CAPA分析 : NEW HEADLINES   11月

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。

 

 

 英文本文の翻訳を航空、旅行業界の豊富な経験と知識で承ります。 

  

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インドの航空界、新政府は積極的改革の約束を守ると言う=然し、まだなすべき事は多い

28-Nov-2014 6:00 PM

 

20145月に発足したニューデリーの新政府は、より早いGDP成長や産業構造改革そして透明性の拡大への高まる期待を呼んでいる。しかし、全てに新しいチームが新政府を率いて居て、航空界に絡む殆どの政府機関では、首脳部に経験が欠けている。従って、事態の複雑さを重要な意思決定者がつかむまでに、まだ暫く時間がかかるだろう。

 

インド政府の提案する、行政組織、エアインディアとインド空港当局の戦略、そして二国間協定、経済的な規制、そして路線分散の指標などの緊急な課題については未だに明確な工程表が明らかにされて居ない。然し、示唆されているのは、政府は、国際線運航への5/20機の敷居値の撤廃、空港民営化、低コスト空港の建設、航空管制サービスの企業化などについては押し進めると言う事だ。

 

また、航空大臣は各州政府に対し、目下平均24%である、厄介な航空タービン燃料に関する売上税を引き下げる様に推奨している。これは政府が航空業界に与えられる、最大の恩恵となるだろう。

 

India’s aviation: new leadership holds the promise of positive change, but there is much to do


バンコク航空、2015年に更なる拡大を計画=サムイと国際線市場に絞って

28-Nov-2014 11:47 AM

 

バンコク航空は、20141126日に最初のATR72-600を受領して、株式公開(IPO)後の

機材更新、拡大計画の第1段階を開始した。このタイのフルサービス航空会社は、更に201412月に2014年としては4機目となるA3191機追加する予定で、同社の年度末の保有機材は計29機となる。

 

2013年にも4機を増やしているバンコク航空は、2015年にはA320系機材をもう3機増やす一方で、4機のATR72-500の更新を行う予定だ。2016年、2017年には最近のIPOで得た資金を使って、更なる保有機数の拡大を行うと見られる。

 

ATRの受領は、初めて航空機メーカーから直接調達したもので、バンコク航空にとっては記念すべき一里塚となった。同社はATR72-6009機発注して居るが、これは基本的にATR72-500の更新用で、また、エアバス社とは、A320neoの系列機の発注の可能性について交渉している。

 

Bangkok Airways plans further expansion in 2015 with focus on Samui and international market


中国エアライン、直航便拡大=ニュージーランドの豪州乗換依存を弱める

27-Nov-2014 1:00 PM

 

中国南方航空は、豪州/ニュージーランドへの便が、南半球での夏のピークには、週間52便に達して、2015年末迄に週間55便を運航すると言う目標を、達成する軌道を邁進して居る。中国南方の存在感は、豪州ではよく目に付くが、NZではまだ大人しいものだった。丁度3年前にNZに乗り入れた中国南方は、2015年のピーク季には、キャセイよりも多くの供給量を持つことになるだろう。中国東方もピーク季だけだが、市場に参入する予定である一方で、中国国際は、エアニュージーランドとの懸案の合弁事業の一部として、NZへの正式の乗り入れを果たす。NZへの中国人旅行客はこの4年間で、倍増して居る。

 

この供給増は、NZに直航する中国人訪問客を増やす助けになるはずだ。そして、2013年にNZに入国した中国人旅客の半数を占めた、豪州経由のルートへの依存度を下げてくれるだろう。中国国際の懸案の合弁事業は、エアニュージーランドの中国本土に於ける展望も開いてくれる。両社はこれ迄、疎遠で、エアニュージーランドの北京路線からの撤退を招いて居た。更に、エアニュージーランドにとって、中国国際だけでは充分とは言えず、他にも中国の提携社が必要かもしれない。

 

Chinese airline growth in direct services will reduce New Zealand dependency on Australian transfers

中国東方航空ーカンタス、中国国際航空ーエアニュージーランドの合弁=中国エアラインからの新たな利点を示す

26-Nov-2014 12:37 PM

 

豪州、ニュージーランドにおける、中国南方航空の目を見張る様な拡大ぶりは、中国南方の洪水の様に流し込む供給が著しく単位収入を悪化させ、成長を難しくするのを目の当たりにした中国国際航空と中国東方航空が両国に興味を失ったことの差し替えで、発生して来て居る。

 

これが今、変わろうとして居る。先ず、中国も監督官庁が、中国南方は、国際線拡大のペースを4年間で緩めるべしと示唆したこと、ついで、更に最近になって、二つの合弁事業、一つは、中国東方とカンタス、もう一つは中国国際とエアニュージーランド、が提案されて居ることだ。中国各社は、規模で優位に立て無い所では、親密な提携関係が役に立つと言う見方をしつつある。

 

この二つの合弁は、可なり性格を異にして居る。中国東方は、提携でカンタスから得るものが多く、エアニュージーランドは、中国国際とのこじれた関係を修復出来る。更に、中国国際は北方の北京ハブで苦労するだろうが、理想的な位置にある上海ハブで、中国東方は、合弁により大きな成長の可能性を得る。

 

エアニュージーランドは、最終的には、もう一つ中国本土に提携エアラインを必要とするかもしれないし、現行のキャセイパシフィックとの合弁にも更なる加入社を迎える余地がある。カンタスは、アメリカンやエミレーツとの提携が、それぞれ米国、欧州への途である様に、中国東方をアジアへの途と図式化したいと強く望んで居るのだ。然し、カンタスには、アジア戦略を発表するまでに、まだしなければならない事が沢山残っている。

 

China Eastern-Qantas & Air China-Air New Zealand JVs show renewed interest from Chinese airlines

 

台湾第2の新規LCCVエア、201412月開業=最初のタイ路線が旅行客を呼び戻せるかも

25-Nov-2014 12:02 PM

 

ほぼ四半世紀に亘り新規参入エアラインが無かった台湾は、201412月、第2の新規LCCを迎えようとして居る。復興航空の100%子会社、Vエアである。Vエアは、台湾では23年ぶりの新規参入として20149月に開業したタイガーエア・台湾に続く開業だ。Vエアは、数回に亘って開業日を延期して居るが、20141217日にバンコク・ドンムアン行きで開業が予定されており、次いで201517日にチェンマイ線を開始する。この路線は、政情不安の影響で平均を越えた落ち込みを見せて居る、台湾旅行客のタイ需要を生き返らせる助けになるだろう。

 

両方の路線でVエアは、タイガーエア・台湾と競合する。また、バンコク行きでは、親会社の復興航空と競合するが、チェンマイ線では、Vエアの就航と同時に運休するため、競合はしない。自前の保有ジェット11機の復興航空が、どの様にこの二枚看板戦略をやりくりするか、Vエアの成功の鍵を握って居る。世間では、Vエアは可愛いマスコットの図柄とともに、関心を集めている様だ。

 

V Air, Taiwan's second LCC startup to launch in Dec-2014. Initial Thai routes could revive tourism

