空港は、2015年上半期に旅客数が50%拡大する大波が押し寄せ、世界最大のLCC空港になる事ができた。ドンムアンは最近までアジア最大のLCC空港だった、クアラルンプール国際空港(KLIA)、そして、欧州のLCC空港筆頭であるバルセロナ・エルプラト空港、北米のLCC空港リーダーのラスベガス・マッキャラン空港をも追い抜いてしまった。

 

ドンムアンは、タイのLCCグループ主要3社が、引き続き、急速な拡大を追求して居る事から、暫くはこのタイトルを譲りそうにない。タイのLCCの保有機数は、2015年末迄に、100機を越えると予想される。

 

タイのLCC分野は、2014年末の74機から、現在、87機になって居る。この内、7機を除く全ての機材が、ドンムアンを基地として居るのだ。

 

Bangkok Don Mueang becomes world’s largest LCC airport, overtaking KLIA, Barcelona & Las Vegas

デルタ航空、第2:国際線の激しい競争=デルタの国外投資で緩和

22-Jul-2015


通貨の圧力と、全般的経済の脆弱さが、全路線網を通じ、デルタ航空の実績を圧迫し、2015年の第2四半期に国内線、国際線双方の部門で、単位収入と利益率に影を落として居る。

 

然し、ブラジルのエアライン、ゴルに対する株式所有比率を上げたり、日本のエアライン、スカイマークに出資提案をするなどのデルタの最近の動きは、長期的に、ずっと極めて戦略的に重要であり続ける両地区で、自らの足がかりを固めようと試みて居る事を示して居る。

 

過去数年間、デルタはどの米国エアラインよりも、同社の路線網の穴を埋める必要のある地域のエアラインへの資本参加を素早く実施して居り、同社がゴルの株式を買い増して居る事は、投資に対する儲けを齎す事を確実にする為に、一歩を踏み出す意思のある事を示している。

今回はデルタ航空のシリーズ第2部である。

 

Delta Air Lines Part 2: Stiff international market competition, eased by Delta's foreign investments

中国南方航空、豪州/NZ55便の目標を達成=競争監督官庁は合弁を調査

21-Jul-2015


使命達成:中国南方航空は、2015年末迄に豪州/ニュージーランドへ、週間55便を飛ばすと言う自らの目標を、既に、越えようとして居る。2011年の週間約25便から、中国南方は、201512月には週65便を飛ばそうとして居る。この中には、毎日3便の、その内1便はA380による、シドニー線が含まれるが、これに比べて、キャセイパシフィックは毎日4便、シンガポール航空は平均4.5便である。


競争相手達は、監督官庁の認可待ちの一連の合弁事業で、迎え撃とうとして居る。カンタスと中国東方の組は素案を却下され、一方、エアニュージーランドと中国国際の組は認可を待ち構え、エアニュージーランドとキャセイの組は再認可の必要がある。カンタスと中国東方の最初の却下については、認識の誤りの様で、一方NZの株主達は、エアニュージーランドとキャセイの同盟については、供給が18%も落ちた市場で、メリットがあるのか疑問に思って居り、エアニュージーランドとシンガポール航空の同盟は供給を20%増やして居る。

 

市場の線引きはなされた様に見える。然し、まだ、初期段階である。中国南方の市場での目標達成は、ほんの始まりである。問題は同社の次の目標は何かであり、答えはしっかりと秘密が守られて居る。

 

China Southern Airlines exceeds 55x flights target to Australia/NZ. Competition regulators query JVs

 

アエロメヒコ、787への更新、767の退役=メキシコシティ・東京直航、ロンドン線アップグレード

20-Jul-2015


アエロメヒコは、欧州への3路線のうちの2路線を787に機材変更し、そしてアジアへの2路線のスケジュール変更を行ったのに次いで、同社の長距離路線に対してかなりの改善を行った。アエロメヒコは現行767777を退役させる事が可能になり、拡大を追求できる、787の追加受領を控え、更なる改善を予定して居る。

 

2012年遅くに767で週3便で開設したロンドン線は、2014年に787に機材を更新して以来、特に良い実績を上げ、もう2便増便する事になった。この新たな週5便のスケジュールにより、同社の鍵となる企業市場に向けてより良い商品が提供できる事となった。

 

アエロメヒコは最終的には、上海、東京、などの長距離路線市場に対して、少なくとも週5便で、毎日1便の可能性も含めて運航したいと望んで居る。新たに可能になった787−8の、より強力な推力規格なら、同社が2015年末までにメキシコシティから東京へ直航便を開設する事出来るようになった。

 

Aeromexico transitions to 787s, phasing out 767s; non-stops Mexico City-Tokyo and upgrade for London

春秋航空、創立10周年=監督官庁の支持とIPOが更により野心的な国際線拡大を助ける

20-Jul-2015

 

これからの10年間は最初の10年に比べて、大変良くなるという保証の様なものほど、良い誕生日プレゼントはそう無い。春秋航空は2015718日、創業10周年を迎えたが、50機のA320を保有し、2014年度の輸送旅客数は1,150万人に達して居る。春秋は中国で最も注目に値する低コストエアラインであるが、これらの数字は、同社が出来た筈の数字には、全て達して居ない。これは、2015年に100機の保有を計画しながら、何度も監督官庁であるCAACに待ったを掛けられて居り、ほとんど春秋の所為では無い。

 

今や、CAACは春秋を効率性と成功のモデルとして掲げて居り、また他の地方LCCの出現を歓迎して居る。多くの外国のエアラインが春秋の手法を、間も無く世界一大きくなる市場で最も強力な低コストエアラインの地位を持つ会社として注目して居る。春秋は2018年に保有基数を100機に倍増する認可を取得して居る。

 

Spring Airlines turns 10: regulatory support and IPO lend support to bolder international expansion