エアアジアX、難しいマレーシア市場で拡大を緩めるエアアジアに同調=豪州線の供給を切る

24-Nov-2014 11:26 AM

 

エアアジアXは、マレーシアの市場で、低コストエアライングループの姉妹社エアアジアと歩調を合わせ、機材売却、新機材受領の延期、余剰供給席のウエットリースなどで、供給拡大のペースを緩めようとして居る。現在のところ、エアアジア/エアアジアXグループの2つのマレーシア子会社は共同で、2015年に追加するのは、A3201機のみとする計画である。

 

この調整は収入単価や収益性の改善を推進するのに役立つ筈だ。エアアジアX2014年第3四半期に4四半期連続で赤字を計上して居り、一方、エアアジアはこの地域で最も利益を上げている企業として留まっているものの、利益が滑り落ちて居る。

 

エアアジアとエアアジアXはともに賢明にも、少なくとも今のところ、供給量にこれと言った削減をしようとしていないライバル、マレーシア航空(MAS)のリストラを待とうとは考えて居ない。2014年度第1四半期に42%ASKを伸ばしたエアアジアXは、2015年はマレーシア市場で5%のみの増加を計画している。

 

AirAsia X joins AirAsia in slowing expansion in challenging Malaysia market; cuts Australia capacity

ジェットブルー、一歩も引かず=他の米国エアラインがこぞってカリブ路線に供給を増やそうとする中で

 

23-Nov-2014 12:16 PM


米国のエアライン各社は、ラテンアメリカのマクロ経済の状況が、短期的に見て弱々しい事から、カリブ海路線に力を入れようとして居る。カリブへの現行の便数に加えて、新たな追加が計画されているため、エアライン各社は供給過剰から来る、利益率への悪影響を覚悟しなければならないかも知れない。

 

航空業界全体で供給が増えている中でも、二つのエアラインが米国からカリブへの供給を大幅に増やしている、ジェットブルーとユナイテッドだが、彼らはこの地域が両社の収支にプラスに貢献する実績を生んでいると、それなりの自信を持っている。

 

特にジェットブルーは、業界の動向としてのカリブへの供給増については、同社の全路線網の中でもこの地域が要で有り続けて居り、「潮の満ち干を切り抜ける」準備は出来ているとして、2015年に、米国からラテンアメリカとカリブ諸島の35地点程度への路線を開設する事を事業計画に反映させている。

今回は、ジェットブルーの戦略についてのレポート第2部である。

 

JetBlue holds its ground as other US airlines ramp up capacity to the Caribbean

ジェットブルー、投資家を宥める戦略を説明=それでも、顧客には差別化した商品を提供する(RVSD)

22-Nov-2014 2:00 PM

 ⇒㊟よりアナリストの分析に近い形で表題を訂正致しました。


今年の大部分をアナリスト達の猛攻撃から自らのビジネスモデルを守る為に費やして来たジェットブルーは、2015年の初頭から開始する、収入をてこ入れし、単位コストの値上がりを概ね2%未満に抑えるための明快な計画をまとめた。

 

座席密度を上げろという投資家達からの執拗な勧告に従う形で、2016年から130席のA320狭胴機に15席を増設し、一方で、資本支出の低減を図るために、何機かの狭胴機の受領を遅らせる事とした。

 

ジェットブルーは、株主達を宥めつつ、より顧客に優しいエアラインの一つだと言うイメージを守らねばならない微妙な立場に置かれて居る。次第にこれは難しい事だと分かって来て居るが、同社には避けて通れない厳しい現実の様だ。然し、これは、社会の流れに逆らおうとする、どんなビジネスにも言える当然の事に過ぎないのだ。

 

JetBlue outlines strategy to appease investors, but still offer customers a differentiated product

 アジアの航空機リース業者増加=投資家がそのメリットと成長する需要を認識し始めて

22-Nov-2014 9:16 PM

 

2014年、アジアの大手航空機リース業者、特に台頭する中国からの関心が高まって居る。幾つもの現存する中国のリース業者に新たな業者が加わって居るが、その中には、中国東方航空や、春秋航空の様なエアラインの関連会社もある。香港の富豪、李嘉誠と長江ホールディングスがリースの分野に参入する動きが、伝統的な、そして陰りを見せる不動産の領域以外への投資に興味を持つ消費者の関心を、更にかきたてて居る。

 

2014年の最初の10ヶ月間で、エアバス社への確定発注数はボーイング社への数値を越えて居るが、然し、これ迄の所、エアバス社へのアジアの業者からの発注数は概ね2012年の水準に並んで居る。一方、ボーイング社では、リース業者からの直接、公表された発注数が増加して居る。CAPAの保有機材データベースに依れば、アジアは民間航空機の発注後受領待ち(バックログ)3,517機と最大の地域である。

 

エアラインの行動パターンも変わってきて居るが、アジアでの商機は、複雑である。即ち、中国のエアラインは中国のリース業者を好む、また、シンガポール航空のリース機の比率は39%、カンタスでは67%なのに対し、大韓航空ではわずか17%なのである。

 

Asian aircraft lessor numbers grow as investors begin to recognise benefits and growth demand

バージン・アメリカの強力な市場デビュー=業務渡航がそのビジネスモデルの要になる

19-Nov-2014 11:23 PM

 

バージン・アメリカは、エアラインが供給量の自己規制を継続して居る事と燃油価格が下がっている事により、エアラインの株式に関心が集まり、更に2014年の間中、この業界の業績を引き上げ、投資家達のご機嫌をとって居る、丁度その時に、株式市場にデビューする、このタイミングの良さを喜んで良いだろう。

 

同社は、2014年の第3四半期と、20149月迄の最初の9ヶ月に黒字を記録し、2年連続の黒字計上へ順調に向って居ることから、株式の取引価格が予想を大きく超えている。バージンアメリカの最近の財政的成功の大部分は、供給の低減と、負債のリストラにある。よって、同社の利益を出す能力の本当のテストは未だこれからだ。

 

バージン・アメリカは、米国の航空業界で、大手各社が経営統合を完了し、その企業合併が、小規模エアラインが埋める隙間を創り出したと言う、興味深いタイミングで、新たに取引される株式会社となる。バージン・アメリカが、新しい環境の下で、どの様な立ち位置を取ろうとするのか完全に明らかでは無いが、殆どが新たに明け渡された、新たな世界を探訪するには、これ以上良いタイミングを選ぶ事は出来なかっただろう。

 

Virgin America's powerful market debut. Corporate travel will be a key part of its business model

 IAGウイリー・ウオルシュ、エティハド、フライドバイ、CAPA世界賞を受賞

21-Nov-2014 8:00 AM

 

エティハド航空は、アントワープで開かれた、第12CAPA世界航空業界最優秀賞表彰式の、トラベルポートがスポンサーとなった業界ガラパーティに於いて、2014CAPAエアラインオブジイヤーに指名された。

 

CAPAエアラインオブジイヤーは、今年の航空業界の発展に最もインパクトのある貢献をし、業界を先導するリーダーとなり、そして他社が追従するような基準を作り上げたエアラインに贈られるものだ。


CAPAの取締役会長、ピーター・ハービソンは、
「航空業界の効率性は、古色蒼然とした所有制度、そして、国境を超えた統合合併や、エアラインが提供できる事を合理的に実現する事を阻む、管理の規定により、握りつぶされて来た。
他のどんな要素にもまして、これが航空業界を、財政的に、極めて期待外れな実績しか上げられない状況に追い込んでいるのだ。この道路上の障害に直面して、これまで、単独のフルサービスのエアラインとして、エティハド航空ほど、素晴らしい提携のモデルで、現状に挑戦したエアラインは無かった。
 

自社独自の力での成長では、今、必要とされている急速な地球規模の拡大は生み出せない事を理解した上で、エティハドは、コードシェアや、最も注目に価するのは、世界各地のエアラインに半数以下の株式保有を進めて、独自の資本同盟を打ち立てる事で広大な路線網を作り、これに依存して来た。 
しかし、彼らの戦略は自らの同盟を固めるために、ある程度の資本提携を確立して来ただけではなく、その中で、世界のエアライン業界に比類の無い展開を生み出しているのだ。また、その戦略は、例えば、相互の送客システムやブランドの活用、共同購入や常顧客プログラムの相互利用などなどと、提携先各社にも共有できる利点を齎し、エティハド航空だけのためでない、新たなビジネスの創出を刺激しているのだ。
 

新たな航空業界の提携の世界の中で、エティハド航空は資本提携戦略の最先端に立ち、特にアジアで顕著だが、多くのエアラインがこの真に独創的なビジネスモデルの成功に習おうと列をなしている。」
とハービソン会長は語った。

 

IAG’s Willie Walsh, Etihad Airways and flydubai receive top CAPA World Awards

 

空港グランドハンドリング、2014年の総括=第2部:統合と同盟

 

20-Nov-2014 7:51 AM

 

このCAPAの空港グランドハンドリングに関するレポート、第2部では、グランドハンドリング業界の統合と、台頭する同盟について検証する。

 

世界のグランドハンドリング産業が、今や年間収入金額にして8001,000億ドル超に匹敵すると見積もられ、また、自由化が世界に広がり、中国や潜在的にはインドと言う新たな大物勢力や、その他の台頭目覚ましい市場が、新しい基本原則をとり始めている事など考えると、これは大きな活動なのである。

統合は起っており、また、新たな同盟の動きが為されて居るが、競争が加速する事は、殆どの場合、それとともに利幅は確実に小さく成るものである。このため、更なる動きがまだあるだろう。

 

Airport ground handling – industry overview 2014. Part 2: Consolidation and alliances

 

空港グランドハンドリング、2014年の総括=第1部:自由化、効率、そして補償

18-Nov-2014 8:00 PM

 

航空輸送のビジネスの中で、長いこと、そして多分不当にも、最下層の業界と見られてきたが、世界の空港グランドハンドリングの業務は、業界団体のASAによれば、今や年間800億米ドル超の価値があると推定され、1,000億ドルだと言う人も居る。

 

比較で言うと、エアライン業界は2013年度に約7,000億ドルとなっている。

 

グランドハンドリングの地位は、向上しつつ有るだろうが、この業界には、しばしば、議題を独占してしまう様な特有の問題がある。このレポートの第1部では、自由化のインパクト、複数グランドハンドリング業者による常識とはかけ離れた非効率性、そして、最近、英国最高裁が下した潜在的に問題を抱えた、遅延便に対する賠償請求に関する裁定などに就いて取り上げる。第2部では、グランドハンドリング業界の統合と、台頭しつつある同盟問題を検証する。

 

Airport ground handling – industry overview 2014. Part 1: Liberalisation, efficiency & compensation

 

中国の新規エアライン19社、殆どがフルサービス=東海岸沿岸から

19-Nov-2014 12:40 PM

 

一年前の201311月、中国は、新規エアライン、中でもLCCを開拓しようと言う、新たな枠組みの開始を発表した。目的は、国営で、今に至っても非効率な航空の分野に、新たなタイプのエアラインを導入して、新たな需要を再度喚起しようと言うものだった。

 

更なる狙いの一つは、経済政策でドライブをかけている中心である、中国西部地域に、東から唸りを上げる航空の世界を持ち込もうと言うものだった。その一部として、新規エアライン設立の事実上のモラトリアムを正式に解除したのだ。これにより、最近、開業した、或いは計画中、準備中の旅客エアラインは、CAPAが公式に発表された資料から纏めた数字では、19社に上って居る。

 

然し、その内、LCCとして営業を計画して居るのは、9エア/九元航空と鄭州市の無名の会社のたった2社である。これは、改革への躊躇がある事、だけでなく政策の枠組みが完全には、LCC迄行き届いて居ない事を反映して居る。

 

これ迄放置されて居た北東回廊部とともに、中国西部地域にエアラインを作ることについては、以前より良い結果が見えて居る。然し、新規参入社には、広州、抗州、上海、深圳などの主要都市に旅客便を飛ばす計画中の数社を含め、依然として、強い東部地域への偏向が存在して居る。

 

China's 19 new passenger airlines will be mostly full service and along the east coast

ピーチ・エビエーションの黒字=日本の変わりゆく市場でジェットスターとスカイマークの損失の影に隠れる

18-Nov-2014 2:02 PM

 

日本のピーチ・エビエーションは、開業以来2年で、初の利益を計上した。6.5%の営業利益率で、ピーチは、部分所有親会社のANAの営業利益率4.1%を凌いで居る。

 

然し、ピーチの黒字は、部分所有者のJALが、12.7%の利益率だったのに比べて、マイナス36.8%と言う、ジェットスターの巨額の損失の影に隠れてしまった。因みにJALグループには、利益率最高と最低のエアラインが、存在する事になる。ジェットスターの業績は、スカイマークの赤字より悪く、より小さなスターフライヤーよりも悪い。

 

ジェットスター・ジャパンは、大阪関西空港も基地を立ち上げて、一時はピーチの半分だった機材の生産性を押し上げてから、回復に向かって居た。ピーチの機材稼働率は、段々落ちて来て居るが、一方で春秋航空日本の、ひどく稼働の低い状態は続いて居る。

ジェットスター・ジャパンは2014年第1四半期に利益率を伸ばした、たった2社のうちの1社でもある。ジェットスターは、ペースを緩める一方で、ピーチは創立以来の定評通り、保守的だが堅実な成長を続けようとして居る。

 

 

Peach Aviation profits overshadowed by Jetstar Japan & Skymark losses in Japan's changing market

LATAM航空グループ2014年度第3四半期損失=W杯の災難 と通貨問題に起因

17-Nov-2014 9:38 PM

 

LATAM航空グループが、先に発していた、FIFAのワールドカップサッカー大会開催期間中は業務渡航の需要が減って、2014年度第3四半期の業績に響く可能性があるという警告は同社の四半期決算赤字となって実現してしまった。

 

その他のもっと、親しみ深い要素、社会全体の経済の脆弱性や、LATAMの価格競争力を蝕む、通貨の下落などもまた同社の業績を引きずり下ろしている。

 

マクロ経済学的脆弱さは2015年にもついて回りそうであるにも関わらず、LATAMは現在、2014年の供給総量の計画に上積みした、24%の供給増を計画して居る。LATAMの来年の供給拡大計画には、今でも直面して居る景気の低迷が続く中で、訝しげに見る向きもある。

 

LATAM Airlines Group 3Q2014 loss follows World Cup woes and currency challenges

 

エアベルリン、新リストラ計画は不充分に見える=第3四半期業績が下落する中で

17-Nov-2014 6:07 PM

 

2014年上期の営業損失を圧縮したのに続き、エアベルリンの第3四半期は利益を計上した。然し、この季節としては最強の四半期としては、昨年より低い水準だった。収入単価は引き続き下降し、これを穴埋めする程、単位コストを下げられないで居る(リストラに要するコストを勘案してもだ)。2014年度通年での、更に大きな損失が待って居る。

 

エアベルリンは、また、自社の新リストラ計画について、更なるアップデートを発表した。今年に入って、先に計画を発表した際には、これは、現在の基本的経営戦略をも変更することになるかも知れないと言って居たにも関わらず、その計画には、仮に有ったとしても、ほんの少ししか、抜本的と見える様な内容は無い。

 

エアベルリンは同じ事業分野に居続けるわけだが、同じ事をより効率的に行う為には2倍の努力が必要になる。更に、我々が同社の分析をするにつれ、分かって来た問題の一つに、取り組もうとしていない。それは即ち同社の核となる目的を確立することだ。

 

Airberlin: new restructuring plan appears not radical enough as 3Q profitability slips

タイ航空、バンコク航空、ノックエア、そしてタイ・エアアジア、第3四半期に損失計上=タイの国がゆっくりと回復するにつれて

16-Nov-2014 7:00 AM

 

タイは、第3四半期に4つの主要なエアラインが皆、損失を計上し、引き続き極めて難しい市場であり続けて居る。タイ航空、バンコク航空、ノックエア、そしてタイ・エアアジアを足し上げた損失の総和の規模は、収入の和、約18.5億米ドルに対し、約15千万ドルとなり、2014年第2四半期に始まったマイナスの傾向を継続している。

 

タイの国際線市場は2013年遅くに始まり、2014年第2四半期に頂点に達した、政情不安から、可成りの打撃を被って居る。一方で、国内線市場では、タイの3つのLCCの拡大に先導された供給過剰問題と地元経済の減速から大きく影響を受けている。

 

タイの経済と観光分野の回復のペースは、これまでのところ、期待より遅いものである。2014年第4四半期には、いくらかの改善が見られる筈だが、完全な回復は少なくとも2015年までは無さそうである。

 

Thai Airways, Bangkok Airways, Nok Air & Thai AirAsia incur 3Q losses as Thailand slowly recovers

 

 

中国のウエストエア、2014年に33%の成長=低コストのモデルに移行する中で

15-Nov-2014 4:21 PM

 

中国のウエストエアは、低コストのモデルに移行する、中国のエアラインでは初めての例である。中国ユナイテッドの様な他のエアラインはLCCに成って居るが、移行した事は無い。ウエストエアは食事や、ラウンジの使用を有料として居る。彼らは、早い時間帯の発着枠を使い、折り返し時間を短縮した事も一因になって、機材の稼働を押し上げた。

 

重慶に基地を持ち(そこでは、中国南方航空の一部門もLCCになるかもしれない)、ウエストエアがLCCモデルになるのを押し進めたものは、中国西部の人々の所得の低い事がよりLCCに向いている事だった。ウエストエアは中国で4番目に大きなLCCであり、北東アジアでは6番目となる規模を持っている。

 

この完全に国内線だけのエアラインは新しく、近代的なロゴを見せびらかしながら、2014年中に搭乗旅客400万人を突破する見込みである。ウエストエアは保有機数を2014年の16機から、3年から5年の間に40機とし,やがては100機に拡大と考えており、現在の成長の流れを継続させたいと願っている。

China's West Air grows 33% in 2014 as it transitions to the low-cost model

 

LCCのカナダジェットラインズとジェットネイキド、充分な軍資金の確保に奮闘=競争の激しい市場で

15-Nov-2014 1:47 PM

 

カナダで超LCCというビジネスモデルを実行しようと計画している、2つの成り上がりエアラインであるカナダジェットラインズとジェットネイキドは、2014年前半に、カナダの国内市場で新たな段階の競争を巻き起こそうと言う計画を立て、派手に騒いで以来、幾分おとなしくなって居る。

 

似た様な計画を立てた、多くのエアラインが現れては消え、結局エアカナダとウエストジェットの2社を、理論的には熟してやがて崩壊する筈の、居心地の良い複占状態に残して居る。

 

しかし、他のカナダの新規参入エアラインを結局廃業に追いやった様な、市場の力学の多くは、未だに存在していて、この国の経済の脆弱なことから、新しいエアラインが、未だにリスクの多い投機的事業に挑もうとしても、投資家を惹き付けるのを難しくしている可能性がある。

 

ULCCs Canada Jetlines & Jet Naked struggle to build adequate warchests in a competitive marketplace

ゴル航空の2014年第3四半期、損失拡大=同社が借入金の改善努力を継続する中で

14-Nov-2014 9:45 PM

 

ある種の主要な財務的数値での改善が続いているにも関わらず、2014年第3四半期に対前年で純損失を拡大させてしまった、ブラジルのゴル航空の収益性は予測しにくい状態に留まって居る。

 

ゴルの損失の背景にある原因は、今やすっかりお馴染みとなった、ブラジル経済の脆弱性、法人需要の減退、そして、外国為替レートの落ち着かない状態などである。ゴルは過去数年に亘って、これらの大半と戦いを続けて居るのだが、そして同社の借入金比率を改善し、負債をリストラして居るにも関わらず、損失計上は続いている。

 

ゴルは引き続き、国内線市場への露出を減らし、路線網の多角化を押し進める一方、国内のリージョナル便に対する補助金の支払いプロジェクトについて、ブラジル国会での投票の結果を待っている。

 

Gol's 3Q2014 losses widen even as the airline continues working to improve its financial leverage

 

 LCCが日本・香港間の観光需要減退を取り戻せる=香港からの訪日客も拡大

14-Nov-2014 12:29 PM

 

香港=日本間の市場は20153月には前年比で16%拡大しているだろう。市場は、この10年間の前半には、比較的に変わり映えのしない実績を続けて来たが、一連の出来事が市場を変えようとして居る。これまでずっと、日本の旅行客は香港からの訪日客数を圧倒してきたが、円が安くなるに連れ、香港からの旅行客が、日本から香港への旅客数に追い付いて来たのだ。香港から日本への市場は、レジャー指向であり、しばしば運賃は日本発より低いものである。成長するLCC各社が香港からの需要に応え、日本の市場を若返らせる力になれるだろう。LCC20153月には、日本=香港間の19%のシェアを占めると予想される。

 

このレポートの第1回で概略お伝えした様に、LCC浸透率は、この2カ国間の最大の路線である、香港=東京で20%に達すると予想される。 今回、第2回では他の日本の市場での、LCCの存在感、成長の見通し、そして問題点を探ってみたい。香港=福岡では、供給席数の42%LCCによるもので、一方、香港=大阪では30%LCCである。これらはほんの一部の路線であり、未だに他の地域と比べるとささやかな占有率なのだが、その成長の機会は、混雑した空港の限られた発着枠で頭打ちになる可能性がある。

 

LCCs can reverse Japan-Hong Kong tourism decline, and grow Hong Kong visitors to Japan

ガルーダ・インドネシア航空、見通しが明るくなる=国際線への拡大ペースを緩めることで財政が改善

14-Nov-2014 11:13 AM

 

ガルーダ・インドネシア航空の国際線拡大ペースを緩め、国内線運賃を上げると言う決断は、惨めな収益実績だった2014年上期の後、この数ヶ月、大きな改善を齎している。このエアライングループは、2014年第3四半期には依然赤字だったが、2014年上期に比べれば損失はとても小さなものだったし、20149月には利益を上げる事が出来た。

 

ガルーダは2015年、国際線の拡大を一部、再開する予定だ。然し、拡大は比較的控えめなもので、同社は数機の受領を遅らせ、追加の広胴機オプションを取り止めるなど、妥当な機材保有計画の調整を行って居る。

 

ガルーダの2014年上期の課題から回復する能力は、折しも、10年間も頂点に君臨した、CEOエミルシャ・サタルが去るに当たり、グループを比較的強い立場に置く結果になった。サタル氏の後任者は引き続き問題に直面するだろうが、今やガルーダは、益々難しくなる、東南アジアの市場で戦って行く為には、10年前に比べて遥かに有能な集団になって居る。

 

Garuda Indonesia outlook brightens as slower international expansion leads to financial improvement 

 ターキッシュ・エアラインズ、第3四半期収益が上昇基調に=4四半期連続の下降の後で

13-Nov-2014 9:19 PM

 

ターキッシュ・エアラインズ(THY)は、2014年第3四半期の業績を以て、4四半期連続の対前年割れを乗り越えて、収益性改善への道を回復する事が出来た。RASKの伸びが再び(5四半期に亘り落ちていた後に)プラスとなっただけでなく、CASKもまた、同程度を維持して居る。

 

RASKが良好に推移して居る事は、供給の伸びを緩めた結果を反映している様だ。THYは最近、単位収入がプラスになる筈の、2014年度の成長計画を下方修正した。9ヶ月間の営業利益が対前年比で僅かに落ちるけれど、第3四半期の収益回復への伸びから、THY2014年度通年の業績で前年を上回る見通しが出て来た。

 

THYは(2014年度現在迄の特別項目前営業利益率で)欧州の伝統的3大エアライングループのどこよりも収益性が高い。同社は、2013年にエティハドが全路線網で運んだよりも多くの国際線から国際線への乗継旅客を、特に欧州の旅客を同社のアジア、中東そしてアフリカへの路線網に惹き付ける強さで、運ぶに至るハブ戦略を打ち立てたのだ。可成りの規模の国内線そして、ポイントからポイントへの国際線市場で補完されて、THYは確かに年間の利益の前年超えを達成する事が出来るだろう。

 

Turkish Airlines: 3Q underlying profit back on upward path after four falling quarters

 

 バニラエアとANA、二枚看板戦略を採る=東京-香港線で

13-Nov-2014 12:45 PM

 

香港-東京間は、近年、比較的現状維持の静かな路線だったが、20153月には供給座席ベースで、対前年27%増を記録し、アジアで15番目に大きな国際路線になると見られる、この路線でLCCが拡大を始めようとして居るのだ。

 

20153月の供給座席数は、ほぼこの10年間で最大となる模様だ。LCCの占める割合はほんの18ヶ月前にはゼロだったものから20%に上昇するだろう。香港エクスプレスは供給席数でJALよりも多くなる毎日3便を運航する予定で、一方、バニラエアは毎日2便を運航する。バニラの大胆な拡大は親会社であるANAが、自らレジャー市場を狙った、夜行便を開始するのに重ねて計画されている。これは東京の2つの空の玄関のうち、ANAが羽田を基地としてフルサービスを提供し、バニラは成田を基地とする低コストという二枚看板戦略である。

 

ANAは拡大することで、東京香港間の供給シェアを概ね守ることになり、バニラはANAの拡大を助けることになる。香港エクスプレスは市場シェアを伸ばし、一方で、LCC部門を持たないキャセイ・パシフィックとJALはシェアを落とすことになる。それでもキャセイは未だに半分近くの市場シェアを占めては居るが。

 

Vanilla Air and All Nippon Airways deploy dual-brand strategy on Tokyo-Hong Kong route

 FMIエア、ミャンマー航空市場で新しいモデルを試みる=ネピドーを基地にCRJで運航

13-Nov-2014 12:00 PM

 

ミャンマーの新規参入航空会社である、FMIエアは、2014年末までに、50席のCRJ200リージョナル・ジェットを使い、首都ネピドーから定期航空便の運航を開始する事を目指している。FMI2011年に開港した、近代的だが余り使われて居ない国際空港のあるネピドーに、ハブを構築する最初のエアラインとなる予定だ。

 

FMIは、既に8社がひしめく、酷く混雑した国内線市場に参入しようとして居る。だが、同社はターボプロップで無くジェットで、より高水準のサービスを提供し、外国社とも提携し、そしてミャンマーでは初のIOSA認証エアラインとなることによって、他社と差別化するチャンスがあると見て居る。

 

FMIは当初、これ迄2年間、ウエットリースの航空機を使って運航して来たネピドー=ヤンゴン線で始める。然し、間も無くネピドーにハブを構築し、先ずは国内数路線に展開し、行く行くは域内国際線に進出する計画である。

 

FMI Air ready to test out new model for Myanmar aviation market with CRJ base at Nay Pyi Taw

北米の航空業界、中国に接近=エアカナダー中国国際航空の合弁事業、中国人米国入国ビザの自由化で

12-Nov-2014 12:44 PM

 

エアカナダと中国国際航空は、2015年末迄に、収入を分け合う合弁事業をカナダと中国間で、開始する予定だ。これは、エアカナダにとって、アシアナから、更にはANA/ユナイテッドからの合弁の提案を断って以来、初のアジアでの合弁事業となる。同時に中国国際にとっても、初の北米での合弁事業である。供給量から見ると、中国は、エアカナダの第2の市場で、他の米国のエアラインと違って日本での位置づけより、可也大きなものだ。

 

一方、中国国際航空にとってカナダは、ほんの11番目の規模の市場で、重要性は低い。中国国際のカナダ便は、北京=モントリオール線を検討中と報じられて居るものの、現在は1便か2便の(季節により異なる)北京=バンクーバー線のみである。

 

この合弁事業は、エアカナダが嘗て、トロントとバンクーバー行きの追加を計画したものの、悪いスケジュールしか取れず、取り消さざるを得なかった、北京での発着枠を獲得するのに役立つ筈だ。

一方で、米国と中国は、拡大ビザプログラムを発表して居り、既に、急速に伸びて居る、米国-中国間市場に拍車をかけることになるだろう。

 

North American aviation grows closer to China: Air Canada-Air China JV, US liberalises China visas 

 シンガポール近距離LCC市場、厳しい状況が続く=ジェットスター・アジアとタイガーエアの調整にも関わらず

12-Nov-2014 11:00 AM

 

シンガポールのLCCの世界に供給過剰の影響が続いて、実収単価を押し下げ、持続不可能な損失を出すに至って居る。然し、市場では、供給調整と、企業提携の深化に連れて、2015年には、事態改善の動きが見られそうだ。

 

シンガポールの2つの近距離LCCであるジェットスター・アジアとタイガーエアは市場が供給の大波を吸収出来ず2013年早くから、ずっと赤字が続いて居る。然し、タイガーエアは、この数ヶ月、供給を減らし始めて居り、ジェットスターは機材を増やさずに、供給は僅かに増やして居る。一方で、両LCCとも、乗継旅客と企業提携を増やして居る。シンガポール地場市場の比較的に限られた需要への依存を減らすことにより、ジェットスター・アジアもタイガーエア・シンガポールも、行く行くは、持続可能な水準まで、実収単価を上げる事が出来る筈だ。

 

Singapore short-haul LCC market remains challenging despite adjustments at Jetstar Asia and Tigerair

ウエストジェット航空、供給過多の圧力に直面=記録的な好業績が続く中で

10-Nov-2014 4:44 PM

 

カナダのウエストジェットは、2015年、ライバルのエアカナダがLCC部門であるルージュの拡大と機材の大型化により、攻撃的な供給拡大を仕掛けようとする動きに、圧力を受けることに備えようとしている。

一方で、ウエストジェットは、2015年には地域航空子会社アンコールの運航によって、区間距離が、より短くなることが明瞭であるため、企業業績にコストの圧力がかかることにも直面している。

 

アンコールがウエストジェットにとってコストの逆風を創り出すとしても、この地域航空子会社が、狭胴機には小さすぎる市場で、引き続き、需要を刺激する役目を果たしてくれると信じている。

 

この様に内憂外患に見舞われているにも関わらず、ウエストジェットの事業基盤は引き続き堅固である。同社は強力なキャッシュバランスを持ち、債務比率も良好で、株主への還元も続けて居る。

 

WestJet Airlines faces capacity pressure as it still continues to record solid financial results 

北アジアのLCC、自由化とパイロット不足に悩む=企業提携には楽観的

10-Nov-2014 1:24 PM

                            

2014年は北アジアにとって転機の年と成った。この年9月のタイガーエア・台湾の開業により、北アジアの全ての主要な市場にLCCが出来て、東南アジアに追い付いたのだ。LCCについては東南アジアの方が、ずっとが豊作だったと言うだけで無く、北アジアでは、LCCの活動自体が受け入れられたのが、ほんのつい最近のことなのだ。CAPAが先日、開催した、航空サミット&LCC会議では、北アジアのLCCの現在のポジションは何処にあるか、彼らの直面する問題は、そして彼らの描く見通しについてのテーマを追求した。

 

ジェジュエア、タイガーエア・台湾、そしてバニラエアの幹部たちが登壇したパネルディスカッションでは、ある市場で起こっているパイロット不足、そして特に中国では、外国人パイロットの人件費が高い事などコストの課題について討議が行われた。

 

自由化もまた、活動を制限する要素で、北アジアのLCCの拡大の足を引っ張ってきた原因となり、北アジアでのLCC浸透率は東南アジアのそれに比べ遥かに低いのである。

東南アジアのLCCに比べ、オーガニック・リーチでは遅れをとっているものの、北アジアのLCCたちは、企業提携を形成する能力については楽観的である。

 

North Asian LCCs challenged by liberalisation and pilot shortage but optimistic on partnerships

  

 河北航空、厦門航空に身売り=中国の新規エアラインが直面する問題を浮き彫りに

9-Nov-2014 8:59 AM

 

1ダース余りの狭胴機を使った国内線専門の河北航空の厦門航空への売却については、一見すれば、特段の意味は見当たらない。然し、この事実は現在の中国航空業界の流れには逆行することだ:即ち、新規航空会社の拡散である。熱心で才気煥発な地方政府は、航空路線が経済に与える影響、そして権威の重要性を認識して居るため、突風の如くエアラインの開業が続いている。

 

しかし、新規エアラインは参入に際して大きな問題に直面している。彼らの小さいことは、規模への飢餓感になって居るし、管理能力のある人材が不足している現状は、新規参入社により、更に悪化している。河北航空は地元の省政府により支援されて来たが、その政府が、自前のエアラインを持つより、LCC春秋航空の地元基地を支援する方が遥かに大きな見返りを得られる事を知って以来、支援が先細りになって居る。

 

河北航空は今、大規模で、評価の高いエアラインである厦門航空の傘下に入ろうとして居る。これは、大規模なエアラインとより緊密な関係を持った方が有利である事を感じている事から、その他の新規エアラインが同じ運命をたどる前兆なのかも知れない。

 

Hebei Airlines' sale to Xiamen Airlines illustrates the challenges faced by China’s startup airlines

エアカナダの実収単価下降は続く可能性あり=2015年、供給過剰の影響に備える中で

8-Nov-2014 9:16 PM

 

エアカナダは、新しい低コスト子会社のルージュが、期待を越える業績を上げた事から、計画中の低コスト席の供給増が、中期ベースでエアカナダのコスト低減目標達成に寄与する事に自信を持ち、2015年には、他のどの北米グローバルエアラインよりも高い水準まで供給を伸ばそうと計画して居る。

                               

同社は、未だ2015年の単位収入や実収単価目標値を明らかにして居ないが、ここ数年間、同社の焦点はレジャー市場への供給増だった事から、2014年を通して経験した実収単価の下落傾向は2015年にも引継がれる可能性が高い。

 

エアカナダは、2015年に供給増を準備して居る一方で、2014年第3四半期には実収単価も単位収入も下がって居るにも関わらず、堅固な実績を記録して居り、2014年の業績を確実に伸ばし続けて居る。

 

Air Canada’s declining yields could continue as it prepares for a capacity push in CY2015

  

シンガポール航空、上期黒字を計上=困難な市場環境やタイガーエアの損失にも関わらず

 

8-Nov-2014 7:00 PM

シンガポール航空(SIA)と、地域航空子会社のシルクエアは、東南アジア市場の極めて困難な市場環境にも関わらず、20149月末迄の四半期、そして上半期ともに引き続き黒字を計上した。然し、グループの純利益は、主としてLCC子会社(affiliate)のタイガーエアの大きな損失のため、下降基調にある。

 

SIAは目下、それが認可されれば、タイガーエアをSIAの子会社(subsidiary)にする様に、株式持ち分を増やす手続きを進めて居る。SIAはタイガーエアを完全に引き継ぐ事を考えては居らず、特に長距離LCC子会社であるスクートとのシナジー効果を狙い、一方でタイガーエアの黒字回復への企業努力を助けようという考えだ。

 

SIAの長期的な見通しは比較的明るいものだが、LCC部門への投資やインドでの新たなフルサービスエアラインの合弁事業など、戦略上のいくつかの要素が短期中期的には収益にマイナスの影響を及ぼす可能性があるだろう。SIAグループがこれまでのところ、全体として黒字を維持出来た事は注目すべき成果である。

 

Singapore Airlines reports fiscal 1H profit despite challenging market conditions & Tigerair losses 

 JAL2014年度上期業績:消費増税で国内需要低迷=然し、燃油価格の下落が見通しを引き上げる

7-Nov-2014 12:15 PM

 

JALANAが、2014年度上期(20149月末までの6ヶ月)の業績で、ぴったりと附合している。ANAに比べ少ない羽田発着枠しか与えられなかったJALは国際線でより安定した業績を上げたが、同時に国際線の成長はより小さく留まった。両社とも、国内線の供給を削って(JALの方がANAより大きく)居り、収入単価の下落を経験したが、搭乗率は上昇した。然し、両社とも消費増税が国内需要に影響を与えた事を認めている。

 

JALは、燃油価格の下落から業績の向上を予想し、通年の業績見通しを引き上げ、一方ANAは見通しを変更して居ない。JALは現在、羨むべき営業利益率11.8%を予測して居る。残りの年度内には、JALは小さな地域航空である北海道エアシステムを傘下に収め、関西=ロサンゼルス線の復便を予定している。

 

JALはラテンアメリカ線への自社機での運航再開を未だ検討中だが、その前段階として、新しいワンワールドの盟友であるTAMとのコードシェアを開始する予定である。これは現在のアメリカン航空及びLANとのラテンアメリカ線コードシェアに追加するものだ。

 

Japan Airlines 1H2014: sluggish domestic demand from tax rise, but lower fuel price boosts outlook

 フィリピン-中東間の市場=PALはエティハドに求愛、セブパシフィックは拡大し、エミレーツは更なる運輸権を求める

7-Nov-2014 12:06 PM

 

フィリピン=中東間の市場での競争は、セブパシフィックが拡大し、フィリピン航空(PAL)がエティハドとの提携強化に動くなど、相変わらず激化を続けて居る。しかし、エミレーツは、もしフィリピンの競合他社たちが熱心に阻止しようとしている運輸権の獲得に成功しない限り、市場占有率を下げる事になるだろう。

 

セブパシフィックは最近、中東の3地点に便を開始したが、これで中東地区の就航地は併せて4地点となる。PALも中東の4地点に就航しているが、その全てが2013年下期に開設したものであり、また、2014121日には、アブダビ線のデイリー化への格上げを計画して居る。

 

PALは理論的にはエティハドを使って、欧州及び北米のオフライン地点にアクセスを持つ事が出来る、エティハドとの拡大コードシェア協定により、アブダビへの供給をもっと増やす事が出来るはずである。然し、エティハドのライバル、エミレーツは、最近、PALとのコードシェア協定が終結した結果、供給の削減を余儀なくされる可能性がある。

 

Philippines-Middle East market: PAL woos Etihad, Cebu Pacific expands & Emirates seeks more right

 スピリット航空、野心的な20%超の成長目標を計画=2015年の供給と利益率双方で

 

7-Nov-2014 12:00 PM

 

LCCのスピリット航空経営陣は、米国国内市場の供給がじわじわと拡大する状況にあるにも拘わらず、2015年引き続き、野心的な30%近い供給拡大計画を推し進めて居る。

 

スピリットの強気の裏にあるのは、2015年第1四半期に燃油費を除く単位コストを4%低減させた実績があり、同社は2015年通年で、この程度の削減が可能と考えているからだ。同社は、供給拡大が収入単価に圧力を掛けるとしても、コスト削減の動きは、同社にとっては肝腎の利益の押し上げを助ける事になるとの結論に至ったのだ。

 

攻撃的な供給拡大と並行して、現在、スピリットは2015年の営業利益率で概ね20%を記録すると予想していて、これは最終的には控えめな目標だったと判明する可能性もある。

 

Spirit Airlines outlines ambitious 20%+ growth targets for both capacity and margin for CY2015

 

 ANA2014年度上期決算収益向上=第6の自由輸送が東京のハブを圧迫するにも関わらず

6-Nov-2014 11:31 AM

 

ANA2014年度上期(2014930日迄の半年)の決算について、想定通り、収益が伸びたと報告した。ANAの発表は国内、国際路線網に関する二つの異なった戦略からなって居る。ANAの核をなす国内線では、収入単価と引き換えに搭乗率が上昇、これは、当初心配して居なかった、消費増税に伴う消費需要の鈍化を、刺激して取り戻そうと言うANAの戦略だ。

 

国際線市場では、年度当初の大幅な供給拡大が未だ吸収される段階にあり、収入単価は伸びたが、搭乗率は下がって居る。この供給の拡大は主にANAが他の海外市場に比べ、遅れを取って居る欧州路線に集中させて居る。

 

国際線が、特に長距離路線が増えたことから、ANAは典型的に単価の低い第6の自由輸送権の旅客獲得を推進して居る。この客体は、小規模ではあるが、東京発着の需要より急速に伸びて居る。長距離路線で、プレミアム席の比率が高いお陰で、ANAは、2010年には10%だった国際線ビジネスクラス旅客の割合が12%への上昇を記録して居る。

 

All Nippon Airways 1H2014: profits up despite greater sixth freedom traffic push in Tokyo hub

 米国エアライン、湾岸エアラインに理論的と言うより言いがかり的攻撃=しかし、政治問題化には充分

5-Nov-2014 6:26 PM

 

米国のエアライン各社は、エミレーツ、エティハド、カタールの各社に対し、前代未聞とも言える米国がアラブ首長国連邦とカタールと結んだオープンスカイ協定を破棄すべしと主張する、言いがかり的な攻撃をエスカレートさせて居る。繰り返される発言は更に大きくなり、多くの部分で欧州エアラインの反発に共鳴したものだ、米国エアラインは然し、その目指すところには同意できない様だが。

 

湾岸エアラインは補助金を受けているという主張については、どうも混乱している。ユナイテッドのCEOジェフ・スミセックは、かつて湾岸エアラインは補助金を受け取っていないと述べ、その後、彼らは「たっぷり補助金をもらっている」と発言している。アメリカンのCEOダグ・パーカーは彼らは「多分」補助金を受けていると言って居る。デルタのCEOリチャード・アンダーソンは、スカイチームの盟友に多くの国営エアラインが居る(サウディア、中国東方など)にも関わらず、国営エアラインの存在を嘆いている。

 

アンダーソン氏は、「米国エアラインが国際市場で政府の横やりに捉われることなく、自由に競争する事が出来る」政策を支持すると言って居る。だが、彼の提携相手であるアリタリアは20148月に、政府が株主を動かして、皮肉にもエティハドが少数株主の権利を取得する見返りの一部として、資本注入あるいは12億ユーロに上る現有負債のリストラをしてもらい、救われて居るのだ。

 

US airline attacks on Gulf carriers: more rhetoric than consistency - but it makes for good politics

 フィリピン航空、保有機材の拡大を遅らせる模様=A330のサブリースとA321の発注予約を削って

5-Nov-2014 2:15 PM

 

フィリピン航空の新経営陣とオーナーのチームは、同社が拡大のペースを緩め、より合理的な競争者となるという内容の新事業計画を策定している。ルシオ・タン・グループと前社長のハイメ・バウティスタが責任者として戻り、2年半のサンミゲルとラモン・アン社長の統治の時代が終わる。

 

PALの最大の短期的問題は、サンミゲルが運営を開始した後にエアバスに対して行った、余りにも野心的な機材発注の結果としての過剰な保有機材である。PALは新たに納入されたA330の数機が余剰であり稼働が上がらない上に、また、2015年内に10機のA321を取得すると予約したことから、間もなく狭胴機の余剰にも直面する可能性がある。

 

もし、PALが余ったA330の行き先を見つける事が出来なければ、そして将来のA320の納品を遅らせたり、サブリースすることが出来なければ、同社は国内市場、海外市場で攻撃的な供給拡大を余儀なくされるかも知れない。その様な拡大が起これば、PALにとって利益を上げることは難しくなる、と同時に競合他社、取り分けセブパシフィックに大きなインパクトを与える事になるだろう。

 

Philippine Airlines looks to slow fleet expansion by subleasing A330s and reducing A321 commitments

 

 バンコク航空、株式デビューは厳しい市場環境を反映=然し、長期見通しは明るい

4-Nov-2014 1:30 PM

 

バンコク航空は、厳しい市場環境にも関わらず株式上場を果たしたが、2014113日の取引初日には株価が12%下落した。

 

バンコク航空は、52万株を一株25バーツ(77米セント)で売り、130億バーツを調達したが、初日の株価は即座に下落し、22バーツ(68セント)で取引を終えた。

このパッとしない、デビューの原因は、バンコク航空の長期展望を、というより、東南アジアのエアラインが直面している厳しい状況を反映したものだ。

 

公式に株式が取引されて居る東南アジアのエアライン11社の内、8社は、過去一年の内に株価の下落を経験している。また、2010年以降に株式を公開した6社の内5社は、公開時より低い株価で取引されて居る。

 

東南アジア全体の供給過剰状態が、そしてタイの政情不安が、この地域の全てのエアラインを極めて困難な状況に追い込んで居る。しかし、バンコク航空は2014年度上半期、黒字だった数少ない東南アジアのエアラインの一つで、外国エアラインとの提携に大きく依存した、独特な、お洒落なフルサービス地域航空、と言うビジネスモデルで、強力でニッチな業態が功を奏して居る。

 

Bangkok Airways stock debut reflects tough market conditions but long-term outlook remains bright

 

 フライドバイの保有機材、200機に達する模様=更なる自由化、多様な乗り継ぎ、企業提携で

3-Nov-2014 2:59 PM

 

ドバイを基地とする、フライドバイは、中東地区で最大のLCCと成った。その保有機材は、ほぼ40機の737が、61機に増え、次いで、少し拡大して、75機の737MAX8への機材更新の段階に入る。然し、フライドバイは、長期計画で保有機材をエティハド航空より多い200機に増やす可能性を考えて居る。

これは、フライドバイの現状より4倍も多い数字だが、達成困難な数字では無い。

 

然し、この計画の実現には、ひと仕事が必要である。フライドバイが、2013年に運んだ乗り継ぎ旅客は、全体の25%で、これはエティハドの、乗り継ぎ旅客がほぼ80%、地元の旅客が20%とはほぼ正反対の数字である。フライドバイは、自社内の乗り継ぎ旅客の拡大促進を図ることは出来るが、更に加えて、他社とのインターライニングやコードシェアを考える必要があるだろう。また、同社は近い将来、ドバイワールドセントラル空港に移るのでは無く、この都市の中心であるドバイ国際空港に残留できる様、引き続き政府にロビー活動をする必要があるだろう。

 

エミレーツとのより密接な関係は当然重要だろうが、保有機数 200機への途の最大の原動力となるのは、何時も嫌疑をかけられるインドだけでなく、パキスタンそしてイランなどアクセスが制限される地域の、航空政治学的環境の自由化だろう。

 

flydubai's fleet could reach 200 aircraft with more liberalisation, connections and partnerships

  台湾のエバー航空、シカゴ、ヒューストン線に旅客便を開設=拡大する北米路線網に追加して

 

3-Nov-2014 11:01 AM

 

エバー航空は、もう一年以上もの間、アトランタ、ダラスと併せて検討を重ねて来た、台北ハブからシカゴ、ヒューストンへの便を導入して、前進しようとして居る。

 

注目すべきなのは、エバーがどちらかと言えば静かである都市にも関わらず、スターアライアンスの盟友ユナイテッド航空のハブであるヒューストンを選び、デルタの要塞であるアトランタや、アメリカンのハブであり、アジア路線の便が増えているダラスを選ばなかった事だ。

 

この路線追加で今や、エバーのASKの約半分を占める北米線での同社の拡大が続く。エバーは北米での存在感を777-300ERで拡大しているが、その777の保有機数はゼロだった2004年から201410月には18機となり、今後更に大きな拡大計画があることを示す様に、2017年には32機となると予想される。777は現在エバーの全保有旅客機の約1/3になっている。

 

エバーはその北米と大アジア圏を結ぶハブとしての位置付けから恩恵を受けているが、同時に2013年に台湾人の来訪者数が33%も増える一因となった、201210月、米国が台湾をビザ免除プログラムに追加した事にも助けられている。今年2014年の台湾人訪問者数は7月までで7%増となって居る。

 

Taiwan’s EVA Air to add Chicago and Houston passenger service to growing North American network

 

 べトジェット航空とジェットスター・パシフィック、2015年に更なる国際線拡大を計画

 

3-Nov-2014 9:24 AM

 

べトジェット航空とジェットスター・パシフィックと言うベトナムのLCCである2社は、ともに急速に保有機材を増やしており、2015年に更なる国際線の拡大を計画して居る。べトジェットはインドネシア、マレーシア、日本そしてロシアを検討している一方、ジェットスター・パシフィックは北アジアに焦点を絞っている。

 

べトジェットは201112月の創立以来、急速に成長し、現在ではジェットスター・パシフィックの約2倍の規模になって居る。べトジェットは201411月に、2014年早くに発注した、少なくとも63機のA320ファミリー機材の初号機を受領すること、そして最初の海外合弁事業であるタイ・べトジェットエアを創立すると言う、二つの重要な一里塚に到達する準備が整っている。

 

一方、ジェットスター・パシフィックは、2014年第4四半期に3機のA320を、2015年中に少なくとももう2機を追加し、拡大のペースを加速して居る。ジェットスター・パシフィックも、20141027日、最初の国際路線であるホーチミン=シンガポール線を開設して、重要な一里塚に到達して居る。

 

VietJet Air and Jetstar Pacific plan more international expansion in 2015